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特定秘密の国会監視、困難 政府、詳細説明拒む 衆参審査会報告、適否判断見送り
朝日 2016年3月31日05時00分

 

特定秘密をめぐる各省庁と審査会の主なやりとり
 
特定秘密保護法に基づく政府による秘密指定の状況をチェックする衆参両院の情報監視審査会は30日、初の報告書を衆参議長に提出した。審査会が政府から秘密指定が適正かどうかを判断できる十分な説明を受けられず、監視機能を果たせていない実態が判明。指定が適正かどうかの判断は見送られた。審査会も運用改善を強く迫る「勧告」をしないなど、踏み込み不足があった。

▼4面=何が秘密か秘密、

14面=社説

 

 衆参審査会は2014年12月10日~同31日に防衛省や外務省など10の行政機関が指定した特定秘密382件(約18万9千点)の指定状況を調査。衆院は約150ページ、参院は約60ページの報告書をまとめた。


 衆院報告書の3分の2を占める審査会委員と各省庁担当者との質疑応答からは、詳細な説明を拒み続ける政府の姿勢が浮かび上がった。02年の日朝首脳会談をめぐる北朝鮮側の交渉役「ミスターX」の人的情報や、15年の過激派組織「イスラム国」(IS)による邦人人質事件の関連文書などは特定秘密に該当するのかとの質問に対して、外務省は「持ち帰り、検討する」とあいまいに答えたり、説明を拒んだりした


 衆参の審査会は情報開示を求める文書を絞り込めず、政府に特定秘密の提出を求めたのは、内閣衛星情報センター視察を除くと衆院でゼロ、参院で3点にとどまった。このため両審査会とも、政府の特定秘密の指定が適正かどうか継続的な調査が必要などとして、適否の判断を見送った。


 いずれの報告書も、秘密の概要や有効期限を記した特定秘密指定管理簿の記述があいまいだと指摘した。衆院の報告書は、特定秘密に指定された文書を「ある程度想起されるような記述」に改善するよう要求。さらに文書約18万9千点について名称の提示を求めるなどの改善点を明記した。


 ただ、衆参の審査会は持てる権限をすべて行使せず、政府に制度運用の改善を求める勧告には踏み込まなかった。勧告に強制力はないが、適正な運用を強く求める国会の姿勢を示すものだ。しかし審査会は、今回は運用改善の求めを意見として示すことにとどめた。
 衆院審査会の額賀福志郎会長(自民)は30日の記者会見で、「問題点の提起や改善の要求を継続的に行っていく」と語った。
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◆情報監視の目、阻む壁 何が秘密か秘密・過半数が与党・勧告に二の足
朝日 2016年3月31日05時00分


特定秘密のチェックの仕組み
 何が秘密かは「監視役」にも教えない――。政府による特定秘密指定をチェックする衆参両院の情報監視審査会の報告書からは、行政機関が開示を阻めば、国民の代表の「目」も届かないという現実が浮かび上がる。審査会は特定秘密保護法の成立直前に設置が決まったが、不十分な監視機能しかない制度の欠陥も改めて示された 。▼1面参照


 衆院審査会の報告書にある審査会委員と各省庁担当者の質疑応答には、政府が情報の開示を拒否する場面が多く見られた。
 審査会委員 特定秘密の件名に「周辺有事に関する外国政府との協議内容」とあるが、外国政府とは?
 外務省担当者 協議の相手国、数が明らかになると、我が国がどんな範囲で何に取り組んでいるかを推察される。答えは差し控えたい


 与野党の委員は「こんな漠然とした内容では何も分からない」「我々も罰則付きの守秘義務を背負って審査している。しっかり説明してほしい」と再三求めたが、かたくなな姿勢は変わらなかった。


 国会議員による監視を、行政側が拒めるのは制度上の「壁」があるからだ。
 外務省や防衛省など10の行政機関が指定した特定秘密の項目は382件だが、各項目ごとに多くの文書や写真が含まれており、全体では約18万9千点(2014年末現在)に達する。


 このうち政府が審査会に提出する情報は極めて限定的だった。項目の名称は、「内閣情報調査室と外国政府との情報協力業務」(内閣官房)、「人的情報の収集」(警察庁)、「自衛隊の運用計画等」(防衛省)などとあいまいな表現にとどまる。項目ごとに概要を記す特定秘密指定管理簿や、秘密指定の理由を簡単に示した特定秘密指定書も提供されたが、それぞれの秘密の具体的な内容ははっきりしない。


 審査会は個別の特定秘密の提出を求めることができるが、要求に強制力はない。今回の調査では、内閣衛星情報センターの視察を除くと、提出要求は衆院はゼロ、参院が3点にとどまった。委員の一人は、審査会の空気を打ち明ける。


 「要求してもどうせ出てこないという諦めがあった。項目の名称から探っても具体的な文書は特定できないため、提出の要求にまで至らなかった」


 また、審査会の過半数は与党議員が占める。政府が指定した秘密に不正があるかどうか、与党の委員が本気でチェックしようとしたのか疑問が残る。

 

 参院の審査会では昨年12月、当時の民主党の委員が、国家安全保障会議(NSC)と警察庁が指定した秘密計2件の提出を求める動議を出したが、与党委員が「政府からの説明で十分理解でき、提出を求める必要はない」として、反対多数で否決した。


 そもそも審査会は、各省庁の大臣や長に対し、運用の改善を促す「勧告」を出すことができる。勧告には強制力がなく、政府が拒否できるものの、なんらかの対応に迫られる可能性はある。


 今回、審査会は運用改善を「勧告」という形では求めなかった。衆院審査会の額賀福志郎会長は30日の会見で「(改善要求への)政府側の対応を見て、十分でなかったら勧告権を行使する」と強調した。ただ、委員の一人は「勧告は審査会にとって最高の権能で最後の手段だ。軽々に発動すべきではない」と語る。


 ■急ごしらえの組織、弱い権限
 特定秘密保護法の制定過程で、政府には当初、秘密指定が適切かどうかを別の機関でチェックしてもらうという発想はなかった。
 同法が成立したのは13年12月6日。安倍晋三首相はその2日前、政府内の「監視機関」として、独立公文書管理監と内閣保全監視委員会の設置を表明した。翌5日には、自民、公明両党に加え、日本維新の会みんなの党(いずれも当時)の4党が、国会に監視組織を設けることで合意。世論の批判を受け、法案採決の直前に駆け込みで決まったものだった。


 独立公文書管理監は検事出身者が務める。管理監が確認したのは各省庁側が選んだ165点の特定秘密だけで、昨年12月の報告書では「指定は全て適正」と結論づけた。事務局の関係者は「省庁は都合の良いものだけを選んで提示しているかもしれない」と認める。


 独立公文書管理監と保全監視委員会を政府の「内の目」とするなら、衆参両院の審査会は唯一政府の立場を離れ、国民の代表として秘密指定の是非をチェックする「外の目」と言える。


 しかし審査会の権限をめぐる議論では、当時の与党プロジェクトチームの町村信孝座長(故人)が「国会が何でも命令し、政府に言うことを聞かせる状況になれば、三権分立から逸脱する」と主張。数に勝る与党側の意向で、審査会の運用改善の勧告や秘密の提出要求には強制力がなく、政府が拒める仕組みになった。


 ■<考論>垣間見える制度自体の欠陥
 山田健太専修大教授(言論法)の話 報告書から垣間見えるのは制度自体の欠陥であり、まっとうな秘密管理の制度として成立しえない恐れが明らかになった。いみじくも政府から提供される「特定秘密指定管理簿」だけでは、何が指定されたのか分からないということが分かったのが、唯一の収穫とも言える。


 情報監視審査会の任務には常時監視としての「調査」とは別に、委員会などの要請で個別事案について行う「審査」があるが、今回はゼロだった。委員構成や権能に限界があると疑われる。国会議員には制度を作った当事者としての責任を果たしてほしい。


 ■<考論>初年度としては評価できる
 特定秘密保護法の運用基準を議論する政府の情報保全諮問会議メンバーの清水勉弁護士の話 衆院は特定秘密情報の分かりやすい表記を求め、不当な廃棄を防ぐ提案もした。参院は不開示だった情報の開示や文書の記載修正を求め、実現させた。初年度の活動としては一定評価できる。今後、さらに監視機能を強化してほしい。


 ■情報監視審査会の構成
衆院
会長 額賀福志郎(自民)
委員 岩屋毅平沢勝栄松本純大塚高司(自民)
   後藤祐一井出庸生(民進)
   漆原良夫(公明)
<参院>
会長 金子原二郎(自民)
委員 石井準一猪口邦子、上月良祐(自民)
   大野元裕藤本祐司(民進)
   荒木清寛(公明)
   仁比聡平(共産)
 (30日現在)

2016年03月31日 12:01

 


何が秘密かわからない秘密法の気味悪さ
 「特定秘密の保護に関する法律」というものがあって、政権交代して早い時期の2013年の末に成立したことを覚えている人は、どれくらいいるだろうか。この秘密保護法の成立は、安倍政権による「問答無用採決」の手始めになるものだった。採決の無効を求めてジャーナリストたちが裁判に訴えたが「具体的被害がない」として退けられた。

 批判をかわすために安倍内閣は「5年後に見直す」条項を入れ、国会には衆参に「情報監視審査会」を設けることにした。その審査会が初の報告書を出したというので、きょうの朝日新聞が記事にしている。長文の報告書で審査委員と省庁担当者とのやりとりを記録しているが、詳細な説明は拒みつづける政府・官僚の姿勢が浮き彫りになり、具体的に特定秘密の提出を求めるまでにも至らない門前払いに近い状態のようだ。

 つまりは「何を秘密にしているのか、それが秘密だから答えられない」という禅問答のような報告で、審査会としての権限を積極的に行使しているようには見えない。そうなる原因は審査会の構成にあるので、審査会を構成する各8名のうち、衆院では6名を、参院では5名を自公の議員が占めており、会長はもちろん自民である。

 今は私たちの日常生活に直接の関係はなさそうな秘密保護法だが、「公開すると国益を損なうおそれがある」と政府・官僚が判断すると、それが「特定秘密」になるという基本的な性格は変らない。国政や外交に秘密があるのは常識だが、従来はジャーナリストの取材は、原則自由だった。それが「特定秘密」に指定すると、情報を漏らすことが犯罪として取り締まりの対象になる。それまでして守りたい秘密とは何なのか。

 秘密政治の究極の姿は「秘密警察」が支配する国家になる。そこでは独裁の権力と、それに仕える官僚がすべてを支配する。一挙に日本がそうなるというのではないが、秘密の保護は官僚の天国を作り出すということは覚えているといい。外部からの批判に対して、もっとも有効で安易な防壁は「それは秘密です」という拒絶なのだ。官僚の典型である軍隊は特にそうで、私が子供のころは、都合の悪い秘密を隠すときの決まり文句は「わが軍の秘密」だった。これは冗談ではなくて、今の自衛隊はそれに近づきつつあるのではないか。

 秘密で守られた官僚組織は、どんどん強くなる。その官僚に寄生する政治家たちの羽振りもよくなってくる。秘密の保護は、中身がどんなに下らいものでも秘密にしておくことができるから便利なのだ。秘密で守られる「国益」の中身は、充分に疑って監視している必要がある。それにつけても、待たれるのは政権の交代である。


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