「ユニオンぼちぼち」の仲間が新聞に載りました。
とてもまともな主張と思います。
(やってみなはれ)「時給1500円に」路上から発信
田中章博
朝日 2016年6月29日15時28分
橋口昌治さん
■最低賃金アップを訴える「エキタス京都」 橋口昌治(はしぐちしょうじ)さん(38)
にぎわう京都・四条通の繁華街で、テクノやロックのリズムに合わせて声をあげる。「最低賃金を1500円に」「中小企業支援にお金を回せ」。デモの列に飲食店の店員が手を振ってくれる。
非正規労働者が働く人の4割を占めるなか、地域ごとの最低賃金(時給)は全国平均で798円。「時給千円だと年収200万円に届かず、最低限の暮らしもできない」。自身も時給で働く非常勤講師だ。「賃金が低いのは当たり前という雰囲気を変えたい」
学生時代はデモにも労働問題にも無縁だった。就職活動を始めたところ、「やりたいことができる会社を選べ」的な建前と「好き嫌いを言わず、まず正社員になれ」的な実情の差に戸惑い、就活をやめた。留年と休学をへて進んだ大学院で、若者と雇用を研究テーマに据えた。
誘われて労働組合の活動に加わるかたわら、いつしか声を上げる側に。音楽を流して楽しそうなスタイルのデモを吸収し、2014年に路上から最低賃金に特化して発信し始めた。「エキタス」はラテン語で「公正」の意味。
収入は安定するが猛烈に働く正社員か、食べていけない非正規かの二者択一ではなく、普通に働いて楽しく暮らせる選択肢があっていい。子どもを持つどころか、良いと思うものにお金を出す気にさえなれない。昨年、結婚して改めてそう感じる。「性別も雇用の形も関係なく、働いて食べていける社会の実現に向けた突破口が、最低賃金の底上げ」と訴える。(田中章博)
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■略歴
福岡県生まれ。立命館大学などで非常勤講師。「ユニオンぼちぼち(関西非正規等労働組合)」の副執行委員長も務める。