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大阪の小学校校長が松井市長に維新のひどい教育政策を批判する「提言」を出したが、松井市長がひどい応答

大阪の小学校校長が松井市長に維新のひどい教育政策を批判する「提言」を出したが、松井市長がひどい応答

 

国旗国歌の強制など、維新の教育介入に抵抗する教員は一部いたが、多くの教員が無抵抗でいいなりになってきた。その中でついに告発した校長がでてきたが、それにたいして批判する松井市長や維新議員。 

この状況に対して、取材には一部、教員や校長が応じているようであるが、公には、以下の記事にあるように、大阪市校長会と、久保校長の木川南小がある淀川区の校長会はいずれも「ノーコメント」と答えた。

つまり主流秩序に何ら抵抗せず言いなりで、勇気ある一人に対して応援をせずに沈黙という形で、支えない選択をしているのである。沈黙は主流秩序への加担である。

 

 

https://digital.asahi.com/articles/ASP5N6KWMP5NPTIL00R.html?fbclid=IwAR3wKEKV5pNkz3dm5wAr7qBMtgeRiieTGjuXLnhkSeHwrDeI-oo_noAlPDo

 

大阪市立木川南小学校・久保校長の「提言」全文

大阪市長 松井一郎 様

大阪市教育行政への提言

豊かな学校文化を取り戻し、学び合う学校にするために

 子どもたちが豊かな未来を幸せに生きていくために、公教育はどうあるべきか真剣に考える時が来ている。

 学校は、グローバル経済を支える人材という「商品」を作り出す工場と化している。そこでは、子どもたちは、テストの点によって選別される「競争」に晒(さら)される。そして、教職員は、子どもの成長にかかわる教育の本質に根ざした働きができず、喜びのない何のためかわからないような仕事に追われ、疲弊していく。さらには、やりがいや使命感を奪われ、働くことへの意欲さえ失いつつある。

 今、価値の転換を図らなければ、教育の世界に未来はないのではないかとの思いが胸をよぎる。持続可能な学校にするために、本当に大切なことだけを行う必要がある。特別な事業は要らない。学校の規模や状況に応じて均等に予算と人を分配すればよい。特別なことをやめれば、評価のための評価や、効果検証のための報告書やアンケートも必要なくなるはずだ。全国学力・学習状況調査も学力経年調査もその結果を分析した膨大な資料も要らない。それぞれの子どもたちが自ら「学び」に向かうためにどのような支援をすればいいかは、毎日、一緒に学習していればわかる話である。

 現在の「運営に関する計画」も、学校協議会も手続き的なことに時間と労力がかかるばかりで、学校教育をよりよくしていくために、大きな効果をもたらすものではない。地域や保護者と共に教育を進めていくもっとよりよい形があるはずだ。目標管理シートによる人事評価制度も、教職員のやる気を喚起し、教育を活性化するものとしては機能していない。

 また、コロナ禍により前倒しになったGIGAスクール構想に伴う一人一台端末の配備についても、通信環境の整備等十分に練られることないまま場当たり的な計画で進められており、学校現場では今後の進展に危惧していた。3回目の緊急事態宣言発出に伴って、大阪市長が全小中学校でオンライン授業を行うとしたことを発端に、そのお粗末な状況が露呈したわけだが、その結果、学校現場は混乱を極め、何より保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている。結局、子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出していることに、胸をかきむしられる思いである。

 つまり、本当に子どもの幸せな成長を願って、子どもの人権を尊重し「最善の利益」を考えた社会ではないことが、コロナ禍になってはっきりと可視化されてきたと言えるのではないだろうか。社会の課題のしわ寄せが、どんどん子どもや学校に襲いかかっている。虐待も不登校もいじめも増えるばかりである。10代の自殺も増えており、コロナ禍の現在、中高生の女子の自殺は急増している。これほどまでに、子どもたちを生き辛(づら)くさせているものは、何であるのか。私たち大人は、そのことに真剣に向き合わなければならない。グローバル化により激変する予測困難な社会を生き抜く力をつけなければならないと言うが、そんな社会自体が間違っているのではないのか。過度な競争を強いて、競争に打ち勝った者だけが「がんばった人間」として評価される、そんな理不尽な社会であっていいのか。誰もが幸せに生きる権利を持っており、社会は自由で公正・公平でなければならないはずだ。

 「生き抜く」世の中ではなく、「生き合う」世の中でなくてはならない。そうでなければ、このコロナ禍にも、地球温暖化にも対応することができないにちがいない。世界の人々が連帯して、この地球規模の危機を乗り越えるために必要な力は、学力経年調査の平均点を1点あげることとは無関係である。全市共通目標が、いかに虚(むな)しく、わたしたちの教育への情熱を萎(な)えさせるものか、想像していただきたい。

 子どもたちと一緒に学んだり、遊んだりする時間を楽しみたい。子どもたちに直接かかわる仕事がしたいのだ。子どもたちに働きかけた結果は、数値による効果検証などではなく、子どもの反応として、直接肌で感じたいのだ。1点・2点を追い求めるのではなく、子どもたちの5年先、10年先を見据えて、今という時間を共に過ごしたいのだ。テストの点数というエビデンスはそれほど正しいものなのか。

 あらゆるものを数値化して評価することで、人と人との信頼や信用をズタズタにし、温かなつながりを奪っただけではないのか。

 間違いなく、教職員、学校は疲弊しているし、教育の質は低下している。誰もそんなことを望んではいないはずだ。誰もが一生懸命働き、人の役に立って、幸せな人生を送りたいと願っている。その当たり前の願いを育み、自己実現できるよう支援していくのが学校でなければならない。

 「競争」ではなく「協働」の社会でなければ、持続可能な社会にはならない。

 コロナ禍の今、本当に子どもたちの安心・安全と学びをどのように保障していくかは、難しい問題である。オンライン学習などICT機器を使った学習も教育の手段としては有効なものであるだろう。しかし、それが子どもの「いのち」(人権)に光が当たっていなければ、結局は子どもたちをさらに追い詰め、苦しめることになるのではないだろうか。今回のオンライン授業に関する現場の混乱は、大人の都合による勝手な判断によるものである。

 根本的な教育の在り方、いや政治や社会の在り方を見直し、子どもたちの未来に明るい光を見出したいと切に願うものである。これは、子どもの問題ではなく、まさしく大人の問題であり、政治的権力を持つ立場にある人にはその大きな責任が課せられているのではないだろうか。

令和3(2021)年5月17日

大阪市立木川南小学校 

校 長 久保 敬

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「学校は混乱極めた」 現職校長、実名で大阪市長を批判

朝日新聞2021年5月20日 21時30分

大阪市の松井一郎市長に「提言」を送った市立木川南小学校の久保敬校長。取材中はマスクをし、記者との間についたてを置いた=2021年5月18日、大阪市淀川区木川東1丁目、宮崎亮撮影

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 大阪市立小学校の校長が、市の教育行政への「提言書」を松井一郎市長(57)に実名で送った。今回の緊急事態宣言中、市立小中学校の学習を「自宅オンラインが基本」と決めた判断について「学校現場は混乱を極めた」と訴える内容。全国学力調査や教員評価制度などにも触れ、子どもが過度な競争に晒(さら)され教師は疲弊していると訴えた。松井市長は20日、報道陣に「子どもの命を守ることを最優先にコロナ対応の手段としてオンラインを活用した」と反論した。(宮崎亮、加藤あず佐)

 現職の校長が実名で市長を批判するのは異例だ。提言書の筆者は大阪市淀川区の市立木川南(きかわみなみ)小学校(児童数140人)の久保敬(たかし)校長(59)。17日朝、松井市長宛てに封書で郵送し、山本晋次・市教育長にも同じ内容を送った。

 提言は、オンライン学習を基本とした松井市長の判断を「子どもの安全・安心も学ぶ権利もどちらも保障されない状況をつくり出している」と批判している。久保校長自身はSNSに投稿していないが、内容を聞いた知人が本人の許可を得て投稿し、広がっている。

 松井市長がこの判断を報道陣に表明したのは、府内で新型コロナウイルスの感染者が増えていた4月19日。これを受け市教育委員会は市立小では3限または4限から給食までを「登校時間」と決めた。家庭の要望がある場合、それ以外の時間も児童生徒を校内で預かることも求めた。今月17日、松井市長は宣言下で子どもが重症化した例がないとして、24日に通常授業を再開すると発表した。

 一方で小中学校の現場は、オンライン学習への対応や児童ごとに異なる登校時間の把握に追われた。保護者にも不安が広がっていた。久保校長の提言は「通信環境の整備など十分に練られること(が)ないまま場当たり的な計画で進められ」「保護者や児童生徒に大きな負担がかかっている」と書いた。

久保校長の「提言」を読んだ大阪市松井一郎市長は「言いたいことは言ってもいい」としつつ、「ルールに従えないなら、組織を出るべきだと思う」などと述べました。記事後半で詳報します。

 久保校長の木川南小学校は独自の運用を続けてきた。緊急事態宣言が出る2日前の4月23日、「通常通りの時間で集団登校をし、オンライン学習の練習もしながら午前に4時間の学習をし、給食後の午後2時ごろ帰宅」との方針を決めた。市教委の方針では、預かりを希望するか否かで登校時間が異なるため集団登校ができなくなり「交通安全や不審者へのリスクが高まる」と考えたからだ。

 運用を始めた4月26日にアンケートしたところ、回答した保護者128人の約9割が「いつも通りの集団登校」に「賛成」と答えた。「家庭でのオンライン学習が始まったらお子さんは1人で学習できるか」との問いには「できない」が約51%、「わからない」が約24%だった。

 久保校長の提言書は、より広い教育行政の問題にも言及している。

 虐待や不登校、いじめ、10代の自殺増加にも触れ、「子どもたちを生き辛(づら)くさせているもの」に大人が真剣に向き合うべきだと書いた。「『生き抜く』世の中ではなく、『生き合う』世の中でなくてはならない」と訴えている。

 全国学力調査などについては、「子どもたちは、テストの点によって選別される」として危惧している。教職員の人事評価制度も「教育を活性化するものとしては機能していない」と批判し、教職員は「やりがいや使命感を奪われ、働くことへの意欲さえ失いつつある」とも記した。

実名を出した理由は

 久保校長は取材に「(松井)市長が市長として仕事してはることに対しては敬意を持ってます」と話す。

 ただ、現場への意見聴取をせずトップダウンで「オンライン学習が基本」と決めたことについて、「テレビで(松井市長の発言を聞いて)僕らが知ることは、どうなんだろう?と思う」「プロセスが『これは民主主義なのかな』って。大げさに言うたらそんな風に思います」と疑問を呈した。

 5月中旬までに3回、大阪市の「市民の声」窓口に実名・肩書を出してメールで意見を伝えたが、方針が変わらないため手紙で市長らに提言書を送ったという。実名で送った理由を「37年間大阪で教員として育ち、本当に思っていることを黙ったままでいいのかなと。お世話になった先生方や保護者、担任をした子どもを裏切ってしまう感じがした」と語った。「今まで黙ってきた自分はどうなんやろうっていうのを、自分自身に問いかけた」とも述べた。

 大阪市立学校の人事権を持つ市教育長だけでなく、市長にも提言書を郵送したことについては、「教育長さんが(「オンラインが基本」の判断を)言ったわけじゃないので。言った人に言わないと」と話した。

大阪・松井市長「従えないなら、組織を出るべき」

 松井市長は久保校長の提言書をSNS上で読んだという。20日、報道陣の取材に対して自らの考えを語った。

 提言書が「競争社会」を批判した点については「校長だけども、(社会の)現場がわかってないというかね、社会人として外に出てきたことあるんかな」と言い、「今の時代、子どもたちはすごいスピード感で競争する社会の中で生き抜いていかなければならない」として、小中学校時代にそのための力を培うことが大事だと述べた。

 提言書にある人事評価制度への疑問や「教職員の疲弊」については「民間の会社であろうと、必ず評価のシステムがある。先生として、それは耐えられないと言うなら、仕事を変えたほうがいい」と話した。

 久保校長が実名で提言書を出したことは「言いたいことは言ってもいい」としつつ「(市教委の教育振興基本計画の)ルールに従えないなら、組織を出るべきだと思う」と述べた。

 自身が大阪府知事だった時代に府教育基本条例を成立させ、教委でなく首長が教育目標を決められる形を作ったことも説明した。

 提言書がSNS上で広まっていることについて、市教委は今後、市職員基本条例4条の「職務や地位を私的利益のために用いてはならず」に反するかどうかを確認するという。担当者は取材に「事実を確認して厳正に対処する」と話した。

 他の校長や教員たちは提言書をどう受け止めたのか。大阪市校長会と、久保校長の木川南小がある淀川区の校長会はいずれも「ノーコメント」としている。

 別の区の60代の市立小学校長は「声を上げにくい中でよく言ってくれた」と提言書の内容を支持した。区内の校長の間でも共感する声が多いという。「これまでも教育現場の声を聞かずに色んなことが決められてきた」。今回のオンライン学習の方針も同じだと感じるという。

 この校長の小学校では家庭の事情で8割強が1限目からの登校を希望。オンライン学習では集中力が続かない児童も多くプリントの答え合わせが精いっぱいだ。「多くの先生が、この混乱を予想していたはずだ」

 阿倍野区の市立小学校の50代男性教諭は通信環境が整わない中でオンライン学習を進めざるを得ず、児童の学習に遅れが出ていることに危機感を抱く。「私たちは決まった方針に対して何も言えず、従うしかない。諦めていたが、この提言に心から賛同したい」と話した。

 松井市長は20日、報道陣の取材に「僕は現場の声は、それぞれの部署の責任者からきちっと聞いています」と述べた。

 同日夕の市議会の委員会でも取り上げられた。かつて松井市長が代表を務めた大阪維新の会の議員からは提言書が広く出回っていることに対して、「あるまじき行為」とする批判の声が上がった。一方、市議会野党の会派「自民くらし」の議員は「先生一人ひとりの叫び声を、教育委員会は我がこととしてとらえるべきだ」と述べた。

 

 

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