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慰安婦関連裁判(吉見裁判) 不当判決

 

 中央大学の吉見義明さんが日本維新の会(当時)の桜内文城衆議院議員(当時)を名誉毀損で訴えた裁判(以下、吉見裁判)において、2016年1月20日、東京地方裁判所民事第33部は吉見さんの請求を棄却する不当な判決を出しました。

 

 この裁判の発端は、2013年5月に橋下前大阪市長が「慰安婦制度が必要なことはだれでもわかる」と発言したことです。国内外からの批判を浴びた橋下前市長は同月、日本外国特派員協会橋下徹大阪市長が弁明のために講演しました。


その際に、同席していた桜内氏が司会者の発言に関して、「ヒストリーブックスということで吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかにされています」と発言しました。


研究者の研究業績を捏造であると公言する行為は、研究者に対する重大な名誉毀損であるだけでなく、研究者の社会的存在そのものを否定する暴挙です。そして、被告の発言は「慰安婦」被害者の尊厳をも冒涜するものであり、断じて許されません。吉見さんが訴訟に踏み切ったのは当然のことでした。

 

 今回の判決が、吉見さんの請求を棄却したのは、冒頭に述べたとおりです。裁判所は、前述した被告発言中の「捏造」の意味するところが、「誤りである」「不適当だ」「論理の飛躍がある」といった程度の趣旨であるとの認識を示しました。そして、こうした意見または論評を表明することは、原告の社会的評価を低下させる名誉毀損に該当するとしながらも、被告の発言には違法性はなく、被告は免責されるとしたのです。

 

 「捏造」とは、「事実でないことを事実のように拵えること」という意味の言葉ですが、これを「誤りである」「不適当だ」「論理の飛躍がある」という趣旨と認識していることは、極めて強引で、到底成り立たない解釈と言わざるを得ません。そして、このようにねじ曲げられた「捏造」に対する解釈を前提として、被告発言の違法性が認められなかったことは、極めて不当です。

 

 吉見さんの研究は日本軍「慰安婦」問題の実態解明に誰よりも大きく貢献し、日本国内外の歴史学界において高い評価を得てきました。そして、そうした研究成果は、「慰安婦」被害者に希望の光を与えてきました。今回、こうした研究をねつ造とする発言の問題性が認められなかったことは、国内外の歴史学界に対する全面的な挑戦であるとともに、被害者の尊厳をいっそう冒涜するものです。

 

 また、吉見裁判に対しては、日本国内はもちろん世界の市民から、あたたかいご支援をいただきました。私たちは昨年12月より「公正な判決を求める国際市民署名」の運動を展開し、今年1月11日までに「慰安婦」被害者を含む1438筆の署名を集めることができました。今回の判決は、こうした世界の市民の声をも踏みにじるものです。

 

 ところで、吉見裁判では、日本軍「慰安婦」制度が性奴隷制度といえる根拠についても、議論を展開してきました。ただし、今回の判決では、「慰安婦」制度が性奴隷制度であるか否かという点については、何らの判断もおこなわれませんでした。したがって、今回の判決によって、「慰安婦」制度が性奴隷制度であることが否定されたことにはなりません。なお、「慰安婦」制度が性奴隷制度であるというのは、国際的な常識であり、歴史学界においても広く共有されている認識です。

 

 私たちは、不当な判決に強く抗議するとともに、吉見さんの名誉回復と、日本軍「慰安婦」問題の真の解決に向けて引き続き裁判闘争を続けていくことを、ここに表明します。これまで吉見裁判をご支援いただいたみなさんにお礼申し上げるとともに、引き続きご協力をお願い申し上げます。


2016年1月21日
YOSHIMI裁判いっしょにアクションhttp://www.yoisshon.net
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※判決はこちらから、ご覧になれます。
https://drive.google.com/file/d/0B79rvd3pXzJ_c015SVJNWmxXWUU/view

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