ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

公益通報者つぶし問題⑤ーー主流秩序の観点から

  • まとめ:知事のパワハラなどの問題に対してAさんによる内部告発があった事件でのかかわりの整理

まとめとして原点に立ち戻ろう。

まず、斉藤知事やその取り巻き4人組の姿勢は、内部通報・公益通報制度云々の前に、人間として、理性や謙虚さや人権感覚がなく、パワハラ的であると言える。斉藤知事の態度・言い訳を見ていると、パワハラ加害者・DV加害者の特徴がみてとれる。

慢な人、上に立ち権力的で、「下」にパワハラ的にふるまう人やDV 加害者の特徴をあげてみよう。すなわち、自己中で自分の論理だけで押し通す。自分は正しくて絶対に間違いを認めたくない 。負けるのは絶対にダメ、負けたら終わりと思っている。官僚の無謬性と同じく、内心、おかしいと思っても個人の意識を消して、組織として「間違いを認めない」と決めたらあとは何も考えず、屁理屈でもゴマカシでも、時間延ばしを使っても言い逃れする。

 

斉藤知事を見ていると、これと似ていると感じる。本当に正しいかどうかではなく、ただただ、自分を正しいと屁理屈を使ってでも自己正当化してプライドを保つ、生き残るという生き方である。必死で取り繕い、なんとしてでもここを切り抜けるということだけを考えていて、「自分が間違っていることを認めることが人間として素晴らしいとか、責任を取るのが人間として上等」とかそういうことが全くわからない人なのである。人が死んだことに心を痛めたり、苦痛を感じたりするのではなく 自己保身だけを考える人である。

ヒトラー側近の、ゲッペルスがそうであった。政治闘争や戦争で勝てばいいが、負ければ(敵を殺してきたので)自分は殺される(リンチで処刑される)と思って、プロパガンダで大衆を戦争する道を突っ走り続けたのである。その瀬戸際感覚は、独裁者に共通であろう。プーチンイスラエルのネタニヤフもそう思っているだろう。

だから何としても結局、反対勢力をつぶし、権力を維持し続けることが第一優先課題として大事なのである。 絶対に負けられないと思っている。自分が悪いことをしたなどと考えてはだめなのである。だから人間として正しいか間違っているかではなく、ただ勝ち続けることだけが生存戦略だったのである。

こう見てみると斉藤知事たちが、Aさんを「誹謗中傷・嘘八百を言う、公務員として失格の人」というレッテルを張ってつぶした理由がよくわかる。少し言い換えれば、第3者が、告発内容を公平に調査すべきであったのに、「誹謗中傷性の高い文書だ」と歪んで認識してスタートさせてしまったのは、「認識」の担い手が、文書の内容と無関係の第三者ではなく、斎藤知事自身やその取り巻きの副知事、総務部長ら、あの文書で告発の矛先を突き付けられている当人たちだったからである。

問題の中心の、公益通報制度については、不正を告発した人が懲戒処分されないように守ることで、組織内部の不正を言えるようにしようという制度である。その根幹を今回は、完全否定したのである。公益通報者保護法の趣旨を逸脱していたのはあきらかで、むしろ、積極的に「通報者つぶし」をしたのであるから悪質性は高い。告発者を見つけ出し、「でっち上げの理由」で早期処分し、もともとの告発を握りつぶそうとした悪質な事件である。

握りつぶしたのは、自分が不正をしていた面々であった。不正がばれるのを恐れ、正直な告発者を粛清したのである。しかも最高権力者である知事は、人事部に仕事としてこの不正に加担させたのである。Aさんを追い詰めてつぶすように指示したのである。知事とは独立した機関が公平に調査すべきなのに、知事は自分の部下に、真実の調査でなく、不正を隠蔽する方向で、Aさんを逆につぶすように事実上命令したのである。それに従って抗わない、県の職員たちも知事の味方をした維新議員も情けないし、大きな責任があるが、そもそも部下に不正的なことを指図する知事は異常で悪質である。

Aさんは、知事の意向をくんだ副知事や維新議員などが攻撃的にきて、世間にAさんが犯罪者のように広報され、自殺して抗議するしかないところまで追い詰められた。他の職員Bさんも不正に加担させられ自殺した。

今回、ようやく事件の全貌があきらかになって来たが、多くの職員はこの不正に積極的に加担し、また一部は積極的な加担ではないにせよ沈黙してきた。主流秩序を前にして、どう生きるのか、そういう教育が日本でなされていない中で、このような腐った空気が充満している社会になってきているのである。

以下、主流秩序への加担や抵抗の程度/スタンスという角度で誰がどうであったのか、まとめておこう。

私はこうしたことに加担する人物の家族も、立場や生き方が問われると思う。家族内でちゃんと話し合うべきである。犯罪に加担した親は反省し、パートナーや子供たちにどういう生き方をすべきなのか、総括し、謝罪し、話し合う責任がある。家族だから、「お父さん(お母さん)の味方」「悪いことしてないと信じる」などと言って深く追及も考えもしないような家族でいいのか、問われている。

 

主流秩序への積極的加担

斎藤知事・・・・・・内部告発内容を全否定してAさんを嘘つき呼ばわりし攻撃、処分。パワハラも受け止め方次第だ、コミュニケーション不足だという誤まった認識を振りまき続けている責任も重い。

片山安孝・副知事・・・・自分も告発された側なのに知事の側に立って「調査」してAさん処分に積極加担

“4人組”、“牛タン倶楽部”と言われた知事側近グループ・・・・・元副知事、片山安孝氏、前総務部長の井ノ本知明氏、前理事の小橋浩一氏、産業労働部の原田剛治氏

兵庫県の藤原正広弁護士(兵庫県特別弁護士)・・・公益通報に当たらないと間違った指示をした人物

Aさんを追い詰める動きをした維新の議員たち、斉藤知事を応援して当選させ、その横暴ぶりを放置していた維新や自民の県会議員たち

県職員局や県人事課、その他関係職員・・・・知事の側に立って「調査」してAさん処分に加担、内部通報制度に違反している活動をした者たち

知事を担いで当選させて、この件でも知事擁護に回り、Aさんを追い詰めた維新の議員たち

公益通報担当部署・・・不十分な調査でお茶を濁し、実態解明を避けた。公益通報制度の通報者用語をせず、犯人探しへの批判もしていない。

元総務部長や次長級の職員ら15人で構成される綱紀委員会で、反対意見を言った3人を除く172人の職員・不当な処分に賛成した

知事とそのとりまき幹部から不当なことを命令されて、それに従った人たち、自分がかかわったのに沈黙している人たち

片山副知事の取り調べに加担したX氏(Aさんをだまして情報を聞き出した)

パレードのキックバックに加担して沈黙している金融機関

 

主流秩序への消極的加担

知事・副知事などのパワハラなどの諸問題【7つの告発内容】を見ているのに黙っている県の職員たちや地方自治体や企業の関係者

Aさんが告発したのに、Aさんの側に立たず傍観している職員たち

この事件の調査や取材に応じない人、

アンケートなどの調査でも関わりたくないと思って本当のことを書かない人

この問題で積極的に動かない議員たち

この問題に無関心で次の選挙でも全く考慮しないで問題議員や知事に投票する人たち

知事の「おねだり」に困っていると今更いっていいる業者など(視察に来た嫌悪職員にカニや玉ねぎなどいろいろお土産を渡してきた業者らが、それを拒否すればいい野にむしろ、どうぞも誓ってください観たいな態度をとて説いて、あとでいまさら、「何度も視察に来られて困った、もう来ないでほしい」とか言っている。じゃあ断れよと思う。へいこらしていた自分達にも席にがあると自覚sべし。内部すベきことをしなかった)

 

 

主流秩序への抵抗、非協力、不服従

内部告発したAさん

事実を解明しようとしている職員や議員や市民や労働組合、メディアなど

アンケート調査に対して本当のことを詳しく書いていった人たち

 

 

 

東京都狛江市では、2018年、当時の市長が職員へのセクハラを認め辞職した。これを契機に、全国初のハラスメント防止条例が制定された。市長ら特別職や市議も、加害が確認できれば公表できるとした。例外なく『罰』の対象になるとの認識が広がることが大事という。

だがこうした条例が整備されているところはまだまだ少ない。地方自治研究機構の24年7月24日時点の調査では、57の自治体で特別職か議員、または両方を対象に含む条例が制定されているが、約1800ある自治体の3%あまりに過ぎない。 日本ハラスメント協会の村嵜(むらさき)要・代表理事は、条例制定だけでなく信頼できる相談窓口の設置や定期的な研修など、職員を守る態勢の「見える化」が必要だと説く。

現行の公益通報制度には不十分な点が多くある。対象を広げることや、不当な取り扱いに罰則を設けることがすぐにも必要である。交易通報に当たるかどうかは最終的には裁判所で決められるとなると時間はかかる。すぐに第3者委員会が必ず調査するようにしないと、今回のように、組織が握りつぶそうとする余地を残してしまう。強力な罰則も必要であろう。犯人探しに罰則がないのは完全におかしい。

奇しくも24年2月、「組織の不正をストップ! 従業員と企業を守る『内部通報制度』を活用しよう」という見出しの記事が、政府広報オンラインに掲載された。そこでは、「あなた(=通報者)を守る法律があるから大丈夫!あなたが不利な扱いを受けないように、ちゃんと国が決めてあるから安心して通報してね!」という、従業員や職員たちへの呼びかけがあった。

その精神はいいが、実際は、鹿児島県警でも兵庫県でもその他でも、公益通報したものが攻撃されているのである。「勇気を出して声をあげた通報者」は守ってもらえなかったのである。

自民党政権は、大企業寄りであるために、本気でこの公益通報制度が機能して、罰則まであったら企業が困るので、理念だけでとどめ、罰則をつけていないと考えることができるのが現状である。通報者を守るように、本気の改革が行われるかどうか、問われている。

以下の表になるようなパワハラなどはよく起っている。トップを告発するのはむつかしい。多くの職員は、権力者に対し、職員らが冷遇を恐れて「事なかれ主義」になりやすい。

和歌山市では、不正支出を知った男性職員の公益通報で、2020年に十数人が停職や減給といった処分を受ける事件もあった。だが、告発した男性職員は自殺した。

 

 24年5月以降、改正法の課題を洗い出す国の検討会が始まっているが、どこまでできるか。政府はこれまで腰が引けた対応をとってきた。ビッグモーターの内部告発にも動きが遅かった。財界側に立つ政府は、会社や行政の不正をただすことに熱心ではなかったのである。そろそろまともな民主主義国家になっていかねばならない。

他の先進国では、「内部通報者の保護を実質的なものにするための制度」が徹底されている。さまざまな角度から「内部通報者」が守られる仕組みが重層的に構築されている。例えば、EU欧州連合)の「EU公益通報者保護指令」では、内部通報者が異申し立てをできる窓口の設置が盛り込まれ、雇用主側に「不当解雇でないこと」を証明する責任があると定めている。韓国では、2011年に成立した公益通報者保護法で、解雇などの不利な扱いをした企業に対する、罰金や懲役を含む刑罰を定めている

また、米国では、通報者に報奨金が払われる。報奨金を出すことについては賛否両論があるが、米国はも労働者を守る制度が徹底されつつ報奨金もあれば、、企業の不正防止への効果は高まる。

政府にやる気がなく、法律が不十分と言うこともあって、一部の大企業では、公益通報制度は機能していない。たとえばダイハツでは制度があったが、社員は時分への報復が怖くて匿名で告発したが、会社は「匿名の告発は信憑性が低い」と言って相手にしなかった。また 22年、告発があったケースのうち、調査に至ったのは約4割でしかなかったそのうち6割は 事案が発生した部署に調査を依頼してるので内部で潰された。これが実態である。公益通報制度には期待も信頼もないのである。部長や所長に連絡が行くのみだから、会社に通報しても意味がないとアンケートには書かれている。ダイハツがしたことは、内部告発の連鎖を止めるために、告発者を見せしめにしたり、無力化したのである。

消費者庁 は内部通報制度の見直しを指導し、運用状況を発表し、要員の増員、 監査部が主導して利益相反のないチームを編成し調査するなどの体制にするように指導している。従業員300人を超える企業では内部通報制度を整えるとなっているが 実態は機能していない。

通報者の特定をしないことが一番大事で、そこで違反したら処分すべきである。経営トップが本当に組織を健全に動かすためには、この問題でもリーダーシップを取るべきだが、事なかれ主義(不正には目をつぶる風土)の日本の企業は、 それを 担当者に任せるなどで、結局つぶしてきた。

あえて 声を出した人を人を尊敬する、称賛すること、第2、第3の通報者が出てくることが必要であって、「潰す」などもってのほかである。

兵庫県の事件は、「公益通報制度への理解が低い」と甘く言うのではなく、意識的に通報者を粛清したととらえるべきなのである。 知事とそのとりまきは、自分たちの不正を突かれて、生存のために、はっきりと政治闘争としてイチかバチか相手を潰すか こっちが潰されるかの戦いで自分の不正を隠蔽したのである。ただ相手を潰したのである。そう捉えずに「理解が不十分だ」とか 「パワハラと思ってなかった」とかと問題を矮小化してはならない。強盗などの犯罪者が自分の犯行現場を誰かに見られたから、その人が証人になると困るので園目撃者を“抹殺”するのと、構造(関係)は同じなのである(まったく同じというのではなく、真実を見たものを消そうとするという意味)。そう捉えていない人が多いことが不思議である。

 

 

  • まとめ

最後にこの事件の総括を簡単にしておく。 A さんは正しかった。だからみんなも怖がらずに「公益通報(内部通報、外部通報)してほしい。ただし ポイントは反撃された時に負けないような知識を持っておくこと。すなわち法律の知識を持つことも大事だが、何と言ってもコミュニティユニオン に相談に行くこと、及び弁護士に相談することである。そうやって自分を守る基本視点を持っていれば、身を守ることはできるので、不正に加担せず、ちゃんと闘って欲しいと思う。

 

関連文献

内部告発の時代――組織への忠誠か 社会正義か』(宮本一子、花伝社)

オリンパスの闇と闘い続けて』(浜田正晴著、光文社)

 

過去の事件

オリンパス事件

西宮冷蔵の社長が報道機関に取引先の不正行為を告発(輸入牛肉を預けていた雪印食品が国産牛肉の箱に詰め替え、巨額の補助金を受け取った詐欺を暴露)

トナミ運輸富山県高岡市)の社員が自社の闇カルテル内部告発して30年近く閑職に追いやられた例(員は損害賠償を求めて提訴し、05年に勝訴)

 

 

参考記事

(ひもとく)公益通報 おかしいことはおかしいと言う  日野勝吾

朝日新聞、2024年10月19日)