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ソウルヨガ

主流秩序、DV,スピシン主義、フェミ、あれこれ

大阪市 宿直職員に未払い認める  その2


昨日、
2016-04-25 ブログ
大阪市 宿直職員に未払い認める 」
http://hiroponkun.hatenablog.com/entry/2016/04/25/223509


を書きましたが、マスメディアの報道の仕方に問題があり、それにmとづいたひどい意見が見られましたので、詳しく伝えておきます。


大阪市の宿直職員への多額の未払い賃金があった問題で、報道がなされましたが、反応の一部に
仮眠中に賃金を払うのはおかしい」「寝ずにずっと起きているべき」「二人同時に寝ているから何とも言えない」というような的外れな意見が散見されました。報道の表題が「仮眠」だけに焦点をあてる書き方ということも影響していると思います。


これは大阪市の宿直労働、非常勤特別職の問題を知らない間違った意見です。

 

◆まず、基礎的な知識問題。
労働問題、労働時間の基礎を知っているかどうかの問題です。

 

職場に泊り込んで仮眠時間を含んだ長時間勤務になっているという場合、
仮眠を取っている間の時間は労働時間にカウントされるかどうかのポイントは、まず、指揮命令下にあるかどうかが基準です。昼休みなどと同じく、その時間帯に直接仕事をしていなくても何らかの仕事が発生する可能性があり、それに備えて待機していなければならない時間は労働時間です。定期的な巡回が必要であったり、急に客が来るとか電話に出ないといけないなどですぐに対応しないといけない状態でそこにいないといけないなら労働時間となります。

 

これが基本です。「金もらっているならずっと起きているべき」というのは労働法や労働者の運動の歴史を知らない、無知な素人の意見です。

 

ただし、この分野では「監視断続労働」という概念があります。
監視断続労働とは、待機時間中に必要に応じて仕事をしなければならなくても、その頻度が極めて低く、仕事の内容が簡単である場合には、その拘束時間全部を労働時間とはみなさないというものです。監視断続労働とされれば、会社は労働者に通常の賃金の三分の一以上の額を支払う必要があります


この監視断続労働を適用するには業務の内容を労働基準監督署に申請して許可を得る事が必要です。今回大阪市はこの申請をしていませんでした。
またたとえ監視断続労働として労働基準監督署から許可を得ていたとしても、実際の勤務内容にそぐわない内容で申請していないかを調べる必要があります。

 

監視断続働という制度を使って、実際は長時間労働なのに低賃金で夜勤労働者を使っているという悪用がよくあります。

 

***********
次に、多くの方が知らない大阪市のひどい状況を、今回、ここに書いておきます。
これは京都のあるユニオンの方などがいろいろ教えてくださった内容をもとにしています。

 

大阪市の区役所宿日直職員の勤務条件については、
● 身分について、大阪市区役所宿日直専門員採用要綱で地方公務員法第3条第3項第3号の非常勤嘱託という規定がある以上大阪市嘱託職員要綱にに規定される職員とされているはずであるが、勤務条件が、他の非常勤嘱託と全くかけ離れており極めて差別的な勤務条件となっている問題があります。
 
非常勤嘱託職員要綱は、週当たりの勤務時間が30時間を超えない範囲となっていますが、この宿直勤務の現行の勤務時間は、週3日勤務の場合で仮眠時間を除いても週36時間15分、週4日勤務の場合は、週45時間45分となります。つまり宿日直の勤務条件は、要綱違反です。
ですから少なくとも余分に働いた分(週3日の場合で6時間15分、週4日の場合15時間45分)の2年間の未払い分の賃金は、支給されなければなりません。


●人員体制の問題
上記の勤務時間数からいっても現行の4人の体制は、かなりの労働過重を生んでいました。京都市では6人の体制でやっています。
4人で、一度に2人で勤務しないといけないので、2日に1回は長時間(夕方から朝までなど)働かないといけません。一人が病気になるとか有給休暇をとるとなると、必ずもう一人が入るので、その人は3日連続で長時間勤務となり、休んだ人は代わりに別の日に3日連続で入らないといけません。土日は昼間ずっといないといけないし、又その後夜勤≪宿直≫があります。もし連続で入ると金曜の夕方から翌日まで24時間の勤務です。


実際の労働時間 週3日の場合 36時間15分
        週4日の場合 45時間45分
 日直の労働時間 7時間45分(拘束時間 8時間30分)
 宿直の労働時間 午後5時30分~午前9時 、(拘束時間 15時間30分)
仮眠時間を労働時間に入れない場合  9時間30分

 

そしてなんとこれが年中です。宿日直ですから正月もクリスマスもお盆も全部年中365日、順番に働くので、旅行に行くとかができない勤務です。4人体制とはそういうことです。
結論としては、最低2名の増員が必要なのです。ですから今回、大阪市で一部未払い賃金が支払われましたが、まだまだ問題はあるのです。増員が一番大事です。

 

●休暇制度について
上にも書きましたが、現在のような賃金の制度であれば、年次有給休暇をはじめとしてその他非常勤嘱託に付与されている休暇制度がほとんど意味をなさないことになります。
夏季休暇は一応、 3日とされています。
 
●賃金制度について
  これだけの年中拘束される厳しい長時間労働なのに、非常に低賃金です。現行の基本給96,600円、日直又は宿直1回につき5,570円という賃金制度です。これだとずっと拘束されて月に20万円に満たない給料です。超過勤務手当、断続労働の許可が下りているかどうかで計算は違ってきますが、通常1回夕方に入ると翌朝朝までの16時間とか、になるので、労働時間で割ると最低賃金以下にもなります。

 

その他、以下の点でも問題があります
 a)深夜勤務手当について
    ・午後10時~午後12時の間は深夜勤務手当の支給が法定事項である。(労働基準法第37条4項:25%の割増)
   b)30時間以上の超過勤務の手当の支給
   c)仮眠時間に仕事が入った場合の超過勤務についての扱い
   d)有給休暇及びそれ以外の休暇の扱い
   e)要綱では、勤務日数、休日について所属長が定めるとなっているが、国民の祝日の扱いを含めどのようになっているのか。
   f)休日に出勤した場合の手当
   j)人員体制の問題

 

断続労働の許可が下りているかどうかが大きな問題
この問題指摘を受けて大阪市は昔に届け出を出したと当初は言っていたようであるが、それは事実に反していて、なんの証拠もなかったようです。つまり過去に届け出た記録がない。出されていなかったので、断続労働とはなっていないのです。


仕事の実態としても、いかのようにいろいろすることがあるので、区役所の宿日直の業務は、本来(監視)断続労働に当てはまらないとみるべきです。

 

大阪市の宿日直は、その勤務中のすべての事務をしないといけません。具体的には(1)来庁者、電話応対、(2)庁舎の管理等、(3)戸籍関係事務の受付、(4)行旅死亡人が発生した場合の措置連絡、(5)火災その他災害の発生時の措置、(6)文書物件などの収受、(7)宿日直日誌の記載、(8)電話等応対簿・電話等対応引き継ぎ簿、(9)閉庁時における証明書交付請求等の受付・交付事務、です。
そそて受付時間は 平日 17時30分~21時、 閉庁日  9時~21時となっています。

 

西野田労働基準監督署は、断続労働の許可の有無について明らかにできないと言っていました。しかし職場代表が宿日直の労働条件について意見を述べるためには、この確認が前提であり、これを明らかにできないということであれば、労働基準監督署自身が労働者代表の意見の表明を阻害することになり、明らかに労働基準法違反の行為であるといえると思われます。

 

しかし結果的には今回のように、大阪市が違法状態であることを認めたことになりました。

つまり、大阪市では、宿日直勤務が2人1組の4人体制でおこなわれていますが、この業務を行うのは人員配置的に無理があること、
勤務時間は週30時間と荒れている一方で、実質が常態的に30時間を超えており、超過勤務の手当てがないこと。
「手引き」があるが就業規則がないこと。
月額の基本報酬は、最低賃金を下回ること。
労働条件通知書が2015年までは交付されていなかったこと。
等の問題があったということです。

 

******
今回の大阪市の問題の経緯を一部を紹介しておきます。

 

まず、大阪市の公務分野の非正規/臨職の長期雇用の実態は、地公法のどの類型でも説明できないものであり、3年間だけ雇うような任用制度は、もともと地公法には予定されおらず、地公法3条3項3号の特別職というものが非常に乱用されてきた問題がありました。


その有期雇用や労働条件の話し合いをする中で、2013年に、福島区就業規則を作成、届出をすることを労働者側が求めました。

 

労働基準法第89条・90条・92条
(1)常時10人以上の労働者を使用している事業場では、就業規則を作成し、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見書を添えて、所轄労働基準監督署長に届け出ければなりません。

 

 

2014年7月に、福島区でようやく「就業規則」的なものが出されましたが、それは従来の要綱や手引きをコピーしただけで何ら就業規則の体裁になっていないものでした。

 

そして2014年夏に福島区の非常勤の一つである宿直勤務の方の長時間労働、残業代未払い賃金があるとの情報提供が労基署に対してなされ、宿直勤務の方から福島区役所における宿日直勤務者の労働状態及び就業規則内容が労働基準法違反の疑いがあるため、速やかに調査及び改善指導を行うようにという「労働基準法違反の申告」がありました。

 

 

それに対してなかなか動かなかったので、西野田労基署、大阪労働局などに、どうなっているのかと苦情を労働者側が言いに行ったりした中で、1年半以上たってようやく、労基署が動いたということです。

 

また2013年から大阪市の非常勤特別職に、就業規則がないという違法問題を指摘してきましたが、福島区で従来の要綱をコピーしただけのものが出ただけで、残り23区ではいまだに就業規則ができていません。

 

こうした背景があっての今回の「大阪市の宿直の未払い賃金問題」でした。

ですから宿直の仮眠に賃金を払うかどうかの問題だけではないのです。4人体制の長時間労働の問題であり、特別職というものの乱用(低賃金で3年だけの有期雇用、使い捨て)の問題があるのです。新聞の記事の書き方にもこの点で「仮眠」だけを問題にしている点で勉強不足が出ていました。当局発表だけで書いているということです。


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