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「牛乳石鹸 WEBムービー『与えるもの』篇」というのがあって、見たがひどい内容だった。
だから今一部で批判が出ているが、
それに対して反批判も多い。「別にいいじゃないか、いいCMだ」として、このCMに文句を言ううるさい女たちがおかしい、何でも男女平等とかいうおかしな状況になっている、といった反フェミの感覚が噴出している。
牛乳石鹸共進社は、このCMも、以下に示す2013年のパワハラ容認的ポスターも反省していないようだ。
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私なりに今回のCMの内容にコメントしていく。
ゴミ出ししたり、妻に言われた買い物を素直にすることに何となく違和感を感じたように、父親がつぶやく。
「あの頃の親父とは、かけ離れた自分がいる。家族思いの優しいパパ、時代なのかもしれない。でも、それって正しいのか」
ここで「正しいのか」とかなり批判的な意見を述べている。ゴミ出しとか何ら問題でないのに、事実上、男がいいなりになっているのは正しくないという主張になっている。
子供の誕生日なのでケーキとプレゼントをもってまっすぐに帰宅しないといけないのに、
上司に怒られた部下を慰める飲み会をしてしまう。妻に連絡も入れていない。そして夜遅く、少し酔って帰る。
「なんで飲んできたの」と妻に言われて、無表情的、つまり、怒りを押し殺した感じとあきらめの感じで相手にしないというニュアンスを出して黙って「風呂にはいってくる」という。妻は「まだ話おわってない・・・」と言っているのに無視。
ここが非常にウザい対応でひどい。 自分勝手。DV的といえる。
男は風呂に入りながら、子供のころを思い出し、自分は親父の背中を洗ったシーンなど思い出して、
「親父が与えられたもの、おれは与えられてるのかなあ」と思う。つまり俺は尊敬されてない、子供や妻に感謝されてないという思いをもっている。
この一連のシーンが大問題なのに、わかっていない人が多い。
チャンと妻や子供に「説明」しないで 我慢して 表面的で何も内容はないままーーーなぜ帰宅が遅れたかの話も、何が悪かったかもなくーーー風呂上りに一言「さっきはごめんね」というだけで、その表情はさえないままで、「さ、洗い流そう」というようになっていることが問題。
ケーキを食べればいいという話ではない。子供の寝る時間もあるし、風呂に入らないでもすぐに誕生日パーティーをするとか、「遅くなってごめんなー」とか言って、笑顔でがんばるべきところを、むすっとして風呂に入って、ようやくあとで、ハッピーバースデー。
なんて自分勝手な男だろう。
自分の気持ちばかり見て、相手のことを考えられない。自分は被害者意識いっぱい。でもそれを押し殺して、表面的におとなしくしている。その感じが家族に伝わる。妻はもやもやした感情抱えたまま。でも夫はそれを無視して何事もなかったかのように、「ちゃんと俺、やってるだろ」という態度をとる。我慢が見え見え。
ちゃんと話をせず、怒りの感じにおわせて風呂に行くのは非常に相手(妻)に攻撃的な態度であり、DV的と言える。
ここが分かるかどうかが、DVやパワハラ、人権というものにセンシティブかどうかの分かれ目。
ゴミ出しやらされる、言われたもの(子供の誕生日なので「帰りにケーキお願い」、メールで「プレゼントもお願い」と言われた)を買いに行かされる ・・おやじはこんなことしなかった。
やるせない、情けない、おかしい、でも表立ってはっきり言うとダメだから黙ろう、洗い流そうという感じをびんびん出した作品。
これが問題でないという感性こそ、問題だ。
問題の本質に向き合わずに、ただ「忘れる、洗い流す」という対処方法。だめだねえ。不満はあるが我慢というだけ。
で、しかもこのCM作っているということは、明確にフェミ的なことに反撃している。
CMには、今の状況認識がよく出ている。実は男女平等とか世間では言っているけどわかってないぜと批判している。男が仕事で頑張っていることわからないのかと批判している。部下のケアに付き合うとか大事なこともあるからそうそう帰れないんだよ、酒飲みのも仕事のうちなんだよ、遊びじゃないんだよ、そんなこともわからないのか、という思いがいっぱいのCM.。男/父親の状況ちゃんとわからずに、ゴミ出しや買い物言いつけさせられている、この現況、なんかおかしいぜ、お父さん頑張てってるよな、わかっているよー、と慰めあうCM。
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そんなCM製作者、およびこのCMにGOサインを出した牛乳石鹸共進社とおなじ感性の武田邦彦氏が以下のようにこのCM騒動に意見表明している。
問題がわかっていない典型例。暴論レベルの時代錯誤とジェンダー論の基礎素養のなさを露呈した意見。
武田の意見こそが、このCMのだめさを逆に証明してくれている。
なお、牛乳石鹸共進社は2013年にすでに 「さ、洗い流そ」という同じキャッチコピーで、
「今日も若手社員を泣かせてしまって。自責の念でいっぱいです」というポスターをつくっていた。
ぱわはらした上司が、内心では少し反省しているが実は何も行動も責任もとらず、ま、忘れましょ、気持ち切り替えましょ、という意味で、 「さ、洗い流そ」といっている。
この会社は、人権に鈍感ということで一貫性があるということ。
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