戦争時代を懐かしがったり、美化する人々
- 『ジョン・ラーベ』の上映が日本ではなされません。おろかしいことです。
- 「アンブロークン」の上映がなされない問題もありました。
これらの映画に「反日」というレッテルを張る発想は、安倍シンパの勉強会と同じ。
アンジェリーナ・ジョリーが監督した映画「アンブロークン」が、米国でヒットし50カ国以上で公開されながら、日本国内では未公開。
旧日本軍の捕虜虐待を描いた内容に、ネットなどで「反日映画」とボイコット運動が起きたため。
署名サイト「Change.org」ではジョリーさん宛ての上映反対キャンペーンに約1万人が賛同。「東京裁判史観を変えない限り、第2のアンジェリーナは現れる」と内容は歴史認識へも波及。
捕虜を虐待する伍長を演じたギタリストMIYAVI(石原貴雅)さんに対しても「売国奴」などの中傷が繰り返されました。
中国や韓国では既に公開されているため、日本の動きは、欧米など海外メディアでは、日本の歴史修正主義や「右傾化」の表れとみられています。
反対している右翼団体「史実を世界に発信する会」(渡部昇一・上智大名誉教授らが顧問)の茂木弘道事務局長は「映画は見ていないが、事実無根の思い込みや決めつけによる作品で、上映の必要はない。日本人性悪説に基づいた人種差別だ」と語っています。
●これらは「靖国」(07年)や「ザ・コーヴ」(09年)への圧力と同根。
◆キーワード
<映画「アンブロークン」>
意味は「不屈」。太平洋戦争で旧日本軍の捕虜となった米国の元五輪陸上選手ルイス・ザンペリーニ氏(1917~2014)の半生を描く。原作は全米ベストセラーのノンフィクション。爆撃機が太平洋に不時着し、捕らえられたザンペリーニ氏は、東京・大森や新潟・直江津の収容所で2年にわたり虐待を受けた。竹刀やベルトのバックルで殴られ、捕虜同士で殴り合いもさせられた。戦後は復讐(ふくしゅう)心に苦しんだが、キリスト教の「許し」の教えに救われ、1998年の長野五輪で80歳の聖火ランナーとしてかつての敵国を訪れる。