ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

弁当記録のおぞましさ―――「ウチの夫は仕事ができない」の妻をいいと思う人、思わない人

弁当記録のおぞましさ―――「ウチの夫は仕事ができない」の妻をいいと思う人、思わない人

「ウチの夫は仕事ができない」の妻が専業主婦で自立していなくて自己主張をちゃんとしなくて、へらへらしていて、でも夫に尽くして優しくて尽くしてかわいい女性として描かれ、脚本家はそれを良しとして書いている。

この妻の愛情行動には普遍的な「人へのやさしさ」もあるが、弁当作りばかりしていて、言いたいこともはっきり言わず、自分というものがないから夫に尽くすことしか生きがいがない。古臭い女ジェンダーの悲劇だが、そうは見ない人も多いだろう。

ある意味古い男の理想の妻だ。 けなげで、守ってやりたい。

しかし少しセンシティブなヒトなら「守りたい」と男が言うだけでひっかかる。だがこの脚本家は、平気で使う。フェミ/ジェンダー論の基礎的素養もない人がむしろ増えていると感じる。

それで、今どきの学生さんの中にはこれに無批判的なヒトも多いと予想できる。

この妻をいいと思う人、思わない人がいる。 弁当作りに力を注ぐということの危険性とおぞましい気配に気づかない人が多い、この「古い意味での“少女漫画”」のような「女の子の理想の愛」のようなことに無批判的な若者がいる中での、一から伝えていくという作業。

シングル単位、課題の分離、自立ということをいろいろ詰めていって、ようやく、入り口の説明が届くことがある。 こまったもんだと思う。 でもそれが現在だ。

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弁当の写真を撮ってメモも書いて記録をつけていくという作業。ブログ/インスタに書いていくということにつながる、この記録による自己確認。押しつけがましさ。承認欲求みたしたいというゆがんだ自己確認。

説明しなくてもわかってくれる人はいるが少ない。 悪い人ではないがウザい。わかるかなあ。

愛情の強さ

「そして、その不安の強さを、愛情の強さだと勘違いしていたのだと、今振り返って思う。」

と自己分析した人がいて、なかなかすごいなと思った。

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いいレポートがかなりたくさんあった。 また掲載許可の出たものを集めて、学生本として紹介していきます。

異常なほどの動物虐待 ――こんなひどい人を野放しにするのは確かにおかしい

以下のように、猫にひどい虐待をした人に実刑を求める滑動をしている人がいます。 アニマルライツを考えたら当然の動きだと思います。

あまりに動物の苦しみを軽く見ています。 はやく世界の意識がすすめばいいなと思います。 まずは自分からですが。

ねこ虐待問題 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170906-00006622-bengocom-soci バーナーで猫を殺した税理士に「実刑」求める女性、東京地検に「3万7千筆」署名提出

9/6(水) 14:57配信

署名活動をおこなった綿引さん 猫をガスバーナーであぶるなどして殺したとして、税理士の大矢誠容疑者が動物愛護法違反の疑いで逮捕された事件をめぐって、大矢容疑者に実刑を求める署名をインターネット上で集めた女性が9月6日、東京地方検察庁に署名3万7396筆を提出した。

署名を提出したのは、カフェ従業員の綿引静香さん(44)。事件報道やネット上の声を受けて、「こんな残酷なことをする人物を野放しにしてはいけない」と考え、インターネット署名サイト「Change.org」で、8月30日から「懲役刑」を求める署名キャンペーンをはじめた。現在もキャンペーンは継続中で、9月14日にも郵送で提出する予定だ。

大矢容疑者は、猫をわなで捕獲して、熱湯を浴びせたり、ガスバーナーであぶるなどして虐待する様子を撮影し、インターネットのファイル共有サイトに投稿していた。さらに、掲示板「2ちゃんねる」に掲載をほのめかす書き込みをしていたとされる。報道によると、取り調べに「有害動物の駆除だ」として、容疑を一部否認しているという。

綿引さんによると、動物愛護法違反の事件では、不起訴や略式起訴となったり、執行猶予がついて、容疑者がすぐに社会復帰するケースが少なくないという。また2ちゃんねるには、動物虐待愛好家があつまるスレッドがあり、「(略式起訴で)罰金を払えば出てこれる」と反省していない人も多いことから、綿貫さんは「(今回の署名提出は)そういう人たちに対する抑止力にしたい」と話している。 弁護士ドットコムニュース編集部

宇野常寛さん、右翼の圧力で降板

アパホテルが歴史をゆがめる轢死修正主義であることは事実です。 それをちゃんと言った宇野さんはまともです。こういうことで降板させるのがおかしいですが、それが「マスメディアは主流秩序の一端を担っている」ということです。 宇野さんはこれを公表してまともと思います。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170905-00000054-dal-ent 「スッキリ」の評論家「クビ」騒動 日テレ「ご本人の受け止め方ギャップが分からない」 9/5(火) 13:10配信

 日本テレビが5日、東京・港区内の同局で10月期の改編説明会を行った。平日朝の情報番組「スッキリ!!」の木曜日にコメンテーターとして出演している評論家の宇野常寛氏が、番組側から降板を通告されたとツイートしていることについて、同局側はコメンテーターに変更がある場合は、番組内で発表すると説明した。

 編成局担当局次長兼編成センター編成部長の岡部智洋氏は「番組としては公式に発表していないので。ご本人がツイッターでつぶやかれた。今後も出演の予定はございますので、(出演者の変更などがあれば)番組でご紹介していくのかなと思っております」と語るにとどめた。

 宇野氏は8月31日に自身のツイッターで「クビになりました」という表現で「スッキリ!!」からの降板を報告。「実は今年の春、アパホテル歴史修正主義を批判した際に日本テレビ街宣車が押し寄せ、ビビった番組の責任者から発言内容の修正を迫られ、本番中に怒鳴られるまでの事態に発展していました」と説明していた。

 宇野氏が降板理由も含めて、ツイッターやYouTubeでの配信番組で説明していることについて、岡部氏は「ご本人のご発言と、受け止め方と、どういう形のギャップがあるか分からないんですが、『スッキリ!!』にまだ出演されますから、その辺りも含めてご覧いただければと思います」とした。 最終更新:9/5(火) 17:11 デイリースポーツ


https://www.daily.co.jp/gossip/2017/07/20/0010387441.shtml 宇野常寛氏、上西議員騒動は「レッズファンが悪い」 1枚拡大  評論家の宇野常寛氏が20日、日本テレビ系「スッキリ!」で、ツイッター投稿が浦和サポーターの逆鱗に触れ、議員事務所に殺害予告とも取れるFAXなどが届いた上西小百合議員の騒動について、「これはレッズファンが悪いと思う」と言い切った。

 番組では、19日に上西議員が行った会見を報道。上西議員は15日の浦和対ドルトムント戦で「浦和酷い負けかた。親善試合は遊びなのかな」とつぶやきレッズファンから猛反発。更に「他人に自分の人生乗っけてんじゃねえよ」などとつぶやき大炎上した。そのツイートを受け、上西議員の事務所には殺害予告とも取れるFAXなどが届いたことから、上西議員側が警察署に相談したことなどを取り上げた。

 このニュースを見た宇野氏は「これね、ぼくはレッズファンの方が悪いと思う」とコメント。「なぜかというと、どんな意見言っても、殺すぞとかさらうぞとか言ったらアウト」「お前の意見間違ってる、お前の意見、俺は違うぞというのはいくら言ってもいい。でも意見いうなっていうのはNG。それを分かってないパーが多すぎますね」と、上西議員も真っ青?な過激な言葉で、脅迫している一部ファンを非難した。

 宇野氏自身も、ツイッターがたびたび炎上していると打ち明け「(MCの)加藤さんが次の話題行きたがってるのに、なんでお前突っ込んでんだよとか、空気読んで発言すんのやめろよとか言ってくるアホなツイッターらがいっぱいいるんで」と過激発言は止まらない。

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 さすがに加藤浩次が「それ以上言うと上西議員と一緒になっちゃう」と苦笑いで制したが、宇野氏は「どんと来いです」と笑顔。加藤は「でもそういうことかな、殺すぞとかはっていう言葉は(ダメ)」と言うと、宇野氏は「お前の意見は間違っているはセーフ。お前意見言うなはアウト。それが絶対のルールです」と改めて訴えていた。

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「別れの教育」が必要―――DVしていた高1男子が元交際相手の女子とその恋人を刺して殺人と殺人未遂

またデートDVカップルが別れ話でもめて殺人事件にまで至る事件が起こった。

2017年9月、埼玉県草加市で、高校1年の男子生徒(15)が、元交際相手の女子高校生(16)とその恋人男性・ 西山康介さん(16)を刺したため、殺人と殺人未遂の疑いで逮捕された。女子生徒は重傷。 加害男性と元交際相手の少女は同じ県立高校に、殺された西山さんは別の県立高にそれぞれ通っていた。女子生徒は、夏休み前、少年から暴力を受けたとして交際について友人に相談しており、「次やられたら別れる」と話していた。

友人によると、加害少年は、「おとなしいけど授業ではよく発言していた。(暴力的なところは)見たことがない」というタイプだった。 加害少年は 西山さんに対しては「(俺の)彼女を取ろうとしたから殺そうと思った」、元彼女に対しては「裏切ったので殺そうと思った」と供述している。 ****

私は拙著 『続 デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』で過去の事件をかなり集めて紹介しているが本当に毎月毎月DVやストーカー事件が起こっている。

最近だけでも ◆2017年4月、茨城県自衛隊員がDVの上で交際相手に裸の写真を強要 ◆2017年4月東大阪市、夫が夫婦喧嘩で妻を殴って殺す

◆泰葉さん、ブログで告白、小朝から「20年にわたり虐待被害 ◆2017年4月伊丹市、離婚した元夫が面会交流で子どもを殺して自殺 ◆2017年5月台東区、高校3が交際相手を殺害し放火

◆2017年5月、京都府議が妻(31)に暴行を加え書類送検 ◆ 2017年5月東京・浅草、男が元交際相手の母親を人質にとり立てこもり傷害 ◆2017年6月堺市、42歳女性が浮気されて怒って交際相手の男性に火をつける

◆2017年6月八王子市、夫が起こされたことで怒って妻をハンマーで殴って殺害 ◆2017年7月西宮市、関学の女子学生が、元恋人の男子大学生に復縁を迫って金づちで殴り逮捕

◆2017年7月、港区、キャバクラ経営者が交際を迫っていたホステスに暴行致死

◆2017年7月大阪市、25歳男が交際相手の長女に暴行し、傷害の疑いで逮捕 ◆2017年7月、松居一代さんと船越英一郎さん夫婦のDV的な関係が明らかになる

◆2017年8月大阪市、54歳男が元妻(35)に切りつけて逮捕される ◆2017年8月千代田区、33歳女性が同居している不倫相手の男性を包丁で刺し殺害 ◆2017年8月泉佐野市、夫が妻を木刀で殴り殺す

◆2017年8月、ネットで知り合った男性がなりすましだったが、女子高生が知らずに会って被害にあう ◆2018年8月、東京・大田区で、男性が、元交際相手の26歳の女性会社員を殺害の上で死体遺棄。そして自殺

◆2017年8月、名古屋大学院教授、長女への傷害容疑で逮捕 ◆2017年8月、八王子市の少年が別れ話で交際相手の女子高生を刺し逮捕

◆2017年8月明石市、男性看護師が元交際相手の男子大学生をストーカーしたため逮捕 ◆2017年9月、東大阪市、DV夫が包丁を手にして妻を追い回し、逮捕の際に自殺

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すべきことは多くあるが、まずは高校生、大学生に何度もデートDV防止教育を行い、そのなかで「別れの教育」を行う必要がある。「別れの教育」とは別れについての考えをシングル単位のものかえて、DVやストーカー加害者にならないようにする教育のことである。その内容については『デートDV/ストーカー対策のネクストステージ』を参照。

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民進党、社民党、共産党

私の家の前には民進党社民党のポスターが貼ってある。

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社民党のポスターにはいいことが書いてある。 なぜこんなまともな主張の政党が大きくならないのかと思う。

その代わりに、不祥事議員続出の自民党を支持したり、内容のない、維新とか都民ファーストとか、みんなの党とかに期待する。 政党のまともな主張などちゃんと見ていない人が多数。

まあ、べつに民進党共産党社民党が全部正しいとか、やり方が最高でミスはないといっているわけではない。批判できるところ、反省すべき点はある。 でもじゃあ、代わりにこうやったらうまく多数派になれるかというとむつかしいと思う。

今の日本の主流秩序の状況で、形勢を逆転するのはとてもむつかしいと思うので上から目線では批判できない。

何とか『反安倍』『反自民・公明政権』ということで、連携して頑張ってほしいと思う。

実力ある辻元氏、福山氏などに頑張ってほしいと思う。

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民進幹事長に前原陣営から40代女性の山尾志桜里氏 前原陣営の選対本部長を務めた大島敦氏(60)が代表代行 代表選で敗れた枝野幸男官房長官(53)は代表代行、 枝野陣営の選対本部長だった長妻昭厚生労働相(57)は選対委員長 枝野陣営からは、枝野、長妻両氏に加え、辻元清美元国土交通副大臣(57)が役員室長に入った。

長妻氏は次期衆院選共産党との候補者調整を積極的に進めるよう求めている。

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そっと相手にしないで、おだやかに話す程度でやり過ごすしかない  ――北朝鮮問題

めずらしくホリエモンテリー伊藤が正しい

私と意見が異なることが多いホリエモンだが、ミサイルアラートについては、まともなことを言っている側面がある。

北朝鮮からミサイルが発射されたと、政府が全国瞬時警報システム(Jアラート)で速報した。その後も、北朝鮮がミサイル発射、核実験、ということで、いかにも北朝鮮が日本を攻撃するかのような報道を重ねて、危機感をあおりおかしな状況になっている。

もうすでに多くの人が言ったり書いたりしているだろうが、ニュースや真面目そうな報道番組でも新聞でも、危機をあおる報道が多いのでおかしいと思う。

私の意見 近所に非常に被害妄想的で家にこもって、武器を集めて防衛している人がいるとする。その人は自分が攻撃されることを極度に恐れて、「俺に攻撃してきたらぶっ殺してやるからな!」と叫んでナイフやスタンガンを見せつけている。

そういう場合、そういう人は相手にしないでそっとしておくのがいいと思う。もし近所で出会っても普通にあいさつ程度で穏やかに接するのがいいと思う。

つまり、北朝鮮は自国が攻撃されることを極度に恐れているだけで、絶対に自分から米国や日本に攻撃などするわけがない。 そんなことをしたら自国が攻撃されリーダーもろとも政府が攻撃され、政権が転覆する大惨事になるからだ。

fだから「北朝鮮政府は俺たちを攻撃するなよ」と吠えているだけだ。

そういう国をどうしようもないから放っておくしかない。朝鮮の普通の人は悪い人ではない。、殺し合いはおろかの一言。

交通機関、止める必要ないでしょう。 地下に逃げ込む必要もないでしょう。 もう陳腐な映画レベル。

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そんな中、日本は右翼や軍事大国化を狙う人たちは意図的に危機をあおっている。そして簡単にそれに乗っているメディアや一部大衆。 危機に乗じて軍事費を過去最大にし、軍需産業が儲けている。そして憲法9条を変えようという意図が見え見え。

そんな中、ホリエモンが 6時30分、Jアラートの配信を伝えるニュース記事をツイッターで引用し、以下のようにつぶやき、バッシングを受けて炎上しているらしいが、まともな意見だ。

「[T] マジでこんなんで起こすなクソ。こんなんで一々出すシステムを入れるクソ政府」

北朝鮮は実験するなら東に打つしかなく、それにたいして日本はどうしようもない。いちいちそんなことでJアラートならすべきじゃない。」

防衛利権に踊らされているだけ」

つまりこうしたアラートシステムで儲けているやつがいると批判もしている。 ホリエモンの指摘は正しい。

テリー伊藤でさえ、「北朝鮮の人を嫌いになるようにあおっているからおかしい、予告もなくいきなり撃ってきたとか言っているのはおかしい、話しあう機会を持つべき、圧力対決だけでは拉致問題も解決しない」、といっていた。

なのにマスメディアおよび馬鹿な一部国民は簡単にだまされて、「命を守るためのシステムなのに。」といきどおっている。

洗脳されている国はどこ?

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大林宣彦 最後の作品「花筐」(はなかたみ)

大林宣彦が2016年夏前、肺ガンで余命半年と言われて作った映画――43作目「花筐」(はなかたみ)――が完成し、今年の冬に公開されるという。 その制作の1年を追った作品を見た。

ETV特集「青春は戦争の消耗品ではない 映画作家 大林宣彦の遺言」

日本が戦争のできる国になってしまったこの数年を見て、ノンポリですごしてきた自分はうかつだった、、最後にこれを作らねばということで、命を振り絞って作った。

戦争は嫌だ。と。

彼のたましいを受けてこの映画を見てみようと思う。

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関連情報 【「花筐~大林宣彦の遺言」(佐賀新聞2017年9月1日掲載記事)】 f:id:hiroponkun:20170903002527p:plain

皆さんこんにちは、唐津映画製作推進委員会です! 唐津映画『花筐』について、佐賀新聞の記事に掲載して頂きました。 ありがとうございます。皆さま、ぜひご一読くださいませ。 (佐賀新聞2017年9月1日掲載記事) ▼唐津映画製作推進委員会事務局【いきいき唐津株式会社内】 佐賀県唐津市刀町1512-3 第3MSビル1F(平日9:00−18:00) TEL:0955-72-3278

FAX:0955-72-3288 MAIL:info@karatsucinema.com 【「”反戦”のメッセージ追って 記録映像9月放送」(佐賀新聞2017年8月19日掲載記事)】

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皆さんこんにちは、唐津映画製作推進委員会です! 唐津映画『花筐』について、佐賀新聞の記事に掲載して頂きました。 ありがとうございます。皆さま、ぜひご一読くださいませ。 そして、番組「大林宣彦が描く戦争(仮)」が 9月2日午後11時~午前0時まで、NHK Eテレにて放送予定! 番組についての詳細は、またお知らせさせていただきます。 (佐賀新聞2017年8月19日掲載記事)

白石 加代子の話

ひよっこ」で昨日と今日は白石演じる下宿屋の主人の、愛する人との過去の話とその彼がなくなったという話。

区分けした世間の言葉では表現できない、他とは違う唯一無二のその関係。

他人が「愛人」とよぼうと。 自分としての納得と満足と幸福。

それしかなかった現実。

誰にも言わないし、言う必要もない。自分が分かっていれば。 つなわたりかもしれないけれど。

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さすがでした。

講義での、承認欲求、承認いらねーよ、インスタアップいらねーよ、という話とつながっていました。 *** 集中講義、その感想文読み、レポート読み、そこでであう、多くの学生さんの個別の事情。 身を引き締めないと。

ということで、9月にもうなりました。 皆さん、おたがいそれぞれ、いろいろあるでしょうが、まあ、ぼちぼちと、そのひそのひをそれなりに。

「牛乳石鹸」広告の何が問題かーー 問題とわからない人が怒っている。牛乳石鹸共進社が人権に鈍感であることがまたも示される

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 「牛乳石鹸 WEBムービー『与えるもの』篇」というのがあって、見たがひどい内容だった。

だから今一部で批判が出ているが、 それに対して反批判も多い。「別にいいじゃないか、いいCMだ」として、このCMに文句を言ううるさい女たちがおかしい、何でも男女平等とかいうおかしな状況になっている、といった反フェミの感覚が噴出している。

牛乳石鹸共進社は、このCMも、以下に示す2013年のパワハラ容認的ポスターも反省していないようだ。

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f:id:hiroponkun:20170819013552p:plain 私なりに今回のCMの内容にコメントしていく。

ゴミ出ししたり、妻に言われた買い物を素直にすることに何となく違和感を感じたように、父親がつぶやく。  「あの頃の親父とは、かけ離れた自分がいる。家族思いの優しいパパ、時代なのかもしれない。でも、それって正しいのか

ここで「正しいのか」とかなり批判的な意見を述べている。ゴミ出しとか何ら問題でないのに、事実上、男がいいなりになっているのは正しくないという主張になっている。

子供の誕生日なのでケーキとプレゼントをもってまっすぐに帰宅しないといけないのに、

上司に怒られた部下を慰める飲み会をしてしまう。妻に連絡も入れていない。そして夜遅く、少し酔って帰る。

「なんで飲んできたの」と妻に言われて、無表情的、つまり、怒りを押し殺した感じとあきらめの感じで相手にしないというニュアンスを出して黙って「風呂にはいってくる」という。妻は「まだ話おわってない・・・」と言っているのに無視。 

ここが非常にウザい対応でひどい。 自分勝手。DV的といえる。

男は風呂に入りながら、子供のころを思い出し、自分は親父の背中を洗ったシーンなど思い出して、 「親父が与えられたもの、おれは与えられてるのかなあ」と思う。つまり俺は尊敬されてない、子供や妻に感謝されてないという思いをもっている

この一連のシーンが大問題なのに、わかっていない人が多い。

チャンと妻や子供に「説明」しないで 我慢して 表面的で何も内容はないままーーーなぜ帰宅が遅れたかの話も、何が悪かったかもなくーーー風呂上りに一言「さっきはごめんね」というだけで、その表情はさえないままで、「さ、洗い流そう」というようになっていることが問題。

ケーキを食べればいいという話ではない。子供の寝る時間もあるし、風呂に入らないでもすぐに誕生日パーティーをするとか、「遅くなってごめんなー」とか言って、笑顔でがんばるべきところを、むすっとして風呂に入って、ようやくあとで、ハッピーバースデー。

なんて自分勝手な男だろう。

自分の気持ちばかり見て、相手のことを考えられない。自分は被害者意識いっぱい。でもそれを押し殺して、表面的におとなしくしている。その感じが家族に伝わる。妻はもやもやした感情抱えたまま。でも夫はそれを無視して何事もなかったかのように、「ちゃんと俺、やってるだろ」という態度をとる。我慢が見え見え。

ちゃんと話をせず、怒りの感じにおわせて風呂に行くのは非常に相手(妻)に攻撃的な態度であり、DV的と言える。 ここが分かるかどうかが、DVやパワハラ、人権というものにセンシティブかどうかの分かれ目。

ゴミ出しやらされる、言われたもの(子供の誕生日なので「帰りにケーキお願い」、メールで「プレゼントもお願い」と言われた)を買いに行かされる ・・おやじはこんなことしなかった。 やるせない、情けない、おかしい、でも表立ってはっきり言うとダメだから黙ろう、洗い流そうという感じをびんびん出した作品。

これが問題でないという感性こそ、問題だ。

問題の本質に向き合わずに、ただ「忘れる、洗い流す」という対処方法。だめだねえ。不満はあるが我慢というだけ。 で、しかもこのCM作っているということは、明確にフェミ的なことに反撃している。

CMには、今の状況認識がよく出ている。実は男女平等とか世間では言っているけどわかってないぜと批判している。男が仕事で頑張っていることわからないのかと批判している。部下のケアに付き合うとか大事なこともあるからそうそう帰れないんだよ、酒飲みのも仕事のうちなんだよ、遊びじゃないんだよ、そんなこともわからないのか、という思いがいっぱいのCM.。男/父親の状況ちゃんとわからずに、ゴミ出しや買い物言いつけさせられている、この現況、なんかおかしいぜ、お父さん頑張てってるよな、わかっているよー、と慰めあうCM。

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そんなCM製作者、およびこのCMにGOサインを出した牛乳石鹸共進社とおなじ感性の武田邦彦氏が以下のようにこのCM騒動に意見表明している。

問題がわかっていない典型例。暴論レベルの時代錯誤とジェンダー論の基礎素養のなさを露呈した意見。 武田の意見こそが、このCMのだめさを逆に証明してくれている

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なお、牛乳石鹸共進社は2013年にすでに  「さ、洗い流そ」という同じキャッチコピーで、

「今日も若手社員を泣かせてしまって。自責の念でいっぱいです」というポスターをつくっていた。 ぱわはらした上司が、内心では少し反省しているが実は何も行動も責任もとらず、ま、忘れましょ、気持ち切り替えましょ、という意味で、 「さ、洗い流そ」といっている。

この会社は、人権に鈍感ということで一貫性があるということ。

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主流秩序のみなおしのひとつ 米国女性誌編集長 「もうアンチエイジングという言葉を使わない」

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米国女性誌編集長が 「若さが美しいという考えを見直すべきなので、もうアンチエイジングという言葉を使わない」ということを宣言した。

これは美の秩序、若さ秩序、ジェンダー秩序を見直そうという動きの一つ。 しかし主流秩序を疑わない人は、その問題提起を深く受け止めないで今まで通り生きていくだろう。

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 米国の女性誌「アルーア(allure)」の編集長が2017年8月、「アンチエイジング(老化防止)という言葉はもう使わない」と同誌のウェブサイトで宣言した。同誌は美容特集などで知られる月刊誌。年齢を重ねることを否定的にとらえる米国の風潮や美容業界のあり方に、一石を投じた。

 同誌のミッシェル・リー編集長は「編集長からの手紙」と題した文章で、「アンチエイジングという言葉によって、『加齢とは戦わなくてはならないもの』というメッセージを強めている」と指摘。

ある年齢(35歳)から下り坂になるという考え方に疑問を投げかけ、「美しさとは若者だけのものではない。『彼女は年のわりにはきれいに見える』ではなく、ただ『彼女はすてきだ』と言ってみてほしい」と呼びかけた。

 最後は「一夜にして変わるわけではないが、まずは会話を変えることから始めてみよう」と結び、若く見せることに価値を置きがちなファッション業界や美容業界へ「再考」を促した。

 「アンチエイジング」という言葉は日本でも美容業界などで広く使われている。

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戦争拒否宣言のウーマン村本、田原総一朗氏に反論

村本の言うことに賛成。

戦争拒否宣言のウーマン村本、田原総一朗氏に反論

日刊スポーツ 20170817

http://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/%E6%88%A6%E4%BA%89%E6%8B%92%E5%90%A6%E5%AE%A3%E8%A8%80%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E6%9D%91%E6%9C%AC%E3%80%81%E7%94%B0%E5%8E%9F%E7%B7%8F%E4%B8%80%E6%9C%97%E6%B0%8F%E3%81%AB%E5%8F%8D%E8%AB%96/ar-AAqedRo?li=BBfTjut&ocid=spartandhp

日刊スポーツ新聞社

 戦争拒否宣言で物議をかもしているウーマンラッシュアワー村本大輔(36)が、ジャーナリスト田原総一朗氏(83)の「日本が攻められたら守らないといけない」との意見に反論した。  村本は終戦記念日の15日、ツイッターで「僕は国よりも自分のことが好きなので絶対に戦争が起きても行きません よろしく」と宣言し、賛否を呼んだ。

f:id:hiroponkun:20170817192937p:plain © 日刊スポーツ新聞社 ウーマンラッシュアワー村本大輔(2017年7月14日撮影)

 反対意見を持つネットユーザーと論争を繰り広げている村本。17日には、11日深夜放送のテレビ朝日系「朝まで生テレビ」でも安全保障について意見を戦わせた田原氏から「もしも日本が攻められたら守らないといけないと思う。

基本的人権があるから軍隊に入りたくない人は入らなくていい。だから自衛隊があり自衛隊に税金を払っている。僕は戦争を知る世代だから対話で解決出来れば1番良いと思ってます」とのツイートが改めて寄せられた。

 村本は「国のためになにもしたくないわけじゃありません。国に言われたら被災地にもいきます。税金上げられたら払います。でも国のために、自衛隊も一般人も誰の命もかけれません。自分の死は自分で選ぶものです。国が選ぶことではないと思ってます。僕は日本人の前に人生を自分のために生きる、人です」と主張。

さらに「あと、国を守るってことは、こっちも攻めるってことですよね。そしたら向こうもやり返す。相手の軍事力が完全にはわからない以上それが伸びると自衛隊だけじゃなく国民が徴兵される可能性があります」と指摘し、「徴兵っとか、国を守るって言い方より国のために殺されるっていい方にしたほうが想像しやすいです」とした。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

「インスタ映え」と「陰キャ」の時代  

学生さんのレポートを読んでいて忙しいのでひとことだけ。

この数年、主流秩序、スクールカーストなどにからんで「陰キャ」にふれる学生が多く、この言葉が広がっていることを実感する。80年代?の「ネクラ」に近い。簡単に人をそのような程度で切り捨てる。主流秩序に無批判ゆえの言葉だ。多くの学生は、自分もそれを使ってきたが、主流秩序との絡みで、そういう切り捨て方がおかしいなと思うと書くような概念の一つだ。

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そしてもう一つの特徴が、SNSへの批判的な意見。 それはこのレポートが主流秩序に気づいた時点での反省的なものだから。

で、そこに出てくるのが「インスタ映え」ばかり考え、インスタなどに自分(たち)の幸せ自慢、楽しそう、リア充ぶり、を載せることの愚かさだ。

「いいね」の数を多くすることに躍起になること(底の浅い承認欲求)のむなしさや愚かさを書いている。(講義では承認欲求批判を伝えている)

自分もSNS依存、幸せ書き込みしていたが、そうした状況にいやになったというような人が多い。思い切ってSNSをやめたという人も数人いた。

少し主流秩序について考えるとそういうことが見えてくる。ある意味、頼もしい。

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ところが先ほどテレビ(ニュース23)で、まったく無批判的に「インスタ映え」するところに行き、「インスタ映え」する商品を買うひとたちを紹介していた。 「インスタ映え」を消費活動に利用する企業。この程度で喜んでいる人たち。

愚かしいことにこの番組の一人の若いスタッフが嬉しそうに自分の「インスタ熱中」を語り、番組はそれに無批判的。 その人は「いいね」が多いと承認されているようでうれしいとか言っててあきれた。

消費主義へ、少しでも考える、あるいは学ぶという姿勢がないのはどういうことか。

情けない時代だ。 もう少し主流秩序論的な視点で、世の中を考える人が増えてほしいなと思う。

米軍が最も恐れた男――瀬長亀次郎

映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」が沖縄でヒットしてるらしい。

瀬永亀次郎の半生を描いているという。

この映画の監督が元「ニュース23」のキャスターの佐古忠彦さん。この人もちろん、良くテレビで見ていた。この人がこんな活動をしているなんて知らなかったが、主流秩序に加担する程度になっているマスメディアから、もっと自由に本当に伝えたいことを思いっきり伝えようとして独立したのだろう。なかなか面白そうな人である。 以下に示す、佐古さんの過去の作品の集大成の映画のようだ。

この映画はぜひ見に行かなくてはと思う。 f:id:hiroponkun:20170817000550p:plain

以下の佐古さんの言葉には強く共感する。 「開廷前の集会で、演説する翁長知事を大声援で、県民が法廷に送り出す。沖縄のほかに、日本のどこにこんな光景があるだろうか。」

翁長知事は自民党だったが、人間として大きく変身し続けている人とおもう。

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●映画情報 戦後の米軍支配に立ち向かった故瀬長亀次郎さんを描いた映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」が8月12日から、那覇市桜坂劇場で先行上映される。監督は、TBS系の報道番組「筑紫哲也NEWS23」でキャスターを務めた佐古忠彦さん。

 2016年TBSテレビで放送されたドキュメンタリー番組に、追加取材や再編集を行って映画化。 「不屈」の精神で米軍統治下の圧政と闘ったカメジローさんの人生を通して沖縄の戦後史を描く。

 23日の慰霊の日に合わせて公開決定を発表した配給元の「彩プロ」は、「沖縄戦を起点に今につながる基地問題。本土復帰45年を経ても米軍基地が集中する中、沖縄の人々が声を上げ続ける原点は、瀬長亀次郎さんの生きざまにある」とし、映画をPRしている。

 沖縄先行公開後、8月26日から全国順次公開される。

◆関連情報 こんな映画もあった。 ●映画「カメジロー・沖縄の青春」

●記事 沖縄が全力で政権、アメリカに抵抗するのには歴史があり、理由があり、そこには正義がある❗ 2016-08-28 09:00:17

http://ameblo.jp/tiger-mask-fighter/entry-12194173219.html

そしてこの佐古監督が、これまでに以下のような作品をつくっていた。 以下のサイトで知った。 http://blog.goo.ne.jp/koube-69/e/e03daad1fec337916e6005773c9e1800

【動画】映画・ドキュメント=瀬長亀次郎 /TBS報道の魂 「米軍が最も恐れた男~あなたはカメジローをしっていますか?~」

普天間基地の移設をめぐり、国と沖縄県は再び法廷闘争に突入した。開廷前の集会で、演説する翁長知事を大声援で、県民が法廷に送り出す。沖縄のほかに、日本のどこにこんな光景があるだろうか。そして、一人の政治家と集まった県民を一体感、高揚感が包む光景は、多くの県民にとってかつての沖縄を髣髴させるものだった。

ある人はこう語る。「あの時代があったからこそ、いまがある」 あの時代とは、事件事故、婦女暴行などを繰り返し、沖縄住民の人権もかえりみなかった占領米軍の圧政に立ち向かった時代。その経験が、いまの姿に結びついているという。その闘いの先頭に立った政治家がいた。その人物の名は、瀬長亀次郎。

演説には毎回何万もの市民が駆けつけた。影響力を削ごうと米軍が投獄しても、市民の支持はさらに高まり、亀次郎は、その後那覇市長に当選。激化するソ連との冷戦の中で、「赤い市長」と亀次郎を恐れ、さまざまな圧力で追放を試みる米軍との攻防が始まった。

銃剣とブルドーザーによる土地強奪に向き合った土地闘争は島ぐるみ闘争になり、そして日本復帰運動に結びついていったが、それをリードしたのが亀次郎だった。 亀次郎と民衆の闘いを伝える資料館「不屈館」の館長を務める、亀次郎の次女は「父は沖縄を団結させるためにやっていた」と語る。

まさに、保守革新を超えたオール沖縄の原点といえる。

それから半世紀以上の時を経て、辺野古移設反対の民意に一向に向き合おうとしない政府と対峙する現代のリーダーに、県民たちもかつての亀次郎を重ね合わせる。

沖縄戦後の占領下で何が起き、亀次郎は、どう占領軍と対峙し、民衆はどう立ち上がり、復帰へ向かったのか、そして、その時代はいまの闘いにどう結びついているのか…瀬長亀次郎の姿を通して、数々の証言により沖縄戦後史を掘り起こしながら、現代の辺野古闘争に通じる沖縄とこの国の姿を浮き彫りにしていく。

戦争の実像と、つくられたイメージ

敗戦・終戦記念日がらみでNHKでいくつかのドキュメントをしていた。 奈良の鈴木さんも出ていた。樺太では戦後も戦わされた。あのインパール作戦のひどさもさらに明らかにされた。 どこでも軍、将校は庶民を守らず犠牲にした。病気や飢餓で死ぬのはほとんどが一般兵隊で幹部は生き延びた。玉砕しろ、最後まで戦え、自決しろと言いながら自分は戦わずに逃げたり投降し、生き延び戦後のうのうと生き続けた。 以下の朝日の記事では、戦争中の情報で、操作が行なわれていたという話。

文集は捏造、撮影前に目薬… 「誉れの子」いまの思いは 木村司、岩崎生之助 2017年8月16日04時08分 http://digital.asahi.com/articles/ASK864STBK86UTIL00Z.html?rm=426

八巻春夫さんが表紙を飾った1941年4月発行の「写真週報」。緊張した表情で皇后陛下からお菓子を受け取り、左ほおに一筋光るものがみえる

 日本兵父親が戦死したことで「誉れの子」と呼ばれた子どもたちがいた。全国各地で選抜され、東京・九段の靖国神社に参拝。「父との対面」は美談に仕立てられ、戦意高揚に利用された。戦後72年。普通に悲しむことを許されなかった遺児たちはいま、何を思うのか。(木村司、岩崎生之助)      ◇  丸刈り頭の少年が、口を一文字に結んでいる。ほおには一筋の「涙」が光る。  写真の少年は、小学5年の八巻春夫君。1938年、父が中国で戦死した。  父が祀(まつ)られた靖国神社参拝のため41年3月、日本兵の遺児代表として上京。皇后陛下から菓子を受け取った。その瞬間をとらえた写真は、内閣の情報局が発行した国策グラフ誌「写真週報」の表紙を飾り、「誉れの子」の象徴的存在になった。

 それから70年余り。少年は87歳になり、山梨県南アルプス市で暮らしている。  「お菓子をもらったときはなんとも言われない、感無量で、本当に涙が出ました。でも、撮影前、目薬をさされました」

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 カメラマンが密着取材し、巻頭特集も仕立てた。

 《おらあ、お父(と)うをおぶって帰ってくる》  山梨の自宅前で祖父母らに見送られるシーンの写真説明には、こんな言葉が添えられた。しかし、八巻さんに話した記憶はない。

 家を出て甲府駅へと向かう道の途中。峠にさしかかり、後ろの富士山を振り返っている写真。「登校のたびに通るこの峠道」と説明されているが、「このときに初めて行った場所」だった。写真説明は雄弁に続ける。「富士がけふは何(な)んとなく懐(なつか)しい。ふり返(か)へり、ふり返へり眺める富士の晴れ姿に春夫君の心は強く強く引きしまる」

 靖国神社での参拝。直後の写真には《玉砂利を踏んで帰る遺児たちの頰は喜びに紅潮し、足取りは軽い》とあるが、八巻さんはこう振り返る。

 「大鳥居をくぐって水で手を清めたのは覚えている。でも、何を拝んだのか、覚えていません。父に会えた、という気持ちもなかった」

 それでも、八巻さんにとって大切な思い出だという。「私が選ばれたのは、父だけでなく、母も、弟も亡くした、不幸な人間だったからでしょう。私のような子どもを、よくさがしてくれました」

 10代で一家の大黒柱を担わされた八巻さん。「お国のために活躍し、誇りだった」という父を恨む気持ちも、戦後になって芽生えた。靖国神社にはその後、行っていないが、主催者から贈られたアルバムは今も大切に保管している。      ◇

 靖国神社に参拝した遺児の感想文集が残っている。

 京都の57人分を収めた「社頭の感激」(恩賜(おんし)財団・軍人援護会京都府支部、41年発行)に、名前のある高田誠祐さん(87)は今も京都市で暮らしていた。

 《今日はいよいよなつかしい父に会へる日だと思ふとうれしさで胸が一つぱいです》 《この光栄の日を一生忘れず、宏大(こうだい)な皇恩に報ひ奉る為、立派な日本人となり父の志をつぎ、ちかつて忠孝の道を尽さうとかくごいたしてをります》

 記者が文集の写しを差し出すと、ルーペで目をこらし、きっぱり言った。

 「これ、捏造(ねつぞう)でっせ。大人が書いたんやろう」  参拝したことは鮮明に覚えている。遺児約60人と東京に向かい、寺で寝起きしながら参拝や式典をこなした。毎年夏には出雲大社島根県)などへの旅行に招待された。

 44年7月、愛知県の工場へ動員され、軍用機の翼を作った。その年も旅行の招待状が届いたが、遺児を手厚く支援する余裕は、戦況の悪化で失われていった。「辛抱してくれ」。引率の教師の言葉が耳に残る。      ◇

 戦後も、各地の遺児が集団で上京し、靖国神社に参拝していた時期があった。  田上洋子さん(77)=さいたま市=は中学入学直前の53年春、熊本県から数十人の遺児と列車で東京を目指した。母は黒い羽織で見送ってくれた。「神社にある大きな鏡に自分の姿を映すと、お父さんに守られているという思いがわいてきた」。地元に戻り、学校でそんな発表をした。  父が召集されたのは1歳のとき。2年半後の44年2月、マーシャル諸島で戦死。遺骨は帰らなかった。

 「『靖国の子』だから、後ろ指さされるようなことをしてはダメ」。戦後、母に何度も言われた。  だが、英霊や散華(さんげ)といった戦死を美化した言葉には、いつしかむなしさを覚えるようになった。「『名誉の戦死』と思わなければ遺族は救われなかったかもしれない。でも、父の死は、そんなきれいなものではない。むごいものです」

 父を知らない。それが何よりつらかった。自分も2人の子を育て、父が帰りたかったのは、ふるさとや家族のもとだったとわかる。15日正午、南の島にいる父を思って黙禱(もくとう)を捧げた。

■「国家指導者の思想が子どもたちの心に内面化されてしまった」

 遺児たちの靖国神社集団参拝は、日中戦争が激化した39年から43年まで続いた。陸海軍大臣の訓話を聞く式典もあった。  「感激性強く而(しか)も指導者の指導を無批判に受(うけ)入れる年配を選んだ」。参拝事業を進めた軍人援護会発行の冊子には、陸軍少将のそんな解説がある。新聞や雑誌、ラジオは参拝の模様を「遺児、靖国で父と再会」と美談にして報じた。

 遺児約2千人分の感想文を分析した学習院大学の斉藤利彦教授(教育史)によると、年1回の参拝事業への参加者は計約1万8千人。国民の戦意を高揚させ、総力戦態勢をつくる狙いがあったとみられる。「父親を失った悲しみすら素直に持たせてもらえない。国家指導者の思想が子どもたちの心に内面化されてしまった」  戦後は、52年の講和条約発効で日本が独立を回復して以降、県や遺族団体などが主催した遺児集団参拝が50年代を中心に行われた。