ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

「13~24歳」「写真審査アリ」で女子を集めて「ICT女子を応援!」のバカさ加減

 

ジェンダー秩序に鈍感だから、行政も、何も問題と感じなかったんです。
世間に怒れレて屁締めて、見落としたと言い訳。

 

「いちいち「女性の活躍を応援」しないで、人間として扱ってください。白紙になった総務省「ICT48」」@messy /メッシー


http://mess-y.com/archives/32599

2016.06.13

 

 ICT(情報通信技術)分野の女性活躍を支援すべく、総務省の肝いりで立ち上がった「ICT女子プロジェクト」が、始動したばかりで炎上、白紙状態となった。

 総務省は上記プロジェクトについて6月9日にTwitterで発信し、「全国津々浦々でICTを用いて活動する女性(ICT女子)を発掘し、彼女達に一層の活躍の場を提供するための取り組みです!」と意気込んだ。そしてこのプロジェクトを盛り上げるために「48人の女子」を募集することを発表。それを「ICT48」と名付けた。活動内容は、ICT48のメンバーで3名×16チームを構成し、研究会が主催するイベント「ICTビジネスモデル発見&発表会」へ参加することだった。

 

 実際にこの「ICT女子プロジェクト」を運営するのはICTビジネス研究会(一般社団法人テレコムサービス協会)で、具体的には「ICT女子と企業・団体の交流を深め、女性ならではのアイデアで新ビジネス・サービスを創造することでICT利活用を推進」「これらの取り組みを積極的に情報発信することで、社会全体の女性たちの存在感を高め、IT業界へ就業する若手女性の増加を目指す」ことが予定されていた。

 

 この時点で「デター『女性ならでは』!」「なぜAKB48みたいな名前を……?」と疑問だが、公開されたICT48の応募資格と応募用紙は、まるで芸能事務所がタレントを募集するかのようなものだった。応募資格は、「ICTを用いて活動している女性であること」だけでなく、「2016年7月1日時点で13歳~24歳の方」、さらに応募用紙には「身長」「体重」「血液型」の記入欄、「アップ」と「全身」のカラー写真を貼り付ける欄が。

 

FacebookTwitterInstagramのID記入欄も用意されていた。まるでアイドルグループでも作るのかと思わされるつくりで、即、Twitterで批判が拡散していった。結果、同プロジェクトは内容を見直すことになったのか、web上のプロジェクトページが丸々削除され、現在は白紙状態となっている。

 

 総務省は果たして、どのような女性を48人も集めるつもりだったのだろうか。また、写真審査と「13~24歳」という年齢制限を設けたのはなぜか。コンパニオン的な活動をさせることが目的だったのであろうか? ICT48の活動によって、ICT分野で働く女性が「応援されている」と実感することがあるのだろうか。ただなんとなく盛り上がりそう……という安易な見通しで立ち上げられたプランのように思えてならない。

 

また、AKB48のような女性アイドルグループになぞらえた名称であることから、「結局ICT分野で働く女性ではなく、おっさんが満足するためのプロジェクトにすぎない」と辛辣な批判も多く出た。本当に「女性を応援する」気があるのなら、若さとルックスをウリにして活動させるような試みが生まれるとは考えられないからだ。

 

 一方で、必ずしも「13~24歳の、写真審査を通過する容姿の女性48人」を集めることが、「男目線」でしか考えられていない、とも言えないのかもしれない。というのも、ICT48がAKBのような男ウケアイドル集団ではなく、ティーン向けのファッション雑誌に登場する読者モデルのような立ち位置になり、10代の女生徒たちから羨望のまなざしを受け、「憧れ」を原動力にICT分野に興味を抱いた若い少女たちのICT産業への就業意欲が底上げされる、という楽観的な未来予想図も描けないことはないからだ。同プロジェクトの「IT業界へ就業する若手女性の増加を目指す」という目的からは逸脱していない、と見ることもできる。

 

 しかし、「女性の就業数が少ない」という問題を解決したいなら、「地味じゃないよ! 可愛いよ! 楽しいお仕事です!」という(バイト情報誌のような)アプローチをすべきでないことは明白だ。24歳までという若すぎる年代の「ICT女子」を取り上げるのではなく、30代、40代、50代で活躍中の有能な女性たちをロールモデルとして見せることのほうが、よほど興味を持たせることができるだろう。

 

 この件に限らず、「若い女の子」という存在はバカにされすぎである。夏の参院選から選挙年齢が18歳以上に引き下げられることを受け、5月に自民党が発表したパンフレット『国に届け』しかり。『国に届け』冒頭に収録されているマンガ「軽いノリじゃダメですか?」は、女子高生のアスカが主人公だ。好意を寄せる生徒会長で「イケメンで女子にモテモテでツンデレ、政治問題にも関心を持つ意識高い系」の朝倉くんに、勇気を出して「さんいんナントカって私も行けるんだっけ!?」と質問し、「親にでも聞いてみろバーカ」と返される。アスカは自分で選挙候補者のHPを調べ、朝倉くんと一緒に投票に行く。これだけの短いストーリーだが、恋愛にしか興味がなく物事を深く考えることができないおバカでドジな女子高生の描かれ方にがっかりさせられる。

 

 女はメカやコンピュータ、科学、歴史、政治、経済などの“重要事項”には興味を示さない。女の好きなものは恋愛(男からもたらされる)、お金(男からもたらされる)、美容(恋愛とお金を男からもたらされるため)、スイーツ、イケメン

 

まるで決まりごとかのように、これらが「女子向けコンテンツ」として繰り返し量産される。女にバカでいてもらわなければ困るかのように。口では「活躍しろ(=低賃金で働き子供を産め)」と言いながら、本当に「活躍」されては嫌なのだ。

 

 もういちいちカネと人を投じて「女性の活躍を応援」するプロジェクトなど立ち上げなくてよいから、女性を男性と同じ人間として評価することは出来ないのだろうか。

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