ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

また口先だけの安倍政権、「同一労働同一賃金」

 


安倍首相の特徴は、歴代総理の中でもダントツでうそを平気で言えるヒトラー型の口先男ということです。
選挙のためなら平気で言い切る。


完全に放射能はコントロールされているというようなことを言いつけている。
しかしやっているのは、企業減税、派遣法改悪、安保法強行採決などひどいことばかり。


でも馬鹿な一部大衆は、安陪や橋下やヒトラーを支持する。

私は左翼的スタンスだが、従来の左翼のダメなところのひとつは、個人の問題でなく構造の問題だといって、社会を構成している人(労働者階級の人も含めて)の各個人の主流秩序への加担性を中心的な問題にしなかったことだ。ここは私と旧来の議論との大きな分岐点だ。

 

 

さて、同一(価値)労働同一賃金の議論がある。安倍が平気で言いだした。参議院選向けのリップサービスのひとつだ。


ここは格差問題のキモで、安陪が本気で正しき同一価値労働同一賃金の制度改革をするはずがない。
これについては当然、昔から多くの議論があり、私は1997年に「21世紀の労働論」で基本的なことをのべている。もう19年も前の話になってしまった。

 

ところが経済学や労働問題の素養がない人が付け焼刃的に論じているので、簡単にだまされている。
また何でもことは政治的な配慮も必要だ。財界も自民党安倍政権も絶対に正しき同一価値労働同一賃金への改革など自主的にはしない。


するとすれば、偽の「同一労働同一賃金もどき」であり、一部正社員の解体、雇用の流動化。賃金全体の引き下げ、身分不安定化だろう。


その他いろいろ言うべきことがあるが、一言でいうならば、運動としては「最低賃金アップの運動と非正規雇用の待遇改善」に利用できるなら利用したらいいということ。最賃を1500円にするアップなら意義はあるし、それに近いことにつなげられるかどうかと突きつけるべきだ。有期雇用の解雇制限、有期雇用自体の制限があれば前進だ。

 

しかし自民党も安倍も財界も、決してそういう方向にはしない。
しかし、物事を正しくみれない人は、小手先議論にだまされ利用される。困った問題だ。
なお、昔、社会政策学会にいて、労働経済をもともとは専門にしていた私から見れば、八代尚宏の意見など古臭い新自由主義的立場からの財界代弁のひどいものだが、もっとまともなものを知らない中では、これに影響される人がいるという状況だ。まぶされているマトモな主張に騙されて、隠された毒を見抜けないのだ。


私の従来からの主張、つまり労働面でもシングル単位化を基本とした根本的な賃金・労働制度の総合的改革、その意味での同一価値労働同一賃金が必要だが、八代はそれには賛成しない。最賃アップには賛成しない。八代は経団連や連合を批判するが、その言葉は八代自身にも向けるべきだ。


八代は、「解雇の金銭補償ルールは、すでに欧州諸国では確立した仕組みであり、十分な補償なしに解雇されている労働者保護のためにも必要とされる。」と美化するが、たとえばこの問題でも、金銭補償の額(水準)が問題。低いものになるなら反動。


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◆「同一労働同一賃金」実現は、正社員にも無縁ではない
八代尚宏 昭和女子大学特命教授
ダイヤモンドオンライン2016年2月5日
http://diamond.jp/articles/-/85778

 安倍総理は1月22日の施政方針演説で、正社員と非正社員の均衡待遇のために、同一労働同一賃金の実現に踏み込む考えを示した。これは、元々、野党の主張であった筈で、それを与党の政策として掲げたことにはどのような意味があるのだろうか。

 同じ仕事をしていれば同じ賃金というのは、市場が効率的に働いていれば自然に実現する「一物一価」の法則で、欧米の職種別労働市場では当然のことである。しかし、日本の企業別に分断された労働市場では、企業内部の正社員と外部の非正社員とでは大きな賃金差がある。これは正確には「年功賃金の格差」であり、若年層では小さく、中高年層で大きく拡がっている(図)。

 正社員と非正社員の均衡待遇を阻む最大の障壁が、この年功賃金である。仮に、有期雇用の非正社員に年功賃金を適用しても、賃金が高まる前に離職すれば効果はない。「日本の雇用慣行に即して正規・非正規間の格差解消」という野党の主張があるが、現行の年齢や勤続年数で決まる賃金制度の改革なしに、どうすれば非正社員との賃金格差が解消できるのだろうか。

 毎年の春闘で、正社員の労働組合の最低限の要求は定期昇給であり、これは年功賃金そのものである。これに対して、職種別労働市場の需給関係による非正社員の賃金は、世界標準の決まり方である。均衡待遇実現のために変わらなければならないのは、正社員の生産性に見合わない年功賃金で、これを職業訓練等による非正社員の賃金底上げと一体的に行う必要がある。

年功賃金を維持したままで実現は不可能

 企業外の職種別労働市場と異なり、企業内労働市場では、職種の概念は明確でない場合が多い。これは過去の高い経済成長期には、技術革新に見合って新たな職種が次々に生まれたことや、慢性的な人手不足のなかで、熟練労働者を企業内に抱え込むために、年功賃金や多額の退職金等の「後払い賃金」が生まれた。こうしたなかで、個々の職種に見合った賃金ではなく、それに年齢や勤続年数等を加味する職能給も普及した。

 職務給と職能給の優劣は、企業の直面する経済社会環境に依存する。少子高齢化が急速に進む今後の日本社会では、過去の高成長期のような企業による教育投資の収益性は低下する。また情報通信技術の進歩のなかで、熟練の内容が陳腐化するリスクも大きい。大量の新卒採用者を企業内で時間をかけて訓練する雇用慣行は、過剰な教育投資となりやすい。労働者にとっても、著名な大企業が倒産する時代には、40年以上のキャリアを特定の企業に委ねるリスクが高まっている。

 それにもかかわらず、労使が共に、過去の高成長期に成功した雇用慣行に固執する結果、不況期にも正社員の雇用と年功賃金を保障するための調整弁としての非正社員の比率は傾向的に高まっている。こうした現状から眼を背け、現行の雇用慣行を維持したままで、同一労働同一賃金の実現という主張は論理矛盾である。むしろ、正社員と非正社員に共通した職務給を普及させることが、低成長期に相応しい働き方の改革となる。

 経団連の「労働者のキャリアや責任の程度」や、連合の「配置転換や転勤の精神的苦痛」等を加味した同一労働とは、それらの賃金に相当する部分を明示化しない限り、正社員と同じ職種に従事する非正社員との現状の賃金格差を正当化させる論法に用いられやすい。

高齢者の活用にも不可欠

 同一労働同一賃金は、高年齢者の活用にも貢献する。すでに日本の人口が減少するなかで、この年齢層が労働市場にとどまり、税や社会保険料を負担すれば、高齢化社会の財政負担が軽減される。しかし、その政策手段として、企業に定年退職後の高齢者の継続就業を一律に義務付ける高齢者雇用安定法や、定年を延長する企業への補助金等の「高齢者保護政策」には弊害が大きい。

 そもそも一定の年齢に達すると強制的に解雇される定年退職制は、米国や欧州主要国では原則禁止である。これは同一労働・同一賃金の原則下では、個人の仕事能力にかかわらず年齢のみを根拠とする解雇は、人種や性別と同様に「年齢による差別」となるからである。

 他方、日本では、年齢という客観的な基準で後進に道を譲ることは、公平な仕組みと見なされている。これは特定の職種と結びついた仕事能力を基準とする欧米と、特定の企業内の限られた構成員の年齢と結びついた曖昧な能力を尊重する日本との違いである。日本では、年功賃金の傾きが大きな従業員1000人以上の大企業の93%が60歳定年制を堅持している(就労条件総合調査2014年)。他方、そうでない中小企業では、定年制は65歳か、それ自体存在しない場合も少なくない。これは仕事能力に見合った賃金であれば、企業の方から熟練労働者である高年齢者に辞めてもらうインセンティブは小さいためである。

 もっとも、個人の年齢が高まるほど、その仕事能力にはバラつきが大きく、画一的な定年退職制は、企業にとっても貴重な人材を失うことになる。すでに高齢者の活用が進んでいる中小企業と比べて、改革が必要なのは年功賃金の度合いの大きな大企業である。

女性管理職の増加にも必要

 日本の男性と比べた女性の賃金格差は68%で、80~90%の欧米諸国との差は大きい。この主因としては、日本の女性の離職率が男性と比べて平均的に高いことから、年齢や勤続年数を基準に昇進する雇用慣行の下では、不利となることがある。安部総理は、女性の管理職比率を世界並に30%に引き上げる目標を掲げているが、「(女性差別ではなく)単に管理職年齢層の女性が少ないため」という企業の内部昇進の論理に阻まれている。

 企業が本気でダイバーシティー戦略で女性管理職を求めるなら、仮に社内に適任者がいなければ、社外から調達すれば良い。管理職をよく働いた中高年社員の処遇ポストではなく、企業の中枢を担う重要な職種として位置づけなければ、低成長社会では生き抜けない。

 女性管理職の増加は、高齢者のような保護策ではなく、社内外の公平な競争の結果、自然に実現するものといえる。女性の働き方は男性よりも多様で、流動性が高い。これまでの政府の政策は、育児休業の充実等、女性を無理に男性の働き方に合わせることへの支援であった。今後、男性の働き方も流動的なものとなれば、男女間の離職率の差は縮小する。現に、利益至上主義の外資系企業で、むしろ女性の管理職比率が高いことは、男女の別なく仕事能力主義を貫いているためとみられる。

 職務給を前提とした同一労働同一賃金は、労働者間の公平性の観点だけでなく、職種別労働市場の範囲を広げ、特定の企業に依存しない流動的な働き方を普及させることにもなる。今後、日本の雇用環境が、労働力の減少で「売り手市場」となって行くことは、女性や高齢者を含む大多数の労働者にとって、雇用の流動化のメリットが大きくなることを意味している。

実現のため政府は何をすべきか

 企業内の賃金体系の見直しは、労使の合意に基づくことが基本であり、政府はそのための条件整備が主たる役割である。まずは、同一労働同一賃金についての基本法が必要となる。この点、先の国会で成立した議員立法の「同一労働同一賃金推進法」は、その名称にもかかわらず、正社員の働き方を基本として、それとの均等待遇を目指す点で、基本的な矛盾を抱えている。

 むしろ、雇用機会均等法にある「性別にかかわる差別の禁止」の規定を、年齢も含むように拡大することが重要である。これは、欧米諸国並みの定年退職の禁止への第一歩となる。もちろん、現行の曖昧な職務概念のままで、単に定年制を廃止すれば企業の負担が大き過ぎる。このため、例えば40歳代までに何らかの職種を個人のフランチャイズとして定め、それを基本として仕事能力の評価や賃金を定める。また、そうした職種の基準に満たない場合には、雇用契約を解消するルールの策定も必要となる。解雇の金銭補償ルールは、すでに欧州諸国では確立した仕組みであり、十分な補償なしに解雇されている労働者保護のためにも必要とされる。

 また、在宅勤務や職種・地域を限定した正社員の働き方を労働法上に明示する必要がある。これは配置転換や転勤に応じる義務のない働き方であり、夫婦共働きが主流となる今後の社会では必要な選択肢となる。

 正社員・非正社員にかかわらず、同じ職種での賃金差の根拠を明確に示す立証責任を企業に課すことも必要になる。企業にとって詳細な人事評価記録を求められることは、「負担増」ではなく、今後、外国人も含めた多様な人材の活用には、社員も納得する客観的な人事評価は避けられない。

 同一労働同一賃金は、社員の身分ではなく、仕事能力にもとづく職種の差で賃金を決める公平な仕組みである。これは正社員にとって必ずしも賃下げを意味しない。むしろ仕事能力の高い職種に早期に就けば大幅な昇給も可能である。

 今後の低成長・高齢化社会では、年齢に依存した現行の人事システムは機能不全となる。同一労働同一賃金の原則を、正社員と非正社員の間だけでなく、社内の高年齢者や女性の活用にも役立てることで、初めて安倍総理成長戦略に結びつけられる。