ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

「大江千里「ヒットして最大公約数のファンを得ることは、本当に好きな人を減らすんだな。」


鷲田さんが紹介していたので、大江さんのインタビュー記事を読んだ。

 

東洋経済オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180131-00206780-toyo-bus_all&p=1
大江千里、47歳で始めた僕の「ライフ・シフト」
1/31(水) 6:00配信


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全体を読んで、少し、鷲田さんの紹介と違う印象も受けたが、主流秩序論に通じる、自分の生き方をみつめるものを感じて好感をもった。


おすすめです。


多くの人に受けるようにシステムに巻き込まれ金もうけにとらわれるのではなく、そこから離れて、手ごたえのある小さな、直接的なかかわり。秘書とかの支援があるのではない生き方。多くの人に受けるということによって失うもの。

主流秩序論的に分かるなあと思うところが多い。

 

以下、一部だけ紹介
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 そうなんです。だから米国の地元の高校で講演をすることもあるんですよ。人生は限りがある。だからやりたいことをやるために、これからの人生を使おう。そういう決断を47歳でした。そのためにすべてを一度捨てた。この過程そのものを話します。
学校を卒業して、米国のレコード会社がCDを出してくれるわけでもないから、自分で音楽レーベルを作ってネットで売っている。そういう話をすると、「結局、捨てたのは何?」「逆に手に入れたのは?」といった突っ込んだ質問が高校生から来るんですよ。


 ――「何を捨てたのか」は、ぜひ聞きたいです。

 

 「アメニティグッズみたいなもの」を捨てたんだと思います。たとえば、誰かに運転してもらってその間に仮眠をする、といったことですね。今だったら移動は全部自分で公共交通機関に乗って、必要な機材を担いでします。これがいちばん違いますよね。

 

 

――人にサポートしてもらうことを捨てた? 

 

 サポートというより、コンフォータビリティ(快適さ)みたいなもの。それはそれで価値のあることではあったのですが、今の僕はもっと別のところに照準を当てていて、そっちに価値を見いだして生きている。その価値観の中では、コンフォータビリティはいちばん重要じゃなくなったんですよね。

 


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 肝炎のような身体的な問題があったのも、やっぱり休養が足りなかったのかなあ、と思ってしまう。ゆっくり休んで、ワインを飲んで、翌日起きて、「今日も生きてて、こうやってぱちっと目が開いた。何だってできるよね、恥なんて捨てて! とりあえず犬の散歩に行きますかね」っていう感じになれば、もう一度わくわくしてくる。

 

  人生って、時々休んで思い切り羽を伸ばせて、話を聞いてくれる最高な仲間が1人でもいたら、十分なんとかやっていける。たくさんの人に囲まれていなくても、高級車で移動しなくてもいい。電車で移動したほうがむしろ、そこでどんな出会いがあるか、何が始まるかわかりません。


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APOLLO』(1990年9月発売のアルバム)を出してオリコンランキング1位を取った直後ぐらいに、ライブツアーの会場で不思議な光景を見たんです。前回のツアーでいた人が、1列分ぐらいいないんです。地方の公演でしたね。あれ?  今オリコン1位なのにどうしていなくなっちゃったんだろう? って。ヒットして最大公約数のファンを得ることは、本当に好きな人を減らすんだな。これは覚悟しなきゃいけないときが来るんじゃないかな、って直感しました。それが見えたのは、僕だけだったんですよ。

 


 悔しい思いをした後に実際に音楽の世界で旬が過ぎ始めて、いろいろ頑張ってみたら次に仕事がつながってきて、そうしたらまたちょっと浮上して……という時期を迎えました。それが40代半ば。そのときにちょうど肉親の死が重なったこともあり、「僕はいつまでやるんだろう。やるんだったら覚悟を決めなきゃいけないことがあるんじゃないか」と思った。それで、どうなるかまったくわからない世界だけど、別の次元に行ってみたいという思いを止められなかった。こういう経緯がすべてあって、今ここにいるんだなと思う。

 


 

――近著の中で「運命を変えることは難しいかもしれないが、自分がどう生きるかは自分自身が決めることだ」という言葉があります。コンペで選ばれるかどうかは運命のようなもの。でも結果がどうであれ、そこに挑戦するかどうかは全然別の意味がある。