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[ストーカー事案を本部で一元的に対応する専門部署に速報し、被害者の安全を確保すべきだった」

 

東京・小金井の女子大生刺傷
ストーカー判断に遅れ 警視庁、専門部署と連携指示
毎日新聞2016年6月18日 東京朝刊

 

 芸能活動をしていた大学生の冨田真由さん(20)が東京都小金井市で刃物で刺され重体になった事件で、警視庁は17日、事件前の相談対応が警察署にとどまっていたことについて「ストーカー事案を本部で一元的に対応する専門部署に速報し、被害者の安全を確保すべきだった」とする見解を検証の途中経過として公表した。判断に迷う相談は本部に報告し、連携を図ることを全署に指示した。


 冨田さんは事件12日前の5月9日、自宅を管轄する武蔵野署を訪れ、岩埼(いわざき)友宏容疑者(27)の名前や住所を署員に伝え、「ツイッターなどへの執拗(しつよう)な書き込みをやめさせてほしい」と相談した。しかし同署は「直ちに危害が加えられる内容ではない」と判断し、本部に報告していなかった。


 検証では、冨田さんが岩埼容疑者のプレゼントを返却し、ツイッターのアクセスをブロックした4月28日を機に、容疑者の書き込みが攻撃的な内容に変化したと指摘。「好意が悪意に変わった変化を読み取るべきだった」とした。
 岩埼容疑者は約3年前にも芸能活動をしていた別の女性のブログに「殺す」などと書き込み、万世橋署が相談を受けていた。同署は岩埼容疑者の名前を庁内の内部登録システムに入力するのを怠り、冨田さんの相談を受理した際にこの事案を把握できなかった。警視庁は登録の徹底を全署に通達したという。


 事件では、冨田さんから110番を受けた通信指令本部が通報場所の位置情報を確認せず、結果的に警察官の現場到着が遅れたことも問題になった。反省を踏まえ、事件に巻き込まれるおそれのある人を把握するための緊急通報システムに登録された電話番号から通報を受理した際には、位置情報が自動表示されるシステムを今月24日から通信指令本部に導入する。


 検証内容を説明した警視庁生活安全部の前田守彦参事官は「ストーカー事案と判断するのは難しい面もあったが、スピード感を持ってもう少し手厚い対応ができたと思う」と述べた。警視庁は今後、冨田さんの回復後に事情を聴いたうえで最終的な検証結果をまとめる方針。【斎川瞳】


被害女性、依然聴取できず


 警視庁の調べによると、岩埼容疑者による冨田さんのツイッターへの書き込みは、当初は「腕時計をプレゼントする意味を知っていますか?」などと好意を示す内容だったが、やがて不満や怒りを示すようになった。腕時計が返却された後は「ほんと、嫌な女」と書き込んだ。冨田さんの友人らのブログにも「冨田真由に『全部返せ』と伝えてください」といった書き込みを繰り返した。
 冨田さんは5月9日、警視庁武蔵野署を訪れ、書き込み内容を印字した資料も提出した。同署は一般的な相談に対応する本部の生活安全相談センターに警告などができないかを問い合わせたが、岩埼容疑者への接触には至らなかった。同19日には署員が冨田さんに電話し、21日午後7時からライブハウスで出演することを把握したが、「何かあったら110番してください」という連絡にとどまった。この日、ライブハウス前で事件は起きた。


 冨田さんは20カ所以上をナイフで刺され、約2週間にわたり意識不明の状態が続いた。現在は意識を回復したが、依然、警察の聴取を受けられる状況ではないという。
 殺人未遂容疑などで送検された岩埼容疑者について、東京地検立川支部は刑事責任能力の有無を調べるため、9月5日までの予定で鑑定留置を実施している。【斎川瞳】

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