ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

公益通報者つぶし問題④ーー主流秩序の観点から

  • ようやく首長からもまともな批判が出てきた

兵庫県の視聴其の首長の動きは遅かったが、24年8月にようやく、県知事・県側の対応のおかしさを公益通報制度とつなげて指摘するようになってきた。

兵庫県内29市でつくる県市長会(酒井隆明会長=丹波篠山市長)が、元県民局長を公益通報者として保護せず、懲戒処分としたことについて「不適切」とする内容を盛り込んだ文書をまとめ、斎藤知事に提出した。斎藤知事の対応について「十分な調査も尽くさず、懲戒処分にしたことについて多くの市長から不適切であるとの指摘があったためである。

ただ、現在の県政や斎藤知事に対しても「憂慮すべき状況」「県市長会として到底看過できない」として県政の混乱、停滞の収束に努めてもらうよう求めたが、知事の辞任までは求めないものであった。

 

  • 県職員アンケートで実態がさらに分かってきた

議会の調査特別委員会(百条委員会)による県職員へのアンケートの中間報告が8月にでた(約9700人が対象で、約7割の6711件の回答)。

伝聞を含め約4割が知事のパワハを見聞きしたと答えた。また斎藤知事がカニやカキなど、複数の贈答品を受領したとの新たな疑惑も複数出てきた。

県北部の但馬地方で、、手土産として用意されたカニ随行職員が断ったにもかかわらず、斎藤知事が他の職員の分も含めて持ち帰って、個人で食べていた。北部への出張については23年、知事が希望しているとして、旅費の規定を超える城崎温泉の高級旅館が手配され、実際に知事が宿泊した。 他にも、養殖業者からカキをもらった際、独り占めして全部自宅に運ばせた事例、スポーツメーカーと面談した際、メーカーが新たに開発したシューズについて、「その靴欲しいです。白い靴が欲しいです」などと発言したケース、皮革工場を視察した際に、高級な革ジャンを所望したが断られたケース、などの情報があった。7月には、県西部の上郡町の職員から2022年11月に特産のワイン2本が届けられ、知事が個人的にのンdなことも確認されている。

 

パワハラについては、具体的には、目の前でエレベーターの扉が閉まったことに激怒し、「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」と大声で怒鳴りつけた。公用車を運転する職員に「なんでこんなルート走ってる!と叱責した」「前方の座席を蹴った」と聞いた、「会議室の温度が低く、反省文を提出させたと聞いた」「イベントにマスコミが来ていないと怒る」との記述もあった。知事出席のイベントで、「(髪形をセットするための)控室や姿見を用意できていないと怒る」との指摘もあった。23年4月、斎藤知事が施策内容を「聞いてない」と発言し、ペンを机上に放り投げ、「場の空気が凍り付いた」という事例、別の職員の23年7月、県独自のデジタル商品券「はばタンPay+」の説明をした際、知事が舌打ちと大きなため息をした後、「私の肝いりの事業なのに、写真やメッセージがない」と発言し、うちわに知事の写真を載せるよう追加発注させた事例、などもあった。こうしたことから、知事は「瞬間湯沸かし器」「暴君」と呼ばれていた。

また県政運営について「イエスマンで側近を固めて、私物化した密室運営となっている」「リーダーとして思いやりのない態度に怖くなり、信頼できなくなった」との批判もあった。

メディア取材によって、知事室で県議会への説明を報告した際、「(議会に説明したのは)誰や」と激しく叱責された事例、知事室で説明中に、手元にあった付箋を投げられた事例、訪問先への到着時間に遅れそうになり、公用車内でタブレット端末を座席の間に放り投げた事例、年末の仕事納めの日の深夜に、県のホームページが読みにくいなどとして、翌日までの修正を指示された事例、知事から叱責を受けた職員を本人の精神状態を考慮して別の部署に異動させたケース、知事はお土産がない遠足には行かないとの指摘なども出てきた。

***

これも後で分かってきたことだが、知事のパワハラに対して、職員が内部で、共通の対応マニュアルを作って共有していた。

たとえば知事出席のイベントを実施する時の注意事項としては、「新聞、テレビなどのマスコミが居ないと激怒する」「鏡(姿見)付きの個室の控室がないと激怒する」などが職員間で周知徹底されていたという。そしてエレベーターでは先にいってボタンを押して待たせないようにするなど対応していたという。

だが、これは、知事のパワハラやおねだりや不正補助金利用等をチャンと指摘したり、批判したり、公的に問題にしたりする(人事や労働組合に訴える)のでなく、また大きな不正についてはAさんのように「告発、公益通報・内部通報」(外部に組織内の不正を通報するものを含む)をおこなうということをせずに、ただただ、沈黙し、従い、怒らせないように対応していたのである。それは、主流秩序への従属・適応でしかない。積極的な加担及び消極的加担でしかない。

だからこの兵庫の知事及び取り巻きの利権的横暴や犯罪的行為の事件は、多くの職員が、情けないこと自分の頭で考えて動けないという問題なのでもある。日本中に蔓延している、事なかれ主義、長いものに巻かれて、不正に沈黙する愚かな状態を典型的に映し出す事件であった。その唯一の例外のAさんの訴えをすぐに皆が支えればよかったのだが、みな、自分に火の粉が降りかかるのを恐れて、第2、第3の仲間にならず、沈黙し、Aさんを孤立化させ、見捨て、ついにAさんはいろいろ脅されて、自殺するにいたったのである。これを「見殺し」と言う。沈黙した兵庫県職員全員に重い責任がある(以下の図にあるように、加担責任に軽重はある)。それを「仕方がなかった」「私対のは知事など上層部」というのはもうやめてほしい。いつまで主流秩序に従属することを「仕方なかった」と正当化するのか。

 

 

  • 重大な事実が判明・・・公益通報巡り「処分しないほうがいい」と職員進言も無視 

百条委の超アを進める中で、複数の県職員が幹部を通じて斎藤知事に「公益通報窓口の調査結果が出るまで待ったほうがいい」と進言したにもかかわらず処分が下されたことがわかった。知事及び幹部が、適切な意見を無視し、逆に通報者をつぶす策動を急いだことがさらにうきぼりになった。

百条委が8月23日に非公開で開いた県職員への証人尋問の中で明らかになったことは、Aさんが4月4日に公益通報窓口に通報した後の4月上旬、ある県職員が「調査結果が出る前に処分するべきではないのでは」と副知事に次ぐ幹部である元理事と、元総務部長に進言した。 進言を受けた2人は同月中旬、斎藤知事に公益通報の調査日程の見込みを示しながら、この結果が出るまで処分を待つよう伝えた。これに対し、斎藤知事は一度は了承したという。 しかし、斎藤知事はその後、「公益通報の結果を待たずに処分できないか。弁護士に確認してほしい」と人事当局に指示。県の特別弁護士は「法的に問題ない」と回答し、人事当局は斎藤知事にその旨を伝えた。これを受けて、斎藤知事は処分を決断したという。

「処分は待った方がいい」と幹部に進言した職員は、懲戒処分の理由には告発文書の作成・配布のほかに私的文書を多数作成したことなども含まれていたことから、「『懲戒処分をすれば、自分への批判の風向きが変わる』と知事が言っていると(幹部から)聞いた」などと述べた。

つまり、意識的に内部通報つぶしを進めたことが証言されたのであり、一番のひどい対応は、知事、次に辯護士、そして3番目にこの不当な対応を追認したとりまきの県幹部たちと言うことである。

その後、元県民局長を停職3カ月とする懲戒処分案は5月2日、元総務部長や次長級の職員ら15人で構成される綱紀委員会に諮られた。ここで、委員の県職員3人が処分に否定的な意見を述べた。最終的に斎藤知事の決断は変わらず、同7日に処分が公表されたという。逆にいえば、処分に否定的な意見を言わなかった綱紀委員会のその他の12人の職員たちには大きな責任がある。これが主流秩序の観点である。知事だけの問題ではないのである。だから知事が辞任すればいい問題ではない。

 

  • ようやく「通報者(犯人)探し」にかかわる異常な行動が批判対象になってきた

私をはじめ、人権問題に監視なるものならすぐに思うことだが、24年8月末に、ようやく、Aさんに異常な強圧的「調査」をしてプライバシー情報で脅して自殺に追いやったことがおかしいと言われるようになり、県も調査に動き出した。風向きが徐々に変わって、みなが言い始めたので、多くの人が重い口を開き始め、不正に文句を言ったり正そうということになってきたのである。「みんなで信号を渡る」感じで、風向き次第というところがまさに風見鶏的で情けないがこれが日本である。

具体て的には、今回の隠ぺい事のお本丸である、兵庫県人事課が前総務部長の井ノ本知明氏、、片山安孝元副知事や前理事の小橋浩一氏、産業労働部の原田剛治氏の調査を始めたのである。取り巻き4人組で、いずれも文書で名前が出た知事の側近で、男性の懲戒処分に関与した者たちである。今までは権力を握っていたので誰も文句を言えなかったが(そこがおかしい)、流れが変わって、ようやくこうした動きになってきた。県はこの調査を、内部調査ではなく、外部の弁護士に依頼する形で行うことを検討している。あまりにも遅いが、まともな動きである。

Aさんが3月に匿名で文書を報道機関などに配布した後、斎藤知事の指示で作成者を調べていた片山副知事、前総務部長の井ノ本氏らが男性の公用パソコンを強制的に没収し、中を調べ、告発文書のデータを確認したが、その時知った情報――告発内容とは無関係な男性の私的情報――を県議らに開示して、Aさんを追い詰める動きをしていたのである。それは前から一部で報道されていたが重視されず、問題にもされていなかったたが、8月にようやく県が、公務員としての間違った行動――私的な情報を漏洩(ろうえい)した疑いーーで、処分が必要な行為ではないかと言い出したのである。、職務上知り得た秘密を故意に漏らした職員は、懲戒を処分の対象になる。斉藤知事の取り巻き4人組は皆、Aさんの告発文で批判されたものであるのに、逆に斉藤知事と一緒になって、Aさんつぶしの行動をとったということで、それが、私的な情報漏洩の処分行為にあたるうたがいがあると言うのである。

て、斎藤知事は、これに対して、8月29日、記者団に対し「私自身が情報の漏えいを指示したことはなく、名前があがっている職員に確認したところ『そういうことはない』と言っていたので、ないと信じている」と述べて、今だ隠蔽の言動を続けている。

 

犯人探しは、まるで秘密警察が敵の情報を得ようとするかのような、人権意識など全くなく、相手を脅すようなやり口であった。悪いことをしたような人間扱いし、「私がやりまとした」と自白するようにもって行く悪質なものであった。

片山安孝元副知事とその同僚は、元県西播磨県民局長の男性Aさんを問い詰め、人事権を盾に「協力者」が不利になるぞなどと強い口調で繰り返し「自白」を迫った。

片山副知事のAさんへの脅しの様子

「今からきっちり調査せなしゃあないやないか、県民局長がやっとんねんからさ。普通の一般職員やったらまだしもな、県民局長がこれだけ県政批判してるんやで。 名前が出てきた者は一斉に嫌疑かけて、調べなしゃあないからな。名前が出てきた者は、在職しとるということだけ忘れんとってくれよな。」

「全部な、お前が分かる話じゃない。誰から聞いたんや。聞いた者、全部名前言え」

メールについて、 「1年間の全部の記録チェックさせとんねん。いろんな人の名前や、やり取りしてるの出とるやないか」

 「全部自分一人で情報集めとんか。聞き回っとるんやろ」

 

またAさんの同僚X氏をつかって、Aさんから情報を引き出していた。信頼関係を利用して違法な取り調べに加担したX氏もこの犯罪的行為に加担したということになる。

知人X氏を使ってだまして情報収集の様子: A氏とX氏の電話のやりとり

 

(X氏は、片山が「まあ、手始めにXあたり危ない思うとんやけどな」 と疑われていた人物。片山らから言われるがまま、Aさんを裏切る行為を以下の様にした)

A氏がX氏に電話をかけたとき、X氏は、県幹部ら2人から聴取を受けている最中だったがそれをAに隠していた。 幹部らに通話をスピーカー状態にするよう指示されていた。

A氏 「片山さんが来て、取り調べを受けて、調べていたことがあって、このあいだ、それを文章にまとめたみたいなことをしたんやけど、それがバレて」

X氏 「えっ、Aさんがやったんですか」

A氏 「そうそう。Xちゃんがつながっているんじゃないかと、いろいろ勘ぐっていたから、ちょっと気にしとって」

A氏は、X氏が聞き取りを受けている最中であることを知らなかった。 県幹部らはX氏にA氏への質問を指示する。 ※ここより、部長がメモ等で指示した内容をX氏が聴取

X氏「えっ、告発文はAさんが撒いたんですか」 A氏「うん。ここだけの話」

X氏「それって、警察に撒いたんですか?」 A氏「警察と議会とマスコミ」

X氏「荒ちゃん(荒木 元副知事)も絡んでいるんですか」 A氏「絡んでへん」

X氏「ほかの県民局長も、なんもなく、Aさんだけで?」 A氏「そう、僕単独でやってん。事実上な」

 県幹部らが協力者ではないかと疑っていたのは、荒木一聡元副知事だった。

 

また片山副知事は「(知事らに)文句あってやっとったんか」と言うように、県庁内での政治的な権力闘争とみて、敵対勢力の策動のように、この公益通報をとらえていた。自分達がひどいことをしてきたことを反省せず、逆に、正当に告発したものを「悪者・裏切り者・的勢力」とみなす転倒した意識であった。

「名前が出てきた者は一斉に嫌疑かけて調べなしゃあないからな」と情報提供者の洗い出しを示唆。「手始めに○○(職員名)あたり危ない思うとんやけどな。10級に上げるっていいよったけど、どないしようかいな」と、特定の職員に関与の疑いがあるとして昇級を見送ることもちらつかせてた。

 告発文は公益通報に当たるかという十分な検討もなく、なぜこれほど苛烈な調査に踏み切ったのか。その理由について、片山氏自身は、24年9月6日の百条委で、「知事から『徹底的に調べろ』と言われたので」「選挙で選ばれた知事を地方公務員が排除しようとしている。(協力者がいるなら)早く見つけ、全体像を明らかにする必要があった」と発言した。だがこれは8割、嘘である。知事が調べろといったのは事実だろうが、言われたから仕方なくしたのではなく、自分も不正行為に加担していると通報内容にあったので、自分の保身も含めて、通報者つぶしに片山副知事自身が積極的に加担したのである。公益通報に当たるかどうかを考えなかったというのではなく、意識的に「適切な第3者の調査」を避けて、その前に通報者をつぶそうとしたのである。また「知事を地方公務員が排除しようとしている』とまるで悪いことの様に認識していることを告白しているが[1]、組織の腐敗を告発することは勇気あるまともな行為であって、「知事の不当な行為を告発した正当な行為を、権力闘争のように見立てた」片山副知すが完全に間違っている。

先にも書いたが、告発の1か月前、県のホームページに掲載されたA氏のメッセージには「気がつけば、権力者の周囲には二流、三流のイエスマンが主流を占めている状況に。(中略)そのような組織の腐敗・内部崩壊も外部にはなかなか伝わりにくく、不祥事、事件の発生といった出来事でようやく世間の知るところとなるのです」都ねべ手居り、純粋に、腐敗を正したいと思てtの告発だったのである。それを、まったく逆転させて、悪いことのように、Aさんを追い詰めたのである。泥棒が、通報者に対して「通報したな!」と怒っているようなものである。

したがって、この事件では、知事だけが辞職してすむ話ではなく、片山副知事をはじめとして、隠蔽工作・告発者粛清をしたもの全員が処分されるべき事件である。

以上から、奥山俊宏・上智大教授が「まるで独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図を描いてしまった」とし、「(告発内容の調査は)独立性を確保し、利益相反を排除すべきだった。公益通報者保護法の趣旨を逸脱している」と、また日野勝吾・淑徳大教授(労働法)が、「聴取の内容からは告発者やその情報源を処分しようとする意図がある」「片山氏は真実である部分が出てくると大変だからもみ消して、人事的制裁を加えようとしたのではないか。公益通報をした人を保護しようとする視点を欠いており、これまでに例のない悪質な調査だ」というのは当然の指摘である。

 

 

 

 

 

[1] 片山元副知事は、Aさんが「クーデターを起こそうとしている」「斎藤政権に大きなダメージを与えるなり、転覆させるような計画で、不正な目的ではないかと思いました」と話している。