―――コモン、ジョン・レジェンドのスピーチがすばらしかった。
映画「グローリー」の中で、黒人の選挙登録を白人社会が邪魔することに怒って、セルマ市の役所の前に座り込む抵抗運動をするシーンがありました。そのときに白人優越主義者でアラバマ州ダラスの保安官、ジム・クラークは、今回もまた棍棒を片手にこの座り込みを弾圧しました。そのときこの警官を殴った黒人女性がいました。彼女の名前はアニー・リー・ク-パー。それで彼女は逮捕されたけれど、その行動は素晴らしいと僕は思いました。
彼女は、黒人の投票権を得るための活動をして仕事もクビになりました。
しかし、彼女の勇気をたたえて、いま、セルマ市には「アニー・リー・ク-パー通り」があります。
ある瞬間にまともな行動をとれるか。
アニー・リー・ク-パーになれるか。
死ぬまで、そういう意識を保てるか、実際に彼女に恥じない生き方ができるかが、私たちに問われていると思います。
●主題歌、コモン&ジョン・レジェンド コラボレーション曲“Glory”、よかったですが、以下で聞けます。
http://ro69.jp/news/detail/116946
授賞式の時のもいいです。
コモン、ジョン・レジェンドのスピーチを、以下にネットから紹介しておきます。
で知ったことですが、アラバマのバーミングハムで4人の少女が教会爆破で殺された事件は、スパイク・リー監督「4リトル・ガールズ」でえがかれています。
またこの「グローリー」、私はいい映画と思いますが、
この映画は最初から遺族の許可を得ないという方針で製作し、スピーチもすべて類語を駆使して似た文言に書き換えたものだそうです。
アラバマ州知事のジョージ・ウォレスが、1962年に知事に当選したとき“I say segregation now, segregation tomorrow, segregation forever”(人種隔離を今、そして将来、そして永遠に!≒人種隔離バンザイ)というスローガンを掲げていたそうです。1963年には黒人学生がアラバマ大学に入学することを阻止するために自ら大学の前に立ちはだかったそうです。
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以下ネットにあった情報です。「Selma」は邦題「グローリー」です。
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以下のコモン、ジョン・レジェンドのスピーチ、スピリチュアルです。
コモン&ジョン・レジェンドの「グローリー」、アカデミー賞主題歌賞も獲得 「闘争は今まさに起こっている」
2015年02月23日 13時57分
すでにゴールデングローブ賞などで主題歌賞を獲得し、先日の第57回グラミー賞授賞式ではエンディングで披露されたコモン(Common)とジョン・レジェンド(John Legend)によるコラボレーション曲“Glory”が、アカデミー賞でも授賞の栄誉を手にした。
人気ラッパーのコモンと、昨年“All Of Me”が世界的大ヒットとなった人気シンガー・ソングライターのジョン・レジェンドによる“Glory”は、マーティン・ルーサー・キング牧師と公民権運動、そして1965年にアラバマ州セルマで起きた血の日曜日事件を描いた映画『Selma』のサウンドトラックに提供された楽曲。
先月11日に発表されたゴールデングローブ賞では最優秀オリジナル・ソング部門を授賞しているほか、放送映画批評家協会賞などでも最優秀楽曲を授賞するなど高く評価されており、米時間で2月22日に開催された第87回アカデミー賞でも最優秀オリジナル・ソング部門の最有力候補と見られていた。
そして昨年夏にファーガソンで起こった白人警官による黒人青年射殺事件にも言及されたプロテスト・ソングとして話題を呼んだ、シリアスなメッセージ・ソングでもある“Glory”が、見事にオスカーの栄冠を獲得。授賞前のライブ・パフォーマンスでは盛大なスタンディングオーベーションが巻き起こり、この映画のプロデューサーであり女優としても出演しているオプラ・ウィンフリーが快哉を叫び、キング牧師を演じたデヴィッド・オイェロウォが涙を流している姿も話題を呼んでいる。
また、ふたりの授賞スピーチも大きな話題となっており、コモンは、
「まず、私たちと共に生きてくださる神様に感謝を。先日ジョンと私はセルマに行き、キング牧師たちが50年前に行進したのと同じ橋に向かいました。この橋は、かつてはこの国を南北に分かつ目印だったが、今は変化の象徴です。この橋のスピリットは、人種、ジェンダー、宗教、性的指向、社会的地位を一変させました。この橋のスピリットは、よりよい人生を夢見ているシカゴのサウスサイド出身のこの私を、表現の自由のために立ち上がっているフランスの人たち、そして民主主義を求めて闘っている香港の人たちとつなげてくれた。
この橋は希望によって作られ、同情によって溶接され、全人類への愛によって高く架けられるのです」
と語った。
続けてジョン・レジェンドは、
「ニーナ・シモーンはかつてこう言っていた。いま我々が生きている時代を反映させることは、アーティストの責務であると。私たちがこの曲を書いた映画は、50年前に起こったことを基にした作品です。しかし、『Selma』に描かれていることは今も起こっている。公正を求める闘争は今まさに起こっているからです」、
「自由と公正を求める闘争は現実のものです。私たちは世界でもっとも投獄される国に住んでいます。1850年に奴隷にされていた人たちよりも、さらに多くの黒人が矯正施設に入れられているのです」、
「私たちが伝えたいのは、私たちの曲と共に行進するとき、私たちはあなたたちと共にあるということです。あなたたちを愛しています。そして行進を続けましょう。神のご加護を」
などとメッセージを伝えた。
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http://d.hatena.ne.jp/blackmovie/20150203/1422970070
"Enough is Enough, we must stand up for it" ノーベル平和賞の授賞式を終え、そして。そんな中、アニー・リー・クーパー(オプラ・ウィンフリー)がアラバマ州セルマにて投票の申請をしていた。クーパーは白人の職員に示された憲法や地方議員数などの質問には答えられたが、67人居る議員数全員の名前までは覚えておらず、投票権を却下された。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(デビット・オイェロウォ)が率いるSCLC(南部クリスチャン指導者会議)のメンバーと共に、人種差別廃止を訴える次の戦いはアラバマ州セルマとなり、彼等がやってくるが、到着早々、キング牧師はホテルのロビーで白人男性に顔を殴られる。前途多難な戦いが待っていたのだった。 キング牧師が直面した数々の戦いの中でも、厳しい戦いとなったのが、このセルマである。長く続く戦いの間で、家族間に出来た問題もあった。また戦いが激しさを増す事で、FBIからも嫌がらせを受けるようになる。自分たちのSCLCと、SNCC(学生非暴力調整委員会)との関係や連携... それらの多くの苦悩を抱えながらも、キング牧師はセルマでの戦いを率いていく。
そんなキング牧師の苦悩や、しっかりとしたビジョンが明確にこの映画では描写されているのだ。妻のコレッタに不安や不満を言われた後に悩むキング牧師が歌手のマヘリア・ジャクソンに電話を掛けて歌ってもらうシーンがある。マヘリアとキング牧師の関係性だけでなく、キング牧師の心の拠り所が明確になる美しいシーンであった。そしてセルマ住民のジミー・リー・ジャクソンとその祖父と母という関係性をより深く描く事で、観客はセルマ住民の気持ちと繋がる事が出来るのだった。 ここで描かれたキング牧師は、キング牧師の一部でしかない。キング牧師はこの10倍も戦ってきたのである。けれど、この一部だけで、どれだけ壮絶な戦いだったを垣間見る事になるだろう。なぜキング牧師は死を恐れずに戦い続けたのか... そして多くの人々もまた死を恐れずに戦い続けたのか... この映画でその答えに出会えるであろう。