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「従軍慰安婦」等の表現に関する菅内閣の答弁書の撤回を求める!

声 明

           

 従軍慰安婦」等の表現に関する菅内閣答弁書の撤回を求める!

 

2021・5・20

        「慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク

 

1 菅内閣は、2021年4月27日、馬場伸幸衆議院議員の提出した「「従軍慰安婦」等の表現に関する質問主意書」に対する答弁書閣議決定した。そもそもこの質問主意書の質問の趣旨が、「従軍慰安婦」という用語を政府として使用することは不適切との立場で、政府の見解を求めるものであり、後に述べるような本来学問の自由・表現の自由の範囲内の事象に対する政府見解を求めるものとして不適切な質問であるが、これに対する答弁には看過できない問題があるので、以下の通り、この答弁書の撤回を求めるものである。

 

2 第一に、本答弁書では第一項で、明確に1993年8月4日の河野洋平内閣官房長官談話を政府として継承していることを明言している。この官房長官談話を継承していると言うことは、この談話に書かれている事実認識について、現在も日本政府の見解としているということである。同談話には、「慰安婦」とされた女性達が「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに荷担したこともあった」「慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」と明記されている。

  しかるに、今回の答弁書で、菅政権は、大手新聞社が吉田清治氏の虚言を報道したことによって軍による「強制連行」という誤った事実が世界に広がったと述べ、「従軍慰安婦」という用語が誤解を招く恐れがあるので、単に「慰安婦」という用語を用いることが適切であると述べている。

しかしながら、「慰安婦」とされた女性たちの募集が、河野談話の述べるとおり、強制連行を含む女性たちの意に反した連行であったことは明確であり、日本政府として「河野談話」を継承するということは、この談話に明記されている事実を政府の基本的歴史認識として表明しなければならない筈である。まずこの点からもこの答弁書は誤っている。

 

3 第二に、この答弁書において政府は、質問者の質問を受ける形で、「従軍慰安婦」という用語は、強制連行を伴うものであるとの誤解を招くおそれがあるから、「従軍慰安婦」、「いわゆる従軍慰安婦」、さらに「従軍」と「慰安婦」を組み合わせることまで適切ではなく、単に「慰安婦」という用語を用いることが適切であるとの見解を述べている。

しかしながら、歴史研究者らでつくる学術団体「歴史学研究会」でも、学問的見地から、「日本軍「慰安婦」」の呼称を用いている。「慰安婦」問題の研究者の中には、「1942年以降、日本政府と軍は慰安所業者や「慰安婦」を「軍従属者」としていた。そうならば「従軍慰安婦」という言葉は極めて適切な用語といえる。」という指摘もある。国連や国際社会は人権認識から日本軍性奴隷制を使用している。また、被害者・支援団体は、事実認識に基づいて「日本軍「慰安婦」」ないしカッコ付きの「慰安婦」という呼称を用いてきたことに見られるように、

この問題についてどのような表現を用いるかは、それぞれの歴史認識や立場に応じて多様な表現が用いられて当然の、学問の自由・表現の自由の範疇に属することなのである。

 政府としてどのような用語を用いるか、という点についての説明はあったとしても、閣議決定をもって、ある表現の意味を規定したり、それ以外の表現に対して制約を及ぼすような事があってはならない問題である。

 

4 特に教育の場においては、政府はあくまで学問の成果を尊重すべきであって、今回のような閣議決定をもって、教科書検定に際して、従軍慰安婦を使用不可とし、慰安婦という表現を強制するような事があってはならないことである。

  政府は2014年の教科書検定基準の改定によって、検定基準のなかに「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解…が存在する場合には、それらに基づいた記述がされていること」を追加し、適用してきた。そして、今回の答弁書に関しては、国会ではすでに検定に合格して現に使用されている中学校教科書についてまで、文部科学大臣からこの政府見解に基づいて訂正を事実上求めるかのごとき発言が行われている。

そもそも教科書記述が政府見解に基づかなければならないという検定基準自体が、学問の自由や表現の自由を侵害するものであるが、この検定基準を適用して、具体的に「慰安婦」に関する記述に文部科学省が介入する事はあってはならないことである。

 

5 いずれにしても、今回の答弁書は、政府自身が継承している河野談話の内容と全く矛盾するものであり、また、政府見解を定め、特に教科書に強制する点において、学問の自由や表現の自由を侵害するものと言わざるを得ず、直ちに撤回することを要求する。

 

 

                     慰安婦」問題解決オール連帯ネットワーク

共同代表 大森典子・坪川宏子・野平晋作・持橋多聞

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