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慰安婦  「強制連行」の事実 政府は隠ぺい

慰安婦  「強制連行」の事実 政府は隠ぺい

 

これまでも一定資料があったのに、「政府やマスメディアは、強制連行の証拠はない」というようなことが言われ続けてきた。

今回、一部メディアがこの問題を扱った。

しかし政府は「そんな文書はない」という強弁を続けている。

裸じゃない、と裸の王様に言い続けるのである。

 

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琉球新報 社説 「慰安婦文書提出 「強制連行」の事実認めよ

2017年4月18日

06:02

http://www.ryukyushimpo.jp/editorial/

 

旧日本軍の従軍慰安婦の強制連行について日本軍の組織的関与を裏付ける文書19件が、国立公文書館から内閣官房に2月に提出されていたことが分かった。これらの資料を基に、政府は旧日本軍による従軍慰安婦への強制連行の事実を認め、改めておわびと反省を表明すべきだ。

 

従軍慰安婦問題で日本政府は1993年、当時の河野洋平官房長官が「(旧日本)軍の要請を受けた業者が甘言、強圧により本人たちの意思に反して集められた事例が数多くある。官憲などが直接加担したこともあった」として、おわびと反省を明記した談話を発表した。

 

  しかし、日本軍の強制性は認められないとして批判する動きが続く。第1次安倍内閣は2007年「河野談話までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲による強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」とする答弁書閣議決定した。

 

  さらに14年、第2次安倍内閣河野談話の作成経緯を有識者らに検証させ、「日韓で文言調整があった」「元慰安婦証言の裏付け調査を行わなかった」などとする報告書が出た。政府は国際社会の厳しい視線の中、談話を継承するとしつつも、07年閣議決定を堅持し続けている。

 

  その間、林博史関東学院大教授らが日本軍の強制性を裏付ける資料を発見してきた。その一つが今回の19件に含まれる「バタビア裁判25号事件」資料である。

  1947年8月、オランダ軍がBC級戦犯を裁いたインドネシアバタビア(現在のジャカルタ)の軍法会議日本海軍兵曹長が懲役12年の判決を受けた。この元兵曹長が62年、法務省の調査で「(慰安婦として)現地人など約70人を連れてきた」「他にも約200人を部隊の命で連れ込んだ」と証言した。強制売春が戦争犯罪に問われることを恐れ、住民の懐柔工作に多額の軍資金を使った隠蔽(いんぺい)工作も生々しく語っていた。

 

  19件の文書は、河野談話の時点で法務省が所蔵していた。軍による強制性を明確に示し、談話を裏付けており、07年閣議決定を否定するものだ。

  不都合な事実を無視しては、国際社会の批判にも歴史の批判にも耐えられない。政府は今回の資料を基に謙虚に歴史に向き合い、閣議決定を見直すべきである。

 

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◆小林さんの論文 一部紹介 : 全くマトモなもので、なんでこんな当たり前のまともな主張を日本のメディアの多く(政治家も)は受け入れないのか、あまりに認識がゆがんでいる。

 

「日本政府は「慰安婦」の強制連行を示す文書があることを認めよ」

 

小林久公 (日本軍「慰安婦」問題解決全国行動 資料チーム)

 

 共同通信の配信で東京新聞(2017年4月17日夕刊)などが「慰安婦」の「連行」に関する文書を公文書館内閣官房に提出したことを伝えている。しかし、「内閣官房副長官補室の鳥井陽一参事官は『軍人が売春を強要したとして有罪判決を受けたことは認識している』とした一方、『個別の資料の評価はしていない。全体として見ると、強制連行を直接示すような記述は見当たらない』と話した」とされている。政府は依然として「内閣官房は取材に『強制連行を示す記述は見当たらないという政府認識は変わらない』としている」と文書はないとの欺瞞的態度を続けるらしい。

 

 

 

政府が文書を入手したことは、「慰安婦」問題解決にとって重要な段階に入ったと考えられるので、若干長くなるが問題点を整理するために、政府が文書を入手する経過と政府が入手した文書とはどのようなものかについてレポートする。

 

一.  日本政府のだましの手口

 

 日本政府が、文書が「ある」とか「ない」とか言っている場合は、どこに在って、どこに無いということかを明確にしなければならない。そこを曖昧にして「無い」と言い続けるのが安倍政権のだましの手口の一つである。その結果、「慰安婦」の強制連行を示す文書が無いことは事実であると世界をだまし続けてきたのが安倍政権である。

このだましを見破ることが出来なかったマスコミ人も多いが、一番だまされているのは安倍政権を支えている人々である。

 

「『慰安婦』の強制連行を示す文書が無い」ことを閣議で決めたとされる第一次安倍政権の閣議決定は次のようなものである。

 

「お尋ねは、『強制性』の定義に関連するものであるが、慰安婦問題については、政府において、平成三年十二月から平成五年八月まで関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断した結果、同月四日の内閣官房長官談話(以下「官房長官談話」という。)のとおりとなったものである。また、同日の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかったところである」

 

 

この閣議決定は、「河野談話の発表までに無かった」という期間限定であり、また、「政府が発見した資料の中」という場所限定のものであり、無いのは「記述」のことである。その期間も場所も除外して「無かった論」が独り歩きを始めることとなる。その例として二つの例を示そう。

 

女子差別撤廃条約報告審査(2016年2月16日、ジュネーブ)で外務省杉山外務審議官は「日本政府は、日韓間で慰安婦問題が政治・外交問題化した1990年代初頭以降、慰安婦問題に関する本格的な事実調査を行ったが、日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる「強制連行」を確認できるものはなかった」

 

この発言では、「同日の調査結果の発表までに」との期間限定を除いてだまそうとしている。

 

菅内閣官房長官は、答弁で「強制連行というのは確認できない」と「記述が無い」をエスカレートさせて事実が無いと信じこませようとしている。

 

もう一つのだましの手口は、文書が在るか無いかとは、「慰安婦」関係文書が政府の省庁、関係機関に在るか無いということではなく、政府として「慰安婦」問題の調査を行っている部署である内閣官房副長官補室に在るか無いかという意味でしかない。

 

河野談話」の発表後も多くの市民、研究者によって膨大な「慰安婦」関係資料が発見され研究されている。しかし、そのことに関係なく、それらの文書の存在は、内閣官房副長官補室になければ世界に存在しないことになる。まるで科学の世界とは無縁のことなのである。

 

とは言え、日本軍「慰安婦」問題の解決には、その日本政府が加害事実を認める以外に解決はできないので、それらの文書の存在を政府に認めさせるための取組みが続けられてきた。その結果の一つが、今回の内閣官房副長官補室の文書入手なのである。

 

 

ニ. 記述が無いと言っている「強制連行」とは

 

記述が無いと言っている「強制連行」の言葉の意味について、安倍総理大臣は次のように答弁している。

 

「この強制性ということについて、何を もって強制性ということを議論しているかということでございますが、言わば、官憲が家に押し入っていって人を人さらいのごとく連れていくという、そういう強制性はなかったということではないかと、こういうことでございます」。

 

「これは安倍内閣として閣議決定したものですね。つまりそれは、強制連行を示す証拠はなかったということです。つまり、人さらいのように、人の家に入っていってさらってきて、いわば慰安婦にしてしまったということは、それを示すものはなかったということを明らかにしたわけであります」

 

 

すなわち、今回入手した文書に「官憲が家に押し入っていって人を人さらいのごとく連れていくという、そういう強制性」が「強制連行」の意味であり、そのような記述がこの度政府が入手した文書にあるかどうかである。

 

今回政府が入手した文書の中に次のような記述の文書がある。

 

「本人の自由意志に反してキャンプから連れてきた婦女子を遊女屋に入れることを容認したと言うことは、婦女及び娘達は、自己の意志に反してスマランの遊女屋に入れられたものであり、又、池田一味に対する事件の審理の際にも既に明らかにされた如く、彼女等は、如何なる条件の下にも遊女屋を出ることは許されず監禁され、上記判決に証拠充分と認められ且つ本件においても右判決に基いて確実と見られているが如く或は強姦或は悪待遇で売春を強制されたことが判明している故に、同時に彼の部下が犯した「売春強制」、「被逮捕者の悪待遇」及び「強姦」と言う戦争犯罪を容認したと言うことにもなることを考慮し」との記述がある。これは判決文の事実認定の記述の一部である。

 

 

これはまぎれもなく「慰安婦」の強制連行すなわち「官憲が家に押し入っていって人を人さらいのごとく連れていくという、そういう強制性」を示す記述の文書である。このような記述のある文書を入手した、日本政府はどのような見解を表明するのであろうか。日本軍「慰安婦」問題の解決は新たな段階に来たと言えるのではないだろうか。

 

以下省略