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「2人以上で飲酒したら懲戒解雇」

 

「アリさんマークの引越社」のひどい状態がまた一つ明らかになりました。
社員同士が酒飲んだらあかんねんって。
労働問題を語る、会社の不満を語り合うのはいけないということでしょう。
凄いことをする会社です。

 

で、この問題について、ブラック企業被害対策弁護代代表の佐々木亮弁護士が記事を書いています。

 

http://bylines.news.yahoo.co.jp/sasakiryo/20160217-00054502/

【アリさんマークの引越社】アルバイトに「2人以上で飲酒したら懲戒解雇」と
いう誓約書にサインさせる

 

佐々木亮 | 弁護士・ブラック企業被害対策弁護団代表
2016年2月17日 19時43分配信

 

ガイアの夜明けでアリさんマークの引越社が注目を浴びる!

ガイアの夜明けが放送され、アリさんマークの引越社が大変な注目を浴びていますね。

・アリさん引越社の残業時間がすごい 月147時間と過労死ラインを超える

・「アリさんマークの引越社」現役の従業員が告発した地獄

・『ガイアの夜明け』の長時間労働特集に「神回」評

 

なお、番組は2月18日にBSジャパンで再放送されるようです。

 

アリさんマークの引越社の奇妙なルール~複数人での飲酒禁止

さて、知っている人には有名なのですが、このアリさんマークの引越社には奇妙なルールがあります。

それは、社員が複数人で飲酒することを禁止しているのです。

 

前に、同社の井ノ口副社長がSPA!の記事で言いたい放題だったのを批判した記事を書いたことがありますが、実はその批判の対象とした元記事でも、以下のようにさらっとそのことを述べています。

また、普段は複数人の社員同士の飲酒は禁止ですが、年に3回、成績優秀支店を表彰するときだけは許可しています。ただし、ドライバー全員の車の鍵を預かり、家までの送迎付き。絶対に飲酒運転はさせません!

出典:日刊SPA!


飲酒運転させないのはけっこうなことですが、その前のところですね。

普段は禁止で、一定のときだけ許可するということを悪びれなく述べています。

なんで、こんなことするのかな、と思ったところ、井ノ口副社長は別記事で次のように述べています。

 

たしかに飲酒禁止のルールはあります。弊社がたずさわるのは、ドライバーの多い引っ越し業務です。朝7時ごろから運転しなければならない。二日酔いなどで事故を起こしたらたいへんです。

出典:FRIDAYデジタル


飲酒運転を防止するため、という言い訳のようですが、ちょっと苦しいですね。

もしそうだとすれば、タクシー会社やバス会社などであるように、乗務の前日に限定し、かつ、一定の時間以降だけ飲酒を禁止し、さらに乗務直前にアルコール検査を行えばいいだけです。

 

そもそも、「2人以上」を禁止する必要は全くないのです。

したがって、この禁止の目的として言われている飲酒運転防止はウソだと思います。

これは単に従業員同士の横の結びつきを妨害する意図であると考えるのが普通でしょう。

 

アルバイトに「2人以上で飲酒したら懲戒解雇」という誓約書にサインさせる

で、そんなこんなしているうちに、アリさんマークの引越社と闘っているプレカリアートユニオンに以下の書類が情報提供されました。


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これはある学生がアルバイトするときにサインさせられた「引越アシスタント(準社員)誓約書」です。

これの勤務姿勢のところです。以下、拡大します。
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赤で囲みますね。
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2人で飲酒したことが発覚したら懲戒解雇処分・・・。

「え?!業務時間内でも1人での飲酒なら許されるの?!」

ということではありません。

 

もちろん、業務時間外に2人以上で飲酒したら懲戒解雇だと言っているのです。

しかし、まぁ、これをアルバイトの従業員に対して誓約させるんですから、常識外ですね。

もちろん、こんな理由で懲戒解雇できません。

ほぼ100%に近い確率で、これを理由とした懲戒解雇は無効になるでしょう。

使用者は労働者の私生活を縛ることはできないのが原則

 

そもそも、労働者に対し飲酒を禁止することができるのか?という問題があります。

まず、いくら使用者だからといって、労働者の私生活に立ち入ってその生活を制限するようなことは許されません。

これが原則です。

 

労働者が自由な生活を送ることは、大げさに言えば(本来は、大げさではないですが)、憲法の幸福追求権に通ずるわけです。

もちろん例外はあり、先に触れたドライバー職の乗務前の飲酒制限がありますが、それも限定的に運用されなければなりませんので、のべつまくなしに飲酒を禁ずることはできません。

 

その意味で、この「2人以上で飲酒したら懲戒解雇処分」だと高らかに謳っているアリさんマークの引越社の誓約書は、極めて異常なものだと言えるでしょう。