「北欧モデル」性売買規制法の可能性
中里見博さんが、 SEAN総会の後の学習会で
「売買春の合法化によるジェンダーの強化
「北欧モデル」性売買規制法の可能性とは」
と題する話をされました。
売買就業者の処罰、性を買われる人(セックスワーカー)の不処罰、に加え、買春した人を処罰化するという北欧モデルについて、参考になることが多くありました。
そのあとの議論でも、スティグマということをめぐって少し突っ込んだ議論ができました。
私のスタンスは、いまセックスワークしている人へのスティグマ(負の烙印)が減るようなことを意識することが大事ということです。
当事者のなかにも多様な意見はあると思います。それぞれを尊重したいと思います。
また主流秩序、ジェンダー秩序の強化、加担には責任を追及すべきと思いますが、それはスティグマという古い道徳主義によるものではなく、主流秩序への加担という明確な形で追及すべきです。それによって、わたしたち誰もが主流秩序に加担していることと地続きでとらえられます。セックスワーカーだけに主流秩序への加担の責任を追及すべきではないのは明らかです。
HIS東大美女図鑑事件で東大学生にも加害者責任があるように。
被害者であると同時に加害者であるということが現実にはたくさんあります。
そこを適切に見て、バランスをもって対処していかなくてはなりません。
いじめでも、セックスワークでもDVでも、その他のことでも。
売買春合法化でも売買春非合法化でも北欧モデルでも、十分に解決するとは言えません。
批判は簡単ですが、真の解決はむつかしいです。そのむつかしさを共有しつつ議論したり、実践したり現実の問題に対する具体的支援をしていきたいと思います。