ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

高須さんが右翼言論人であることは明らかなのに

 

高須克弥さんはこの数年、ネットで右翼言論人として発言しているのですが(右翼との写真問題もあった)、

ある知り合いは、「あの人ってカンパしたりして応援しているからいい人なのでは?」といっていて、今のSNS情報社会でイメージが作られているなあと思います。


以下の記事、その高須のひどさを外国は事実でもってちゃんと指摘しているという話ですが、日本社会で、こんな妄言を言う人が存在し有名人として発言し続けられるということの愚かさよ。

 

*************

 

アウシュビッツ記念館が高須克弥さんに日本語で忠告「アウシュビッツは史実です」
3/17(日) 15:07配信

 

@AuschwitzMuseum のTwitterより
ポーランドアウシュビッツ記念館の公式Twitterが、日本語で異例の忠告コメントを出した。(浜田理央 / ハフポスト日本版)

 

【ツイート】アウシュビッツ記念館が高須克弥さんに日本語で忠告

高須クリニック高須克弥院長が、第2次世界大戦下にアウシュビッツ収容所で起きたユダヤ人に対する大量虐殺(ホロコースト)が捏造だと持論を述べたのに対して、リプライ欄で忠告したのだ。

発端は高須院長の2015年10月19日のツイートで、「南京もアウシュビッツも捏造だと思う」とつづった。

これに対して、アウシュビッツ記念館が2019年3月15日、コメント欄で「アウシュビッツは史実」と忠告し、高須院長の歴史的事実に反する認識を正した。

アウシュビッツは世界中の人々の心に絶えず忠告する史実です。 ナチス・ドイツによって造られたその強制・絶滅収容所の史跡は、 人類史上最大の悲劇を象徴しています」

アウシュビッツ記念館のTwitterは普段、英語とポーランド語で情報発信しており、日本語でのコメントは異例と言える。

ツイートには、第2次大戦下にナチス・ドイツ軍による大量虐殺の現場となったアウシュビッツ収容所の歴史や、現在の博物館の活動などが書かれた日本語の冊子のリンクも添付されている。

アウシュビッツ記念館の忠告に対して、高須院長は3月16日「全ての歴史は検証されるべきだと思います。これが正しい科学者の姿勢だと思います」と反論している。
ホロコーストとは
アウシュビッツ強制収容所は1940年、ナチス・ドイツが当時ドイツ領だったポーランド南部のオシフィエンチムに建設。連行されたユダヤ人の数は約110万人で、そのほとんどがガス室などで殺害された。

朝日新聞(2006年12月17日朝刊、2015年5月26日朝刊)によると、当時の西ドイツのヴィリー・ブラント首相が1970年、初めてポーランドワルシャワを訪問。ユダヤ人ゲットーの記念碑の前でひざまづき、ナチス・ドイツ時代のユダヤ人虐殺について謝罪の意を表した。
浜田理央 / ハフポスト日本版
【関連記事】

3・18参議院予算委員会での山本太郎発言

いったいどこが「不穏当」なのか。3・18参議院予算委員会での山本太郎発言を振り返ってみた


2019nenn3 /19(火) 8:32配信

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190319-00188252-hbolz-soci


(ハーバー・ビジネス・オンライン)


 自由党共同代表で国民民主党新緑風会山本太郎参議院議員は3月18日、参議院予算委員会辺野古の新基地建設をめぐって質疑を行った。山本議員は、政府が沖縄の民意を踏みにじっていることを痛烈に批判。インターネット上で話題になった。

 以下、山本議員が午前中に行った質疑と、安倍晋三内閣総理大臣らの答弁を文字起こししてお伝えする。

◆玉城知事の参考人出席を自民党が反対。参院は官邸の下請けか

山本太郎議員(以下、山本議員):はい、自由党共同代表山本太郎です。会派国民民主党・新緑風会を代表し、総理に全てお聞きをする前に、本日の委員会で野党側が要求していました参考人玉城デニー沖縄県知事について。理事会で自民党が反対をいたしました。デニー知事を参考人としてお呼びできませんでした。先日我が会派・森ゆうこ議員の新基地建設に対する質疑に防衛大臣は「沖縄に聞いてくれ」との趣旨の答弁をしました。その後、理事会でデニー知事を参考人として要求。結局自民党は反対。委員長、玉城デニー知事の参考人出席、自民党が理事会で反対をした理由、教えてください。

金子原二郎委員長(以下、金子委員長):山本くん、参考人の出席につきましてはね、あなたもかつて理事会に出席しておいてなんで、協議が調わない場合は、一応出席できない状態になっているわけであって、その賛否についてはね、ある場合とない場合がありますから。合意するかどうかにかかっているわけですから、合意に至らなかったんで結果的にはダメだったということです。

山本議員:ありがとうございます。ただいまお答えいただいたのはあくまでもルール、全会一致が原則ルールだということを主に説明していただいたと思います。理由がないのに反対だなんてありえますか。合理的説明もできない反対なんてありえないじゃないですか。どうしてデニーさん呼べないのかって話なんですね。その際野党は再度検討を求めましたが、委員長はそのまま仕切って参考人の話は打ち切り。公平公正な委員会運営とは程遠いと思います。NHKのテレビ入りで沖縄の実情をデニー知事に話されると官邸の、政権側の印象、立場が悪くなる。本当の反対理由これじゃないですか。自民党参議院自民党、官邸の下請け、そういう仕事じゃないですか、今やってるのは。私はそう思いますよ。

<一時速記中断>

金子委員長:ただいまの不穏当な言葉があるとのご指摘がありましたので、委員長といたしましては後刻、理事会において速記録を調査の上、適当な処置を取ることといたします。

山本議員:いやいや、だって、玉城デニー知事を呼ばない理由がはっきりしないんですよ。合理的説明できてないじゃないですか。反対理由なんですか。政権に対してこれ打撃を与えたくない。デニーさんに本当のことをしゃべられたら困るっていう話以外見つからないじゃないですか。だから官邸の下請けじゃないですかってことを言ってるんですよ。ここは立法府であり行政を監視することも仕事です。行政監視の一環として大きな問題を抱え、苦しみ続ける沖縄の皆さんに対して、基地問題、当事者の代表、デニー知事にお話を伺い、少しでも解決に導こうとすることも立法府の仕事じゃないんですか。立法府にいながら、国民の代表でありながら、政権に忖度することが議員としての最優先課題ならば、それは自分のキャリアアップや就職活動のための仕事でしかないじゃないですか。そんなことのために沖縄の声を直接聞き、解決の糸口を探る機会を奪わないでいただきたい。再度玉城デニー知事の参考人出席を求めます。

金子委員長:理事会で協議をさせていただきます。

◆安倍首相は「沖縄に寄り添う」ことができているのか?

山本議員:では始めます。時間ももう少なくなってきましたけれども、お昼休みまでですね。今国会の中で総理、私の事務所で調べただけで10回ですね、10回「沖縄に寄り添う」という言葉を発言されています。総理これまで10回もご発言された通り、沖縄に寄り添うという気持ちは本物であると、それを確認させて頂けますか。

安倍晋三内閣総理大臣(以下、安倍総理):沖縄に米軍基地が集中をしているというこの現在のこの現状ですね、我々は到底是認できるものではないわけでございまして、沖縄の米軍基地の縮小のためにこの6年間我々も全力を尽くしてきたところでございます。今後ともその姿勢には変わりがないということを申し上げておきたいと思います。

山本議員:ありがとうございます。「寄り添う」。この「寄り添う」という言葉を調べてみると、「ぴったりと側へ寄る」とあります。自分の感情を相手の気持ちと同化させるよう、同化させるようにするようなこと。いかにも、いかに相手の気持ちを汲み取れるか。それに自分の心を寄せていく様が寄り添うということのようです。沖縄県民投票の結果、辺野古に基地はいらないと圧倒的な民意がはっきりした翌日、埋め立ての土砂を積んだトラックなど約300台が資材搬入ゲートを通過。琉球新報では名護市阿波にある桟橋で工事車両583台が運搬船3隻に土砂を積み込んだと。沖縄県民、沖縄県民投票では72%が反対。超圧倒的明確な結果を完全に無視した、聞いたことがない寄り添い方です。これ本当にどうやって寄り添っていくのかということですね。この後総理にも聞いていきたいと思うんですけれども。

◆防衛相が1万ページの報告書を予算委員会の終盤で提出

山本議員:先日ですね防衛省の方が、軟弱地盤に関わる地質データを含む約1万ページにも及ぶ報告書などが防衛省から出されたんですね。これやっと出したかって話なんですよ。なんか聞くところによると、防衛大臣がずいぶん出されることに抵抗をしていたというお話を聞いています。予算委員会が終盤に入ったこのタイミングで、1万ページもの資料提供。出さないよりかいいですけど、このタイミングですかって。もう終わりますよ、予算委員会防衛省が提出を粘り続けたのは本委員会での議論を避けたい意図があるとしか考えられない。この短い間に、もう3月、3月いっぱいでこの委員会終わっちゃうのに1万ページ。これ詳細に検討するってむちゃくちゃ大変な話ですよ。

 こういうこと今までもありましたよね。森友学園の関係資料。ギリギリになって出してきた。大量に。他にもありましたよ。去年の入管法。その時に実習生の個人情報、マスクをして黒塗りをして出し、いつもみたいに、黒塗りをして出してくれればいいのに、それもせずに手書きで写せと。野党は普段仕事をしなきゃいけない時間を削りながら一枚一枚写経をするようなことをずっと続けてたわけですよ。あまりにもありえないと言いますか。これ国会の審議をまともにやろうという考えからかけ離れている。もっと正々堂々とやりましょうよという話なんですね。

 この軟弱地盤、ね、関わる地質データを含むこの報告書1万ページを超えるようなものを今、全国の心ある土木技師や関係者の方々が詳細に読み解いていってくれています。これ委員長に求めたいんですけれども、予算が成立した後も、この沖縄問題、軟弱地盤の問題もあります。これひょっとして変更、設置変更の内容というものを軟弱地盤という部分を隠しながら出してたというような疑いも持たれているわけです。なので、予算委員会が終わったとしても、その後沖縄問題として集中の審議をして頂く事をご検討ください。

金子委員長:理事会で協議をさせていただきます。

◆沖縄の県民投票の結果、「真摯(しんし)に受け止める」

 今年2月24日に投開票された沖縄の県民投票では、辺野古沖の埋め立てに反対する人が7割を超えた。安倍首相は3月1日、玉城デニー沖縄県知事と会談。埋め立て中止を求める玉城知事に対して、「真摯(しんし)に受け止める」と答えたものの、工事が止むことはなかった。

 山本議員の言っていることはまったくの正論である。果たしてどこが「不穏当」なのか? 自民党参院議員のお歴々には、山本太郎議員の辛辣な発言を糧にして、方向を間違えないように奮起していただきたい。

<文/HBO取材班>
ハーバー・ビジネス・オンライン
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山本太郎氏、日本母親連盟を支持者の面前でぶった斬り!
沖縄県民投票、結果を捻じ曲げる下地ミキオ議員の呆れた言説とその背景
沖縄県民投票で辺野古基地建設「反対」が7割、43万票。玉城知事、安倍首相やトランプ大統領との対話に意欲
難工事で長期化・費用増が指摘される辺野古基地建設。菅官房長官の「一般的な工法でできる」発言は本当か?
12日内閣委員会で山本太郎がぶつけた、極めて真っ当な正論について


最終更新:3/19(火) 21:57
HARBOR BUSINESS Online

HARBOR BUSINESS Onlineの前後の記事
安倍首相の防大卒業式における改憲意欲表明が「論外」である2つの理由写真 3/19(火) 8:33
攻めの節税。扶養家族の適用範囲は意外と広い! 実家の両親に仕送りしている人は節税のチャンスあり写真 3/19(火) 8:31

沖縄 署名

 

https://secure.avaaz.org/campaign/jp/save_henoko_12/?csyWGab

 

安倍晋三首相、菅義偉官房長官、ならびに玉城デニー沖縄県知事:


"私たち日本の市民は、今年2月24日の沖縄県民投票で示された圧倒的な民意を尊重し、辺野古の米軍基地新設を直ちに中止するよう求めます。辺野古の貴重な自然は、沖縄にとっての宝であり、その決定権は沖縄の人々がもつべきです。沖縄本土に残された沿岸部の貴重な生態系や環境を破壊する上、軟弱地盤のため総工費は青天井と言われるなど、基地新設が様々な問題を抱えているにもかかわらず、何度も民意を無視し、土砂投入により基地新設を既成事実化する首相の方針を、これ以上受け入れることはできません。

投票結果を受け、安倍首相はこうおっしゃいました:「投票の結果を真摯に受け止め、これからも基地負担軽減に向けて全力で取り組んで参ります。」沖縄の人々と共に、私たちはこの約束を果たすようお願い申し上げます。"


先日の沖縄県民投票で、沖縄の人々は改めて明確な意思表示をしました -- 投票者10人中7人が辺野古の米軍基地建設に反対したのです!

しかし、安倍首相は県民の声を完全に無視、辺野古に広がるサンゴ礁や貴重な生態系を徹底的に破壊しようとしています。

今月末にも政府は新たな区域に土砂投入を進める方針で、その面積は、現在埋め立て中の区域のおよそ5倍にも及びます。けれど今ならばまだ、辺野古の自然を守ることはできます。

 

県民投票に法的拘束力はないものの、これは沖縄の人々から日本全国の人々へのメッセージなのではないでしょうか?玉城デニー県知事は、県民の意志を日本政府に届けようと全力を尽くしています。辺野古を守るよう求める意見書にできるだけたくさんの人が署名すれば、辺野古の美しい海を破壊から守ることができるはずです。

 

ご署名の上、キャンペーンを大きく拡散してください!1万人のご署名が集まり次第、Avaazは署名者数と同数の意見書を、署名者のお名前を記載し、玉城県知事への応援のメッセージとして送ります。その上で、辺野古保護を目指し日本中の人々が団結していることを示すため、首相府にも届けます。


投稿日: 2019年3月5日

野田市虐待死 DV受けていた母親が「この子さえいなければ…」と追い詰められる負の連鎖

https://dot.asahi.com/dot/2019021400015.html?fbclid=IwAR0AnCUTsLNVCkv_9dAQE4f6G-rEMVVXkM30-0Dmwzlz7Q_9_mLo1lAFn3M

 

野田市虐待死 DV受けていた母親が「この子さえいなければ…」と追い詰められる負の連鎖
吉祥眞佐緒

2019.2.14 11:23dot.#出産と子育て

 


傷害容疑で千葉県警松戸署から送検された栗原なぎさ容疑者(c)朝日新聞社

 千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛(みあ)さん(10)が自宅で亡くなった事件は、痛ましい事実が徐々に明るみに出ている。14日に心愛さんに対する別の傷害容疑で再逮捕された父・勇一郎容疑者(41)が虐待する様子を、母親のなぎさ容疑者(31)が撮影していたこともわかり、長時間立たせたり、食事を与えなかったこともあったという。

【もうこの笑顔はみられない。亡くなった心愛さんの写真はこちら】

 

 小学校のアンケートで「お父さんにぼう力を受けています」と書いたことをきっかけに、心愛さんは一時保護され、その後は親族宅で生活。しかし、父親からの強い要求や恫喝により市教育委員会がアンケートのコピーを父親に渡したほか、柏児童相談所は虐待のリスクが一時保護解除時より上昇しているのを把握しながら、帰宅を認めていたと報じられている。

 

 父親に虐待される我が子を、どうして母親は守ることができないのか。どうして児童相談所などの関係機関は判断を誤るのか。そして、なぜ悲しい事件が繰り返されてしまうのか。

 DV被害者支援団体「エープラス」代表の吉祥眞佐緒さんは「児童虐待が起きている家庭には、もれなく両親の間にDVがあると考えられる」と指摘する。それらが縦割りで連携できるシステムがないことに問題があると危機感を持つ。

*  *  *


「もうお父さんとは暮らしたくない。お母さんとふたりだけで暮らしたい。でもダメって言われた」

 これは少し前に私の事務所に相談に来たA子さん(30代)の子どもBくん(小学生)の言葉だ。

 

 千葉県野田市の自宅で小学4年生の栗原心愛さん(10)が亡くなり、両親が逮捕された事件の報道を目にして、Bくんのことを思い出した。どうしてこのような悲しい事件が無くならないのか、DV被害者支援の視点から考えていきたい。

 

 A子さんは夫から首を絞められるなどの身体的暴力を受けていたほか、毎日のように家事や育児にダメ出しをされ、怒鳴られていた。DVが始まったのはBくんを出産した直後。結婚当初は夫婦共稼ぎで、出産後も仕事と育児を両立するつもりだったが、夫は家事や育児には全く理解も協力もしないどころか、細かいことにダメ出ししては、A子さんに暴力を振るうようになった。


子ども中心の生活になってしまったことを夫に申し訳なく思い、「もう少し自分が努力すれば夫の気持ちも満たせるようになるかもしれない」と、夫のごきげんを取るような生活になっていった。どんなに頑張っても、夫はA子さんの努力を認めて労わってくれることはなく、それどころか暴力は日ごとにエスカレートしていった。

 

 夫が求めるような家事と育児の両立はA子さんにはとても負担が大きく、

「家のことを完璧にできない自分は、仕事をする資格もない」

 そう思い詰めるようになり、やりがいのある仕事を辞めて、家事と育児に専念した。しかし、仕事をやめたからといって夫からもらえる生活費は増えるわけではなかった。

 

「お前のしつけが悪い」
「家計のやりくりもできないなんてだらしない」

 そういわれると、A子さんは何も言えなくなってしまった。何をやっても認めてもらえず、少しでも夫の気に障れば、容赦なく拳や物が飛んでくる。

「どうしたら夫に怒られないか」

 そればかりが24時間ずっと頭の中を支配した。

 

 しかし、A子さんがどんなにつらくても、殴られて身体が思うように動かなくても、小さなBくんにはA子さんの辛さがわかるはずもない。お腹が空けば騒ぐし、眠くなったらグズる。夫に殴られていても隣で何事もなかったかのように遊んでいるわが子に対して、いつしかA子さんは怒りを向けるようになった。

 

「この子さえいなければ……」

 24時間止むことのない緊張感と恐怖感が、彼女の感情の矛先を歪めてしまったのだ。

 当初、A子さんの相談の目的は離婚やDV被害の相談ではなく、Bくんを施設に預けたい、という趣旨のものだった。

 

 報道によれば、心愛ちゃんの母親は女児が日常的に暴行を加えられていることを知りながら、黙認していた可能性があるという。また、母親は、事件後に知人に対して「仕方なかった」という内容のLINEを送っていたことも明らかになっている。どうして母親が虐待されている子どもを守らないのかと疑問に思う人もいるだろうが、それが難しいのが現実なのだ。


なぜなら、児童虐待が起きている家庭には、もれなく両親の間にDVがあるからだと私は考える。DVとは、必ずしも殴る蹴るなどの身体的な暴力だけを指すものではなく、逮捕された栗原勇一郎容疑者のように、「お前は無能だ。何もできないバカだ」といった暴言のほか、お金の使い方を管理したり、行動の監視、親族や友人との連絡を禁じて孤立させたりする行為も立派なDVだ。しかし、身体的暴力以外のDVは被害者自身も自覚しにくく、第三者にも発見しにくい。

 

 虐待者である父親が、家庭の中で絶対的な権力を誇示するために、または家族を支配するためにあらゆる暴力を使う(使ってもいいと思い込んでいる)というゆがんだ家族観は、それが配偶者に向かえばDV、子どもに向かえば児童虐待という言葉に変化する。問題の根本は加害者が持っているゆがんだ価値観にあり、DVも児童虐待も全く同じであると言える。

 

■父親に押し切られた教委と児相の問題点

 

 柏児童相相談所や学校は、父親の虐待を認識していた。しかし、一度は心愛ちゃんを一時保護したものの、父親の親族に預けることになった経緯や慎重な検討をせずに父親のもとに戻す決定をしたことについては大きな疑問がある。逮捕後数日経ったが、未だに父親は警察の取り調べに対し、「自分の行為はしつけだった」として反省の言葉は出ていないという。今後も捜査が進展するにしたがって、さらなる悲しい事実が出てくるだろうと思うと、胸が痛い。

 

 今回の事件は間違いなく、関係機関の連携不足にあったと思う。当事者である児童相談所をはじめ学校や教育委員会等の関係機関は責任のなすりあいをしたように見える。自分たちが心愛ちゃんを救わなければならないという意識よりも、“しつこくて威圧的でうるさい父親”の対応方法を間違えて、結果的に言いなりになってしまった。

 

 専門家や識者は児童相談所の人員不足を指摘し、関係機関の連携強化や情報共有、学校現場に弁護士や警察OBを配置する人員強化に賛同するコメントが多いが、果たして人員を増やしただけで、本当に問題は解決するのだろうか。


話をA子さんとBくんに戻そう。

 Bくんもかつて、児童相談所に一時保護された経験を持つ。土曜日に持ち帰った上履きがランドセルに入れっぱなしになっていたことに母親のA子さんは激怒して、上履きでBくんの顔を叩き、B君は赤く腫れあがった顔のまま登校。学校からの虐待通告により、そのまま一時保護された。

 

 Bくんの話によると、児童相談所の生活は、決して安心して過ごせる場所ではない。

 職員は子どもを名前でなく番号で呼び、子ども同士の私語は禁止されていたという。服も下着さえも施設が用意したものに着替えなければならず、もちろん携帯電話の使用も持ち込みすらもできない。一緒に保護されている子どもたちは虐待の被害者もいれば、非行で保護されている子もいるわけで、職員は子どもたちのケアというよりも、管理で手一杯という印象を受ける。私語禁止と言われても、職員の目を盗んでいじめもあるという。

 

 子どもがたった一人で保護されて、そこが安心できる場でなければ、多少父親にひどい目に遭ったとしても、慣れ親しんだ家で大好きなお母さんと暮らしたいと思うのは自然だろう。それでも保護してほしいという子どもには、よっぽどの事情があると考えないといけないのだ。

 

 A子さんは自分のしてしまったことを深く反省し、今後は二度と子どもに暴力を振るわないと約束し、Bくんも家に帰りたいと強く希望したため、児童相談所での何度かの面談を経て、早い時期に家に帰ることができたそうだ。しかし、この間に、A子さんの夫は仕事の多忙を理由に一度電話で事情を聴かれただけだったという。児童相談所は、A子さんによる子どもへの身体的虐待だけに注目し、その背景について訊ねることはなかったのだ。

 

 Bくんが帰宅した後、この家族への介入は終了し、案の定A子さんが夫から受ける暴力はエスカレートした。同時にA子さんはBくんへの虐待を止めることができず、いっそ子どもを手放した方がお互いのためなのではないかと考えて、知人のつてをたどって私の事務所に相談に来た。その時にBくんが私に話してくれた彼の気持ちが冒頭の言葉だった。


時、A子さんの思考にはだいぶ危険な偏りがあった。普通の生活がしたいだけなのに、どうして私だけがこんな目に遭うのかと自分の人生を恨んだ。自分ひとりなら、夫から逃れても何とか生きていけると思うけれど、私なんかにこの子を育てられはしない。この子がいなければよかったんじゃないのか……。そう思いつめていた。でもそれは多くのDV被害者がそうなるのと同じで、DV被害の影響によるところが大きいように思う。母親だけを責めるわけにはいかないと私は思う。

 

 児童相談所の介入のきっかけはBくんへの虐待だが、子どもが受けている直近の虐待行為という事象だけでなく、その行為の背景には何があるのか、家族の関係や両親の夫婦関係はどうなっているのかという、家族そのものを大きな枠で見極めていく必要がある。しかし、DV問題と児童虐待の問題は縦割りとなっており、それを繋げるシステムは未だ構築されていないといえる。

 

 児童虐待防止法では、子どもへの直接的な暴力だけでなく、配偶者への暴力(DV)も児童虐待であると定義している。しかも、子どもの面前で暴力を見せることだけではなく、常に暴力的で緊張感が充満する空気の中で生活させることが虐待なのだ。

 

 経験上、被害者がどんなに加害者を怒らせないようにと努力しても、被害者の努力やがんばりで加害者の虐待行為をやめさせることはできない。A子さんは何とかしなければならないと、誰かに相談することを選んだが、栗原容疑者をはじめ、多くの虐待加害者は「自分の“しつけ”は間違っていない」とか、「自分には家庭内で暴力を振るう特権がある」という信念があるので、加害に気づいて自ら誰かに相談することはほとんどないのが実情だ。

 

 DV被害者支援の視点から考えると、今回の心愛ちゃんの事件も、Bくんの虐待加害者として扱われたA子さんの件も、児童虐待の関係者にDVの視点があれば、もっと早い時期に子どもを救うことができたし、DV被害者である母親を救うこともできたはずだ。
海外では、家庭内の児童虐待の問題やDVの問題は“ファミリー・バイオレンス”とも呼ばれ、大きな社会的課題として認識され、各国はそれぞれの取り組みを行っている。虐待に対するとらえ方や対策は国の文化や宗教観によって様々だが、子どもと親の人格は別個のものだとして、子どもの権利が尊重されている。日本では子どもの権利よりも親の権利が重視され、“しつけという名の虐待”が未だに正当化されて堂々と行われている。

 

 幸いBくんは、自分の気持ちを大人に伝える力のある子だった。そのため私達は、お父さんとはいっしょに暮らしたくないが、お母さんと一緒に暮らしたいという希望をかなえるにはどうしたらよいか、一緒に考えた。Bくんとは別に、A子さんの状況を改善するには何が必要かを一緒に考えた。BくんとA子さんは親子ではあるが、それぞれ立場が違うので、ニーズも違う。それぞれの話を、時間をかけてすり合わせていくことで、受けとめてもらえる実感や安心感が気持ちの安定や生きる力につながる。不信感を抱いていた関係者との信頼関係も再構築できるようになり、今は2人で静かに暮らしている。

すぐにカッとなって他者に攻撃的になっていたA子さんは、今では顔つきも変わり、別人のように穏やかだ。

 

「もちろん今も親子ゲンカするし、カッとなることもしょっちゅうあります。でもそんなときには話を聴いてもらえる人が増えたんで、前のように気持ちが追いつめられることはもうないです」

 

 一つひとつの相談に丁寧に対応するには、多くの時間と支援の輪が必要だ。児童相談所の専門職の人員増も最重要課題だが、児童相談所だけが抱える必要はないと思う。児童虐待とDVの関係機関の連携と同時に、行政と民間支援団体との連携が、虐待のない社会づくりの早道だと信じている。そしてみなさんが「しつけ」や「指導」という名の暴力を容認しないことも、引いてはDVや虐待防止につながる社会のうねりになると信じている。(文・吉祥眞佐緒)

 

吉祥眞佐緒(よしざき・まさお)/一般社団法人「エープラス」代表。DV被害を受けた女性たちの自助グループから、2006年に同団体を設立。電話相談や行政機関、警察、裁判所などへの同行、親子カウンセリングを通じてDV被害に悩む女性を自立までサポートする活動を続ける。関東を中心にデートDV防止プログラムや講演活動も。

『続 デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』

 

以下の本が紙の本で入手できるようになりました。アマゾンから入手できます。

 

伊田広行『続 デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』
(Kindle、増補PODペーパーバック版、2019年3月)

 

 

 

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DV関係の事件の記録が半分の分量あります。
拙著「デートDV・ストーカー対策のネクストステージ」の続編です。


以下目次

 

目次
はじめに 2
1章 DV/ストーカーへの対処 5
1-1 怒りをもたらす考えを根元から変える――シングル単位の感覚 5
(ア)相手と一致する必要はない、と知ること 5
(イ)シングル単位の感覚を知る 6
(ウ)全否定されたと感じないよう、自己肯定の核を育てる 8
1-2 シングル単位の関係 10
1-3 これを実践するかどうかが大事――加害者がまともになっていくイメージ 11
1-4 シングル単位の恋愛観では“愛する人は自分のものではない” 14
1-5 『恋愛のルールなんて、みんなまちがい』 18
1-6  加害者の特徴と、戻りそうになった時に思い出すこと 19
(ア)加害者にみられやすい39個の特徴 19
(イ)よりを戻したくなった時に思い出すこと 22
1-7 DV・ストーカーにかかわる、リベンジポルノ関係・ネット関連の情報 23
(ア)セクストーション 23
(イ)セクスティング 30
(ウ)危険なアプリ、情報抜き取りの問題 32
添付資料  青森県パンフ・親が注意すべき点 45
2章 加害者の考えを扱う 49
2-1  相手と自分の課題の分離 49
2-2 表面の願いとその奥にある本当の願い 51
2-3 認知行動療法とDV加害者プログラム 52
2-4 感情の動員 54
2-5 反省とは何かーー加害者プログラムのあり方をめぐって 56
3章 DVの周辺 60
3-1 心的外傷、学習性無力感 60
3-2  恋愛と友情はグラデーション 63
3-3 誠実さと距離のとり方(秘密)のバランスについて 66
3-4 広い視野で、性や関係性を捉える 70
3-5  被害者が、もてるなら、もっておいたらいい観点 71
4章 DV対処のネクスト・ステージ 74
4-1  恋愛関係もDV法の対象とするのが合理的――従来の法律関係者の見解批判 74
(ア)シェルターのあり方 74
(イ) 小島妙子氏のデートDV理解をめぐって-―恋愛は結婚への途上か 74
(ウ)小島妙子氏のデートDV理解をめぐって-―恋愛は排他的性関係ではないのか 76
(エ)小島妙子氏のデートDV理解をめぐって――性関係拒否がDVの主因か 77
(オ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――同居だけが発見困難で重度なのか 79
(カ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――退去命令を出さないといけないからという転倒 80
(キ)改正DV防止法・提案者理由をめぐって――結婚という形式以外でも認めているという矛盾 82
(ク)調査から浮かび上がる現行規定の矛盾 84
4-2 加害者プログラムの運営について様々な論点 88
4-3 DVという呼称をめぐって――ジェンダー以外の抑圧要因を視野に入れてのDV把握へ 96
4-4 「偽DV」(でっちあげDV)の問題 99
4-5 弁護士の倫理と性暴力 101
4-6  加害者プログラムについて 106
補論 「ジェンダーと貧困の絡み合い――DVを中心として」 109
『DVと貧困の絡み合いを暴く』パンフレット  (2008年作成) 117
資料  DV・ストーカー・リベンジポルノ系 事件一覧 135
奥付 297

 

レスリー・ゴア『私はあなたのものじゃない』

レスリー・ゴア『私はあなたのものじゃない』

 
いい曲を教えてもらいました。
レスリー・ゴア」(Lesley Gore)の
『私はあなたのものじゃない』(You Don’t Own Me) 

 

f:id:hiroponkun:20190306035949j:plain



1964年全米2位の曲
1位はビートルズ『I Want To Hold Your Hands(邦題:“抱きしめたい”)』

デートDVのまなびにもなります。

https://www.youtube.com/watch?v=JDUjeR01wnU

Graceのものもあります
https://www.bing.com/videos/search?q=%e3%80%80you+dont++own+me&qpvt=%e3%80%80you+dont++own+me&view=detail&mid=75FEAEC0B77020F5A3CB75FEAEC0B77020F5A3CB&&FORM=VRDGAR

 

f:id:hiroponkun:20190306040050j:plain



****************
You don’t own me
I’m not just one of your many toys
You don’t own me
Don’t say I can’t go with other boys

And don’t tell me what to do
And don’t tell me what to say
And, please, when I go out with you
Don’t put me on display

’cause, you don’t own me
Don’t try to change me in any way
You don’t own me
Don’t tie me down
’cause I’ll never stay

I don’t tell you what to say
I don’t tell you what to do
So, just let me be myself
That’s all I ask of you

I’m young and I love to be young
I’m free and I love to be free
To live my life the way that I want
To say and do whatever I please

And, don’t tell me what to do, yeah
Don’t, don’t you tell me what to say
And, please, when I go out with you
Don’t put me on display

I don’t tell you what to say
I don’t tell you what to do
So, just let me be myself
That’s all I ask of you
I’m young and I love to be young
I’m free and I love to be free
To live my life the way that I want
****

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私はあなたのモノじゃないわ
私はあなたのおもちゃの 1 つじゃないわ
私はあなたのモノじゃないの
他の男の子と遊ぶな なんて言わないで

ああしろとか、こう言えとか、いちいち指図しないで
それにお願いだから、あなたと出かけるとき
私をモノみたいに周りに見せびらかさないで


だって私はあなたのモノじゃないから
このままでいいの 私を変えようなんてしないで
べつに私はあなたのモノじゃないのよ
私を束縛しないで
そんなことしたら私は離れていくしかないわ

私はあなたにああしろとか、こういえとか言わないでしょ
だから こっちのことだって ありのままでいさせてよ
私が望むのはそれだけなの

私はまだ大人じゃないけど、そのことが嬉しいの
私は自由だし、自由が好きなの
人生を好きなように生きられて
言いたいことを言って、やりたいことがやれるのが嬉しいの

だからああしろとか言わないで
こう言えと指図しないで
御願いだから あなたと出かけるとき
私をモノみたいに周りに見せびらかさないで

ああしろとか、こう言えとか、いちいち指図しないで
そして私を私らしくさせて
私が望むのはそれだけなの

私はまだ大人じゃないけど、そのことが嬉しいの
私は自由だし、自由が好きなの
自分の人生を好きなように生きることができるのが嬉しいの

******** 

 

安倍首相、また口先だけのウソ・・・辺野古「真摯に対応」安倍首相の発言に批判相次ぐ 

安倍が口先だけなのはずっと前からですが、阿部や自民党を支持する人は、いつまで騙されるのでしょうか。

以下記事。

 

辺野古「真摯に対応」安倍首相の発言に批判相次ぐ 小沢一郎氏「真摯に受け止めたためしがない」
2/25(月) 10:59配信   東スポ

 

本気度を疑問視した
 安倍晋三首相(64)は25日、沖縄普天間基地の名護市辺野古への移設の是非を問う県民投票の結果を「真摯に受け止める」と話した。

 

 これを受け、自由党小沢一郎共同代表(76)はツイッターで「総理は『真摯に受け止める』と言って、真摯に受け止めたためしがない。『無視する』が真実」と指摘。

 

「政府からは『関係なく工事を進める』とか、そんなコメントしか聞こえてこない。尊い民意を無視し、踏みにじる。美しい国が聞いてあきれる。愚かで醜い政治には『鉄槌』が下されなければならない。国民の手で」と批判した。

 

 また、経済学者の金子勝氏(66)はツイッターに「また『真摯』の安売り」と題して投稿。

 

「またアベは沖縄県民投票の結果を『真摯に受け止める』という。真摯に受け止めるとは,辺野古新基地建設工事を即時中止すること。立地ミスの税金浪費公共工事を続けるのは『県民投票を無視する』と言います。アベは日本語も破壊する」と苦言を呈した。

 

 

 ジャーナリストの津田大介氏(45)は「『真摯に受け止め』てないし、『基地負担軽減に向けて全力で取り組』んでないし、『沖縄県民と対話を重ね』てないし、『今後県民と理解求めて全力で対話』するそぶりも見られないし、何というかコメントの全てがウソなのすごいと思う」と皮肉を交えて一刀両断にした。

 

『はじめて学ぶ主流秩序論』など電子本を紙の本にしました

 


過去に電子本で出版したものを紙の本として読めるようにしました。
アマゾンで当該の本のページに行った後、「オンデマンド (ペーパーバック)」のところをクリックすると購入できます。

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●『アドラー心理学で学ぶジェンダー論―――—主流秩序の視点からの新しいアプローチ』(Kindle,2019年2月、オンデマンド (ペーパーバック))1200円+税

 

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●『はじめて学ぶ主流秩序論』(Kindle,2019年2月 オンデマンド (ペーパーバック))1200円+税

 

●『デートDV/ストーカー蔓延の実態と背景 』(Kindle,2019年2月、オンデマンド (ペーパーバック))1800円+税

 

●『続 デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』
(Kindle、増補PODペーパーバック版、2019年3月)2200円+税

 

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動が「声明  死者をも冒涜する日本政府の言 動に抗議する!!」を公表

 

声明  死者をも冒涜する日本政府の言動に抗議する!!
https://maeda-akira.blogspot.com/2019/02/blog-post_21.html

 

前田 朗ブログより

HURSDAY, FEBRUARY 21, 2019


!

声明  死者をも冒涜する日本政府の言動に抗議する!!

 

1月28日、人権運動家・金福童さんが亡くなった。5日間に亘る葬儀には文在寅大統領をはじめ6000人が弔問し、日本大使館前の告別式に向かう行列には1000人が連なり粛々と行進した。

金福童さんの死を悼む声は世界各国から上がった。

 

「第二次大戦中に日本軍の性奴隷とされ、粘り強い闘いを繰り広げて、自身と同様の経験をした何千人もの女性の苦しみに国際的関心を向けさせることに貢献した金福童さんが亡くなった。92歳だった。……金さんと他のサバイバーたちは、(日韓)合意は日本の公式賠償と法的責任の認定が不足していると主張した。金さんは入院後に(和解・癒し)財団の前で車椅子に乗って一人デモを行った。金さんは2016年、ラジオのインタビューで『今まで私たちが闘って来たのはお金のためではない』とし、『私たちが望むのは、私たちの名誉を回復する、日本の心からの謝罪と法的な賠償だ』と述べた。……」(1月30日付『ニューヨークタイムズ』)。

 

この記事に、日本政府が噛みついた。「正義を訴えた戦時性奴隷、金福童さん(92歳)死去」(1月30日付)への返答と題して編集者宛に外務省報道官が送った手紙は、「日本政府は第二次世界大戦中の慰安婦問題は、多くの女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題だということを認めている。日本は、様々な機会を通じて元慰安婦に心からのお詫びと反省の気持ちを伝えてきた。日本と韓国の間の財産及び請求権に関する全ての問題は、慰安婦問題を含めて法的には解決済みだが、日本は全ての元慰安婦の名誉と尊厳を回復し、心の傷を癒す取り組みを行って来た」とし、その例としてアジア女性基金と2015年日韓合意について述べ、「生存者47名中34名が(和解・癒し)財団からの支援金を受け取り、取り組みを歓迎した。これは否定できない事実である」と締め括っている。(2月7日付同紙)。

 

 この投稿には、かつて日本軍の「慰安婦」とされた金福童さんに対する加害国政府としてのお詫びや反省の言葉はおろか、悔やみの言葉すらない。金福童さんの死後に日本政府が述べた言葉としては、ソウルの日本大使館前で行われた告別式について、西村康稔官房副長官が「在韓国大使館の安寧を妨害、または威厳を侵害するものであれば、外交関係に関するウィーン条約の規定に照らして問題がある」と述べたものしか伝えられていない。

 

 「心からのお詫びと反省の気持ち」を持っているならば、まずは金福童さんの死を悼む言葉を述べるべきなのではないか。「お詫びと反省」「名誉と尊厳を回復し心の傷を癒す取り組み」がいかに空虚なものか、日本政府は再び露呈させた。まさに、金福童さんが最期まで、日本政府の謝罪を心からのものと認めず、日韓合意に反対し続けた理由がここにある。

 

 そして、日本軍「慰安婦」問題が未だ解決されていない原因も、日本政府のこのような姿勢にあるのだ。「心からのお詫びと反省の気持ち」は、その言葉を述べれば被害者に伝わるものではない。この言葉を述べた同じ口で「強制連行はなかった」「性奴隷ではない」「法的には解決済み」と主張することによって、その言葉は口先だけのものと被害者らに受け止められてきた。そして今回また、哀悼の言葉も述べずに「他の人たちは歓迎した」と、死者に鞭打つお門違いな反論を展開することで、日本政府はその本音と本質を余すところなくさらけ出した。

 

 私たち日本の市民は、このような政府の言動を心から恥ずかしく思う。日本政府が国際世論対策だと勘違いしている言動は、むしろ国際的に恥をさらすことにしかなっていない。日本政府はこれ以上、死者の名誉と尊厳を冒涜する言動を止め、口先だけではない、被害者に信じてもらえる謝罪を態度で示し、加害国政府としての責任を即刻、果たすよう強く求める。

 

2019年2月20日

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動

 

コルテス議員のスピーチ ―――スタンスが明確な《たましい》こもった生き方の言葉

コルテス議員のスピーチ ―――スタンスが明確な《たましい》こもった生き方の言葉

【全訳】米国史上最年少の女性下院議員がキング牧師ばりの演説


1/26(土) 19:00配信 クーリエ・ジャポン

 

女性、ヒスパニック系、民主社会主義者にして米国史上最年少の下院議員アレクサンドリア・オカシオ・コルテスが、2019年1月19日、ニューヨークシティーのウィメンズマーチで、キング牧師を彷彿とさせる演説をした。クーリエ・ジャポンが全訳でお届けする──。

 

 

こんにちは。ありがとう、ニューヨークシティー
みんな、ありがとう! 

みんな、大騒ぎする用意はいい?
みんな、私たちの権利のために闘う用意はいい?
みんな、アメリカ合衆国では、私たちの国では、誰もが愛され、誰もが正義を受けるに値し、誰もが平等な保護と繁栄を受けるに値すると言う用意はいい?

ここに立ててとても光栄です。

今日、私たちがここに集まっているのが、マーティン・ルーサー・キング・デー直前の週末なのも偶然とは思えません。

というのも、この瞬間、そしていま私たちのいるところは、公民権運動が中断したところからの再開だからだと思うからです。

そのたいまつを前に運ぶため、私たちはここにいます。

というのも、私たちは人種的・経済的正義、人種的・社会的正義を、経済的正義・環境的正義の問題へ、そして私たちの闘いすべての交差性・相関性の課題へと広げはじめているからです。

正義は、本で読む概念ではない。
正義は、私たちが飲む水のこと。
正義は、私たちが吸う空気のこと。
正義は、いとも容易く投票できること。
正義は、女性たちの賃金がいくらかということ。
正義は、母たち、父たち、すべての両親が子供たちと一緒にちゃんと時間を過ごせること。
正義は、お行儀いいのと黙っているのは同じじゃないと確かめること。
事実、しばしば最も正しい行動は、テーブルを揺さぶること。

去年、私たちは投票の力を握りました。
今年、私たちは政策の力を握ろうとしています。
下院を取り戻したからです。
ただ、それは「ステップ1」でしかありません。
今年、私たちはまとまります。
今年、私たちは投票権のために闘います。
今年、私たちは前進しつづけます。

2018年、私たちは下院をとりましたが、これから2020年めがけて、ホワイトハウスと上院もとりにいきます。
誰もが歓迎され、誰も取り残されないところ、アメリカのために前進し、闘う必要があるからです。
今年は歴史的な年ではありますが、ここにはまだ連邦議員になる女性たちがたくさん残っています。市議会議員になる女性たちがたくさんいます。ビジネスを立ち上げる働き手がたくさんいます。未来の大統領もここにいるでしょう。

闘いとは、誰も取り残されないということだと思い起こしましょう。
黒人女性たちの直面する問題について人々が話すのをやめたがるとき、
トランス女性たち、移民女性たちの直面する問題について人々が話すのをやめたがるとき、
私たちは尋ねるべきです──「なんでそれでそんなに居心地が悪くなるんですか」

いまこそ、貧困に取り組むべきときです。
フリント(の水質汚染)に取り組むべきときです。
ボルチモアブロンクス、山火事、プエルトリコについて話し合うべきときです。

これは単にアイデンティティについてのことではありません。正義についてのことなのです。
私たちがこの世界にもたらすアメリカについてのことなのです。

みなさん、ほんとうに、ほんとうにありがとう。みなさんのことをすごく誇りに思います。

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シンガポールのティラミス店をパクった日本の企業に対する日本の反応

 

ディズニーやドラえもん無印良品などを真似をするパクリ放任の中国などを馬鹿にしたり批判してきた日本のメディア(テレビ番組)。


ところが、今回、日本の企業が、シンガポールの有名な会社のロゴや会社名、商品コンセプトなどほとんどパクったという事件が起こった。

 

シンガポール発祥の本家「ティラミスヒーロー」とは、2012年8月、シンガポールで「The Tiramisu Hero」で創業し、日本には「ティラミスヒーロー」として通販やデパート販売等で2013年8月から売っている。


それに対して日本の株式会社HERO'Sは、2018年6月に設立された会社で、2019年1月に表参道に「ティラミスHERO's」なるティラミス店をオープンした。


問題は、日本の 「ティラミスHERO's」がことごとく本家「The Tiramisu Hero」の真似をしたうえで、日本で先に商標登録して本家が自分の名前やロゴで商売できなくなったこと。


ロゴがコピーしたと思われるほどほとんど同じ。会社名も同一及び酷似。「The Tiramisu Hero」「ティラミスヒーロー」は同一。
コンセプトも猫のヒーローの話として真似ている。瓶詰め商品で大きさも形状も蓋の色もほぼ同じ、仮面とマントの猫のキャラクターを瓶に張っているのも同じ。ただし猫のイラストの質は本家のほうがはるかに優れている。


本家の商品

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日本の「ティラミスHERO'S(ヒーローズ)」=「gram」がロゴや会社名など商標先取りしたために、本家が日本で「ティラミスヒーロー」といえずロゴも使えなくなった。(そのため本家は「ティラミススター」という名で活動することになった)


さらにおかしなことに、パクったほうの日本の会社がシンガポールの本家のほうに、「真似をするな」と警告した。そこではじめて本家は真似されていることを知って商標登録しようとしたが、すでに同じものが商標登録されていたために、日本で自分の名で活動できなくなった。


パクったほうの日本の会社は、関係ない、真似ていないと言い逃れしている。
この悪事を行った日本のヒーローズ代表取締役社長の髙田雄史氏はパンケーキの有名店「gram」の社長でもあるが、この「gram」というのも乗っ取りパクリだったということ(注)。商標登録したのはこの「gram」だった。


****


ネットでは批判されてきたが、マスメディアではようやく取り上げられ始めている状況。しかし1月22日のテレビでは、真似ているということに対して批判はあいまいなものだった。日本の会社をあからさまにパクリだというと自分が訴えられるのではないかと恐れているようだった。奥歯に物が挟まったようなコメントばかり。はっきりと、こんなパクリ企業は許されない、ここの商品を買う人はパクリ企業に加担することになるというべきだろう。


そもそも、中国を批判するときにはあからさまに馬鹿にするように上から目線で国全体、そこの民衆全体を見下すような批判をしていた。冷静になれば、中国にも素晴らしい人はいるし、酷い人もいるということ。

だから日本でこういう事件があれば、同じように、酷く批判して、国全体、国民全体を批判すればいい。しかしそれはしない。とするなら、中國のパクリ企業批判にも節度が必要だったとわかるのが理性ある態度だ。皆と一緒になって誰か(他国)をバカにするのはいじめ構造であるし、戦前日本と同じだし、主流秩序への従属の典型だ。

ナショナリスティックに国と国全体を馬鹿にするような態度を改めるのが、主流秩序に加担しない道だ。

 


そして、日本の悪徳パクリ企業も適切に批判し、こういうところの商品は買わないようにするのがまともな選択行動だろう。其れも主流秩序に従属しない行動だ。


何より問題なのは、特許庁がちゃんと調べずにこの悪徳企業の商標登録を認めてしまったことだ。すでにある有名企業などの商標を他社(他者)が登録することには制限をかける責任がある。つまり日本の特許庁が適切な仕事をせず、悪事に加担したのだ。それならば今からでもすぐに過ちを正すべきだろう。

それをしないのは、財務省などの官僚が悪事に加担しながら無謬性に固執して謝罪せず、過ちを訂正しないのと同じだ。つまり主流秩序に従属する態度だ。さて、特許庁の中の誰か個人は、勇気をもって子の状況を変える態度をとれるだろうか。

 

また広告塔として俳優の三浦翔平さんが使われた。オープン記念イベントにも参加したそうだ。この俳優(事務所)にも加担責任がある。いまからでもこの企業にかかわったことを謝罪し、契約を破棄し、広告塔をやめるべきだろう。さて、ちゃんと責任をとるだろうか。


またネットで、この悪徳企業の宣伝に加担した人は多いようだ。とくにある人気インスタグラマーが、「ティラミスHERO'S(ヒーローズ)」をインスタグラムで宣伝して大きく加担したらしい。ただこの人は、指摘されて謝罪したそうだ。

 

以上、外国には容赦なくバカにして批判するのに、日本については同じ基準を当てはめないナショナリスティックな思考停止が多いこと、及び、主流秩序に加担するか、態度を変える勇気を持てるかという話だった。

 

注)「gram」については、以下の記事も参照のこと
ティラミスヒーローパクリの株式会社「gram」、そもそも「gram」を乗っ取っていた!


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注意 途中までの人がいるらしい : 辺野古の新基地差し止め, ホワイトハウスへの請願署名

注意 途中までの人がいるらしい
沖縄の県民投票まで、辺野古の新基地差し止め,というホワイトハウスへの請願署名

メールが届いた後に作業を続けなければ、署名したことにはならないので注意が必要

 

1;クリック
 https://petitions.whitehouse.gov/petition/stop-landfill-henoko-oura-bay-until-referendum-can-be-held-okinawa

 

2 サインの内容が表示される


Stop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa
Stop the landfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa
Created by R.K. on December 08, 2018
President Trump: Please STOP the landfill work in Okinawa until a democratic referendum can be held. Earlier this year the Okinawan people overwhelmingly elected Gov. Denny Tamaki on the premise of STOPPING the construction at Henoko / Oura Bay. The Bay is a CRUCIAL part of the Okinawan ecosystem. However the Japanese government & U.S. military have so far IGNORED the democratic will of Gov. Tamaki & the Okinawan people. The irreversible part of the construction is set to begin on Dec. 14 (JST). If this is allowed it will surely incur strong anti-U.S. sentiment among Okinawans & will forever strain U.S.-Okinawa relations. Please order a HALT to the construction & ensure that democracy prevails. Please show Okinawans that America is indeed an honorable and GREAT nation.
ENERGY & ENVIRONMENT
FOREIGN POLICY
VETERANS & MILITARY

 


3  ページの右下に署名の欄がある。
First name に自分の名前、Last nameに名字をローマ字で記入し、メールアド
レスを記入して、SIGN NOWのバナーをクリック


これだけでは未完了なので注意

 

4 返信メールが届くので、メールを開いて表示される「WE the PEOPLE」と題した英文の中頃にある「Confirm your signature by clicking here.」と書かれた文をクリックする。 本人か確認するということ

 

 5 再び請願サイトが立ち上がり、一番上に、小さな字だが
黄緑色の文字で「You've successfully signed the petition below. Your signature has been verified and counted. 」と書いた一文が表示される。これが来たら署名は成功ということで完了する。

 

 

 

あまりの自国中心主義・思考停止

 

近年の日本のメディアや政治家やネット民のおかしさ(ナショナリスティック)はいうまでもないが、ゴーン容疑者報道でもそれが繰り返されていてあきれる。



日産自動車の資金を私的に流用したというのは形式としてそうだろうし、私はあんな高額報酬を得ているうえに不当な利益追求しているので彼が裁かれるべきとは思うが、それはほかの日産役員も同罪だろう。


日産内の権力闘争の面があるのに、日本人の日産社長側は正しい、被害者みたいな扱いする報道は、馬鹿かと思う。ナショナリズムにもほどがある。


そしてそれとは別に、拘留の在り方はおかしい。
警察検察司法のおかしさ(不当逮捕など)・長期拘留のおかしさ(拘置所処遇のひどさ等)は前からまともな人・人権派は言い続けてきたし自明のことだが、司法や警察検察のおかしさを認識しようともしなかった人たちは、ゴーン容疑者の件で国際的に批判が高まってようやく少し、「国際的に見て完全にいいものとはいえない」とは知ったようだが、ナショナリズム思考にはまっているので、根本的には考えないまま。

 


推定無罪なのに、否認している者には拘留を無理やり続けることなど日常茶飯事だが、これは当然おかしい。逃亡の恐れと証拠隠滅など、しないのに、その理由で、本当は「素直に罪を認めないやつはいじめて苦しめてやる」ということを平気でしてきた。ゴーンだけが大物だから問題というのではなく、他の多くの容疑者は微罪でも否認したらずっと拘留されている。私の知人は1年以上拘留された。人民新聞編集長不当逮捕でも数か月不当に拘留された。山の上の極寒の拘置所だった。


「ひるおび」の元裁判官の八代コメンテーターは勾留理由開示手続きの報道に関して、通常はこの手続きをするものはテロ集団などの犯罪者だから支援者が来てワーワーいうだけのもので、勾留は続けて当然だという趣旨のことを平気で言っていた。これが司法の実態。おろかすぎる。

 

別件で再逮捕して拘留を続けるのも、でっち上げ逮捕も本当によくされている日本。
おかしなことが、ゴーンという有名人の逮捕拘留でようやく国際的に日のめをみている。だが日本内部からは思考停止反応が主流のまま。

ゴーンだけを釈放したらいいというわけではない。ゴーンが無罪だから拘留が不当と言っているわけでもない。実際に犯罪を犯したものであっても、裁判前に不当に悪環境のもと事実上の刑務所暮らしをして苦しめるという前近代的なありかたがおかしいのだ。権力(お上)に逆らうやつはこうしてやるという、昔ながらの思考法で日本社会が動いているということ。


韓国ドラマでもよくでっち上げでやられているけど。


歴史は、でっち上げ、不当逮捕、無実の罪、無念の死、不慮の事故、戦争や災害での無残な死、犬死、暴力被害、に満ち溢れている。

 

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フィリピン像撤去への抗議声明

またしても! フィリピンの日本軍「慰安婦」メモリアルが撤去された
記憶と歴史の抹消を企てる日本政府を許してはならない!

 

 昨年末の12月28日、フィリピン・ラグナ州サンペドロ市に「平和の少女像」が姿を現した。昨年9月にサンペドロ市長が韓国提川(チェチョン)市を訪問した際に、サンペドロ市側が提案して建立に至ったのだという。同市にある私営の高齢女性介護施設内に設置された「平和の少女像」は、韓国ソウルの日本大使館前に建てられた「平和の碑」と同じもので、サンペドロ市長をはじめ約100人の現地の人々と提川市の前市長ら韓国代表団8人が見守る中、除幕式が開催された。


 一方、在比日本大使館は「今回のケースを含め他の国に慰安婦彫刻像を設置することは非常に遺憾」「日本政府の立場と相容れず極めて残念」とし、フィリピン大統領府と外務省に申し入れをおこなった。

 

そして碑は、設置からわずか2日後の30日に撤去された。


1月3日、記者会見を開いたサンペドロ市長は、「日本との友好関係を傷つける意図はなく、混乱や議論を避けるために撤去した」とし、日本側から抗議や撤去要請などがあったかどうかについては言及を避けた(『まにら新聞』2019年1月4日付)という。



 撤去された碑には「平和と女性のエンパワメントのための記念碑」と刻まれ、「像の説明に『日本や慰安婦などの表現は見当たらなかった』」(『産経新聞』2018年12月31日付)という。

除幕式に出席した提川市の前市長は「平和の少女像は怒りと憎しみを越え、女性の人権、社会的弱者に対する愛、人類の平和共存を望むわれわれ皆の念願」と述べ、サンペドロ市長も「女性の人権と平和に対する希望が、サンペドロ市で光や塩のように大切な価値になるだろう」と述べていた。


 「平和の少女像」は日本軍「慰安婦」被害者を悼み、記憶することで再発防止をはかるための碑である。二度と同じような被害者を生まないことを訴えてきた日本軍「慰安婦」被害者たちの願いを広く次世代にも伝えることで、女性の人権を確立し平和な世界を実現しようとする意志が込められており、サンペドロ市の「平和と女性のエンパワメントのための記念碑」も、このような趣旨によるものであることが分かる。このような「立場」が「日本政府の立場」と相容れないと言うことなのか。

 

 

 フィリピンで日本軍「慰安婦」メモリアルが日本政府の圧力によって撤去されたのは今回が初めてではない。2017年12月に首都マニラに建立された碑も、2018年4月27日、経済援助をカードに撤去を求める日本政府の圧力に屈したフィリピン政府によって無残に撤去された。この時にも日本政府の論拠は「日本政府の立場と相容れない」というものだった。

 


 これに対して私たちは、「比島戦没者の碑」という日本政府が日本兵戦没者を慰霊するために建てた碑がフィリピン国内にあるという事実、日本人が建てた日本兵戦没者の慰霊碑がフィリピン各地に400基以上あるという事実を指摘し、フィリピンの人々が、自国の犠牲者を悼んで、自国内に建てた、たった1基の日本軍「慰安婦」メモリアルを、金の力で撤去させた日本政府の恥知らずな行為に強い怒りを込めて抗議した。

 

 ところが今、同じ光景が再び眼前で繰り広げられている。これをくい止めることが出来なかったことは慚愧に堪えない。

 

 私たちは、日本の市民に訴える。
 このような政府の行いに対して、日本の市民は怒らなければならない。
再びこのような愚挙を許してしまったことを、恥じ入らなければならない。
二度とこのようなことが起きないよう、行動を起こさなければならない。


記憶と歴史の抹消を企てる安倍政権の暴挙をくい止めることは、日本の市民の責任だ。

 

私たちは、日本政府に求める。
 日本軍「慰安婦」被害者を記憶することで再発防止をはかろうとする平和運動を妨害しないこと。


 戦時性暴力をはじめ女性に対する暴力撤廃をめざす世界の潮流に逆らわないこと。


 自国の領土で自国の犠牲者を哀悼し記憶しようとする行為にまで干渉する恥知らずな行為を二度と繰り返さないこと。


 加害国政府として、日本軍「慰安婦」問題に責任ある対応をすべきところ、真逆な行為を続ける日本政府に、私たちは、これ以上の恥さらしな行動を取らないよう強く求める。

 

2019年1月7日


日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
共同代表    梁澄子  柴洋子



〒169-0051東京都新宿区西早稲田2-3-18 AVACOビル2F
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)気付

少女像撤去に関しての、「女たちの戦争と平和資料館」(wam)の声明

アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)が以下の声明を出しました。きわめてまっとうです。

 

レーダー問題でもクジラ問題でも、徴用工問題でも、全く政府の言いなりに報道するメディア状況は、戦前の大本営発表追随と似てきています。批判されるのが怖くてナショナリズム国家主義的な主張ばかりしていく。主流秩序に従属ばかりしていく状況。
こうして思考停止、集団催眠になっていくのだと感じています。

 

*********************************************


内閣総理大臣 安倍晋三
外務大臣 河野太郎


抗議文 及び 公開質問状

 

日本軍「慰安婦」を記憶するための市民の取り組みへの妨害を直ちにやめること

2018年12月28日、フィリピン・ラグナ州サンペドロ市の高齢者施設に「平和と女性のエンパワメントのための碑」と題された少女の像が設置されました。しかし、在フィリピン日本大使館がこの碑の設置に対して「わが国政府の立場と相容れず極めて残念」として、フィリピン大統領府と外務省に申し入れを行った2018年12月30日に、碑は撤去されました(『まにら新聞』2018年1月2日付)。このような妨害行動を、アジア太平洋の女性たちを性奴隷にした加害国の日本政府が繰り返すことに、私たちは憤り、強く抗議します。


日本軍「慰安婦」の事実を否定し、「河野談話」とさえ矛盾する見解を日本政府が表明するようになった2007年以降、被害国だけでなく欧米の市民も日本軍「慰安婦」の歴史を記憶にとどめる活動に取り組むようになりました。しかし、度重なる日本政府の妨害によって、これらの努力は断念させられたり、碑文や碑そのものを撤去されたことさえありました。その一方で、どうにか被害を受けた女性たちの存在とその勇気を記憶にとどめたいと、様々な工夫をこらした碑の設置や行動が世界各地で広がっています。それはとりもなおさず、加害側である日本政府と日本社会が、日本軍の性奴隷にされた女性たちの被害を歴史から抹消しようとしているからにほかなりません。


今般、サンペドロ市に設置された「平和と女性のエンパワメントのための碑」は、私たちの想像を超えた工夫がなされていました。碑文には、「慰安婦」だけでなく、「戦争」や日本軍による性暴力被害を想像させる言葉がひとつもないからです。それではなぜ、「女性が輝く社会」を政策に掲げる日本政府が、この碑を「わが国政府の立場と相容れ」ないと考えたのでしょうか。碑がソウルの大使館前にあるものと同じ作家による同じ彫刻だったからでしょうか。それは政府として抗議する理由になるのでしょうか。

 

ドイツのフライブルク市では2016年、日本政府の激しい妨害により碑の設置計画が頓挫し、日本政府の良識が問われる事態になりました。その後、ドイツ市民たちはヴィーゼント市の私有地に碑を設置しましたが、これにも日本政府は土地所有者に執拗に圧力をかけ、結果的に碑文を削除させたと聞いています。市民による私有地への設置という極めて私的な取り組みに圧力をかけるとは、常軌を逸していると言わざるをえません。碑文の内容なのか、設置場所なのか、設置主体なのか、はたまた「作品」そのものへの妨害なのか。日本政府の「立場」は極めて不可解であり続けています。


フィリピンでは2017年12月8日、マニラのロハス大通りにフィリピン国家歴史委員会の名でフィリピン女性の「慰安婦」碑が設置されました。しかし、日本政府の度重なる抗議を受けて2018年4月27日に撤去されました。1945年に13歳で日本軍の性奴隷にされたフィリピン人女性、エステリータ・ディさんは「これは私たち『慰安婦』に対する侮辱です」「『慰安婦』がここフィリピンにいたことを世界は知らなければなりません」(Philippine
Star, 2018年5月20日付)と憤りました。


私たちは、日本軍「慰安婦」に関する事実を否定し、忘れることさえ強要する妨害行動を直ちにやめるよう日本政府に求めるとともに、以下質問します。


公開質問

一、フィリピン・ラグナ州の私有地に設置された「平和と女性のエンパワメントのための碑」が、いかなる意味で「わが国政府の立場と相容れ」ないのか、具体的な言葉で明らかにすること。


上記質問について、数多くの少女や女性が日本兵から強かんされ、10万人の市民が命を落としたマニラ市街戦開始から74年目となる、2019年2月3日までに回答を求めます。


2019年1月7日


アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)