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香山リカさんが極右のチャンネル桜「沖縄の声」を提訴

 

ネトウヨがデマを含めて左翼・レベラル系を攻撃することが行われて久しい。香山リカさんにも其れは続いている。このたび香山さんが裁判を起こした。こうして闘っていくことこそ必要だ。


ご報告 チャンネル桜「沖縄の声」を提訴しました
香山リカ公式ウェブサイトより
http://lineblog.me/kayamarika/archives/9269859.html

 

みなさまへ

いつも私の連載や書籍を読んでいただき、ありがとうございます。
本日はこの場でお知らせをさせていただきます。
このほど私は、株式会社日本文化チャンネル桜(以下「チャンネル桜」)と、同社のコンテンツである「沖縄の声」のキャスターの栗秋琢磨氏、平原伸泰氏、鉢嶺元治氏について、東京地方裁判所に訴えを提起しました。

 

2016年10月27日にインターネットで配信された「【沖縄の声】ヘリパッド反対派を初起訴、香山リカのツイートが法に触れる可能性あり」というタイトルのコンテンツで、栗秋琢磨氏は私の勤務先である診療所に「医師法の違反が疑われて監査が入った」「千代田の保健所から監査が入った」「担当者の方によると、あのね、ノリノリ」「行政処分くらう可能性がある」といった発言を繰り返しました。
「ツイートはないんですけど、産業医もやっていて、どこどこの診察に行きましたとか(書いたということか?注・香山)、これもね、プライバシーの侵害なんで、アウトになる可能性が高い」とも述べています。さらに、「千代田の保健所に連絡をしましょう」「どんどんちくりましょうね」とも呼びかけを行っています。


これに対して平原氏、鉢嶺氏は終始、「これは駄目でしょう」「危険人物」「1人ずつ、ぷちっ、ぷちっと潰していきましょう」などと合いの手を入れながら、同意し続けます。

栗秋氏は、私が「対面診療義務違反」「プライバシー権侵害ないし守秘義務違反」をしたと私がツイッターで行った投稿から断言していますが、私の発言はそれらには相当していません。そのことは医師法にあたったり各自治体の医師会のウェブサイトにある「産業医とは」といった解説を読んだりすれば、誰にでも容易に理解できるはずです。


もちろん、私が勤務している医療機関への保健所からの監査(立入検査)の事実はありません。そもそも、保健所が「医師法違反」「守秘義務違反」の疑いで医療機関に監査に入ることなどはありえないことは、立入検査に関して少しでも調べればすぐにわかることです。

 

ところが栗秋氏らはそれをせずに、このコンテンツの中であたかも千代田保健所の担当者から確認が取れているかのような口調で発言したために、ブログやSNSに書き込まれたり、「香山リカの勤務先に監査が入った模様 チャンネル桜香山リカのツイートが法に触れる可能性があり』」というタイトルのいわゆるまとめが作られ、拡散され続けました。

今回の訴訟の私の代理人である小倉秀夫弁護士は、訴状にこう記しています。
「原告が原子力発電所の再稼働に反対したり極右勢力によるヘイトスピーチ等に強く抗議してきた経緯から、カジュアルな極右勢力からの憎悪の対象とされており、原告が法に触れる行為を行ったとの事実適示を行えば、カジュアルな極右勢力がろくに検証もせずにこれをインターネットを通じて拡散するであることは、本件コンテンツの収録時においてすら十分に予想できた。そして、上記のとおり、実際にそうなった。」

 

私に対する誹謗中傷やデマの拡散はいまに始まったことではなく、これまで無数に繰り返されてきたことですが、今回、あえて栗秋氏ら3名とコンテンツの運営母体である「チャンネル桜」を提訴することにしたのは、ふたつの理由があります。

ひとつは、今回の発言は「医師法違反」という私の正業である医業に直接、かかわる内容であったこと。たとえそれがデマだとしても「医師法に違反している医師」という評判が拡散され、定着していけば、今後の私の医師としての評価が大きく下がり、いま担当している患者さんたちにも迷惑がかかることは明らかです。

 

そしてもうひとつは、これらの発言が「チャンネル桜」というマスメディアが制作した「沖縄の声」という情報番組のメイン・コンテンツの1つとして行われたことです。
マスメディアが制作した情報番組においてコーナーを作って取り上げる話題については、スタッフがきちんと裏取りをしているとの信頼がありました。だからこそ、視聴者は、そこで出演者が語った内容を信じてきたのです。しかし、最近は、自分たちと相反するイデオロギーを有している人々を貶めるために、SNSに匿名で投稿された内容を裏取りもせずに取り上げたり、自分たちで適当に事実をでっち上げたりということがしばしば行われるようになってしまいました。「沖縄の声」の別の回で栗秋氏が(辺野古への基地移転への反対派は)「朝鮮人だらけ」と口にしたり、東京MXの番組「ニュース女子」が高江へのヘリパッド建設に反対する市民らについて5万円の日当をもらっていると報じたりしたことは記憶に新しいところです。

 

今回、私が提訴に踏みきったのは、このような番組がどのように作られていくのかを明らかにし、ひいては、「沖縄の声」などで取り上げられているような、市民を貶める内容のデマには何の根拠も実態もないものであることを明らかにするためです。

 

もちろん、提訴はたいへんな手間や時間を要するものであり、私も今回の決定をするまでにいろいろな法律の専門家や沖縄問題の研究者などに相談しました。そして、多くのみなさんの後押しを得て、小倉秀夫弁護士という最高の代理人の協力のもと、訴状を提出することができました。


今後、法廷での闘いは簡単なものではないことも覚悟しています。
しかし、小倉弁護士の言葉を借りれば「カジュアルな極右勢力」が思いつきや誰かへの悪意、あるいはウケを狙ったビジネス目的で好き勝手なことを言い、真剣に生き、発言し、活動する人を傷つけたり貶めたりしている現状を、何としても変えて行かなければなりません。今回の提訴がその一助となることを願っています。
これからの法廷の予定については、またみなさまにもお知らせします。
第1回口頭弁論期日は、5月11日(木)11時(東京地裁)です。応援よろしくお願いいたします。


香山リカ

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チャンネル桜」からの公開提案書に対する回答とご提案
2017/4/6 16:00


 前回、このブログでお知らせしましたように、私は日本文化チャンネル桜と同社のコンテンツである「沖縄の声」のキャスター栗秋琢磨氏ら3人に対して、訴えを提起しました。


 それに対して日本文化チャンネル桜からの提案書が、同社の「真相はこうだ!桜便り」で公開されました(URL https://youtu.be/A8-OcTDeckU)。その提案とは、このたびの訴訟をきっかけに「より多くの人々に当該事件のきっかけともなった沖縄問題、平和問題等を理解していただくために、お互いに言論人として、公開の言論の場で、議論してみませんか」というものでした。

 以下は、それに対する回答です。


日本文化チャンネル桜」御中

 

 私は、株式会社日本文化チャンネル桜より公開討論の呼びかけを受けていることを、本日YouTube動画を見て知りました。私宛に送られたという内容証明郵便は現時点では落手しておらず、拝読もしておりませんので、YouTube動画で知った範囲内でお答えをいたします。

 私が日本文化チャンネル桜等を被告として提訴した訴訟において問題にしているのは、以下の3点です。

 

私が医師法上の対面診療義務に違反したとの虚偽の事実を摘示した点
私が患者のプライバシー権を侵害したり患者の秘密を違法に漏洩したりしたとの虚偽の事実を摘示した点
私が医師法に違反したと疑われて私の勤め先に千代田の保健所が監査に入ったとの虚偽の事実を摘示した点

 

 私と日本文化チャンネル桜とは思想的な背景がまったく異なりますし、沖縄の米軍基地移転問題等に関するスタンスも異なるものではありますが、そのことは日本文化チャンネル桜等を被告とする訴訟においてとくに問題としておりません。したがって、この訴訟のきっかけとなったのが「沖縄問題」だと決めつけられ、その「沖縄問題」についての公開討論を唐突に求められましても、そこには何の必然性もなく違和感しかありません(注・「沖縄問題」という表記は、いかにも沖縄じたいに問題あるような印象を与えるので好ましくありませんが、御社にならってあえて使用いたします)。


 つきましては、今回の公開討論の申し出につきましては、ご遠慮させていただく所存です。

 なお、私の方から逆に提案したいことがあります。
 今回の公開提案書には、私に対して「同じ日本人として、日本国と日本国民の平和と安寧を願っていることにかわりないだろうと信じたいと思っております」と呼びかけられている部分があります。


 これはもちろん日本文化チャンネル桜も同様だと思うのですが、そうであれば、愛すべき日本国民に間違った情報を提供することは許せない、という気持ちをお持ちであるはずです。そのお気持ちを実践するためにも、まず必要なのは今回のような間違いを繰り返さない体制を構築することであり、それこそが愛すべき国民に対するメディアとしての責務ではないでしょうか。


 そのためにも、あえて日本文化チャンネル桜とは思想傾向を同じくしない弁護士やメディア研究者、ジャーナリストなどを招いて、今回の提訴でも問題としている以下の点について調査を行い、その結果を番組を通じて公開されては如何でしょうか。

私の勤め先に保健所の監査が入ったとの情報はどこから入手したのか。
その情報が真実かどうかを確かめるためにどのような取材をしたのか。


番組内で栗秋氏は「結構ね、担当者の方によると、あのね、ノリノリ。この人、問題多いから」と述べているが、この担当者は、どのような地位にあるなんという人なのか。番組として、その担当者が実在するかどうかをいつ、どのようにして確認したのか。
番組内で栗秋氏は「僕の親しいお医者さん、知り合いにいますから。で、友人がいますんで、その人に聞いたら、『アウト』と」と述べているが、この「医師」は、どこで勤務ないし開業する、なんという人なのか。番組として、その「医師」が実在するかどうかをいつ、どのようにして確認したのか。


番組内で栗秋氏は「この方、産業医もやっていて、あの、産業医もやってて、やってて、そのこの、とりあえず、どこどこの診察に行きますよとか、どこどこの診察に行きましたとか」と述べていたが、私がどこどこの診察に行きますよとかどこどこの診察に行きましたとか述べていたかどうかを確認したのか。


番組内では、私が医師法に違反したと報じていますが、番組が前提とする医師法の解釈が実務的に受け容れられているものかどうかを、どのようにして確認したのか。

 どうぞ、愛する日本国民に本当の意味での「真実」を伝えるメディアとなるためにも、以上をよろしくご検討ください。 
2017年4月6日 香山リカ

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