ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

結婚しなよ-はセクハラです

 

 

政府・自治体が、予算がついたこともあり、婚活支援活動に力を入れています。
配偶者控除問題での逆走も含め、カップル単位システム故の問題に対抗する勢力が少なくて、このありさまです。
21年前に『性差別と資本制』を出し、その後、1998年に『シングル単位の社会論』『シングル単位の恋愛論・家族論』(世界思想社)、そして2007年に『「まだ結婚しないの?」に答える理論武装』(光文社新書)、出してきましたが、同じことを言わなくてはならない状況、ということです。


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以下のところで署名しています。

https://www.change.org/p/結婚しなよ-はセクハラです-少子化対策のために国がセクハラをすすめるのはやめてください[

 

かつて、女性は「職場の華」でした。
男性正社員のお嫁さん候補として採用されました。
「クリスマスケーキ」と呼ばれ、女性は25歳を過ぎたら売れ残りだと言われました。
男性は、結婚しないと出世に響きました。
結婚していない人間は、半人前だと言われました。
「あいつはホモだ」と差別的な扱いを受けました。


女性は男性に「もらわれるもの」「売られるもの」ではありません。
男性の仕事ぶりや人間性に、結婚しているかどうかはまったくの無関係です。
女性でも男性でも、職場では職業人として評価する。
そんな当たり前のことを当たり前にするために、男女雇用機会均等法ができました。
そして、職場で結婚を強要するような差別的な扱いは「セクハラ」として認められました。


しかし今「ニッポン一億総活躍プラン」の名のもとに、「結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会」が行われています。
ここでは、国・自治体として「結婚の希望を叶える」ための支援を、企業を通してするという話し合いがなされています。


そして、なぜ「結婚の希望を叶える」のかというと、それは少子化対策であるとはっきりと述べられています。
「結婚の希望を叶える」ためには、その人が結婚しているかどうかを把握する必要があります。
そして婚活を勧めるためには、恋人の有無も確認しなくてはいけません。
「恋人はいないのか?」
「結婚はしないのか?」
こんなことを職場で確認されたいですか?


また、結婚をしていない人が「結婚を望む異性愛者」であるかどうかはわかりません。
個人のセクシュアリティを詮索することは、異性愛者でない人に対する差別がある現状では大変な苦痛を伴います。


そして、これが少子化対策として行われるならば、この結婚奨励の取り組みには年齢制限がつくだろうと予測されます。
いったい何才までの人には結婚を勧めて、何才からの人には勧めないんでしょうか。
国が真正面から年齢差別を行っていいのでしょうか。


子どもを増やすためなら、
セクハラに目をつぶる、
セクハラをセクハラと認めないようにしようという、
この国の動きに対して私たちは強く抗議します。


子産みを奨励する前に、すでに生まれている子どもを大切にしてください。子どもの6人に1人が相対的貧困である現状を変えてください。
子どもを増やしたいのなら、結婚を勧めるのではなく婚外子差別、非婚シングルマザーへの差別的税制を是正してください。(一度結婚したシングルマザーは寡婦控除が受けられるが、一度も結婚していないシングルマザーは受けられない等)


プライベートに介入するのではなく、恒常的な長時間労働等を是正することによってワークライフバランスを実現できるようにしてください。


セクシュアルマイノリティを含む結婚・出産を希望しない/できない*人に対する結婚・出産の奨励はセクシャルハラスメントに当たることを再確認してください。

*ここで言う結婚・出産が「できない」とは、同性婚が認められていないなどの権利上の制約や不妊症などの身体的な困難等を指しています。


(参考)
内閣府ホームページ
結婚の希望を叶える環境整備に向けた企業・団体等の取組に関する検討会
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/meeting/kigyo/index.html