ソウルヨガ

主流秩序、DV,スピシン主義、フェミ、あれこれ

『さらけ出さねば真の語り部とは言えない―――戦争とあした』

鈴木知英子さんが『さらけ出さねば真の語り部とは言えない―――戦争とあした』(文芸社、2017年)を出版された。 ざっと読んだが涙が何度も出た。

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鈴木知英子さんとは奈良の女性大学的な講座で出会って以来の長い付き合いだ。

『私の戦争は終わらない』

『「青い目の人形」の声が聞こえる』

の本のことなど、過去紹介させていただいた。

前にも読んだことがある内容の部分もあるが、また読んで涙が出る。 わかりやすく心が伝わる文章だ。

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鈴木さんが昔祖母やお母さんから言われた言葉「上見てひがむな。下見て喜べ」を紹介していた。 主流秩序に従属する悲しい庶民の考えだ。

鈴木さんは戦争中、ノーを言えなかったということを引き受けて考えている。そこは大事な点だ。

大けがをした教え子に先生が非国民といった話。

父が戦争から帰ってきてDVをするようになった話。

戦傷者認定申請書を出したが却下され、それに携わる官僚の愚かさが示されている話。

アメリカ兵を憎むかという問いに、答えるときに、日本にいるアメリカ人の子供にどう伝えるかに心を砕いて伝えた話。

奈良には空襲がないと思い込み、大阪の空襲を他人事のように眺め見ていた話。

戦後、天皇、国体を守るという精神主義が崩れて、苦しさの中で弱肉強食的にひどい生き方をする人が多くなったこと。その程度の精神主義であったということ。

そもそも多くの日本人が戦争に反対するほどの勇気、知性、思想、思考力、自分の考えを持っていなかったということ。

その中、空腹の子供が田んぼの端に転がっていた細い細いさつまいもの泥をぬぐってかじって食べた、そのいものおいしかったこと。 それを盗人だといった祖母の矜持と軍国主義的愚かさ。

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なお、本書は、文芸社が2016年、戦争を語り継ぐ作品を募集したコンテスト「戦争とあした」の長編部門で最優秀賞に輝き、書籍化されたものである。 是非ご一読をお勧めします。

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