ソウルヨガ

主流秩序、DV,スピシン主義、フェミ、あれこれ

「内部告発への報復」が許される社会。 しかし変化も

 

 

主流秩序に抵抗するやつはつぶす。それを見せしめに、多くは怖がって、不正があっても主流秩序に従属する。主流秩序にはそういう面がある。
組織の不正を見つけた時の内部告発の制度が徐々に整えられつつあるがまだまだ不十分で、事実上、「内部告発への報復」が行われている。京都市職員への懲戒処分などがその典型だ。

 

ちょうど今日、公益通報法改正の検討会で「証拠持ち出し 告発者免責」の方向がようやく打ち出されるということになったので、その関連を少しまとめておく。

多くの人は、内部告発したら、自分が危ないだけでなく、組織もダメになって従業員が困るから「そんな正義感とか英雄気取りで内部告発なんかしない方がいい。不正にはダマっておけばいい」と思っている。その状態を私は主流秩序従属状態という。

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今回の決定に先立って、2016年3月、公益通報者保護法の見直しを進めている消費者庁の検討会では、内部通報した労働者に報復的な人事をした企業には、指導や勧告、課徴金などの行政的措置を課せるよう法改正するべきだという意見でまとまっていた。

そして、今回、検討会の最終報告書に公益通報に必要な内部文書を職場から外部に持ち出す行為について、解雇などの不利益扱いから保護し、民事上の免責を認めるようにとかかれたわけだ。

 

だが自民党政権が、素直にこのままの内容で法改正するか。企業のためにまたまた骨抜きにする可能性が高い。

 

公益通報者保護法は、組織内の犯罪など不正を勤務先に内部通報したり、行政機関や報道機関などに内部告発したりしたことを理由に、解雇や降格、減給などの不利益な扱いをすることを禁じた法律で、2006年4月に施行された。

 

これと別に、政府機関が公益通報を受け付けた際の対応手順や秘密保持を定めるガイドラインを05年に作成。「公益通報」にあたらない通報への対応は「各行政機関が別に定める」としている。

だが実際は、内部告発者への報復が続いてきた。


厚労省は08年に内部告発をした自治労共済職員の名を自治労側に伝える問題を起こし、職員4人を処分した。
オリンパス東芝などで相次いで不祥事件が起こるが、内部告発者は不利益を被った。
2016年2月には、 内部通報を理由に不当な配置転換をされたオリンパスの男性社員が勝利的和解したが、そこまでは苦労し続けた。

 

精度は形骸化している。判例では,不正疑惑解明という動機があっても,機密情報を不正に入手し,これを自らマスコミに積極的に情報を持ち込み,それを通じて当該情報が公にされることを認識していた場合には,就業規則の懲戒処分事由該当性を認める傾向がある。

 

内部告発は,通報対象とされた会社にとってみれば,秘密の流出や名誉・信用の毀損につながる面をもっているため、内部告発が在職中の労働者によってなされた場合,当該労働者に対し就業規則違反を理由として,懲戒処分や解雇を行う場合が多いのが現実。

部告発の真実性に加え、手段・方法の相当性ということで追いつめられることが多い。つまり、告発先としては,(1)企業内での通報,(2)監督官庁,(3)マスコミ・一般住民などの第三者,が想定されるが、まずは企業内部での改善努力を求める意味で,最初にそれが選択されるべきとしている場合がある。

 

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以下、京都市職員の例・・・不正を放置していたので内部通報したら、「秘密を守る、氏名は出さない」としていた外部窓口の担当弁護士から京都市に名前が明かされ、処分されてしまった事件。通報者の守秘義務を守らなかった弁護士がこの件について「守秘義務があるので答えられない」というのは、まさにブラックジョーク。
  

京都市職員「公益通報に使用」 担当外資料持ち出しで停職処分


 担当外の内部資料を無断で複写して外部に持ち出したとして、京都市は2015年12月、市の児童相談所に勤める男性職員(44)を停職3日の懲戒処分とした。
資料は京都市内にある民間の児童養護施設の施設長(事件当時)が逮捕された児童福祉法違反事件に関するもので、朝日新聞の取材に応じた職員は「資料は公益通報に使った。公益通報者保護法で守られるべきで、処分はおかしい」と話している。
 京都市によると、職員は2015年1月ごろ、児童相談所内のパソコンに記録されている内部資料を印刷し、外部に無断で持ち出したという。職員はこの資料の担当者ではなかった。


 一方、職員の説明によると、持ち出した資料には事件の被害者とされる少女の母親が2014年8月、児相に対して「子どもから『施設長と外泊する』というメールが届いた」と伝えていたことが記されていた。だが、児相が性的虐待とみて調査を始めたのが約4カ月後の昨年12月だったため、職員は2015年3月、持ち出した資料に基づいて京都市公益通報窓口の弁護士に「調査が4カ月間放置された」と知らせた。


 結局、9月に、児童福祉法違反容疑で児童養護施設の施設長が逮捕されたので、この内部告発自体は事実に基づくものであった。

 

 内部告発を受け付ける京都市公益通報外部窓口の弁護士に通報した男性職員の氏名が、市側に伝えられていたという大問題があった。

 

市は、外部窓口に通報した場合に「了承なく、市へ氏名が伝わることはない」と庁内に周知しているが、職員は「市に伝わるとは思っていなかった。事前の確認も事後報告もなかった」と批判している。
 2014年度までの5年間で外部窓口に職員が実名で通報した19件のうち、この職員の通報を含む16件の氏名が市に伝わっている。市は、いずれも本人の了承を得ている、としている。

 

 職員や市によると、件で、職員は市児童相談所の対応が遅れたことを訴えるため、昨年3月、公益通報外部窓口にメールで通報した。職員は昨年12月、内部記録を持ち出したとして停職3日の懲戒処分を受け、市人事委員会に「公益通報のためだ」と処分取り消しを求める不服申し立てを行った。


 職員はその間、市の調査時点で自分が公益通報したことを事前に把握されていたとの疑問を持ち、今年1月、弁護士に問い合わせた。
 職員によると、弁護士は伝達を認め、職員の通報メールに「私が通報者だと推認される覚悟はある。市コンプライアンス推進室から私に直接問い合わせていただく方が効率的かとも考えている」と記載していたことを理由に挙げたという。

職員は「文面は告発の覚悟を示しただけだ。氏名は市に伝わらないと信じて外部窓口に通報した」と憤る。

 

 公益通報の外部窓口は、京都市が07年10月に設けた。要綱で「(外部窓口から)市へ氏名の報告は要しない」と定め、職員向けにはチラシなどで「通報者の秘密は守られる」「了承なく、市の職員に名前が伝わることは一切ない」と周知している。了承の確認方法の規定はなく、弁護士の判断に任せていた。

 

 取材に対し弁護士は「守秘義務があり、答えられない」と話し、市コンプライアンス推進室は「弁護士から了承を得たと聞いている。問題があるとは考えていない」としている。

 

■明確な了承が必要


 公益通報制度に詳しい升田純中央大法科大学院教授(民事法)の話 

内部告発者の実名を伝えることが、不利益な取り扱いのきっかけになることもある。告発者が明確に了承していない限り、匿名のままにして保護すべきで、あいまいな回答や判断を基に伝えることは許されない。実名の取り扱いについて、告発者と外部窓口で認識が異なること自体が問題であり、公益通報制度の信頼性に関わる
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海上自衛隊が「いじめ告発者」を懲戒処分事件

 

2013年、海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」の乗組員が10年前に自殺した問題で、「いじめを示す調査文書が隠されている」と内部告発した40代の3等海佐に対し、海自が懲戒処分。
2004年に自殺した乗組員の遺書には、先輩からの暴行・恐喝の事実が記されていた。海自は自殺直後、「たちかぜ」乗組員にアンケートを実施したが、その翌年に情報公開請求した遺族に「破棄した」と回答した。資料隠しを知った3佐が08年、防衛省公益通報窓口に告発。海自が隠ぺいを認めて謝罪したのは、4年後の12年だった。


ところが2013年6月、この3佐のもとに海自から懲戒処分手続き開始を通知する文書が届いた。告発時に、証拠として関連文書のコピーを自宅に保管していたことが、規律違反になるとした。
公益通報者保護法」は、組織の不正をただそうと内部告発をした人を守るため、告発を理由に解雇や不利益な取り扱いを禁じているはずだが、これが現実。

山本雄大弁護士
公益通報などのため、内部資料をコピーして持ち出す例は、他にもあります。持ち出し行為を理由として行われた懲戒処分の有効性等が争われた裁判も、これまでに複数存在します」


やはり、公益通報については、資料の持ち出しが問題となることはあるようだ。裁判のポイントはどんな点だったのだろうか?
「資料の内容や持ち出し行為等の態様、告発の重要性等が考慮されたうえで、持ち出しは正当な告発に不可欠の行為である、または持ち出し行為の違法性が大きく減殺される、などとして懲戒処分が無効とされた判例もあります。中には懲戒処分をした側に対して、損害賠償が命じられた例もありました。


公益通報者保護法には、直接的に内部資料の持出し行為を保護する規定はありません。しかし、同法施行後の判例でも、『公益通報のために必要な証拠書類の持ち出し行為も、公益通報に付随する行為として同法による保護の対象となる』としたものがあります。その判決では、持出し行為自体をとらえて、服務規律違反等として解雇その他の不利益取扱いを行うことができないと判断したのです(神戸地裁判H20.11.10)」

 

●「自浄能力」を低下させてしまう恐れがある
今回報じられている海自のケースは、どのように考えるべきなのだろうか?
「今回の持出し行為がどう評価されるかにもよりますが、こうした判例に照らし合わせて考えれば、仮に海自が懲戒処分をした場合、その処分は公益通報者保護法が禁止する『不利益取扱い』に該当するか、懲戒権の濫用にあたるとして、無効となる場合もあるでしょう。


さらに、場合によっては、違法な懲戒処分をしたとして、海自側が損害賠償責任を負う可能性もあるでしょう。
いずれにしても、海自の対応は、公益通報者保護制度の趣旨を理解せず、自浄能力を低下させてしまう結果となりかねない内容です」
山本弁護士はこのように指摘し、憂慮していた。
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