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ソウルヨガ

主流秩序、DV,スピシン主義、フェミ、あれこれ

韓国「絶望ラジオ」は、主流秩序への対抗の実践

 

韓国「絶望ラジオ」が面白いと友人が言っていたが、それの実態がよくわかるドキュメントがNHK・BS で放映されたので見た。とてもよかった。ぜひ学生さんに見せたい。
皆さんもぜひこのドキュメント、何とか見てください。


ドキュメンタリーWAVE「“絶望ラジオ”の若者たち~競争社会 韓国の街角で~」2016年5月8日(日) 放送

内容

「韓国の若者たちの間で「絶望ラジオ」というインターネット番組が人気を博している。「バイト申し込み用の履歴書すら買えない」「いくら頑張っても報われない」「私に将来はない」など、諦めと悲鳴の声が寄せられ、番組DJはその叫び声にただ共感するという番組だ。その声からは、若者たちの厳しい実情が伝わってくる。財閥優遇構造は変わらず、格差が拡大していく社会。番組に集まる生の声を通して韓国の若者の今を見る。」

 

 

私は、このスタイル「助言はいらない、激励もいらない、答えは求めない、若者の絶望を告発する」には、路上で活動する様々なアナキスト的運動との共通性を見るので当然におもしろいと思う。主流秩序の下位の者が上昇するのではなく、この主流秩序のひどさを自覚する中で、何とか生き延びることこそリアルだと思うから。


そんな主流秩序の視点で「絶望ラジオ」が面白いよと紹介したところ、

「「キレイごと」でないホンネで語れる場の存在は、理解できるものの、それで「今の社会」を変えられるものとは思えません。「シンドイ」方々と向き合ってグチをいいあう居場所をもつことを否定はしませんが、そこから「反貧困」の次なる展開を見出すのは難しいのではないかと感じています。」
という感想をいただいたので、以下のように応答しました。


「絶望ラジオは、確かにそれだけでは必要十分ではないですが、カウンセリングも一挙の解決がないとしても、とりあえず話した後に少し楽になったというような変化があることを重視しますよね。
ある個人の、今日の「この苦しみ」を少し減らすことができるならばそれは「リアルな成果」なのだと思います。
一方、政治・制度的・構造的変革が必要といっている人がいても、苦境にある人の今日の苦しみは何も変化しないことが多く、いっぽうそれを口にして元気に活動している人は元気であったり、恵まれていたり、主流秩序の上位の生活をしていたり、その言動が仕事(政治家、評論家、メディア関係、学者になっていたりします。

だから当事者がまず少し楽になる面がリアルにあるということで、「絶望ラジオ」という実践は素敵だと思っているし、主流秩序に対抗する実践だと思っています。」

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以下、絶望ラジオを紹介するネット記事

“絶望ラジオ”なぜ人気? 韓国の若者たちは何に絶望しているのか?
2016.03.23 18:00
Ads by Yahoo! JAPAN
https://thepage.jp/detail/20160322-00000011-wordleaf

 

韓国の若者に人気の『絶望ラジオ』とは?
 「借金が増え続けている。残高は7万ウォン。携帯料金20万ウォン・水道料金10万ウォン未納。大学生に融資してくれるところを教えてください」 
 このような「絶望的なニュース」だけを紹介するポットキャストが韓国の若者の間で人気を広げています。番組の名前は『絶望ラジオ』。


 ほかにも「履歴書を買うお金がなくアルバイトの申し込みさえできない」「お客がいないとき、バイト時間を減らすためにインターネットカフェでも行ってこいと言われた」「配達途中で事故にあったが、店から個人事業者だとうったえられて治療費の支給を拒否された」「1時間待たされた面接で、1時間半ほど外見のことを指摘された」「郵便ポストに手でつかめないほど、返済の督促状が届いていた」「アメリカで音楽を勉強したのに、教会の伴奏アルバイトしか働く道がない」「親に自分名義の車を買ってあげたら税金未納で、軍隊の給料が差し押さえられた」など、放送されるのは絶望、悲観的な満ちた叫びだけなのです。

 

もっと頑張れ! 激励は問題解決にはつながらない


 『絶望ラジオ』の放送が始まったのは半年前の2015年8月22日。番組DJの金成一さんが放送を始めようと思ったきっかけは、偶然バスのなかで聞いたラジオ番組の内容にありました。
 リスナーの悩みを紹介した司会者が「もっと頑張って見てください」「きっと上手くいきますよ!」と”上からの目線”で軽いアドバイスを連発していたことに金さんは反感を抱きました。

 

 「頑張ってもギリギリの生活しかできない人に、もっと頑張れ!と激励しても問題解決にはつながりません」と金さんは言います。


 
 「助言はいらない、激励もいらない、答えは求めない、若者の絶望を告発する」と番組のスローガンを決めたのもその理由です。だから、「深いい話」で未来に希望があるとか、励ましの言葉を贈ることはしません
「成功した人の前で自分の失敗談を語るのは悲惨ですが、ここでは相身互いで慰めになるから、家族や友達にも語れない話ができる」とリスナーの一人は『絶望ラジオ』の人気の理由を説明します。

 

オフラインでの活動も広がる


 番組は、毎週月曜日に1時間から1時間30分ほど放送され、毎回1000人ほどが耳を澄ませています。3月現在の累積ダウンロード1万5000件ほどです。フェイスブックツイッターなどいまどきのSNSを利用して、若者の絶望的な経験を拾ってます。iTunesからも全放送分をダウンロードも可能で、内容の一部分はウェブマンガ(ウェブトゥーン)として公開されています。


 番組のテーマは、「学費のための融資問題」「芸大生の貧困な生活」「就業問題」など若者が直面している内容が多く、視聴者は主に20~30歳代。貧乏な若者を相手にするため制作費は毎回13万ウォン(日本円で約1万2514円、3月22日時点)ほど。費用の多くはネット募金で賄っていますが、足りない分は金氏のポケットマネーを充てています。


 『絶望ラジオ』はネットでスタートしましたが、オフラインでの活動も広がっています。「絶望していない人を探す」と一見皮肉に見えるイベントを通じて、現実に絶望感を感じる人がいかに多いのかを逆説的に知らせています。また、韓国のお盆にあたる10月の「チュソク」には、帰省できなかった若者のためのテント村を開きました。「卵で石破り」パフォーマンスを通じて「努力すればできないことはない」という社会をやゆしたりします。

韓国の若者は「3放世代」と自嘲


 『絶望ラジオ』の誕生は「成功」だけを追い求める韓国の競争社会の構造的矛盾に、若者が絶えきれなくなっていることを物語っています。韓国統計庁のデータによると、若者の10人中1人が職に就いていません。


 現実は数字よりさらに厳しいことは容易に予想できます。若者たちは、韓国社会を「ヘル(hell地獄)朝鮮」と呼びながら、脱出(移民)を夢見ています。

 

IMF Working Paparより


 16日に公表された国際通貨基金(IMF)の報告書によると、韓国はアジアでもっとも格差が大きく上位10%の人の所得は全体の45%を占めています。シンガポール(42%)や日本(41%)も格差が大きいですが、韓国は1990年と比較すると2倍以上の格差が広がりました。
 若者の失業率も調査が始まった1999年以降最悪の数値です。韓国の若者は、自らを恋愛、結婚、出産を放棄せざるをない「3放世代」と自嘲しています。少子高齢化のスピードが日本より速い韓国、若者の肩にのしかかる重荷は一層重くなるばかりです。
東京都市大学・准教授 李洪千)

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