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主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

原発問題 

 

 

余りに明らかなのであまり書いていませんが、原発問題、あまりにあまりにあからさまに、悪い予想通り、再稼働へ動いています。そして多くの国民は関心を薄めているから、自民党に投票する。アベノミクスという標語だけで。

 

ものを見る視点というものに少しでも深みがあればこうはならない。

 

自民党は大企業中心に経済を成長させる方向で動く利権政党です。換言すれば、主流秩序の上位者の利益を代表した政党であり、主流秩序を維持することが使命です。官僚の利益と一致した政党です。

 

ですから電気料金を安くしたいので、少数の犠牲は意に介しません。

少数とは、主流秩序の下位者の事であり、原発立地地域、原発労働者、被爆者、原発事故で故郷を奪われた人などです。

思考を停止し、事故コストを計算に入れないという、常に政治的な謀略的な操作でことが進む。40年前から同じことを僕は見てきた。

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原発回帰 再稼働を問う:2)首相意向「電気料金安く」

朝日新聞」  

 

原発回帰 再稼働を問う:2)首相意向「電気料金安く」

朝日新聞」2015年7月9日05時00分

 

2030年度の電源構成案

 3月半ば、首相官邸自民党エネルギー政策を取りまとめる原子力政策・需給問題等調査会の額賀福志郎会長(元財務相)は、安倍晋三首相と向かい合った。2030年度の電源構成案をどうつくるか、首相の意向をきくためだ。

 「アベノミクスを進めるため、電気料金が下がるようにしてほしい」。首相のそんな言葉を、額賀氏はうなずきながらきいた。

 

 アベノミクスは、12年末に返り咲いた安倍政権経済政策の名称で、大胆な金融緩和などを柱とする。いまの首相にとっては、政権運営の屋台骨を支える数少ない「金看板」だ。

 それが大きく揺らいだことがあった。首相の決断で昨年4月に消費税率を8%に引き上げたところ、個人消費が失速。一時はマイナス成長に落ち込んだ。そんな「増税ショック」を気にしていた首相は、電源構成を決めるにあたっても「負担増にとても敏感だった」(首相周辺)という。

 

 東京電力福島第一原発事故原発が止まり、この4年間は電源を火力に大きく頼ってきた。燃料の輸入が急増し、昨年までは単価も上がり続けたことで、電気料金は企業向けで4割近く値上がりした。関係者によると、首相は「原発が再稼働するんだから電気料金は下がる」との思いを強くもっていたという。

 

 ■「原発頼るしか」

 額賀氏はさっそく動いた。4月2日、自民党の調査会で電源構成の提言を急きょ、まとめたのだ。ポイントは、昼夜を問わず運転ができて、発電コストが安いとされる原発、石炭火力、水力・地熱の「ベースロード電源」を6割程度とするよう求めたことだ。

 13年度は主に石炭と水力で約4割あったが、二酸化炭素を多く出す石炭火力は温暖化対策に逆行し、水力などの新設は環境破壊につながりかねない。あと2割増やすには「原発に頼るしかない」(経産省幹部)という「理屈」になる。

 

 衆院議員河野太郎氏らが「国際的にベースロード電源の比率はどんどん下がっている」などと反発。党本部での非公開の会合では怒号も飛び交ったが、くつがえることはなかった。

 

 5日後の4月7日。額賀氏から電源構成の提言を受け取った首相は「経済や生活が成り立っていくには料金の抑制も必要だ」と評価した。額賀氏は会談後、「政治に責任をもつ我々が、しっかりと方向付けする」と胸を張った。

 

 ここから、原発を維持する理屈の「肉付け」作業が加速する。ベースロード電源を6割としたのは、欧米各国がほぼその水準だったからだ。とはいえ、原発に限れば、「脱原発」をめざすドイツと、約8割を依存するフランスとでは電源構成がまったく異なる。

 そこで、経産省が打ち出したのが「電力コスト」という考え方だった。

 

 電力コストとは、燃料費や再生エネの買い取り費用などを合計したもので、経産省独自の考え方だ。原発は燃料のウラン価格が安いため、原発の割合が増えるほど計算上の電力コストは下がる。13年の電力コストは9・7兆円。首相の意向に沿って負担増を抑えるには、30年のコストを9・2兆~9・5兆円に抑える必要があるとはじいた。原発が2割超あれば、範囲内にコストは収まる計算だ。

 

 ■事故コスト無視

 福島第一原発は、4年たっても事故の収束と廃炉の見通しは立たない。今でも、原発の近くに暮らしていた約8万人が避難生活を送っている。原発でいったん過酷事故が起きれば、これだけの被害が生じると明らかになったのに、電力コストには含めなかった。

 経産省が電源構成をまとめるために設けた有識者会議で、この考え方が示されたのは4月28日。その後1カ月余りの議論で、原発割合を「20~22%」とする電源構成案が固まった。

 

 ただ、政権として「前面に立つ」覚悟まで固めたわけではない。原発への世論の反発は依然強く、「現時点で新増設・建て替えは考えていない。それが政治判断」(経産省幹部)だという。踏み込めば逆に支持を失いかねないからだ。

 過酷事故が起きれば、膨大なコストがかかるという政権にとっての「不都合な真実」はうやむやにしたまま、原発回帰への政策づくりが始まる。そのつけは将来世代が払うことになる。

 (大津智義、菊地直己)