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(おなじ空の下で 東日本大震災5年:3)打ち込む脱原発、まっすぐ 木内みどりさん
朝日 2016年3月16日05時00分


ラジオ番組のイベントで語る木内みどりさん。4月から始まる「市民のための自由なラジオ LIGHT UP!」は番組ウェブサイトで聴ける=東京都新宿区、早坂元興撮影

 

 ■「無関心だった私にも責任ある」 イベントでは司会も務める、女優・木内みどりさん


 5年後の「3・11」。女優の木内みどりさん(65)は、東京都内で開かれたトークイベントに出ていた。個人の寄付で運営され、原発や沖縄の基地問題といった社会問題を報じるラジオ番組が企画したものだ。


 劇団四季出身で、1 960年代後半からテレビドラマや映画、舞台に数多く出演。母親役やコミカルな役など幅広く演じてきた。福島の事故後は、原発に反対するデモや集会に積極的に参加するようになった。


 トークイベントでは、会場から「脱原発を主張したことで女優業に影響はあるか」と質問があがった。体調を崩した家族をサポートしたことをきっかけに女優業は控えた。一方、衣装合わせの日程も決まっていた企画が突然中止になったエピソードも紹介。「影響はあると思います。その代わり自分の好きなことができる」と笑って答えた。


 イベントには、事故前から原発のリスクを指摘してきた元京都大学原子炉実験所助教小出裕章さん(66)やフリーの記者らも参加。木内さんは「自分ができることをやっていく、と動き出した人が私の周りにもたくさんいる」と語った。


 東日本大震災の発生直後はテレビで原発事故のニュースを見ていた。報道はあふれているのに、不確かな情報ばかり。不安で外出できなくなったとき、頼りにしたのがラジオだった。毎日放送の「たね蒔(ま)きジャーナル」という番組では、小出さんが毎日のように事故を解説していた。


 ある日、小出さんは言った。
 「国は原発が安全だと国民をだました。でも、だまされたあなたにも責任がある」
 ハッとした。「そうだ。私の責任もゼロじゃない」


 思い当たることがあった。元西武百貨店社長で参院議員だった夫、水野誠一さん(69)が立候補した2001年の静岡県知事選。夫の父親で「財界四天王」の一人と称された成夫氏は静岡県出身で、原発の受け入れを地元自治体に勧めたとされる。だが、誠一さんは選挙中、県内にある中部電力浜岡原発の安全性への疑問を投げかけた。落選したが、翌年には浜岡原発の停止を主張した。


 木内さんは選挙の応援に立ったが、夫の主張が原発に及ぶと「難しい話を始めたなあ」と思う程度だった。そして10年後――。福島で事故が起きた。
 「私こそが無関心、無責任だったんじゃないか。気づいて行動できる機会は、いくらでもあったのに」


 事故から3カ月ほどたってから、脱原発を訴えるデモに1人で行ってみた。参加者は運動靴で首にはタオル、のぼり旗を持ち、デモに行き慣れているように見えた。場違いではないかと帰りたくなったが、「行かない自分より、行った自分を励まそう」と言い聞かせた。


 集会やデモに顔を出しているうちに、催しの司会を頼まれるようになった。人前に出る仕事には慣れているはずだったが、数万人規模の集会もあり、自分をさらけ出す緊張感から足が震えた。そこで、ほかの登壇者がどんな行動や発言をしてきたのか事前に調べ尽くし、紹介した。


 「台本がないから。心から思っていることしか言えないものです」
 脱原発の主張が取りあげられるようになると、「売名行為だ」という批判も耳にした。それでも「自分の評価は、自分でする。人生の手綱を簡単に誰かにゆだねたくないから」と意に介さない。


 原発に反対する活動を通じて交流を深めた作家の落合恵子さん(71)は「あの3月11日、恐怖に震えながら自分に約束したことを今も握り続け、いろんな形で問いかける人たちがいる。その一人が木内さん。舞台の上をまっすぐ歩く姿は、彼女の生き方を表している」と話す。


 冒頭のイベントを企画したラジオ番組は、今月末に終わる。代わりに寄付で運営する新たな番組「市民のための自由なラジオ LIGHT UP!」が4月に始まり、木内さんはパーソナリティーを務める。スポンサーに頼らない独立系だからこそ、伝えられることがあると思う。


 初回のゲストには、小出さんを迎える。小出さんは研究に集中できるという理由で准教授や教授への昇進を望まず、助教のまま昨年退職した。木内さんは言う。
 「出世欲や名声に興味を持たず、まっすぐ生きてきた小出さんの人間性を紹介したい」(山田理恵)