不買運動があってもいいわけで、南京事件を否定するトンデモ本・右翼本を書く人のホテルを拒否してもいいわけです。日本人も、アパホテルを使うのをやめる人が増えるといいなと思います。
アパホテルに南京事件否定の本 「右翼ホテル」中国報道
延与光貞=北京、川口敦子、岩崎生之助
朝日 2017年1月19日05時01分
「本当の日本の歴史 理論近現代史学Ⅱ」の内容
日中戦争中の南京事件について否定的な書籍を客室に置くホテルに、中国で批判が相次いでいる。中国外務省が苦言を呈し、現地サイトで予約ができなくなる事態に。何が起きているのか。
ホテルは、アパグループ(東京)が運営する「アパホテル」。米国人と中国人を名乗る2人が15日夕、客室に置いてあるという同グループの元谷(もとや)外志雄(としお)代表の書籍「本当の日本の歴史 理論近現代史学Ⅱ」について、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」に批判的な動画を投稿した。書籍は当時の現地の人口を挙げ「南京大虐殺はあり得ないことだ」「被害者名簿は1人分も存在していない」などと記している。2人は「自分のホテルに自分の本を置いてもよいし、何を信じてもよい」としつつ、「ここに泊まれば、彼の懐にお金が入る。事実を知って泊まるかどうか決めてほしい」と呼びかけた。
動画は18日夕までの3日間で9500万回以上再生され、中国メディアは「右翼ホテル」などと一斉に報道。ネット上では「会員カードを切り刻み、友人に泊まるなと伝えた」「日本旅行はよいが、このホテルには泊まらないで」などの書き込みが続く。中国外務省の華春瑩副報道局長は17日の会見で、中国紙の記者の質問に答える形で「日本の一部勢力が歴史を直視せず、ねじ曲げようとしている」と不満を表明。同日以降、「Ctrip」など中国の一部の予約サイトではアパホテルの予約ができなくなった。
南京事件をめぐっては、中国政府が犠牲者数を「30万人」と主張する一方、日本の外務省は「非戦闘員の殺害や略奪は否定できないが、被害者数は諸説あり、どれが正しいか認定は困難」としている。
アパグループは17日付で「日本には言論の自由が保証されており、一方的な圧力によって主張を撤回するようなことは許されてはならない」などとする見解をホームページに掲載した。取材に対して、客室に書籍を置く理由について「本当の日本の歴史を広く知っていただくため」と説明。国内155カ所のアパホテル約3万2千室に備えている書籍の回収などは考えていないという。
「全日本シティホテル連盟」(東京)によると、客室に書籍を置くことについては「営業の自由」として特に制限は設けていない。聖書を置くホテルもある。ただ、連盟幹部や宿泊業界の専門誌を刊行する出版社などによると、不特定多数の人が泊まることに配慮し、主義主張を含んだ書物を置くのは珍しいという。
日本国際ギデオン協会(東京)は1950年の創設以降、国内のホテルや病院、刑務所などに約4千万冊の聖書を贈っている。「手にとったおかげで自殺を思いとどまることができた」「友人とけんかをして心がささくれ立った夜、聖書を読んだ。仲直りのきっかけになった」など感謝の便りが届くこともあるという。
2020年東京五輪・パラリンピックに向け、海外から多くの観光客の訪問が見込まれるなかでの今回の騒動。外国人観光客の旅行事情に詳しい広岡裕一・和歌山大教授(観光学)は「明らかに公序良俗に反するならともかく、ホテル側にも表現の自由、経営の自由がある。不快に思う人には泊まらないという選択肢もある。騒ぎすぎるのも良くないのではないか」と話す。
中国人観光客を受け入れる旅行会社(福岡市)の役員は「日本国内に歴史修正主義的な議論があることは中国人はよく知っている。『またか』と受け止めるのでは」。一方、ある大手旅行会社幹部は「中国の人たちが日本全体のおもてなし業界に不信感を持つことが心配だ」と話す。(延与光貞=北京、川口敦子、岩崎生之助)
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