ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

『主流秩序概念を知って見えてきたこと―――学生さんの本NO9』『NO10』

主流秩序論を学んで考えたことを書いた学生レポートの一部を集めたものを以下の2冊としてまとめました。1冊111円です。 アマゾンで買えます。今の日本がよくわかります。

●『主流秩序概念を知って見えてきたこと―――学生さんの本NO9』 (2017年7月発行 電子書籍、アマゾン) https://www.amazon.co.jp/dp/B074789LJH/ref=sr_1_3?s=books&ie=UTF8&qid=1500976637&sr=1-3&keywords=%E4%BC%8A%E7%94%B0%E5%BA%83%E8%A1%8C

●『主流秩序概念を知って見えてきたこと―――学生さんの本NO10』 (2017年7月発行 電子書籍、アマゾン) https://www.amazon.co.jp/dp/B0747L6LR2/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1500976637&sr=1-2&keywords=%E4%BC%8A%E7%94%B0%E5%BA%83%E8%A1%8C

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本書は、2016年度後期のジェンダー論の講義のレポートである。 第3弾と第4弾の中のいくつかのケースで、学校の先生が言った学歴主義・能力主義まみれのひどい言葉が紹介されている。 親の支配、誘導、否定の話も多い。親の不仲の話もある。成績で下のものを馬鹿にしたり差別的優越感をもったりしていると告白する学生も多い。

いじめられた経験、いじめた経験、スクールカーストへの言及もかなりあった。オタクとみられる心配からそれを隠す人もときどきいる。承認欲求に縛られているとの自覚。 ジェンダーがらみの話も多い。ダイエット、化粧、おしゃれな服装へのとらわれ。 ノージェンダー女子やゲイ男性の思いも告白されている。 恋愛してないと排除されるから、恋愛してないのにしているフリまでしている。モテるために自分の好みではなく相手から好かれる服装をする学生。

大学で根本的に悩む学生。主流秩序論に出会って今までのことを振り返る学生。 言語障害に悩んできた学生さんは、ひょっとすると自分の悩みは主流秩序にかかわるかもと気づく。ガタロさんのVTRをみて、揺さぶられる学生は多い。 立命の映像学部が、少しメインの主流秩序とはずれていることがよかったとの意見もあった。

「ケース45」の学生は、かなり深くいろいろ考えている。ジェンダーに敏感で、世間の「女」であるとみなしたうえでの不当な扱いに反発を持っている。しかし、自分の好きなようにしたいと思ってフェミニンな服も着はじめた。ところがだ。やはり世間は自由にさせてくれない。その中での悩みはセンシティブだ。

「ケース50」の学生さんが次のように書いているが、同様のことを多くの学生が口にしている。 「私は初めてこの授業を受け、「主流秩序」という言葉を知った時に、とても驚いた。なぜなら、主流秩序というものは私がずっと囚われ続けてきたものであったからである。しかし、主流秩序という言葉を知るまで自分の中で確かに囚われ続けてきたであろうそれに名前がなかったことから、囚われていることが当たり前だと考え、何の疑問も抱いてこなかった。この概念に「主流秩序」という名前があると知ったうえで今までの自分の人生を振り返ってみると、私の人生は全て主流秩序に順応しようとしてきたということに気づいてしまったのである。」 f:id:hiroponkun:20170726000811j:plain

「ケース35」の学生は言う。「ジェンダー論の授業は終わった後、いつもとても憂鬱な気分になる。反発したくなるし、否定したくなる。私は四年間大学の授業を受けてきたがここまで先生の意見に反発した授業は無かった。」

「ケース56」も次のようにいう。 「授業を受けた最初の頃は伊田先生が言っていることはすべて綺麗ごとであり、主流秩序から離れて生きることに何のメリットがあるのか全く理解することができなかった。人間は承認欲求を満たすために努力をし、その結果認められ、また頑張ろうとする活力が生まれてくる。このようなサイクルなしでは社会は回らないと思っていた。」

こうした学生さんたちが、主流秩序論を通じていろいろ考えていった。 加担責任、自由への道、競争のしんどさ、本当にしたいこと、親との関係の見直しなどなど。 身を振りながら川を上っていく魚のように。