ジャニス・ジョプリン 『ジャニス リトル・ガール・ブルー』
9月ごろ公開されるジャニス・ジョプリンの伝記映画「ジャニス リトル・ガール・ブルー」がある。もうじき公開される。
かなり、おすすめ。ジャニスの好きさにもよるが。
学生のころ、弟がジャニスのアルバムをカセットテープにダビングしてくれて、よく聞いていた。すごい歌手だと思った。
今回、この映画で彼女の私生活がかなり分かった。
なんといっても、彼女の気持ちがライブ映像から伝ってくる。その歌はやはりすごい。それを見るだけでも価値がある。
彼女は寂しがりやで、ある意味普通の女の子。かわいくなりたいと思っていたがそうなれず、いじめられ、それゆえもっとも“ふつう”にあこがれ、承認欲求にとらわれていた。
だから歌の歌詞などは凡庸だ。
でもその切ない孤独感、愛されたい、承認されたい、必要とされたい、認めてほしい、その表れとしての成功して見返してやりたい気持ちは強かった。痛々しいほど、普通に主流秩序にとらわれていたが、その痛々しさを歌声に乗せる点で天才的であった。
だから、ただただ、その声、歌いかた、によって、彼女の唄は世界最高レベルのものになり、同じ歌をほかの人が歌ってもダメ、というようなものになった。
すごい!
他方、ジャニスは個性があり、自分らしく生きたかった。しかしそれは主流秩序からはみ出す面もあった。高校で彼女は差別され、いじめられていた。10年後の同窓会でも、ジャニスに誰も近寄ってこなかったという。いつまでも古臭い意識の南部。
どこにいても、自由な縛られることなき〈たましい〉を!