被害女性「やっと自分を肯定」=幼少期虐待、勝訴確定で―東京
時事通信 7月10日(金)20時19分配信
幼少期の性的虐待をめぐる訴訟で、加害者に賠償を命じた判決が最高裁で確定したことを受け、被害者の北海道釧路市出身の40代女性が10日、東京都内で記者会見し、「訴えは間違っていなかった。やっと自分を肯定できる」と語った。
確定した二審札幌高裁判決によると、女性は3~8歳の間、叔父から繰り返しわいせつな行為を受けた。
女性は「性的虐待は人の尊厳を打ち砕き、精神を殺す。私も耐えてきたが、恋愛や結婚などの場面で虐待に直面せざるを得ない。4年前、我慢できずに加害者と向き合ったが開き直られ、裁判を決意した」と訴訟までを振り返り、
判決確定は「人生の一つの区切りだ」と話した。
ただ、確定判決の判断でも、うつ病などの精神的障害が発症から20年経過していると、「除斥期間」の経過により賠償請求権が消滅する。女性は「確定判決で他の被害者に少しでも光が差すという希望は持っているが、救済には抜本的な法改正が必要だ」と訴えた。
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【釧路・性的虐待訴訟】最高裁決定が出ました!
寺町 東子
豊島区, 日本
2015年7月10日 — 幼少時の性的虐待被害から20年以上を経過してから発症した鬱病を、除斥期間の起算点として、被害者の訴えを認めた札幌高裁判決。加害者が上告していましたが、昨日、上告棄却の決定が届き、確定しました。
本日のインタビューで、原告本人は次のように語っていました。
「(最高裁決定を受けて)やっと、自分のことを肯定してあげられる、と思いました。 30年以上、自分が黙っていれば、なかったことにすれば親族にも迷惑をかけないですむ、と思ってきました。もう一人の自分がいつも斜め上にいて、もう一人の自分が辛いことを引き受けてくれて、どっちの自分が本当に生きているんだかわからないような状態で生きてきました。
が、30代になって、恋愛・結婚・出産などで性に向き合わざるを得なくなり、このままでは生きていけない、というところまで追いつめられました。加害者と向き合わなければ、生きていけないと思いました。
加害者からは、『謝ってほしいんなら謝ってやる』とか、侮辱するような発言があり、裁判を起こしました。今の日本の法制度の中で、私の被害はどう裁かれるのか、加害者はどう裁かれるのか、裁かれないのか、知りたいと思って裁判を起こしました。
釧路地裁で、除斥期間で権利は消滅したと言われましたが、札幌高裁で認められ、最高裁という日本の最高の場所で、裁判官が全員一致で認めてくれたことで、やっと、自分が悪かったんじゃない、加害者が悪いんだと認められ、自分を肯定できる、と思いました。」
「今も、性的虐待の被害に苦しんでいる子たちがいます。でも、私が被害を受けていた30年前と、被害を受けている子どもを取り巻く状況は変わっていないように思えます。 未だ、このまま被害を受けている人を、ほおっておくのですか?と、政治家の方々や、社会を作っている人たち皆さんに問いたいです。 このまま30年後、私が70歳のおばあちゃんになった時にも、何も変わっていない、とならないように、今、被害を受けている人が救われる法制度に抜本的に変えてほしいです。」
「性的虐待は、殺人よりも重いと思っています。『なぜ、殺してくれなかったんだろう、殺されていれば加害者は捕まるのに、私は人間性や心を殺されたのに、どうして加害者は捕まらないんだろう』と思いながら生きてきました。性的虐待や性犯罪が、どれだけの人の精神をを殺しているのか、刑法・民法含めて、見直していただきたいです。」