ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

公益通報者つぶし問題③ーー主流秩序の観点から

  • 百条委員会で露呈した「真相を妨害する県庁職員局と維新議員」

ここで学びとして考えたいのは、主流秩序の前でどう生きるかの話である。知事だけが悪いという橋ではなく、今回、知事のパワハラや不祥事などを告発した職員A さんの味方をせずに、逆に、真実の隠蔽の動きに加担した者たちの責任を考えていきたい。

すなわち、内部告発に対して、告発者の権利を守りながら、正しく調査していくのでなく、真逆に、告発者を探し、違法な処分をしたのである。鹿児島県警と同じく、組織による悪事の隠蔽であり「裏切り者」をつぶす動きに加担したものがいたのである。

それが、7月19日の百条委員会で暴露された。そこで示されたのは、県当局(県庁職員局)が職員に対して、事実上の口止めをしたのである。どういうことかと言うと、委員会から証人として招致された場合、守秘義務解除は少ししかない、事前に所属する総務課長の承認を取っておかねばならないと言ったのであるが、それはまったく合法的なことではない[1]。つまり、守秘義務があるから安易に話をするな、証言するときも上司にちゃんと報告しろと監視体制を作って事実上の口止め、調査妨害を露骨にしたのである。これは、内部通報制度に違反したことがばれるのを隠蔽しようとする権を上げての犯罪的な行為である。知事と結託してひどいことをしたことを隠そうとしているのである。情けない。

本来、職員を守るべき「県の職員局」が、知事・副知事と一体となって、調査妨害をして、Aさんの告発を無きものにしようとしているのである。Aさんが自殺したのも、維新議員と一緒になって、Aさんお個人PCの情報を使って彼のプライバシーの部分を使って脅しをかけたのである。そのPC内の個人情報も、公益通報者保護法違反の「調査」で取得したものである。県が内部通報制度違反をしているのである。

県がこういう姿勢であると、今後行われる百条委員会のアンケート調査でも、Aさんへの報復人事のようなことをされるんではないかとおもって本当のことなど書けない人も出てくるであろう。

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また同日の100条委員会では維新議員が、さらに知事擁護で、真実を制限するようなことを言った。「維新の会」の岸口実議員は、7月8日の非公開である理事会の資料が外部に出たことによって、週刊誌で「維新の会の議員が元県民局長のプライバシーに関わる資料についても執拗に開示を求めていた」と報じられたことに怒った。そして今後、内容を確認しなければ、疑惑に関するものなのか、プライバシーに関するものなのか、わからないから、調査が必要な資料が出てきた場合は、その都度、開示を求めるといって、新証言したものはプライバシーまでさらすぞと暗に脅した。また自分がAさんと電話したとか疑われているし、そういうことを調べるのもおかしいと弁明していた。つまり真実を隠蔽する方向で、確かな証拠もないのに勝手なことを書くな、チクるなと言うような脅しをかけたのである。

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これに関連するが、維新の掘井健智衆院議員(掘井氏は元兵庫県議)が斎藤知事の疑惑を巡って問題発言があったとして、維新の会の藤田幹事長から「厳重注意」されるということが起った。

掘井氏は、兵庫県加古川市での街頭活動中、疑惑の告発文書を作成した元県民局長Aさんのプライバシー情報を明かし、「自民党と作った怪文書」などと語った。

藤田幹事長は、「確証のない話をペラペラとしゃべって、それを録音されて公開された」と処分の背景を説明した。だが、厳重注意程度で済ませるのがおかしい。違法な調査で得た個人情報を県の職員が維新などの議員にばらし、それが堀井議員にも伝わり、Aさんを公衆の面前で批判したのである。

つまり、知事「4人組」の一人である片副知事がパソコン押収し、その中の情報を同じく4人組の井ノ本氏(百条委員会には病欠で逃げた人物)にも伝え、井ノ本氏がそれを印刷して皆に見せ、その情報が維新の堀井議員に伝わり、堀井氏は、県民局長Aさんの個人情報を街中で喋ったのである。情報管理がなっておらず、意識的にAさんをつぶすために関係ない情報で追いつめたのである。

重大な人権侵害である。個人情報を外部に出したものも、それを広げたものも処分されなくてはならない。先の維新議員が「元県民局長のプライバシーに関わる資料を開示しろ」と板子委員は、Aさんの口を閉じさせるために阻止活動をしたのである。こうしたことがAさんを追い詰め自殺に追い込んだ理由のひとつと推測するのは合理的であろう。

維新は今回の事件では、知事を擁護し、Aさんを「百条委員会で全て問うていけ」と攻撃し、自死に至らしめた側である。反省して事実を解明し、関わった議員などを処分する責任があるが、今はまったく隠蔽したままである。

そしてまるでそうした知事の側に立っていた「公益通報者つぶし」加害者側であることを忘れたかのように、新しい知事選で、独自候補を立てている。メディアも維新の過去の「公益通報者つぶし」加担性を追求しない。怖がって報道しないというのはどこかの全体主義国家と同じではないか。これに騙されて また維新に投票する県民もこの構造に加担していることになる。

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なお、斉藤知事は維新だけが応援して担いだのではない。自民党とも強く結びついていた。たとえば、知事選中の斎藤知事を応援する有志の会のSNSには、河野太郎デジタル相、西村康稔経済産業相下村博文政調会長丸川珠代元五輪相、高市早苗経安相ら、自民党議員とツーショットを撮影した動画が投稿されている。維新は、吉村洋文大阪府知事松井一郎大阪市長清水貴之参院議員などがXに投稿している。これら知事を応援した政治家は総括と謝罪が必要なのにだれ一人謝っていない。

 

  • 7月20日、 公益通報担当部署が不十分な調査結果発表

当局が不当な元県民局長Aさんへの処分をする間に何も言わず、音沙汰なしであったが、7月20日、ようやく県の公益通報担当部署は七つの「疑惑」のうち、一部について「是正措置」を講じるよう県側に求める調査結果をまとめた。

 公益通報の調査結果では、パワハラの通報について、一部で強く叱責されたと認識する職員もいたとしつつ、「パワハラと認められる事案があったとの確証は得られなかった」とした。その上で、県にはハラスメント研修などの対応策を求めた。さらに贈答品をめぐる通報にも言及。県に贈答品の受領基準の明確化などを求めた。

しかしそれ以外への詳しい調査結果がなく非常に不十分な結果であり、内部通報者の保護の問題含め、担当部局が、本来の不正是正の機能を果たしていないことが露呈したと言える。7つの疑惑の多くの項目を判断しない、調査しないのは、責任放棄である。事なかれ主義であり、事実上の県の不正に「県幹部や知事・副知事は強者だから、あるいは仲間だから真実解明をしない」と手心を加え、あいまいに事を終わらせるようなことをしたのである。

公益通報なのに、調査の前に処分をした、通報者を特定し、PCなど強制的に取り上げ、退職も認めず処分するなど、全く公益通報者の権利を尊重しない対応をしたのに、報告書ではそこを総括しない、、批判しないのである。兵庫県公益通報担当職員は、この「通報者つぶしという犯罪」への加担者と言わざるを得ない。情けない。

こういう処なら、Aさんや他の職員は内部通報など安心してできないであろう。兵庫県公益通報担当部署はまったく内部通報制度の精神が分かっていない、ひどい組織・職員であると言わざるを得ない。

なお、 県人事課は、一般職員には「贈答品は受け取らない」という内規があるが、知事は当てはまらず、自分で判断する立場にあると、ふざけたことを言っている。

また、4月下旬段階のことであるが、丸尾牧県議が通勤途中の職員300人に対し独自のアンケートを行ったが、それに答えたのは、たったの21人だった。そのうち7人が「知事によるパワハラ行為を見たり聞いたりした」と書いていた。アンケートに答えないというところに、腰が引けて逃げている、真実を言おうとしない、様子を見よう、睨まれたくない、などという主流秩序への消極的加担の人が多いことを示している。なさけないことである。

 

 

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元県民局長が指摘した七つの疑惑

出所)「兵庫知事ら七つの疑惑、一部に「是正措置を」 公益通報担当部署、調査結果とりまとめ」(朝日新聞、2024年7月20日

 

  • さらなる隠蔽発覚――2人目の犠牲者がいたことが隠されていた

Aさんが告発した文書で、「業務を理由に療養中」と書かれていた職員の男性Bさんが24年4月に死亡していたことがわかった。自殺とみられている。このBさんは、23年11月の阪神オリックスの優勝パレードで、寄付金集めなどを担当した元課長の男性(53でが、不正に加担させられて業務で疲弊して療養中と、告発文で指摘されていた人物であった。このBさんが死亡していたことはこれまで隠され続け、問題が大きくなった後、7月24日の知事会見でBさんが24年4月に死亡していたことを明らかにした。

元課長Bさんは23年11月の阪神オリックスの優勝パレードを担当していたが、一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、療養に入っていた

元課長は4月20日に死亡。元課長の子どものために職場の有志で「遺児育英資金」を集めようとする動きを県幹部が止めるということもあった。なんとしても事件の全体像を隠そうとする知事と県の意志が感じられる。

なお、7月23日に県職員向けのサイトにようやく訃報が掲載され、今後、遺児育英資金の手続きも進められている。

県は「個人情報に関わる」などと3か月にわたり公表しておらず、斎藤知事は「遺族の意向」としているが、真偽は不明。

このことがようやく明らかになったのも、一議員が追求したからであった。24年7月17日の総務常任委員会で、竹内英明議員が「在職中に不幸にしてお亡くなりになられた県職員に対し、生前に在籍していた部局の長が、公務災害等の基金や退職金とは別に、遺族への弔意を表すために任意でお金を集めるものである遺児育英資金が、ある職員(上記Bさん)については行われていないのはなぜか」と追及したのである。

それに対して当初は、兵庫県理事(若者・Z世代応援等調整担当)が「どなたのことをおっしゃっておられるのか……、今話題になっておられるお方とすれば、お亡くなりになったかどうか含めて回答を控えさせていただきます、という回答をさせていただきます。(中略)なぜ、そういったお答えをさせていただいているかというところですけれども、それにつきましては、やはりご本人、家族について守られるべきプライバシー、我々としても個人情報をお出しできないという状況にあります」と従来の答弁し、県は逃げ続けた。

それに対して県議が、「個人情報を出せとは言ってない。これは人間として、一緒に働いてきた方々が「絶対におかしいという気持ちでいるんです」とおっしゃったので、今日、取り上げているのだ」「Bさんに遺児育英資金をやらないといけないのにそれを止めた人間がいるんだ!」と追及した。

だが県は、逃げ続けた。このやりとりの様子がYouTubeで公開され、県に抗議の電話が殺到したため、県が突然、県職員に向けて課長の訃報をアップした。

また同じ会議では、竹内県議は公務災害認定請求についても追及しようと考えていたが、このことが明るみに出るのを痛がる県は、担当者をその会議に出席させなかった。調査プロセスで、なぜ課長Bさんが精神を壊すまで働かなければならなかったのかが、詳しく調査されることになるからそれを避けたのである。

この問題は、贈答品おねだりやパワハラ以上に、明確に公益通報制度の調査対象になる問題である。補助金を増額する見返りに、開催資金を寄付するよう働きかけたという優勝パレードの“資金還流疑惑”において、知事及び、当事者である金融機関の顧問弁護士(藤原弁護士)は、告発対象なのである。だがその二人が、これは公益通報ではないという判断をした。いわば、「犯罪者が、これは犯罪ではない」といっているようなもので、中立の第三者機関の調査を待たずに処分したという犯罪的事件である。第三者調査の対象なのに、それをされると困るので、「本院が嘘と認めた」と嘘を言って公益通報とみなさずに処分したのである。斉藤知事と藤原弁護士、この2人を中心とした意識的な「不正隠ぺい犯罪」である。

 

  • 真実を語らずに逃げる職員

上記したように、斎藤知事の側近で公益通報制度に違反した活動をした片山安孝元副知事が24年731日付で辞職したことに加え、斎藤知事を支えてきた側近の小橋浩一理事が8月1日付で総務部付に異動した。県政の混乱への対応による体調不良が理由とみられ、7月後半から病欠しており、本人の希望による降格である。これも逃亡である。小橋理事は、Aさんが作成した告発文書で、2021年の知事選の際、当時立候補予定者だった斎藤知事の事前運動に関わったとして名前を挙げられてた。

さらに、知事側近の一人、井ノ本知明総務部長も7月30日から病欠していることが判明した。井ノ本部長は、県庁舎建て替えや県立大無償化など、重点課題を担当してきたが、知事らが告発された問題の対応などにもあたってきた人物で、7月に死亡した元西播磨県民局長Aさんが作成した文書では、前回知事選で事前運動に関与したなどと指摘された人物である。

つまり片山副知事と同じく、井ノ本部長も自分が告発された対象であるにもかかわらず、通報者をAさんと断定して処罰したのである。

すなわち、斉藤知事とそのとりまきは、告発された側であるにもかかわらず、第3者の調査などを経ずに、自分たちで勝手に通報者を見つけ嘘を言っているとして処罰したのである。

そういう人物たちが今、権勢から逃げ出しているのである。

知事の側近で残るのは、服部副知事や「“牛タン倶楽部”の一人」である原田剛治・産業労働部長などだけである。

過ちを犯した者は、それを明らかに謝罪し、過ちを正し、適切に処罰され、再発防止の手立てをとる責任がある。だが知事のt理まきは、諸問題に加担した責任を明らかにせず、謝罪もせず、処罰も受けず、逃げ出しているだけなのである。

そういうことを許す社会こそが、主流秩序社会である。

 

 

  • メディアの認識変化

メディアではこの問題も、最初は「おねだり」に注目が集まるなど軽く扱われていた。私など最初からすぐに、通報者探しをし、処分したこと自体が大問題と思うのだが、そして専門家から「公益通報者保護法違反だ」との指摘が徐々に相次いだのは当然なのだが、メディアの追求は最初は甘く、徐々にこの問題の深刻性が集団的に自覚されて、厳しくなってきているという状況である。

そもそも最初から自殺したAさんやBさんに取材するなどが深くできていれば、早い段階〈24年3月段階〉から、もっと厳しく「どこが嘘なのか」「通報者探し自体がおかしい」「退職を認めないのはおかしい」と追及できたであろうし、副知事の自分の加害性を隠蔽し自己憐憫で泣いているような状況にも批判的に意見が出せたであろうに、メディアにはそういう力が欠如していた。

だが、今【24年8月初め段階】ではほぼ内部通報制度違反の問題として整理されてきた。

例えば朝日新聞では、24年7月31日に公益通報制度の問題としてまとめ記事が出た。これが3月末にすぐに出るべきであった。

同記事では、3つの違法性と明確に指摘した。

つまり、2022年施行の改正公益通報者保護法で、告発者捜しが禁じられ、自治体などには告発者捜しを防ぐための措置を講じることを義務づけたことを示し、初動の段階で保護法違反だったと指摘した。告発者を特定しなくても、告発内容を調査することはできるのである。

また公益通報窓口にも告発をしたのだからその調査を待たねばならないのに、待たずにAさんを3カ月の停職処分にした。これも告発者に対し、異動や解雇などの不当な取り扱いをすることを保護法が禁じているので違法である。

さらに内部通報に対する調査は公平・中立的に行われなくてはならないのに、訴えられた側の県が調査した点も問題である。っ斉藤知事や副知事たちという組織トップの問題に対しては、その組織で調べるのではなく、独立性を担保して調査する必要がある。知事の指揮監督が及ぶ内部組織が調査したというのはありえない。保護法が定める体制整備義務にも違反する。

 

1 / 2内部告発後の県の対応と公益通報者保護法上の問題点  (出所):「公益通報保護、三つの違法性 告発者捜し・懲戒処分・県が知事の疑惑調査 兵庫県庁、識者が指摘」(朝日新聞、2024年7月31日)

 

専門家は当然、県の対応は違法だらけであったと指摘する。しかし上記したように、県・知事は、Aさんの告発は、内部通報に当たらないと言い続けている。内部通報と認めるとまずいから、言い逃れを続けており、兵庫県に雇われた弁護士もそこに加担している。

だが、再度原則を確認しておくと、公益通報とは、組織内の不正の改善・是正につながる内部告発のことを指し、組織内の通報窓口に告発する「内部通報」と、報道機関などに対する「外部通報」がある。Aさん推したことはこの両方に値する。正当な告発者に対し、異動や解雇などの不当な取り扱いをすることは保護法が禁じるので、嫌悪したことは明らかに違法である。

3月段階の報道機関への告発も公益通報に該当する可能性が高く、県は初期の時点で、公益通報として慎重に扱い、内容の真偽にかかわらず独立性を担保してきちんとした調査をすべきだった。知事や副知事など4人組に関する告発であったのに、その当事者が、第3者機関でもなく、じぶんたといで勝手に判断し勝手に処分までした。犯罪者が警察・検察に代わって自分の捜査をし、裁判で自分で判決文を書いたようなものである。保護法が定める体制整備義務にも違反している。

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斎藤知事は24年8月7日の会見でも、法的見解まで確認していなかったが、Aさんの告発は法の要件を満たしていなかったため、公益通報ではないとした対応は適正だったと説明した。

「3月20日に文書を把握し、21日に内部調査を指示した。その時点で、公益通報にあたるのではと検討したか。」との問いに対して、知事は「具体的な検討はできていない。だが、内容が事実ではないと判断したことや、証拠や信用性の高い供述がないことから、信ずるに足りる相当の理由がない文書だと認識した。」と答えた。

「いつ、公益通報にはあたらないと判断したのか。』と言う問いには、「3月25日に元県民局長が「うわさ話を集めて作成した」と供述した。その後、4月中旬に人事当局が弁護士に相談し、懲戒処分をした5月7日までに判断した。」と答えた。

「専門家の判断の前に内部調査をしたことに問題はなかったのか。」との問いには「法的な見解までは確認していなかったが、適正だった。個人名や企業、自治体名が書かれ、事実と異なり、その根拠が示されていない文書が流布すれば、多方面に不利益を及ぼすため、作成者を含めた調査は必要だった。」と述べた。

「知事や副知事は文書に疑惑を書かれている当事者。当事者が調査を協議、決定するのは違和感がある。客観的に調査しようという声は上がらなかったのか。』と言う問いには「文書には真実相当性がないという前提がある。懲戒処分に該当する可能性がある以上、人事当局中心に調査を進めるのは適切だった。」と述べた。

「3月25日に1回目の聴取をした直後の27日の会見で、告発文書について「うそ八百」と発言した。十分な調査もないままでの発言だったのでは。」と言う問いかけには「強い表現になってしまったのは反省している。真実相当性がない文書だったこと、職員や民間のみなさんが日々懸命に取り組む中で配布されたのが残念だという思いがあった。」と言い訳した。

「4月4日に公益通報窓口にも通報があった。調査の客観性に疑問があるにもかかわらず、5月7日に懲戒処分に踏み切ったのはなぜか。』と言う問いには、「文書の作成・配布を含めた四つの非違行為が確認されたので、適正に対応した。公益通報者保護法の要件も満たしていなかった。」と答えた。

「告発の情報源が特定されると、解任など不利益を被るかもしれない。県による調査で情報源を明かせないという可能性は考慮しなかったのか。』と言う問いには、「情報源や、具体的な供述を示してもらえば、しっかり調査、対応できたと考えている。外部通報した本人が証拠や信用性の高い供述をきちっと示すことが必要だった。」と答えた。

「告発文書を出した時点で証拠や供述を示さないといけないという認識か。消費者庁によると、文書を出した時点での提示は求められていない。』という質問には、「今回についてはそれがなかったので、外部通報に該当しないという判断をした。」「真実相当性が要件になっている。公益通報自体を否定するわけではなく、ルールの中でやるのであればきちんと対応する。」と答えた。

 「「うわさ話」という供述は、いつ、どういったやりとりの中で出てきたのか。」という問いには、「どこまで開示するのかは持ち帰らせてもらう。本来は供述の内容は差し控えているが、真実相当性の問題を示すのが今回の問題の根幹だと考えたので、一定話をしたにすぎない。」と答えた。

     ◇

 元県民局長Aさんは生前、4月1日に報道各社に配布した文書で、「今回の事案について、私と人事当局間でなされた意味のあるやり取りは、3月25日に電話で『告発文は自分一人で作成した。他に関係者はいない』と伝えたことのみ。26日電話により情報の入手経路についての漠然としたやり取りがあったのみ。告発文の内容の真偽についてどう思っているのかなどは全く聴取されていない」などと記載し、3月27日に県幹部に対し「内部告発文にある内容をきちんと精査してから対応してくれと要請した」と記していたので、上記の知事の答えと矛盾する点が多くある。

知事は、供述内容の中身は示さず、一方的に真実相当性がないと決めつけ、それによって県の対応を正当化している。このこと全体が、根幹から間違っている。適切な調査をまずすべきで、真実相当性があるかないかは、実は明確になっていないのに、嘘八百だと言っているのである。

このようなムチャな論理と対応をここまで許してきた組織、職員、県弁護士、議会・議員自体の責任も問われなければならない。

 

 

[1] 各部総務課の副課長らを集めた会議で配布された「守秘義務免除の手続き」には「委員会から職務上の秘密または職上知り得た秘密が含まれる事項について出頭または出席の要請があった職員は守秘義務免除の申請手続きを行う」とあり、「(守秘義務免除の)対象となる内容は最小限のものとする」、さらに「各部総務課宛に申請し、これを各部総務課長が承認する」となっていた。