ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

恥を知る

 

忙しいので、つれづれとみじかく。

 

裏口入学でのバカ息子の発言
受託収賄容疑で逮捕された文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者の息子、佐野貴徳がSNSで試験前に、「俺ら間違いなく日本で一番幸せな浪人生だわ、受験やめよっかな」(昨年11月9日)、「センター16日前なのに俺セブ島で何してんだっていうね」(同年12月28日)と書いていた。
親は不正入学をさせた点でもばかだが、子どもにそれを伝えている点でもっとお馬鹿で、そしてそれを恥とも思わず、聴いて喜び、SNSにこのように書くことが、息子の価値観を示している。


この問題は、いまの若者の中にも、「コネで入社できるならいい」というように、うらやましがるものの、コネそのものが不正である、恥ずかし生き方だという意識がないこととつながっている。
さらには、主流秩序に従属すればいいという意識そのものだということ。

 


韓国の「ラブリーアラン」というドラマで、法曹にかかわる真面目な父親が就職できない息子のために金を渡して就職させるところがあるが、それを息子に隠していたし、息子もそれを知って怒る。『不正に対する恥が残っている』ということ。
文科省官僚親子にはそれがない。

 

●イージスショア


国家予算が厳しいといって障がい者を殺せというやつがいて、また杉田水脈議員がLGBTも生産性がないから税金を特段使う必要はないという。ところがその使われている金額というのは、雀の涙。


一方、オスプレイ1基で維持費なども入れると150億円から200億円と言われている中、さらに、イージス艦1700億円、イージスショアは2つで、6000億円と言われている。そこに入れるミサイル1発で40億円という。
40億円があればどれだけ有用な政策ができることか。LGBTに使われている税金などミサイル1発の100分の一にもみたない。


こんな軍事大国化を進める安倍政権を支持する人はおろかというしかない。
そして杉田水脈をやめさせない安倍首相の責任を追及しないといけない。

 

 

●沖縄差別


知事がついに、最後の切り札を出して闘っている。
沖縄県の翁長雄志知事が、名護市辺野古の新基地建設阻止に向け、埋め立て承認の「撤回」を表明した。
これについて、日本本土の多くの人が無関心で、酷いことをする安倍政権、自民党を支持しているということにあきれる。沖縄差別するひどい安倍政権・自民党に投票している人は、沖縄差別加担者だ。おろかである。自分の責任を考えない。沖縄の人からすれば、なんて冷たい人たちだろう、と見えるだろう。

 

LGBT差別が分からない人びと


杉田議員が昔から根っからの差別主義者であるのは自明なのだが、それを国会議員として当選させた安倍首相、自民党を批判しないのがおかしい。
今回の寄稿論文だけの問題じゃない。また、この問題を論じるときに、野党とか国会前に集まって反対・議員辞職を求める活動をしている人を、またまた揶揄する意見も散見される。ひどすぎる。「野党はこれを政争に使うな」「相手にするな」と言って野党批判するのは自分が主流秩序に加担していることに無自覚で、セクマイへの差別もわかっていない人の態度だ。杉田議員と同レベルの現状認識だ。

 

社会的に抑圧された小数者が戦うときに、「やりすぎだ」「被害者至上主義だ」「やり方がおかしい」「話し合って賛同を得るべきだ」「政権批判につなげるのがだめ」というのは決まりきった反応で、主流秩序に従属した姿勢そのものだ。
今の日本社会ではこれがよくある。これは抵抗運動をきらい、野党を嫌う心情ということで最近、少し似たことが指摘されている。与党の問題があるときに野党を必ず批判し、中立を気取る、抵抗ばかりするな、と事実上、政権側と同じスタンスをとる人が多いという問題。

 

そんな中、そういう人に嫌われないようにまたまた「反対側の人」にも寄り添おうという人もいる。よほど説得力があり、実際の変革につなげられるならありだが、実はそれはとてもむつかしい。


そんなことをいっている人は、実は何もしていない。たんに位自己保身で、体制側、主流秩序の側についているだけ。

 

そんな中、そうした傾向にひるまず、おかしいものはおかしいといっていく人に私は連帯したい。「空気読めない、古いスタイルだ」「反対ばかりだ」と言われても、気にせずに、ちゃんと言っていくこと、具体的にDvやセクハラや解雇やいじめや差別に対処していくこととのほうを応援したいし自分もそこに立ちたい。右翼にののしられる側のデモの中にいたい。


そこにいないものが中立を気取て、野党批判をしている。愚かしいというしかない。
そして自分は、主流秩序の上位にいる。

 

この問題を扱った主流秩序論の提起に、じょじょにではあるが、理解を示してくれる人が増えている。
いつか、私の主流秩序論には、稚拙な指摘だが重要なものが入っていることがわかる人が増えていくだろうと思う。其れには、シングル単位論と同じく、少し時間がかかるだろう。あまりに根本的だから。


でもいまをいきている、あなたや私は、今を生きていくしかない。
だから今のこの安倍政権の傍若無人ぶりに、憤りつつも無力感を感じているような人、このブログを読んでいる人に、伝えたい。
貴方や私のような気持ちの人はかなり多くいる。かならず、時代が進めば、安倍政権のひどさは指摘されるだろう。それは安倍だけの問題でなく、それに同調する、多くの「主流秩序に従属する人の在り方」のおかしさが白日の下にさらされるだろう。そして、そんなへんな時代があったんだなあと、不思議がられるだろう。


Nazis体制が批判されたように。

またタバコが飛行機の中でも吸われた時代があったように。

だからこそ、私たちは今、Nazis体制のなかでもそれに従わずにちゃんと生きた人のように、生きていきましょう。

 

今からでもできることはあります。身近なところで主流秩序に加担しない道はあります。
そういう視点で、「間接的介入」の話を主流秩序論でいっているのです。

 

優勢思想 杉田議員はナチス

 

 

 

NHkでやっていたドキュメンタリーTV「私は生みたかった 旧優生保護法の下で 」がよかった。まともに扱っていた。

 

(今晩再放送あり)

 

私は、1070年代後半に学生で障がい者放研究会に所属していたこともあり、そのころにすでに優勢思想反対、羊水チェックによる堕胎当然視のおかしさ批判、強制不妊手術批判はあったのに、

「当時はしかたなかった」「善意で本人のためによかれとおもってやった」というようなことを言う人がいるのに違和感があった。

 

この番組では少し当時の運動も紹介していてよかった。昔からそういう意見があったということを知ることが大事で、何時の時代もちゃんとした意見はあるのに、無視していたものは責任を問われないといけない。

 

16000人以上の人が強制的にこの手術を受けさせられた。一部の人がようやく立ち上がって裁判が始まっているが、許せないのは、国が謝罪と保障しようとしていないことだ。
当時かかわったものを全員、裁判で有罪として償わせてこそ、,無責任体制は変わるが、今回もまた責任逃ればかり。

 

 

そんな中、安倍・子飼いのトンデモ議員、極右思想のバックラッシャー自民党杉田水脈(みお)衆院議員の暴言問題。


これがどうして辞職問題にならないのかとおもっていたら、やはり辞職要求が出てきた。これが大きくなって是非辞職に追い込みたいものだ。


性的少数者が「生産性がない」というのは優性思想に他ならない。
杉田はまさに50年前の感覚のままのナチス的人間でしかない。


自民党では本当にダメだ。

安倍を支持する人の人権感覚のなさには嫌悪感を覚える

 

 

朝鮮学校お土産没収いじめ  その4 

韓国弁護士団体、国連に日本国内の朝鮮学校差別実態報告書提出

 

 

記事紹介します。

 

 

韓国弁護士団体、国連に日本国内の朝鮮学校差別実態報告書提出
7/18(水) 11:36配信

韓国の弁護士会と市民団体などが日本国内の朝鮮学校差別の実態に対する報告書を提出したと明らかにした。

 

民主社会のための弁護士会は17日、「わが団体をはじめとする43の市民社会団体がスイス・ジュネーブの現地時刻基準で16日に日本の朝鮮学校と生徒らに対する差別と人権侵害実態を盛り込んだ連帯報告書を国連人種差別撤廃委員会に提出した」と明らかにした。

 

今回報告書に盛り込まれた日本政府の差別と人権侵害行為は、学歴不認定、高校無償化制度排除、教育補助金支給中断、幼児教育無償化政策排除、修学旅行のみやげ品没収などだ。これに対し弁護士会朝鮮学校学歴認定、高校無償化制度に朝鮮学校を含める、教育補助金支給、幼児教育無償化政策に朝鮮幼稚園を含める、修学旅行みやげ品没収慣行の是正などを勧告した。

 

弁護士会によると、来月16~17日に予定された国連人種差別撤廃委員会の日本政府報告書審議主題のひとつとして朝鮮学校と生徒らの教育権保障に対する日本政府の措置が選定されているという。

 

一方、6月28日に北朝鮮への修学旅行から帰ってきた神戸朝鮮高級学校の生徒たちが関西国際空港に到着するや日本の税関に記念品やプレゼントを全て没収されるということが発生した。これについて、朝鮮総連中央本部は先月29日に記者会見を行い、「お土産まで取り上げたのは暴挙」と述べたうえで、米朝和解の流れが出てきた中で、「唯一、日本政府だけが敵対行為に固執し、子どもの人権を踏みにじっている」などと非難した。

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最終更新:7/18(水) 11:36
中央日報日本語版


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日本政府、対北朝鮮制裁ために朝鮮学校への補助金支給中断を検討

2016年02月18日16時03分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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日本政府が核実験と長距離弾道ミサイルの発射を強行した北朝鮮に対する制裁措置として、日本国内の朝鮮学校補助金支給中断を検討している産経新聞が18日、報道した。文部科学省は前日、自民党拉致問題対策本部」等の合同会議でこのような計画を報告した。

 

文部科学省担当者は「朝鮮学校への支援が、公益性の観点に照らして妥当かどうかを厳密にチェックするよう求める文書を、できるだけ早く、地方自治体に出したいと考えている」と話した。自民党北朝鮮の日本人拉致問題再調査が遅々としていた昨年6月、朝鮮学校補助金支給を全面中断するように自治団体を強く指導・助言するよう政府に要求した。

 

日本政府は在日朝鮮人子女が通う朝鮮学校在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)の強い影響力の下にあるとみている。朝鮮学校の支援を中断すれば北朝鮮を圧迫することができるという判断だ。補助金支給については自治団体が決めている。過去、核実験などを理由に東京都などが一時支援を中断したことがある。北朝鮮が国際世論を無視したまま挑発する状況で朝鮮学校補助金を支給し続ければ、住民の理解を得ることができないという論理だった。

 

兵庫県など相当数の自治団体は「朝鮮学校への支援中断が社会的マイノリティに対する不当な差別になるおそれがある」として北朝鮮問題とは関係なく補助金支給を続けている。千葉県千葉市は2013年北朝鮮の3次核実験以降中断していた朝鮮学校への補助金を2014年12月から再開している。

 

現在、日本国内の朝鮮学校は幼稚園38カ所、初級部53カ所、中級部33カ所、高級部10カ所、大学校1カ所、併設学校64カ所がある。学生数は8000人余りに達する。半面、韓国政府の正式認可を得て補助金を受けている韓国学校は東京韓国学校京都国際学園、大阪建国学校、大阪金剛学園など4校に過ぎない。このため、韓国学校から遠く離れたところに住む韓国国籍の在日韓国人と日本に一時滞在中の韓国人の子供が韓国語を学ぶために朝鮮学校に通う場合もある。


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大げさ、仮病じゃないのか

安倍首相が股関節が痛いということで、被害地視察とかを取りやめたという。

 

暑いから行くのがしんどくて、仮病的に、少しだけ痛いのをおおげさに診断書いてもらって逃げたんじゃないかと疑ってしまう。

医者はすぐにこういうことに加担する。

 

それくらい暑い中を動くのはつらいことで、そんなことに時間を使いたくないのが安倍だと思う。

 

オウムの死刑を皆で笑いあって乾杯し、被災地のことなど本気で考えず、はしゃいで笑いあう議員たち。孫あ感性のやつが集まっている自民とであり特に安倍の周辺。

だから仮病など平気で使うだろう。パフォーマンスは好きだけど、しんどいから、やめたんだろう。

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大阪弁護士会 憲法ミュージカル

 

大阪弁護士会の有志が中心となって実行委員会をつくり、劇団往来とコラボをして(市民からオーデションで
出演者を募り)憲法に関わるテーマでミュージカルを毎年上演しています。
今年は、9月14日(金)~17日(月)まで昼、夜あわせて全8公演を予定しています(場所は、
大阪ビジネスパーク円形ホールです)。

 

昨年の演目「無音のレクイエム」は、戦前戦中の大阪を舞台に、戦争へ突き進む時代の中で人権が制限され
次第に息苦しくなていく人々の生活や、戦争によって子どもたちを含めたくさんの尊い「いのち」が奪われた
のだということを訴える内容でした。

 

今年の「憲法のレシピ」は、昨年の演目の続編といえるもので、
家族を失い、空襲で焼け野原と化した状態から、人々が逞しく生きてきた情景、そして民衆のどのような
思いやプロセスを経て新しい憲法が生まれてきたを描いています。

 

 

「BBCが報じた日本の“恥”」

 

BBCが報じた日本の“恥”」

 

北原さんのエッセーがよかったので紹介しておきます。日本のメディアが山口のレイプもみ消し事件ー詩織さん被害問題を追及し続けられるかが問われています。

その前に私の見解も少し。

 

韓国ドラマ『僕は彼女に絶対服従――カッとナム・ジョンギ』でも、セクハラを扱っていました。韓国のドラマには、悔しさ、怒り、戦いが時々あるので、見ていられます。

このドラマ、良いです。時々泣けます。

 

 

日本でのひどさについて、私のメモの一部も以下に張っておきます。
そのあと北原さんのエッセイです。

 

 

●安倍政権の部下・杉田水脈(すぎたみお)衆院議員(安倍首相が自らスカウトし自民党から出馬、当選した「安倍首相の秘蔵っ子」極右議員)が、「貶められた冤罪だ」「セクハラと騒ぐのは魔女狩り」「セクハラ、セクハラと騒ぐ裏には思惑がある」「#MeToo運動はもう辞めよう」と言った趣旨の発言。水田や長尾に注意も処分もせず、野放し。これが安倍政権の本音。
麻生も、朝日テレビの抗議文に「もう少し大きな字で書いて」などと非本質的なところで対応。
担当記者との懇親会では、記者から「次官のセクハラ、さすがに辞職なんじゃないですかね」と尋ねられると、「だったらすぐに男の番(記者)に替えればいいだけじゃないか。なあそうだろ? だってさ、(週刊新潮に話した担当女性記者は)ネタをもらえるかもってそれでついていったんだろ。触られてもいないんじゃないの」(「週刊新潮」4月26日号/新潮社)
 
さらに、福田次官の辞任に伴い、事務次官代行も務めている矢野康治官房長は、
被害女性に名乗り出ろという対応を迫ったことに批判が集中したにもかかわらず、「(名乗り出ることは)そんなに苦痛なことなのか」「自分は(セクハラの認識について)私は相当高いと思いますよ」と発言。

 

●野田大臣も姿勢後退


野田氏は「罰則や罰金が必要であれば、検討していけばいい」と、セクハラが起きた場合の罰則法制化に言及していた。しかしその後、「法案ありきではない」と発言を修正。政府は、採用時及び各府省庁の課長級以上の幹部職員を対象に、セクハラに関する研修への参加を義務づけ、内閣人事局が実施状況を確認する(人事の判断材料にする)などとした緊急対策発表。しかしセクハラ防止法制定などの法整備も罰則も見送って生ぬるいものになった
周りから「道義や感情の判断を検察や警察に委ねる社会が良いのか」などと言われて後退。

 

 

●私のスタンス の一部

財務省の対応も麻生発言も全く問題だらけ


つまり、セクハラは、人権侵害の行為であり、積極的に発生も再発も防止しければならないものである。セクハラ行為が起これば事実関係を迅速かつ正確に確認し、加害者を処分し、被害者が働き続けられるように対処しなければならないとされている行為である。


だが財務省は今回、これを行わなかった。かなり時間がたってあいまいな処分をしただけ。相談者のプライバシーの保護などの雇用管理上必要な措置も行っていない。それなのに責任者である麻生大臣は何ら反省もせず、責任も取っておらず、のうのうと居座り続けている。安倍首相も何の対処もせず、そうした対応を容認している。まったくセクハラに甘い行動をとった。

 

そういう中で、セクハラ発言を続けてきた人物を問題とせずに出世させ続け、今回セクハラが明らかになった後も、有能な人物で任命は適切だったとし、処分をなかなか行わなかった。セクハラを糾弾せずに、「慎重さを欠いていた」という抽象的な言葉で評価した。そうした延長に、殺人罪のような罪ではないという主張をする必要は全くないのに、言ったのは、日本語のその文脈を正しくとらえるならば、セクハラ的な暴力、行為を軽視しているということでしかない。形式的な事実を述べただけというのは詭弁。いう必要のないこと、あるニュアンスを伝えるために使った言葉は、そのニュアンスの当否を考えねばならない。

セクハラ行為は社会的に規定されており、それは許されない行為とされているのである。それに対して、麻生大臣は、上記したように「女性記者に何度も「胸触っていい?」「予算が通ったら浮気するか」「抱きしめていい?」等ということは、それほどひどいことではなく、単に慎重さに欠けていただけで、相手が名前も顔も出して表に出て詳細に語らないなら、どうしようもない」として徹底した調査も加害者の迅速かつ重い処罰処も告訴も放棄したのである。

それを正当化するための言葉が「セクハラ罪という罪はない」である。

 


こうした大問題だらけの発言と対応の連続であったのに、周りの記者の追及は非常に甘く、その後のメディアの追及も甘かった。野党が頑張ろうとしても、メディアはいつも軽く報道するだけで、そのため世間もあきれつつ、安倍政権を支持し続ける。


つまり、日本社会で、メディアを典型として、まわりがそれにちゃんと対応できていないという問題。メディアは、権力チェックできない「ちょうちん持ち」、「マスごみ」、主流秩序に従属。勉強不足。

 

いう必要のないことを言う意味を追求しなければならない。
たとえば、A男のDVが問題となっているときに、「DV罪という罪はない」という必要はない。「A男は東大出身で、年収が1500万円だ」という必要はない。

男が妻の携帯を水没させたときに、「携帯水没罪という罪はない」という必要はない。器物損壊という罪はあるが、「携帯水没罪」は確かにない。


言う必要ないのに言うのは、何かを伝えようとしているのである。そこを問題としなければならない。「言っていることは事実だ」、ではすまない。「だから何なのだ」と追及し、その発言で言おうとしたことを批判せねばならない。いう必要のないことを言ったことを謝罪させ、撤回させなければならない。だが麻生大臣は、「俺は事実を言っただけ」と居直り続けた。それに黙ったまわりの責任は大きい。

 

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北原みのり 「BBCが報じた日本の“恥”」


2018/07/14 16:00

© Asahi Shimbun Publications Inc. 提供 北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表
 作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。今回は、「日本の性差別」について。

*  *  *


 英BBCが「日本の隠された恥」というタイトルで、性暴力被害を実名で告発した伊藤詩織さんのドキュメンタリーを放映した。日本社会がいかに女性を差別し、いかに女性に沈黙を強いているか。詩織さんの事件に焦点を置くことで、この国の「恥」が次々と暴かれていく内容だった。
 冒頭、二次元エロに溢れている街が映し出された。コンビニのポルノをはじめ、ありとあらゆる性的サービスの情報が簡単に手に入る私たちの日常の景色は、「外国」のカメラを通せば相当に「異常」なことが伝わってくる。女がモノ化され、幼い頃から痴漢被害にあう性差別社会。この国に生きる女が、性暴力と無関係であり続けることは、ほぼ不可能であることを、「外国」の目、そして詩織さんの言葉は、私たちに伝える。


 自民党杉田水脈議員がインタビューに応じ、「差別やセクハラの体験ありますか?」との質問に、「社会に生きてれば、山ほどありますよ」「それはそういうものかな~と思って」「きっちり断るのも(社会で生きる女の)スキルのうち」と声をあげ笑っていた。自民党の議員自ら、この社会に性差別が山ほどあると認めた上で「そういうものかな~」と微笑む無能さは、かなりインパクトのある映像だった。


 また杉田氏は「(詩織さんには)女性としての落ち度がある」と明言した。この発言にはじわじわと批判が集まりつつあるが、「(セクハラ告発された)福田に人権はないのか!」と叫んだ麻生氏と全く同じ思考だ。それでも同じことを女が言うと、何故だろう、直視できないほど哀れに見える。杉田氏が座っているのは、性差別に無痛になり、男社会に過剰に媚びることで得られた地位だ。そのような席で輝く女を男社会が求める限り、杉田的女の生き方は過去にはならないだろう。


この国の司法は、山口氏を不起訴にした。刑事司法で彼が裁かれることはない。杉田氏も「日本の司法が下した判断に疑いを持つことは司法への侮辱」と言っていたが、「司法が不起訴にしたのだから加害男性には触れない」という態度を取るメディア関係者も少なくない。だけれどそもそも、性暴力を裁く司法そのものが、女性の人権とかけ離れた古く硬直した制度と化していることが問題なのだと、BBCの番組は私たちに突きつけた。


 タイトルの「恥」という言葉は、とても強い。だけれど一番の「恥」は、私たちが決してこの「恥」を隠してなどこなかったことだろう。そう、私たちは隠してなど、こなかった。「恥」であるとも認識していなかった。
「恥」を与えられるのは常に女性だ。性暴力を受けた女性、性産業にいる女性、声をあげた女性。女たちに恥を強いる一方、加害者や買春者は性欲に突き動かされる自然現象のように描かれてきた。そのことを恥とも思わずに。
 詩織さんがあげた声に、日本社会は真摯に応答できずにいる。恥ではなく、それはもう既に罪なのだと思う。


週刊朝日  2018年7月20日

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『逆賊 民の英雄 ホンギルドン』


韓国ドラマ『逆賊 民の英雄 ホンギルドン』 
おもしろかった

 

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闘う人民の話。
深い想いの話。


王に近づいた女性の生き方。最初に惚れた人への想い。


オメラスから歩み去る人のはなしもでてきた。

 

闘わずに泣いているだけではだめ。
でも、そういう実態にも優しく寄り添う。

 

朝鮮高級学校 修学旅行おみやげ取り上げ事件  その3 署名

 

今この件、署名があります。簡単に個人でできるのでご賛同を。

 

以下のところで

 

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeX69dJag4LMb6mQDOepVfFKlSLRwzHu2iZY1wHA-8yLkqygg/viewform

 

神戸朝鮮高級学校生徒のお土産品没収への抗議と要請」ご賛同のお願い

 

内閣総理大臣 安倍晋三 様
経済産業大臣 世耕弘成 様

 

 

 去る6月28日、関西空港税関支署が、修学旅行で祖国の朝鮮民主主義人民共
国を訪問した神戸朝鮮高級学校の生徒たちが同国より持ち帰ったお土産品のほと
んどを没収するという、到底認めることのできない暴挙にでた。


 これまでも日本政府は、政治外交的理由によって朝鮮高校生のみを就学支援金
制度から排除するなどの差別的な政策を取り続けてきた。

これに対し、いままさ
に各地の朝鮮高校生たちが原告となって「無償化除外」裁判を闘っている。様々
な差別に相対しながら異国の地で育ったこの朝鮮高校生たちが、祖国で過ごした
忘れがたい時間の思い出にと購入した民芸品や親族からのお土産品を、あろうこ
とか日本政府が対朝鮮独自制裁措置なるものを口実に奪い取ったのである。

 


 このような日本政府の常軌を逸した措置に、いったいいかなる正義があるとい
えるだろうか? 朝鮮半島をめぐる昨今の南北首脳会談、さらには米朝首脳会談
の推移を見守る世界の人々が、日本のこの暴挙をどう見るかについて、多くを語
る必要はないだろう。


 日本の朝鮮植民地支配によって生み出された在日朝鮮人が祖国との関係をもつ
ことを遮断し「違法」化する対朝鮮独自制裁措置は、過去を清算し、その権利を
保障すべき立場にある日本政府がとるべき姿勢とはおよそ真逆のものであり、到
底許されるものではない。


 朝鮮民主主義人民共和国の核・ミサイル実験を理由として、2006年から始まっ
た日本政府による対朝鮮独自制裁措置に関連する政策により、在日朝鮮人の人権
がたびたび侵害され、青少年にまでその被害が及んでいる。


 今回の、「嫌がらせ」や「いじめ」としか言いようのない措置も決して初めて
の異例なことではなく、この「制裁」の延長線上で繰り返されてきたことである。


こうした日本政府の朝鮮を敵視するかのような姿勢は、日朝間の諸懸案問題を解
決に導くものではないことはもはや明らかであり、むしろ在日朝鮮人に対するヘ
イトスピーチなど、「朝鮮」と名の付くものには何をしてもかまわないとの社会
風潮を生み出し、ついには、朝鮮総聯中央本部会館に銃弾が撃ち込まれるという
テロ行為にまで至っていることを深刻に受け止めなければならない。


 わたしたちは、関西空港税関支署による今回の措置に対し、改めて強く抗議の
意を表明する。わたしたちは、神戸朝鮮高級学校の生徒のお土産品をただちに返
し、二度と同様の事態を起こさないようにすること、また、在日朝鮮人の人権を
政治外交上のカードにするかのような非人道的な対朝鮮独自制裁措置をただちに
廃止することを強く求める。

 

呼びかけ人:「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会 代表 長谷川和男

 

・賛同期間【緊急】:7月11日~17日 (※7月19日に日本政府、関係省庁に提出します)

 

朝鮮高級学校 修学旅行おみやげ取り上げ事件

朝鮮高級学校へのいやがらせ  修学旅行おみやげ取り上げ事件

 

 

以下の嫌がらせ事件、すでに紹介しましたが、それについて、寺島栄宏さんが書かれたものを知りましたので、紹介しておきます。

 

事件


神戸朝鮮高級学校(神戸市)の生徒62人が6月28日、「祖国訪問」を終えて関西空港に到着した際、約半数の生徒が、税関職員に北朝鮮の国旗などが描かれた化粧品や薬などの土産品を、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品だとして押収された。押収品には親族や友人からの贈り物も含まれていた。
これに対して、在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)は29日、日本政府に抗議する会見を開いた。徐忠彦・国際統一局長は「日本政府が対話を望むならば、非人間的な措置をやめるべきだ」と主張した。

*****


修学旅行おみやげ取り上げ事件
| 「朝鮮人としての尊厳」に傷をつけた担当官
| 当局への朝鮮高校生の怒りと涙

 

└──── 寺島栄宏(ジャーナリスト、メールマガジン読者)

 

 

6.14~28にかけ朝鮮高校生の修学旅行に引率として朝鮮に行ってきました。米
朝共同宣言の平和と繁栄の流れの中で行く修学旅行は、また格別な思いがありま
した。
なによりも楽しく、なによりも感動的な15日間が…、最後は最悪な修学旅行に。

お土産、没収の嵐。泣きわめく女子生徒、悔しくて悔しくて怒りの抗議をする
男子生徒。地獄絵図でした。関西空港税関の対応は「上の指示で輸入が禁止され
ているから」のみ。


若干18歳の高校生に「任意放棄書」なるものを「強制的に」書かせる当局の方々
には人の心がないのでしょうか。


あまりの悔しさに、せめてクッションなどのお土産の紙だけでもと、一枚一枚
回収する男子生徒。ゲートを出た瞬間に泣き崩れていました。


しかも飛行機の遅れもありゲートを出たのは0:00過ぎていました。悔しさに今
も眠れません。

 

××す。
もちろん、お土産を奪われたショックも大きいです。これからはそんな事が無
いように、どうにか無事に持ってくる手段も考えないといけないとは思います。
でも生徒たちが何に泣き、何に怒ったか。


自分たちの「朝鮮人としての尊厳」に傷をつけた担当官、当局への涙、怒りで
あり、「モノ」への執着ではなかったのでしょう。


結果はわかっていても、怒りに震え、私の手を何度も振り払いながら抗議する
生徒たちを見ながら、心の底からそう思いました。

 

 

韓国ドラマ「黄金色の私の人生」


主流秩序上昇が幸せなのかということを問う韓国テレビドラマ。非情に面白かった。


金持ち(財閥、セレブ、高級な生活)がいい、大企業の正社員がいいと信じ込んでいた人たちが、生き方を見直していく物語。そのセレブ男の傲慢さを、恋愛関係においても、無自覚の「覚悟のなさ」「やはり財閥がいいという意識」「自分の古い価値観」という形で浮き彫りにし、本気で人に向かうということを追及する点で、日本のドラマより一段深い。

 

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なんとしても正社員になりたいという、韓国社会の現実を反映した焦りを持つ主人公。財閥の妻の座を女性なら求めるはず、カードでお金を使い放題でなんでも買える生活がいいはずという思い込み。

 


そこを全52話の中で丁寧に恋愛での姿勢と絡めて深く検討したところが秀逸。日本ではすべてが浅くて、指摘されない点。

 

●第30話あたりで、主人公がようやく、主流秩序の上、正社員で安定高収入を目指す以外のものが見えてくる。主流秩序の上位でない、少しスロー系とか、NPO系の生き方(社会的企業、家具づくり、街のパン屋・・) に生きる人々をしている人を見て刺激を受ける。

 

金持ちの娘とわかっても、金の魔力に負けない妹も出てくる。
最期のほうはおやじさんのゆがんだ認識も乗り越えて、家族それぞれが大事なものを見出していく。

 

キーパーの責任を言わない変な空気

 

 

ワールドカップでの日本とベルギーの試合は素晴らしかったと思う。2点取ったところまでまではとてもよかった。

 

しかしそのあとボールをキープするという方針をとれずに、バタバタして、そしてキーパー川島が痛恨のミスをして流れが変わった。

 

だが日本メディアではこの1点目の川島のミスを全然指摘していないようだ。

おかしなことで、日本社会のヘンさがここにも出ているように思う。

 

内向き日本。「我が国」という悪しき共同体主義で、排外主義的。異論を認めない。「ニッポン、ニッポン」ばかりの空気の反映という面がある。

 

みんなが頑張ったから、個人を責めないでおこうというような感じかもしれないが、それはチームメイトならわかるが、解説者やファンは自由にもっと論じてもいいだろう。

 

川島はひどすぎた。 ポーランド戦での失点も前に出ていくべきだった。川島はあまりに前に出るべきところで動かなすぎる。1、2戦目だけがだめだったのではない。

 

だから川島を使った西野監督の失敗ともいえる。

 

ベルギー戦で、コーナーキックからベルギー選手がヘディングでぽわーんと折り返すと、川島はすぐに動けず見送ってそのままゴールとなった。かなり距離もあった(12ヤードくらい)

完全に川島のミスだ。レベルの高いキーパーなら得点にはさせない。

 

 

宮崎 マッサージ店強姦盗撮事件 ビデオ原本没収確定!

宮崎 マッサージ店強姦盗撮事件 

ビデオ没収確定

 

この事件で、ようやく最高裁が 性犯罪行為を盗撮したビデオテープを裁判所が没収できるかどうかが争われた性的暴行事件の刑事裁判の上告審で、「隠し撮りを被害者に知らせて処罰を求めることを断念させ、刑事責任を免れようとしたと認められ、ビデオは犯罪のために使われたと言える」として没収可能との判断を示しました。

 

 

この事件はひどいことの連続ですが、加害者側の谷口弁護士は、性犯罪裁判を起こした被害者に「示談に応じれば性犯罪時のビデオを処分する」と持ちかける、ビデオ原本は被害者に返却しないなどどこまでもひどい対応を続けてきました。

 

懲戒請求が出されましたが、宮崎県弁護士会はこの悪徳弁護士を処分しないという判断を行いました。

また宮崎弁護士会NPOが求めた「被害者に対する不当な圧力をなくす仕組みの構築」については対応できないと返事しました。

 

 

弁護士といってもこの程度が多いです。まともな弁護士も一部いますが。 希望はあります。社会運動があることですし、まともな弁護士に若い人がなっていくことです。ひどい判決も多いですが、一部良い判決もあるということです。

 

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宮崎市のマッサージ店での盗撮強姦事件 の経緯  

 

<2014年>  2〜7月…土屋被告が10〜13年に女性客らを店内で強姦するなどしたとして起訴される  

3月…被害者の20代女性の代理人が、被告の弁護士から告訴取り下げを条件に盗撮ビデオの処分を持ちかけられる  

 

<2015年>  1月…被害者の女性が公判でビデオの問題を証言  

3月…性犯罪被害者支援のNPO法人代表らが、宮崎県弁護士会に被告の弁護士の懲戒を請求  

6月…男に対する論告求刑公判で検察が被告側のビデオ原本所持を非難し、裁判長が提出を求める  

8月…検察側が「被害者の精神的苦痛は明白」として、ビデオ原本の差し押さえを求め宮崎地裁に上申書  

9月…宮崎地裁がビデオ原本の提出を命令。被告側は不服として福岡高裁宮崎支部に抗告したが棄却される  

 

11月…被告側の特別抗告を最高裁が棄却し、提出命令が確定。宮崎地裁がビデオ原本を差し押さえ  

12月…宮崎地裁が懲役11年、ビデオ原本没収の判決  

 

2018年6月 最高裁でビデオ原本没収の判決 懲役11年も含めて 確定

 

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この事件については、何度も紹介してきました。以下、その一部

 

2015-12-02

宮崎マッサージ店強姦事件  懲役11年判決でる http://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/12/02/134601

 

 

2016-03-24

マッサージ店強姦ビデオ撮影事件 宮崎県弁護士会がひどい判断 http://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2016/03/24/010952

 

 

2015-08-11

宮崎レイプ録画事件 続報

http://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2015/08/11/164428

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認識のゆがみ―――米朝会談と拉致問題とナショナリズム

 


米朝首脳会談がらみの報道での、日本のメディアの認識のがみがはなはだしい。


緊張が緩和し戦争が遠のくのがいいのは明らかだ。だからウォ―ゲームをやめるといった先に、米軍が韓国との主要な合同軍事演習を無期限に停止したことは歓迎すべきことなのに、まるでよくないことのように報道がなされている。

 

もちろん、米国も北朝鮮も人権問題ではひどい側面があるが、それは日本も中国もロシアも同じだ。何もかもを全部一挙に解決できない中で、戦争したがるやつらが悔しがるようなことは、ましな状況といえる。

 

 

さて、認識のゆがみが典型的に出ているのが拉致問題なので、それについて簡単にふれておこう。


米朝首脳会談で日本人拉致問題が解決するはずがないのに、日本のメディアでは事前にも会談後にも、「最大で最後のチャンス」「トランプが北朝鮮トップに言ってくれたことが奇跡だ」「大きく進展する」「日朝会談をもって今年中に解決」といった、楽観的主観的報道が相次いだ。

 

会談でトランプが一言「拉致」と話題に出して相手から拉致について何の反応もなかったことを前進だと喜び、まるで解決が目の前に来たかのような報道である。それはそのようにいう政治家などがいるからである。

妄想的希望的観測の典型というしかない。

そして拉致被害者家族の会いたいという気持ちが今回もナショナリストたちに利用されている。

 

「解決するはずがない」というのは、まず第一にこれまでも現在も日本が北朝鮮に敵対的な対応だけを続けてきたからであり、

第二に、米朝会談の主目的は非核化(という演出)であって、拉致問題など両首脳とも関心がないからである。

安倍が一方的に言及するように頼みこんだだけで、客観的に見ててなんら「全員生きて帰国」といったことが実現する見込みがないからである。

今後、日朝協議が持たれたとしても、日本が「まずは拉致問題の解決、それがないなら交渉には応じず、制裁も緩めない」といった今までの姿勢を改めない限り、拉致問題御交渉、解決の前進はないだろう。

一切妥協なく、経済支援もなく(――米朝会談後も「「拉致問題が解決されなければ経済援助は行わない」と首相発言――)、 まずは帰国の確約だといっている限り、妄想的願望するような「全員、生きて帰国という致問題の解決」といったものがあるはずがない。日本の側が勝手なことだけ言っていれば日朝会議でさえもてないだろう。

冷静に見ればそれが事実だ。

 

 

少し振り返れば、小泉政権時の2002年に拉致被害者が日本に一時帰国したときに、その約束を反故にして5人を北朝鮮に帰国させなかった。難しい判断の側面もあったが、あれによってその後の道が閉ざされるということは予想できたことだった(それでもいい、この5人だけでも助ける、というならその判断もあるが、それならその後も拉致問題を言い続けるのは無理がある)。


6か国協議の際にも、日本は「拉致問題」を持ち出して協議の進展を妨害した。その後、再調査をするということだったがその結果は解決済みというものだった。そして日本は対話や関係改善を拒否し経済制裁など圧力だけをかけ、北朝鮮制裁を日本だけ国際的制裁基準以上に独自に強化し、ほかの国にもそれを求めてまわった。Jアラートを広げ、ミサイル避難訓練もした。朝鮮学校補助金で差別したり、朝鮮総連関係へ嫌がらせをしたりもした。そういうことを続けたために、米国と並んで北朝鮮から最も反発される国となった。

 

たとえば北朝鮮は、2017年11月に「主人(米国)の北朝鮮敵視政策の実現御先頭に立つ忠犬(日本)のこざかしいふるまい」と言われたりしていた。このように緊張を激化させる方向ばかりで動いて来た。


トランプが首脳会談キャンセルを突然言ったときに、日本だけが「トランプ大統領の決断を支持する」と表明した(世界の恥さらし)。

日本は今でもこうした緊張激化の姿勢を変えていない。だから日本は自ら拉致問題の解決を閉ざしてきたのだ。

 

 

少し基本構図を整理しておこう。


軍備増強拡大願望派にとっては、拉致問題北朝鮮との対立)は解決してほしくない問題だ。

いつまでも対立して、こんな国叩き潰せという考えの人が増えて、自衛隊予算が増えて自衛隊が肥大化し武器が売れて儲かり、自民党支持が増えればいい。

 

同じ意味で非核化や緊張緩和が進むのがいやである。北朝鮮がドンドンICBM・ミサイルの発射実験してほしいのである。そうすれば脅威が高まっているといって軍備増強を言えるからである。


領土問題も同じ。だから尖閣諸島を国有化したり竹島の日を制定したり、教科書に領土問題を書き込んだり、北方領土問題を宣伝したり、朝鮮学校を差別したり、北朝鮮制裁を日本だけ国際的制裁基準以上に独自に強化したり、靖国参拝を強行したりして、韓国、中国、北朝鮮北方領土ではロシアと対立だったが、プーチンになって安倍はなかよし)と対立し続けるよう挑発してきた。その中心が安倍内閣だ。

 

 

そうして日本から挑発すれは韓中朝の中の、ナショナリストや右翼や軍人が呼応して極端な反日活動をする。中国との尖閣列島でのつばぜり合いなどその典型。日本側はまたそれを口実に、日本国民に「尖閣列島が奪われるぞ」「ミサイル攻撃や核攻撃されるぞ」といって軍事化と憲法9条改悪を進められる。「北朝鮮はスパイを送り込んでいるし、信頼できないからあんな国の指導者は殺すしかないぞ」「戦争をしかけられるぞ、領土を侵略されるぞ」といった恐怖心を植え付け、韓中朝を嫌うよう誘導し、敵国のように思わせる。


倍首相の拉致被害者救済の言葉は、いつも口先だけで、国内政治用のポーズ。本当は解決してほしくないから実際には解決に向けては何も動かず、北朝鮮に圧力をかけて対立を激化させるだけ

「全員、生きて帰国」ということを言い続ければ、解決せず対立が続くので、本当に家族のことを考えずに政治利用する人は「強硬ポーズ」「全員生きて帰らないと絶対にダメ」という主張を言い続けるだろう。拉致の現実の状況を認識するために調査をすすめるといった現実策を進める気などないままだろう。

 

 

半分はこの流れに乗せられて(気持ちを利用されて)、また半分は主体的に(長年の恨みから)、拉致被害者家族たちは北朝鮮憎悪の世論ムードつくりの旗振り役を担い担わされている

結果、その願望とは裏腹に北朝鮮との対立だけが高まって拉致問題の解決をみずからとおのかせている。

 

その絶望の気分から、一部家族会メンバーはこんな国には軍事攻撃を仕掛けての拉致被害者を軍事的に救出すればいいという妄想まで持っている人もいる。それが無理ならせめて恨みのあるこの国をつぶし、その指導者・金正恩を殺害してほしいと思っている。
そうした絶望的敵対心と軍事偏重志向が、拉致問題という話を通じて日本中に広げ続けられてきた。

その結果、明らかに日本だけが、「韓国や米国などを中心とした対北朝鮮との緊張緩和、戦争回避、非核化」への動きの外に置かれ、

北朝鮮から「日本はすでに解決した『拉致問題』を持ち出して朝鮮半島の平和の流れを阻もうとしている」

「日本の反動層がすでに解決した拉致問題を再び持ち出し世論化するのは、稚拙でおろかな醜態」「全世界が近く行われる米朝首脳会談を歓迎しているときに、日本だけがゆがんだ動きをし、『拉致問題』をもって再び騒いでいる

「日本は、拉致問題を持ち出して国際社会の同情を引き出し、過去の清算を回避しようとしているが、日本は朝鮮に対して過去の清算(賠償)を行うべきだ

拉致問題は解決ずみだが、言いたいことがあるならトランプや文在寅大統領に言わせるのでなく直接言ってこい」などと言われる始末である。

 

日朝協議というなら、当然、過去の戦争、慰安婦問題をはじめとして、日朝国交正常化、過去についての謝罪や賠償が問題になるだろう。国交正常化の際に韓国に経済支援したような経済支援が賠償として課題になるだろうが、それをする気が日本にあるかどうかだ。今は、まったくする気がないといっている。


「圧力と対話」といいながら国内政治と軍備拡大のために、「圧力一辺倒路線」をとってきた。それは政治的にも「リベラル/平和憲法維持派」を追いやり、右派改憲勢力を拡大する路線

 

国際的に見れば、イスラエルとならんで、プーチンやトランプにすりよる右翼国家の道を突き進む日本。(G7でも環境問題でも、ILOセクハラ条約でも、日本だけが米国追随)
今日は米国が国際的な人権機関からも離脱という暴挙。それでも安倍はトランプに媚び続ける。

 

そうした世界での特異な「米国のポチ」「人権問題環境問題軽視の国」と笑われている位置が見えない日本。北朝鮮の人権問題をいえる資格がない状況だ。


他の国に通じない歪んた内向き認識にとらわれ、歪んでいるとも自覚できない病理状況に陥っている。(一部は、ネットなどでたたかれるのが怖くて、真実を言えないという、戦前と似た心理状況)

 

それが今回もまた、浮き彫りになった。もはや喜劇である。

 

 

追記 2018年6月30日


その後、予想通り、日朝会議は遠のいている。


米朝会談後、何度も北朝鮮側から「拉致問題は解決済み」と言われている。日本の報道で、「北朝鮮が米国大統領に解決済みといわなかった(=だから態度が変わった)」という「希望」が多く出されたが、それは間違いだったことが判明。

 

北朝鮮は、マレーシアのマハティール首相やラオスのトンルン首相に対し、安倍首相が対北圧力への協調を求めたことに対して、「不安感に襲われた安倍は、朝鮮半島情勢を悪化させようという不純な策動に東南アジア諸国を引き込もうと愚かに画策している」と批判。


また安倍政権が配備しようとしている「イージス・アショア」に対しても、「良い方向に流れている朝鮮半島の雰囲気に冷や水を浴びせている」と批判。


そして「安倍勢力の総的目標は、日本を戦争国家にすることである。今まで日本は周辺情勢、特に朝鮮半島情勢悪化を口実に、武力増強に拍車をかけ、軍事訓練を頻繁に行ってきた。侵略戦争に出られる準備をほとんど整えた日本に今残っているのは、現行憲法を書き換え、法的名分を作ることだけである。だから、朝鮮半島情勢緩和ではなく、激化を望んでいる」と書いているが、それは日本の新聞よりずっと的を射ている。

 


従軍慰安婦に関する日韓合意に対しても、「「合意」なるものを前面に掲げて、凶悪非道な性奴隷犯罪が全部清算されたかのように宣伝している」「過去の罪悪を率直に認めて徹底的に賠償することだけが、日本が生きる道である」と主張した。


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日本側は上記記事で述べたよう、本気で拉致問題を進めようとしていない(日朝会談での平和的解決など求めていない)ということを、右翼自ら示している。


たとえば、右翼が集まっている超党派の「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(会長=古屋圭司・元拉致問題担当相)は、6月22日、安倍晋三首相に「全ての拉致被害者の即時一括帰国」に向けた取り組みを申し入れた。古屋氏によると、議連が「北朝鮮と前のめりの交渉をしては得られるものはない」と訴えた。事実上、拉致問題のために北朝鮮と交渉するなというのである。

 

 

また幼稚な北朝鮮いじめが続いている。


神戸朝鮮高級学校(神戸市)の生徒62人が6月28日、「祖国訪問」を終えて関西空港に到着した際、約半数の生徒が、税関職員に北朝鮮の国旗などが描かれた化粧品や薬などの土産品を、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品だとして押収された。押収品には親族や友人からの贈り物も含まれていた。


これに対して、在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)は29日、日本政府に抗議する会見を開いた。徐忠彦・国際統一局長は「日本政府が対話を望むならば、非人間的な措置をやめるべきだ」と主張した。

 

 

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セクハラを目撃した時にできること

 

以下の2つの記事を偶然目にした。

 

●コップを倒すだけでも大丈夫。セクハラを目撃した時にできる「3つのD」とは

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180608-00010000-bfj-soci


●セクハラ、もう見て見ぬ振りをしたくない。誰にでもできる3つのこと

https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/sexual-consent-handbook?utm_term=.pvWn2VX0zd#.ctqvqnwoyW

 


いずれもその内容はいいものと思うが、できることとして紹介しているセクハラを目撃した時にできる「3つのD」というのが狭いなと思ったので、先ほどのブログ記事関連でここに少し書いておく。

 

 

『主流秩序にいかに囚われているか―――学生たちの実態と本音、そして少しの突破』(電子書籍、2016年3月発行)に紹介したように、カツアゲとかセクハラとか、何か問題を目撃したときにできることはたくさんある。

 

「カツアゲ目撃」で書いたのは以下のような事であった。


直接節介入以外の間接介入のいろいろ

 

間接介入とは、自分は直接介入しないが他の人の力を動員することで介入するというものである。この間接介入にはいろいろあり、これをすることは現実的に可能である(一種の「社会化する対応」という言い方もできる)。これをして逃げるのも「一歩前に行ってから逃げる」の一つといえる。
間接介入の例
A:自分で救援を頼みにいく。(警察、駅員などに)走っていく、電話する。
B:近くの人に言う。近くの人を見つける。その人にAを頼む。分業する。
C:非常ベルを鳴らす
D:大声を出す。遠くから「誰か助けてくださーい」「どうしたんだー」「大丈夫かー」「やめろ」「警察来るぞー」「警察を呼んで―」と叫ぶ、等
E:写真を撮る、録音する、映像を撮る。
F:(犯人たちが逃げる時に)追いかける、どこに行くかをみておく、逃げる車[種類、色、ナンバー]を見る、写真を撮る、特徴を覚えるなど
G:周りの人を集め、その人たちと一緒になって近づく
H:注意をそらす。たとえば「どうしたんですかー」とのん気な感じで聞く。ただ近づく、間に入る、唄を歌う、大声で笑う、こんにちわーというなど。何かを投げて注意をそらす手もある。


これを使って「セクハラを見たとき」のことを書けば

 

直接介入 「今のはセクハラです」と言ってその場でセクハラ行為をした人に言う。すぐに止める。謝らせる。
すぐに録音し、証拠をとりましたという、など。

 

 

間接介入の例 目の前でセクハラ的行為がある、あったという場合

 

●自分で誰かセクハラ対応力がある人を探して、相談し、そのひとにセクハラ対応をしてもらう。引き継ぐ。


●セクハラ被害者の相談に乗る。一緒に記録を作る。そして一緒に相談先に行く。(職場関係の場合、コミュニティユニオンが一番実践的でよい)場合によっては、信頼できる人、警察、行政関係、弁護士などに一緒に相談にいく労働局とかはそのあとの一つの選択肢。


●被害者の希望で、気持ちを聞くだけで終わる場合もある。その場合も共感的に聴く。被害者とともに、その人なりの解決策を一緒に考える。

 


●次回同じ様なシチュエーションの時に何をなしうるかを被害者と一緒に考えたり、相談いいって聞いて決めていく。

●近くの人に小さな声で「これってセクハラだよね」と言う。
●近くの人に、「誰か呼んできて」と言ってしっかりした人、頼りになる人を呼んできてもらう。あるいは自分で呼びに行く。


●誰か証人になるとか、目撃者を増やすように、ほかの人を呼んでくる。

 


:●証拠を残す。ひっそりと録音する/映像を撮る。メモをとる。


●その場を離れた後すぐに、記憶でセクハラ状況のメモを作る。

 


●周りの人と一緒に、少しセクハラ状況を変えるように、正面からセクハラだと批判するのではなく、ずらす、ごまかす、冗談のように「奥さんがしっとしますよ」とか「ちょっとやりすぎですよー」とか「それをぼくがやったらなぐられますよー」とかへらへらという。

 


●何かを別の話を被害者あるいは加害者にはなしかけて、セクハラ状況を変える。加害者と被害者の間に物理的に入っていく。そしてお酒くださーいとか、まったく違う話をするとか、急に歌いだすとか、意表を突いた行動をとる。その中に、加害者にお酒をつぐとか、コーヒーいれるとか、お酒をこぼして素っ頓狂な声で謝るとか、テレビをつけるとか、サッカーの話をしだすとかトイレに誘うとか、もある。

 


●そっと電話をして、どうしたらいいか誰かに相談する。


●「不愉快なので帰ります」という。


●あるいはそこまで言えないので「あの、ちょっと、なんかしんどい感じなので、帰りますけど、●さんも帰りません?」という


●その場にいる人(加害者や被害者含む)に聞こえるように、「違うかもしれないけど、これってビミョーにセクハラっぽいような感じもしますけど・・・ね違うとは思うんですけど。。私、そのあたり詳しい人を知っているので、相談してみようと思うんですけど。会社の人事にも聞いてみようかな」という。


●「さあさあ、仕事しましょう」「さあさあ、食べましょう、乾杯しましょう」という。

 

 

などなどいろいろある。ケースごとにできることはいろいろあると思う。

 

というようなことで、上記記事の「3つのD」というだけではないなと思いました。

 

この話、主流秩序にどうむかうかという大きな話の一部です。

 

日本の教育で足りないのは、権利を守るために戦う主体になるための「身を守るノウハウ教育」です。ユニオンに入って交渉するということを教えない、証拠を残すということを教えない、相談するということの重要さを教えないのが大問題です。

 

 

 

新幹線内無差別攻撃事件  助けに入った人がいたという希望

●新幹線内無差別攻撃事件  

助けに入った人がいたという希望、

「とにかく逃げろ」が唯一の教訓ではないという話

 

 

このブログを読んでくださっている人は知っているかもしれないが、世間的には、私が主流秩序論とからめて「カツアゲなど事件を見たときの時の介入の在り方」を大学の講義で話し、以下の電子書籍でも紹介していることをしらない。


参考:伊田広行編著『主流秩序にいかに囚われているか―――学生たちの実態と本音、そして少しの突破』(電子書籍、2016年3月発行)

 

 

今回、新幹線無差別攻撃事件に絡めて少し書いておく。

 

小島一朗容疑者(22)が隣席の女性を切り付け、通路を挟んで向かい側の女性にも襲いかかり、それを見た2列後ろにいた会社員の男性・梅田耕太郎さん(38)が逃げるのではなく、自分が止めに入った。逃げた人を批判しないなどの配慮から、メディアでも、ほかの人は何をしていたのかという指摘はほとんどない。

それどころか「梅田さんは容疑者に立ち向かった結果、刺激して「最悪の事態」を招いてしまったかもしれない」という見方を紹介する報道まであった。

 

 

 

しかし、この状況を振り返るならば、みなが逃げれば被害者がゼロということはあり得ない。梅田さんが逃げていたら、最初二人の女性やそのほかの近くにいた人が切りつけられていて被害者はさらに多くなったろう。

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ということは、梅田さんがいたから、最初の二人の女性が助かり、ほかの被害にあう可能性の高かった近くにいた女性や子供や老人などが助かったといえる。梅田さんが身を挺してほかの人を守ったということになる。

 

だから、こういう事件を振り返るときに、「下手に介入したら危険だ、とにかく逃げるのがいい」というような総括をしてその情報を広めるのはおかしいと思う。

 

もちろん、やみくもに自分の命の危険を顧みずに必ず直接介入すべきだといっているのではない。

 

 


まず結果から見てもとっさに助けに入った梅田さんは素晴らしい勇気ある人というべきである。
今回は刃物を持った加害者だし、多くの人は事情も分からないので、直接介入はむつかしいケースといえる。逃げる人がいるのは当然で、それは非難されることではない。

 

 

が、できれば何かできたことがあったら「したらよかった」という教訓は得られる。

まず、一般論は、誰か一人目が勇気をもって介入したら、2人目、3人目という介入があることが望ましい。直接介入でなくても間接介入でも、できることをするのがよい。それが望ましい。

 

事情が分からなければ、ある程度距離をとったうえで、周りの人に、何が起こっているのか、状況を聞く。そして今回ならだれが加害者で、だれが被害者かを把握できたら理想的。
ある程度距離をとって、誰か事情が分かっている人が、「止めに入ったある男性(梅田さん)がやられているので、男の人数人で助けに行ってください」ということもできるだろう。

 

今回は加害者が刃物を持っているし狭いし、防具などもシートしかないからむつかしいが、助けに入った人が孤立して殺されたのは痛ましい。とても残念だ。ご家族はつらいだろう。

 

できれば、止めに入った人が一人いたらすぐに二人目も入って、周りの人が分業して、乗務員を呼びに行ったり、周りに声をかけて「数人で行こう、協力よろしく」と言って男性数人人を集めて助けに行く、また離れたところから大声で話しかける手もある。

 

助けられる人を増やすことができれば、梅田さんは助かったかもしれない。被害を増やさないために、ドアのところでロックをかけて閉じ込めるということができればいいが、構造上そういうことはできないようだ。

 

 

繰り返すが今回は誰にもどうしようもなかったと思う。むつかしかったと思うが、今後に教訓を残す必要はある。

もう少し状況が介入しやすいものならばできることを即座に判断できる人が多いほうがいい。もう少し状況が分かるときには、勇気ある一人目を孤立させないような対応を回りが取れたらいいと思う。


だから「とにかく逃げなさい」ということを教訓にするのは間違いと思う。

 

 

即座に、自分の身を守りながらも、なにかできることを判断できる(考える)ような人が増えてほしい。そういう社会になってほしい。

 

考えていないと迷ってしまうはず。考えておくことで行動に結びつきやすくなる。
それが、今回亡くなった梅田さんをはじめ、過去、突入して亡くなったり怪我した人の勇気を受け継いでいく道と思う。

 

「関係ない人のためにかかわっていくのは馬鹿だ」というような人が多くなっているので、そうしたことを言っておきたい。

 

簡単に書いたが、スーパーマンでなくても、間接介入がいろいろ出来うるんだよという話である。

一人目が行くときも、できれば複数で行く、遠くから声をかけなにかを投げる、非常ボタンを押す、何か壁を作って防御する、老人や子供を優先的に逃がすよう誘導係を引き受けるなど、やれることを日頃から考えておく人が増えてほしい。

 

 

「カツアゲ場面」を見たときの例で、そういうことをひごろから考えておくと、職場でいじめやセクハラ上がったときとか、電車で痴漢だという声が上がった時とか、痴漢で苦しんでいる人がいるときとか、学校でいじめがあるときとか、いろいろ、応用が利くという話である。

 

職場で組合【ユニオン】が存在価値を失っているという場合があるがそれは御用組合になって活動しない場合である。
むしろいま問題なのは、組合という形での連帯意識が非常に低下していることである。誰かが頑張って個人の苦境を問題とする、支援するようなユニオン活動をしているときに、自分がユニオンに加入しないのが当然というような人が多いが、一人目二人目が頑張っているときに、どうしてそれを放置して自分は加入しないで、冷たく見ているのかと思う。

そういう人が「ユニオンに入っても意味ない」などというのを聞くのは悲しい。

 

今回の新幹線事件のような事件とユニオンの話は別と思うかもしれないが、深いところでつながっている。


一人目の勇気ある行動を見て「私やあなた」は何を感じるかだ。「馬鹿なことをしているといって冷笑して逃げて自分の身を守る」ような人の言葉はもう聞き飽きた。

 

それが主流秩序を意識して生きるということの一例である。


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