ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

沖縄問題 ・・・ 主流秩序の下位への差別

 

官僚が首相も操作し、メディアが情報操作に加担していることが示されています。

メディアも多くは主流秩序の加担者です。

 

普天間移設:鳩山元首相「官僚の情報操作で辺野古と」

2015年09月07日

 

 【東京】沖縄映像祭inTokyo(文化経済フォーラム主催)のシンポジウム「普天間基地問題とメディア報道」が6日、千代田区の法政大学であり、鳩山由紀夫元首相が米軍普天間飛行場の移設先を名護市辺野古に回帰した理由に官僚の情報操作の例を複数挙げ「外務、防衛官僚が辺野古しかないとリードした」と述べた。

 

 同シンポジウムは緒方修東アジア共同体研究所琉球・沖縄センター所長を進行役に鳩山氏ら4氏が登壇した。

 鳩山氏は首相時代、防衛官僚から「米側の移設先の条件は沖縄から65マイル以内」と示されたことが事実無根だったことなどを挙げ「防衛、外務官僚は一度決めた辺野古移設を蒸し返されては困るから、米側の意向も忖度(そんたく)して辺野古しかないとリードした」と述べた。「大臣も役所に取り込まれ、大手メディアも既得権にどっぷり漬かり、壁を破れなかったのは私の力量不足だった」とした。

 

 ジャーナリストの高野孟氏は「意図的な情報操作が首相にまで仕掛けられる。大手メディアもその情報をそのまま伝える」と述べ、政府、官僚とメディアの癒着ぶりを指摘した。

 川村湊法政大教授は安倍政権のメディア対応について「現政権が攻撃的なのは批判に対する危機感の表れだ」と述べた。

 

 基調講演では具志堅勝也元琉球朝日放送報道制作局長が在京メディアについて「地位協定海兵隊の抑止力について認識が不足している」と指摘し、昨年の県知事選の結果を受け「報道に変化が出てきた。基地反対の全国世論が形成されつつある」と述べた。(琉球新報

 

辺野古移設 菅さん、これでも「過去の問題」?

毎日09月08日 00時17分

 

終わったハナシ、らしい。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設問題のことだ。県知事選(30日告示、11月16日投開票)を前に菅義偉官房長官は「過去のもの」と切り捨て、争点にならないと強調するのだが、本当にそうか。安倍晋三首相の言葉によれば「沖縄の方々の気持ちに寄り添う」政府の姿勢を確かめるべく、現地を歩いた。

 

 東京から南西に約1600キロ。本州では秋の気配が色濃いのに、沖縄は気温30度超。日光が脳天と肌を焼き、セミの声が耳を打った。

 9月下旬、名護市辺野古の米海兵隊基地「キャンプ・シュワブ」。ゲート横では日よけのテントの下で、名護市内外の住民ら約30人が座り込んでいた。水に浸したタオルをかぶり「基地建設反対」のプラカードをひらめかせ、ゲート前の国道を行き交う車にアピールする。少し距離を置いて、ヘルメットに防護服姿のガードマン20人ほどが座り込みには無関心なふうを装い、国道を見つめていた。

 

 その辺野古を9月17日、菅官房長官がヘリコプターで視察した。「下界」で座り込みをしていた住民たちに聞くと、口々に「菅さん? いつ来ていつ帰ったか、分からないぐらいさ。ヘリの音がして『ああ、来たのかねえ』と思ったのも一瞬。すぐ消えた」「空から見て、いったい何が分かるのかね。地べたを歩いて初めて、海を埋めてここに基地造っていいか悪いか、分かるんさ」。琉球新報によると視察時間は5分、らしい。

 

 昨年12月、仲井真弘多(ひろかず)知事(75)が辺野古沖の埋め立て工事を承認した。このまま移設が進むかと思いきや、今年1月の名護市長選では移設反対を掲げた稲嶺進市長が再選。9月7日に投開票された名護市議選でも反対派が過半数を占めた。足元から「移設ノー」ののろしが上がる中、迎えるのが知事選である。

 その菅氏、3選を目指す仲井真氏に対抗して、移設反対を掲げる元自民党県連幹事長の翁長(おなが)雄志・那覇市長(64)が知事選出馬を表明した9月10日に「(仲井真氏が)承認し、それに基づき粛々と工事している。この問題は過去のものだ」と発言した。安倍政権にとって、辺野古移設に問題は存在しない、ということか。

 

 ◇沖縄のことは沖縄で決める

 「あまりに県民をバカにした発言です。僕はこのままではもう沖縄は独立するんじゃないかと。少なくともそういう方向に県民が向かっていることは間違いない」

 

 過激な革新系ではない。沖縄自民党の長老格が実に暗い声でそうつぶやくのだ。那覇市の隣、南風原(はえばる)町。仲里(なかざと)利信さん(77)は県議会議長や党県連顧問を務めた沖縄保守政界の重鎮である。8歳で経験した沖縄戦。本島北部の壕(ごう)で日本軍に「毒入りおにぎり」を渡され自決を迫られ、壕から逃避中には弟を栄養失調で失った経験がある。

 

 「県民にとって基地ほど重いものはない。本土政府が何と言おうと、各種の世論調査で県民の7割が辺野古移設に反対しているんですよ。それを『過去の問題だ』という。こたえましたよ、精神的に。我々の民意など関係ない、ということですな。ならば我々もあなた方の都合など関係ない、沖縄のことは沖縄で決める。そう思うのは自然でしょう」。基地問題の資料がうずたかい応接間で、仲里さんの声が高くなった。

 

 もともと辺野古移設には賛成だった。政府が移設候補地を辺野古としたのは1996年、橋本龍太郎内閣の時だ。市街地にある普天間飛行場は最も危険で、移設は急務だと感じた。わだかまりはあったが、他の選択肢もなかった。当時の橋本首相や梶山静六官房長官、後を継いだ小渕恵三首相や野中広務官房長官が繰り返し沖縄を訪れ、「ヘリ視察」はおろか、現場を歩いて党県連幹部や名護市長に頭を下げる姿が印象に残った。

 

 何より決め手となったのは「辺野古基地の軍民共同利用」「米軍の基地使用期限は15年間」という方針だった。「移設に賛成したのは、豊かとは言えない名護市など北部の経済振興に、返還後の基地を活用するためです。それなのに……」。やがて方針は立ち消え、辺野古には「強襲揚陸艦が接岸可能」「2本の滑走路」など、普天間以上の基地とする計画が次々に明らかになった。しかも米軍には辺野古を返還する意思はない。「結局、自然を壊して新基地を一つ、沖縄に押し付けるだけか、と裏切られた思いでした」

 

 2012年の衆院選で、沖縄選出の自民党国会議員4人はいずれも「県外移設」を掲げたが、後に公約を撤回した。昨年末には県外移設を訴えていた仲井真氏までも辺野古移設に転じた。経緯を巡り、今もさまざまなうわさが飛び交う。

 

 仲里さんは公約撤回を批判して党顧問をやめ、さらに今年1月の名護市長選で党方針に反して稲嶺市長を支援し、自民党を除名された。「沖縄が基地を引き受けているから日本の防衛費は今の水準で済んでいる。本来なら毎年十何兆円もかかるでしょう。それを何だ。現実に座り込みをしている住民がいるのに『過去の問題』? 本土の皆さんは分からんだろうが『これ以上、本土に都合良く利用されてたまるか』というぐらい、県民は怒っているんです」

 

 仲里さん宅を辞し、那覇市街を歩いた。週末の繁華街「国際通り」は歩行者天国。観光客がひしめき、路上では女性歌手が「東京ブギウギ」を歌っていた。

 

 近くの飲食店で移設容認派の県議に会った。「党本部が移設推進で固まっているから、勝手なことは言えないが……」と前置きしながらも、政府へのいらだちを隠さない。

 「『過去の問題』じゃないだろ、勘弁してよ、というのが正直なところ。仲井真さんだって県内移設は本当は嫌だし、基地を歓迎する県民はいませんよ。それでも18年間、動かなかった普天間問題を何とかしようと、つらい決断をしたんです。それなのに当の政府が後ろから鉄砲撃つようなマネして……」

 

 翁長氏擁立に動いたのは那覇市議会の自民党市議たちだ。県議は「基地問題だけではない。例えば県連中枢の役職につけない地方議員、特に那覇市議の不満が(反仲井真氏側に回った)背景にあるんですよ」と明かした。

 

 ちなみに仲井真氏は9月25日の県議会で「辺野古も争点の一つ」と答弁し、菅官房長官ら政府の認識と異なる立場を強調した。「名護市長選や市議選で移設反対の民意が示されたんだから仲井真さんの答弁は当然です。でも一方で普天間飛行場周辺の住民の苦しみもあるし……同じ沖縄人が、基地を巡って対立するのは悲しいですよ。独立論? 気持ちは分かるが、反対です。私は日本人です。何より国からのお金が入らないと沖縄は干上がってしまう」

 

 ◇あいまいにはもうできない

 

 そのお金、安倍政権沖縄県に21年度まで毎年3000億円の「沖縄振興予算」を約束した。辺野古移設を容認した事実上の見返りだ。

 14年度分は民主党政権時代の12年度から約500億円上積みされた3460億円。だが実は1800億円ほどは学校耐震化や那覇空港滑走路整備、不発弾処理など、国の本来の事業や全国どこでもやっている事業だ。県庁前で移設容認派の団体が「振興予算で沖縄は大発展」とうたったチラシを配っていた。

 

 この「振興予算」に複雑な思いを抱くのが那覇市議の仲松寛さん(51)だ。約10年間、自民党県連事務局長を務めた若手の代表格だが、やはり辺野古移設に反対し、除名された。「例えば国が瀬戸内海に橋を架けたり、本土の道路や空港を整備したりするのは周辺自治体が米軍基地を引き受けたからですか? 国土発展、国民の利便性向上に財政支出するのは政府の当然の責務でしょ? それを沖縄では基地受け入れの取引材料にされる。だから沖縄の人の心は政府から離れ、独立論が出てくるんです」と苦い顔をした。県内では昨年、地元大学教授を中心に「琉球独立」を考える学会が設立された。

 

 沖縄の主要産業の一つは観光だ。辺野古のある北部は美しい自然が残り、観光客の人気が高い。その辺野古の海を埋めていいのか、そもそも辺野古でなければいけないのか、何より沖縄に基地が必要なのか−−。「私は保守政治家で日米同盟堅持派です。でもこうした疑問を、もうあいまいにできない。本土と沖縄の関係を見直すためにも、知事選で民意を明らかにして国と向き合いたいのです」

 

 仲井真氏は自民党の全面支援を受けるが、移設反対の声もある公明党県本部の態度は不透明だ。翁長陣営は都市部の保守層や労組・革新系が推す「保革連合」で、公明票を取り込めるかはやはり見通せない。前衆院議員下地幹郎氏(53)は県民投票で移設の是非を問うとし、民主党県連代表の喜納昌吉氏(66)は党本部方針に反して埋め立て承認の撤回を打ち出す。

 「沖縄の気持ちに寄り添う」のなら、知事選で示される民意を無視することは許されないはずだ。【吉井理記】