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主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

安倍・菅の「同一労働同一賃金」理解の問題――上西さん説明がいい。プラス主流秩序の観点が必要

上西充子さんがわかりやすく、安倍発言の問題を説明しているので紹介しておく。 安倍首相が同一労働同一賃金を正しく理解していないこと、自分の発言の間違いを素直に認めないことを批判している。 当たり前のことだが、またまた菅は「問題なかった」と強弁。 それを上西さんが分かりやすく批判している。

●安倍首相の「非正規のときにはなかった責任感」発言を「批判する方がおかしい」とする菅官房長官への反論

上西充子 | 法政大学キャリアデザイン学部教授 https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20170630-00072751/

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●「非正規のときには無かった責任感」:働き方改革「同一労働同一賃金」にみずから冷水を浴びせた安倍首相

https://news.yahoo.co.jp/byline/uenishimitsuko/20170625-00072521/

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ただ、上西さんの説明で少し足りないのは 「『大変な仕事をしているのにこんな安い賃金大きな格差でやってられるか』『正社員のやつら、能力なかったり、高い賃金もらっててさぼりやがって』という気持ちが低賃金の時に起きがちだが、 待遇が改善されて自分の労働が正しく評価されると「頑張ろう」という気持ちが起きるのは当然だ。だからこそ、同一労働同一賃金と正規非正規の枠を超える平等待遇にしないといけないわけ」という側面。

「全員フルタイムで働く正社員へというのは無理なので正規化がメイン方針ではなく、非正規の待遇改善、同一価値労働同一賃金に近づくことが基本の方針」ということ。

非正規で低賃金でも仕事を頑張っている人がいるのはもちろん事実だが、「非正規の気楽さ」という場合もあり、正社員が過剰に責任をもたされる場合もあり、また「非正規を下に見る正規社員」もいる。だから「あんな正社員になりたくない」と思っている非正規労働者もいる。

正規非正規という枠組みから同一価値労働同一賃金へと移動していることの理解が大切。主流秩序論を入れて、正社員および正社員の労働組合が非正規を差別抑圧していることに加担している(非正規問題に取り組まない)ということを理解するところまでいくかどうか。

そしてだから主流秩序の上位に皆がなろうではなく、皆は主流秩序の上位になれない、皆が正社員にはなれないという中で、主流秩序の上昇志向から離れる生き方論へということが、非正規・格差問題では大事な視点。

上西さんの説明はわかりやすく素人にわかるように丁寧に書いているからとても良いが、この主流秩序論の観点での労働側批判が付け加わるのが次の課題とおもう。

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