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女性の性的搾取と闘う精神を描いた韓国ドラマ『エマ』

  • 女性の性的搾取と闘う精神を描いた韓国ドラマ『エマ』

ユニークなフェミ的ドラマが、韓国の『エマ』だ(2025年製作、演出・脚本:イ・ヘヨン、Netflix独占配信、話数:全6話)。

軍事政権の1980年代初頭の韓国を背景に、論議を呼んだ官能映画「愛馬夫人」の撮影に臨むスター女優と新人女優の生きざまを描く。ようやく映画界に自由が少しもたらされる面がありつつも、売れればいいということで、「エマニエル夫人」の真似のようなエロだけを利用して金儲けしようとする空気があり、そこでは女優の人権などないに等しく、性的に屈辱的な搾取がなされていた。男性中心主義の映画業界のルールと権力者に女優が献上品として差し出される舞台裏の腐敗の中、生き残りと少しの誇りをかけて果敢に戦っていく二人とその仲間たち。

もっといいモノを作りたいという思いと、資本主義・商業主義の構造の中で制限される現実。官能映画『愛馬夫人』(Madame Aema 1982年)が誕生するまでの女優や制作スタッフの葛藤を描いた作品という面もある。

トップ女優のヒランは、胸の露出を強調するひどい脚本に異議を唱え、制作会社代表のク・ジュンホ(チン・ソンギュ)に抗議する。ヒランは「これまでは脱いできたけどもう脱がない!」と宣言する。が、契約上出演が避けられず、助演役に降格されてしまう。その後、新人監督クァク・インウ(チョ・ヒョンチョル)が大胆なキャスティングオーディションを仕切り、魅力的な新人じゅえ――無名だけど胸が大きいことも重要要素――を発掘する。誇り高きヒランはジュエにライバル意識をもちいじめるが、大きな権力構造の中で搾取されるという共通性から二人は徐々に、ともに戦う仲間となっていくのである。

売れるためには裸にならざるを得ない“現実”がある中で、生き残り、幸せと自由を手に入れようとするフェミ的な意気込みがにじみ出る作品である。売れるための「成人映画」を馬鹿にし揶揄するような隠れた批判精神もあるユニークで、面白い作品である。この映画の構想の元となったのは実際の韓国の成人映画『愛麻夫人』(1982で、。13作までシリーズ化された作品という。ただし、本ドラマはフィクションである。

クソのような制作会社代表のク・ジュンホが政治権力者たちに女優を差し出して金儲けするような状況、軍事政権を裏から支える南山(韓国のCIA)の横暴、夜の外出禁止令が続く社会状況なども描かれる。貧しいジュエが成功していこうとするときの苦難の道を結局は仲間の女性たちは応援する気持ちも描かれる。