ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

「妻からのDV」,「でっち上げDV」の議論が増加しているが、注意が必要

 

 

「妻からDV」「妻の暴力」「逆DV」,「でっち上げDV」「DV冤罪」という報道が再び増えてきている。前にも一時増えたことがあって、拙著ではこれについて取り上げ、注意点を示しておいた。

 

◆『デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』(解放出版社)1-7「でっちあげDVのとりあげかた」

◆『続デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』(電子書籍)4-4「偽DV」(でっちあげDV)の問題

 

最近、朝日新聞で「妻の暴力、口閉ざす夫 DV防止法15年:上」(2015年9月10日)という記事が出たのをはじめとして、

週刊新潮』2015年9月24日号「DV防止法成立15年で急増した「冤罪DV」実態報告」

週刊ポスト』2015年10月9日号「妻からDV  亜ぁ、家に帰りたくない 殴られる、蹴られる、罵倒される、…真実の体験告白集」

というものなどがあいついでいる。

テレビでもその種のものがいくつか放送された(たとえば2015年9月28日読売テレビ『スッキリ!』「夫に暴力…妻のDV」など)

 

ネットで検索すると以前にもましてその種のものが多く出てくるようになった。

一例として「妻からのDVが増えてきた訳は? - NAVER まとめ

などがあり、そこから『DV妻』関係のいろいろなものを見つけることもできる。

 

一部にそうした女性が加害者で男性が被害者というものがあるのは事実だが、男性の言い分だけを聴いて書いてもそれは説得力に乏しい。したがって上記の記事などでもどこまでが真実なのかいかがわしいものものっており、注意が必要だ。

 

DVについて正しい理解がないと加害者は自分が悪いとは思えなくて自分こそが被害者だと思いがちだ。ネットにはその種のものが多くある。ネトウヨ的感覚のバックラッシュ的スタンスからのDV批判もある。そういう場合フェミ批判がついている。

 

見抜くときのポイントは、別れたがっているか、別れるのを拒否しているかだ。

DVされているのに別れたくないと言っているのは怪しい。もちろん、子どもの事を考えたり、家族をやり直したいという場合もあろう。だが相手がおかしなことを言うなら別れるしかない。

だからこそ、「被害者の心理や行動パターンを含めDVについてよくわかっている人」が男女双方(同性カップルでも双方)から聞き取りをすることが必要である。

そうしないで、「証拠がない」などと言ってDVではないと言うのは、あまりにこの問題についての素養がないかを表している。証拠がないじゃないかというのは加害者の典型的言い分である。

 

拙著で示しているように、別れは、片方が別れたいと言えば成立するのである。このことをわかっていない人がほとんどだから裁判所も弁護士も、メディアも含め表面的な言葉にだまされる判断をしてしまう。

 

あいてがもし「1」のことを「10」にふくらまして被害を訴えていると思えるようならば、もう一緒にやっていくのは無理と判断すべきだ。そういう人を選んだ自分の責任もあるし、解決は別れるしかない。後は条件の話をすればいい。しかたない。密室だから真実は神様しかわからないことはある。誰かが嘘を言っていることもあるし、主観的には本当にそう信じ込んでいて双方に認識のずれがあることもある。

ましてそこに体力の男女差や社会的な性差別、女性が経済的に自立することの困難さもある。特に妻を専業主婦にしていた夫には、経済的に自立が厳しいことを考慮する責任もある。また子どもの養育には成人するまで離婚しても両親が責任をもつのは当然である。

 

その上でだが、女性の加害者がいる場合もあるし、悪人ででっち上げを言う人もいるだろう。その場合は闘えばいい。

しかしくりかえずが、男性がDV的であっても自覚していないで、相手がでっちあげているとおもう場合もある。だからその主張にDVへの正しい理解がどれぐらいあるかが大事で、それによってその主張の信ぴょう性も変わってくる。

恥ずべきは弁護士が、加害者に加担して「でっち上げだ」「証拠がない」ということだ。

最低の人間である。弁護士の活動への理解が浅すぎる。この問題についても、拙著で書いているからぜひ見ていただきたい。

 

◆『デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』(解放出版社)5-8「被害者と加害者、両方から聞くのは間違っているのか」

◆『デートDV/ストーカー蔓延の実態と背景――― ストップ!デートDV 2』1―4「ひどい人権意識状況と、その表れとしてのDV・デートDV」   

◆『続デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』(電子書籍) 4-5 「弁護士の倫理と性暴力」

 

大事な事は多くの人が正しくDVを学び、人権・支配・暴力に敏感になることだ。相手が悪い(逆DVだ、タカリの構図だ、利権だ)とだけ言う戦いをするところには解決は生まれない。ねちねちと反論を書いて得意になっていたり、怒りまくったり、口汚く相手をののしるような人には、そこにその人のDV性がにじみでるではないか。「逆DVだ」「でっちあげだ」という人に注意しよう。

 

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