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沖縄 復帰45年 

 

 

社説紹介しておきます。

 

 

<社説>きょう復帰45年 溝深める政府の強権 「国策の手段」にはならない

琉球新報2017年5月15日 06:02

http://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-495905.html

 

 

 1972年5月15日の日本復帰から45年を迎えた。当日の記念式典で屋良朝苗知事は「沖縄が歴史上、常に手段として利用されてきたことを排除して、平和で豊かな県づくりに全力を挙げる」と述べた。その決意は実現しただろうか。

 

 復帰後も改善されない最たるものは米軍基地の重圧だ。事件事故も後を絶たない。しかし、ここ数年の政府の姿勢を見ていると、負担軽減に取り組むどころか、沖縄との溝を自ら深めているように映る。沖縄の民意を無視し、力技で抑え込もうとする強権的政治だ。沖縄を再び国策の手段として扱うことは断固として拒否する。

 

高まる「不平等」感

 

 県民にのしかかる基地の重圧は、本紙の県民世論調査結果が如実に示す。復帰して悪化した点として「米軍基地の被害が増えた」が43・7%と初めて最多になった。国や県に望む施策でも「米軍基地の整理縮小と跡利用」が44・6%と過去最も多い割合になった。米軍基地の沖縄集中については70・0%もの県民が「不平等」と感じ、不条理に強い不満を募らす。

 

 辺野古基地問題では、県民は数々の選挙で反対の民意を明確に示してきた。にもかかわらず、政府は沖縄の声に耳を傾けず、「辺野古が唯一」とばかり繰り返し、思考停止に陥っている。東村高江集落近くでのヘリパッド建設強行や辺野古新基地工事では、圧倒的な警察権力で市民運動を抑圧し、不当な長期勾留まで招いた。

 

 一方で、政府は沖縄の状況に詳しくない県外の人たち向けに、恣意(しい)的に説明する傾向も目立つ。昨年12月のオスプレイ墜落では、日米両政府とも「不時着」と矮小(わいしょう)化した。2012年の沖縄配備以来、県民が指摘し続けてきた危険性への対応をうやむやにした。

 

 昨年12月の北部訓練場の約4千ヘクタール返還では誇張が目に余った。米軍にとって不要な土地を返し、集落周辺へのヘリパッド新設・集約化を図ったのが実態だが、「負担軽減に大きく寄与」と印象操作した。

 沖縄の苦悩に真摯(しんし)に向き合わず、基地問題の本質から目を背けている例は他にもある。 昨年、元米海兵隊員の米軍属による痛ましい女性暴行殺害事件が起き、県民は悲しみと怒りを共有した。基地の存在を揺るがす大きな事件だったが、政府が再発防止策として出してきたのは、軍属の範囲縮小やパトロール隊の巡回増加だった。米軍駐留という根本原因には踏み込まず、実効性が疑わしい小手先の対応に終わっている。

 

際立つ「沖縄ヘイト」 

 

本土との溝で言うと、近年、事実をゆがめる「沖縄ヘイト」が際立っているのが懸念される。インターネット上のデマや中傷に加えて、ついに地上波テレビでも偽情報を流布させるようになった。一部の動きとは言え、この兆候は国民に与える影響を考えると由々しき事態だ。正しい沖縄の状況を全国に伝えていく必要がある。

 「沖縄の経済は基地に依存している」との風説も、間違った認識の一つだ。復帰直後に県民総所得の15%だった米軍基地関連収入は、5%台まで落ちた。基地経済の限界ははっきりしており、もはや基地は経済発展を阻害する最大要因でしかないというのは県民にとっては常識だ。

 

 観光業の伸びは目覚ましく、沖縄経済を力強くけん引している。他にも、IT企業の増加や那覇空港の国際貨物ハブの成功が効果を上げている。沖縄は経済成長率も全国トップクラスの伸びで、長年の課題であった「自立経済」は輪郭が見えてきた。こうした正しい沖縄像を伝え、県外との認識の溝を埋めていかないといけない。

 

 米統治下で、沖縄は圧制を受けながらも人権や自治、民主主義を自らの手でつかみ取ってきた。日本政府の強権に対しても、粘り強く民意を示し、あらゆる手段で抵抗し続ける必要がある。それは「国策の手段」にならない沖縄の未来を描くことにもつながる。

 

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沖縄タイムス

社説[嘉手納で夜間降下]訓練の常態化を許すな

 

2017年5月12日 09:00

パラシュート降下訓練

 

 米軍は10日夜、嘉手納基地で、同基地所属のMC130特殊作戦支援機から、パラシュート降下訓練を強行した。

 日米両政府は、1996年の日米特別行動委員会(SACO)で、降下訓練は伊江島補助飛行場で行うと合意している。その合意に反する形で、米軍が同基地で訓練を実施したのは到底許されない。

 

 それも、今回はこれまでになかった夜間の訓練である。夜間は、空から地上の目標が見えにくくなるため、非常に危険が伴う。実際、目標のポイントから大きく外れた降下が確認された。基地周辺には住宅が密集しており、一歩間違えば住民を巻き込んだ事故が起きる恐れは拭えない。2重にも3重にも問題のある訓練と言わざるを得ない。

 

 同基地では4月24日に、6年ぶりに降下訓練が強行され、県や周辺自治体が強く抗議したばかりである。その憤りがおさまる間もなく、今回の訓練が立て続けに行われた。中止要請を押し切られた地元自治体が即座に抗議決議を可決し、猛反発したのは当然のことである。

 

 

 嘉手納基地には米コロラド州バックリー空軍基地所属のF16戦闘機が飛来し、全12機の暫定配備が完了した。すでに爆音をまき散らす訓練が始まっている。

 同基地では近年、米国各地から州軍機の配備が続き、飛行訓練を実施することが恒常化している。増大する騒音被害に周辺住民の生活が脅かされている。政府は「負担軽減」を繰り返すが、真逆の機能強化、負担増が進んでいるのが実態だ。 

 

■    ■

 本来実施してはいけない嘉手納基地での降下訓練は、日米の合意以降、8回に上る。なぜ繰り返されるのか。さまざまな日米合意につきものの米軍の運用を優先できる「例外規定」があるからだ。

 

 07年の日米合同委員会で、嘉手納は「例外的な場合に限って使用する」と確認された。米軍には都合のいい抜け穴となり毎回、「例外措置」だと開き直ることができる。

 

 降下訓練にしろ、航空機の騒音防止協定にしろ、日米両政府間の約束事が、「例外規定」を盾に現場では守られない。「例外」が繰り返され、まるで「原則」のように変換される。合意であれ、協定であれ、形骸化し、有名無実化しているのが、安保の現場・沖縄の実情である。

 今回、政府は米側に遺憾の意を伝えたが、合意の順守と、訓練の常態化を許さない姿勢を強く示すべきである。

 

■    ■

 訓練の事前通報はあったが、実施のわずか4時間前だったという点も問題である。

 米軍は1月には津堅島付近で、通告と異なる日に、パラシュート降下訓練を行った。4月には読谷村でも、村に通告せずにヘリによる車両つり下げ訓練を実施した。米軍のやりたい放題の事例は、ことしに入ってからもこんな具合で続いている。

 

 基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている沖縄での軍事訓練には、常に大きな危険が伴う。広大な面積の基地がある米本国と違い住宅が密集する沖縄で、同じように訓練するのは許されない。

 

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