ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

フェミと女性兵士問題

 


佐藤さんがこの分野では本を出していました。
佐藤 文香「軍事組織とジェンダー自衛隊の女性たち」 2004年

 

以下の記事、浅いです。 少なくとも、フェミの過去の議論を踏まえるべきでしょう。
フェミといっても色々で、主流秩序の上位を目指す女性の動きもあるので、当然、軍隊を含めあらゆるところに女性が進出する動きはあるでしょう。

それに対して、フェミ基準だけでなくものを考えていく中で、いろいろな意見が出るわけです。

貧困と経済的「徴兵制」、憲法9条自衛隊など少しでも考えようとして、視野が広がる中で話をしたいもので、そうしないと、メディアに存在意義などないですね。

 

 

(変わる安全保障)女性登用、自衛隊は 配置緩和「技量に差ない」
2016年5月11日05時00分


P3C哨戒機のコックピットに座る川合2佐


 
日本の自衛隊や各国の軍隊で、女性が最前線で活動する姿が当たり前になりつつある。男女平等の流れを受け、先進国を中心に女性兵士の割合は増加傾向にあるが、前線での戦闘任務も任せるかどうかなど、組織での働き方はさまざま。男女が共に任務に就く軍事組織の将来像は、まだ明確になっていない。

 

 神奈川県の海上自 衛隊厚木基地。日本海を中心に、不審な船や潜水艦ににらみをきかせるP3C哨戒機の部隊が拠点を置く。川合文子2等海佐(40)は昨年3月、海自初の飛行隊長に任命され、総勢約100人からなる六つの哨戒機チームを率いている。

 立命館大文学部を卒業後、1998年に海自に入隊。01年に操縦士の養成課程を終えて配属されたのは、研究開発の飛行隊だった。同期の男性隊員は一線部隊に配属されたが、女性には実際の警戒監視任務は認められていなかった。
 「女とは乗りたくない」。配属間もないころは、そう公言する男性隊員もいた。女性の配置制限が見直され、07年に哨戒機部隊の機長に。「国防に携わっていると実感してうれしかった」と振り返る。

 

 川合さんの上司、第3航空隊司令の平木拓宏1佐は「誰をいざという現場に送るかを考える時、悩むのは技量。男女で技量に差はない」と言い切る。
 育児休業中の渋谷寿子1尉(37)は昨年、長男を出産。哨戒機の操縦士への復帰を目指す。夫も同期の操縦士で「出産を機に退職という選択肢はなかった。私が辞めても、夫が辞めても一緒」と話す。


 海自で護衛艦の女性乗組員は日常風景になった。航空自衛隊は昨年11月、花形の戦闘機操縦士に女性登用を決め、配置制限を完全になくした。

 ただ、事情は一様ではない。例えば、目に見える距離で敵と小銃などで撃ち合う陸上自衛隊普通科中隊は、体力的な差から女性を除外している。
 普通科のある男性幹部は「心身ともにきつい状況をともにする小銃小隊は特に『男の世界』へのこだわりが強い。一緒に戦える能力が証明されない限り、女性を本当の仲間として受け入れるのは難しい」と話す。

 

 ■ハイテク化、追い風


 「国防任務を達成するために、米国民の半数を占める女性の才能を排除する余裕はない」。カーター米国防長官は昨年末、米軍の全ての配置を女性に開放する方針を発表した。
 「男の組織」の代表格だった軍事組織への女性進出は、90年代から先進国を中心に進んでいる。背景には、男女平等の動きとともに、軍隊の形と任務が変わる中で、男性だけでは必要な人員が確保できないという事情がある。


 女性進出の大きなきっかけの一つは徴兵制の廃止だ。米国ではベトナム戦争末期の73年に徴兵制を廃止するまで、女性兵士は全体の2%未満だったが、その後に男性の募集難に直面。女性の確保に力を入れるようになり、14年時点で15・2%を占める。

 

 兵器のハイテク化が進む現代の軍隊や自衛隊は、志願の職業軍人による専門家集団へと変わりつつある。男女の体力差が問題となる配置が減り、先端技術を扱う知識や技能がより重要になるという見方もある。


 冷戦後、軍隊の任務は平和維持や人道支援など戦闘以外にも広がった。軍隊の役割変化と男女共同参画の流れが相まって、00年には、紛争解決に女性が果たす役割の必要性を認めた国連決議が採択された。この決議に基づき、国連は平和維持活動(PKO)部隊の女性数の増加を求めている。

 

 一方、女性を組み込む過程ではセクハラも大きな問題だ。米軍では海軍パイロットらの親睦大会で大規模なセクハラ事件が92年に表面化し、当時の海軍長官が辞任。14年には現役の米軍女性兵士の22%がセクハラを経験した可能性があるとする調査結果もある。

 

 ■取り組み手探り


 諸外国の女性軍人に関する報告書をまとめた防衛研究所の伊豆山真理・主任研究官は「女性を伝統的な戦闘力の中に組み込むか、または新たな任務である平和安定化作戦で積極的に活用するかで分かれる傾向がある」と分析する。
 自衛隊も戦闘力の維持向上を損なわない形で女性の登用、採用拡大に取り組む方針だが、どの分野で積極活用していくかについて明確な方針はない。

 

 軍隊と女性の関係が研究テーマの佐藤文香・一橋大教授(社会学)は「軍事組織で本当の意味での男女共同参画が実現するかどうかは、性差をめぐる言説や、男女平等を担保する子育て支援策やセクハラ対策などの内実をよく見る必要がある」と話す。
 (其山史晃、福井悠介)

 

 ◆キーワード
 <女性自衛官> 保安庁時代の1952年に看護職に限って女性の採用を始めたが、67年から一般職域に広げた。15年3月末時点で女性自衛官は1万2958人、自衛官全体の5.7%を占める。近接戦闘の作戦効率の維持、男女間のプライバシー確保などを理由に外国軍で歩兵にあたる陸上自衛隊普通科中隊や、戦車中隊、海上自衛隊の潜水艦などで女性を配置しない政策をとっている。
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