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ソウルヨガ

主流秩序、DV,スピシン主義、フェミ、あれこれ

当事者の視点を基礎にしたまともな記事、しかし・・・

 

 

以下の記事、当事者の立場に立っているのでまあまあまともだが、「念のために書くが、何か特定の思想を持っているとか、もともと反権力であるといった人たちではない」とかくところに、いまの時代で日本社会の主流秩序に無意識に従属していることを露呈している。

 

説得力を高めるために、この人は「特定の思想、反権力、特定政党の人」ではない、というようなことは、それを特殊に極端なもので、批判されても仕方ないものとし、それを犠牲にして、自分はそこまでひどいものでなく良心的ですよーと媚びるのである。

共産党が弾圧されたとき、私は自由主義者だから関係ないというのと同じである。

そして次に自分も「特定の思想」とレッテルを張られ弾圧されるのである。

  

 

「なぜ派遣労働者は法改正に反対するのかー「幻」を見るのではなく、目の前の当事者の声を聞くべきだ」林美子 webronza

http://webronza.asahi.com/business/articles/2015062100003.html

 

2015年06月23日

 

 「政府が派遣労働者に『スキルをつけてあげますよ』というのは、女性蔑視ではないのか。派遣で働くのは女性が多いが、『女性は仕事がないからスキルをつけてあげましょう』と。でも私はもう何年も、必要なスキルを身につけて働いてきているんです」

 

 労働者派遣法改正案が衆院を通過した6月19日、派遣労働者9人(うち女性8人)が厚生労働省で抗議の記者会見を開いた。その一人、40代の女性が強調した言葉だ。

 

 改正案では、一人の派遣労働者が同じ職場で働ける期間に3年の上限を設ける。一方で、派遣労働者に対して教育訓練やキャリアコンサルティングを行うようよう、派遣会社に義務を課している。厚生労働省の担当者は「これまでは義務ではなかったキャリアアップの措置を、改正案で初めて義務づけた」と胸をはる。

 

 また、3年で職場を去ったその後について、改正案では派遣会社に「雇用安定措置」を義務づけている。内容は①派遣先への直接雇用の依頼②新たな派遣先の提供③派遣元での無期雇用④その他必要な措置、の4項目だ。安倍首相は19日の衆院厚生労働委員会の質疑で、「正社員を希望する人には道を開く法案だ」と強調した。

 

 だが、派遣で働く当事者たちは、これらの言葉を欺瞞だと感じている。19日の会見から発言を拾ってみる。

 まず、キャリアアップ措置について。

 「すでに専門スキルを持っている人が雇用されているんです。スキルアップというのはまやかしです」

「派遣の職歴をいくら重ねてもキャリアアップにならない。正社員の就職活動につながらない。職歴に派遣と書いた時点でだめなんです」

 

 「私は、部下のいる正社員管理職の仕事を引き継いだ『管理職代替』の派遣です。派遣でキャリアアップが可能なら、派遣のまま20年働いてきた私は、とっくに正社員になって今この席にいません。正社員になれますと言われても信じません」

 

 「大手派遣会社には系列の各種学校があり、派遣社員は20万~30万円の学費を自腹で払って通うんです。派遣会社へのマージンも考えると、二重のピンハネです」

 

 次に雇用安定措置について。同じ派遣先で15年働いている56歳の女性は、派遣先に、法改正を見越して「3年後にはここにはいられない」と言われたという。

 

 雇用安定措置の①の直接雇用はすでに無理と言われたのも同然で、②の新しい派遣先の紹介も、年齢が上がるとますます条件の悪い派遣先しか紹介してもらえなくなる。③の派遣元による無期雇用は、派遣会社に聞いたところ「やってもらう仕事はない」と言われたという。

 

 「3年後、59歳で職を失っても退職金も何もない。はしごをはずされ、セーフティーネットはないまま。ガケから落ちた時のことを考えると怖くてたまりません」

 

 別の女性は、自分が働くと1日5600円のマージンを派遣会社が得ていると明かした。「1カ月12万円が派遣会社に入るんです。雇用安定措置といったって、派遣会社がマージンの入る派遣スタッフを手放すはずがありません」

 

 会見した派遣労働者たちは、この日の厚生労働委員会や本会議での採決を傍聴していた。

 「法案に賛成の人が起立した瞬間の様子は、すごく衝撃的だった」と、ある女性は話す。「安倍総理のために、(議員たちは)何も感情を持たずに決めていくんだと思った」

 別の女性も、「政府の方々は『幻』を見ているのでしょうか。実態を見ていない。私たちの声は何も届いていない。絶望感でいっぱいになった」。

 

 「あなたたちは好きにしなさい、死ねって言われたようなもの。私たちは『ふーん、大変だね』と言われるかわいそうな存在ではない。あらゆる労働者の未来なんです」という発言もあった。

 

 血を吐くような言葉の数々である。

 

 当事者の声は法案審議にどのように反映されたのか。衆院厚労委で、元派遣労働者が1人、参考人として発言したのみだ。法案の元となる報告書をまとめた厚生労働省労働政策審議会でも、労使の代表者と学者が議論しただけ。事務方である厚労省が、新制度について当事者に十分ヒアリングをした形跡もない。

 

 私の会った派遣労働者はどの人も、改正案に反対していた。特に、今まで期間の上限なく働ける26業務に携わっていた人たちは、その期間が3年に区切られてしまうことを心配し、自分の仕事や生活が将来どうなるかとおびえていた。念のために書くが、何か特定の思想を持っているとか、もともと反権力であるといった人たちではない。私たちの周囲にふつうに働いていそうな女性たちである。「派遣労働者のためになる」と政府が言い続けるのなら、彼女たちが現実に感じている不安に、誠実に応 答すべきではないか。

 

 現在の派遣法にも問題点がたくさんある。派遣労働者たちはそのことを十分承知している。求めているのは、「これ以上悪い法律にしないでほしい」ということにつきる。参院での審議では、誰の声に耳を傾けるのかを真剣に考えるべきである。