ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

宮崎駿の指摘に思わず拍手したーー  その2

 

 

先日、私はここで以下のようなことを述べた。
http://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2016/11/13/221901
宮崎駿の指摘に思わず拍手したーー「首のない人間」の変な動きを面白がる感性と批判する感性」

再放送を見てそのやりとりをちゃんと見たので、それを記録し、一言感想を付け加えておく。
私の感想は基本、前のものと同じ線上のものである。

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追記
再放送を見た。
IT企業(ドワンゴ)でCGを開発している人たちが、宮崎のところにやってきて、人工知能で動きを学習させた映像の紹介に来た。


頭がない体で、頭を脚のように使って動く人、痛さというものもない人のうごきをCGでつくったということで見せる。類似の身体に何かいびつがなものががるような人のうごきで「気持ち悪い」影像をいくつか見せる。
会社社長「この動きが気持ち悪いんで、ゾンビゲームのうごきに使えるんじゃないかって」
「こういう人工知能を使うと、人間が想像(創造)できないような気持ち悪い動きができるんじゃないか」
「こんなことをやっています(笑)」

 

それに対して宮崎の対応
宮崎 「毎朝会う、障害者の友人がいるんですよ。ハイタッチするだけでも大変なんです。その彼のことを思い出してね、僕はこれ(今回のCG映像)を面白いと思ってみることができないですよ。これを作る人は、痛みとか、そういうものについてね、何も考えないでやっているでしょ。きわめて不愉快ですよね。そんなに気持ち悪いものをやりたいなら、勝手にやってればいいだけで、僕はこれを自分たちの仕事に使いたいとは全然思いません。きわめて何か、生命に対する、侮辱を感じます。」

 

会社社長「これは(まだ)ほとんど実験なので…・・・世の中に見せてどうこうというものじゃない(んですけど)・・・」

宮崎「それはわかっているつもりですけど・・・」「どこにたどり着きたいんですかね」

 

会社スタッフ 「ま、人間が書くのと同じように絵を描く機械をつくりたい・・・」


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みなが帰ってからの感想
宮崎「地球最後の日は近い、って感じですね」
(コンピューター、人工知能に依存していくような今日のうごきを見て)「それは人間の方が自信がなくなっているからだよ」

 

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私は宮崎の指摘は正しいと思うし、賛成だ。
しかし、障害者に接していないような人には、分からない話かもしれない。ゾンビ映画やゲームとか、そういうものに日々触れている若い世代の人には、分からないだろうなとも思った。

 

また宮崎については、これまでジブリでの仕事ぶりとかを見ていても、とってもパワハラ的な人と思ってきた。
ので、いいところもあると同時に、身近な職場での上司、仲間としてはきついだろうとも思う。みなが委縮するだろうなと思う。
彼には、いい面と悪い面がある。周りもそれを許してきた。それも問題。

宮崎の感性に基づく作品には、素晴らしいものがあると思うが、そうだとしても、だからといって何もかもが許されるわけではない。古い世代のコミュニケーションの人だと思う。
反論すればいいじゃないかというだろうが、いまは、反論せずに逃げたり萎縮したり陰で文句を言うだけとか、つぶされる人が多いだろうと思う。

 

だが、あの動きを「気持ち悪いでしょ」とのんきに得意がる軽薄さに対して、宮崎はいい関わりをしたと思う。