ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

戦争時代前夜

 

米国ではトランプに人気があるという。愚かしいが、これが大衆の常である。

 

議論ばかりで何も決められない政治はダメだといって、民族共同体を作って独裁的に決めて実行していく政治でドイツを救うといって大衆の支持を得たのがヒトラーだったが、今同じことを安倍(首相)と橋下(維新)が言って、高い支持率を得ている。選挙で勝てば官軍、白紙委任されたのだ、公約で支持されたのだ、多数決(強行採決)で決めるのだといって、自分を「実行力ある政治家」として正当化している。
彼らは、ヒトラーと同じく、絶望にかられた人によって支えられている。

 

古い政治家たちは成り上がりもので一時的な政治家に過ぎないとみたヒトラーを馬鹿にしつつ利用したつもりだったが、日本でもいまだ中央東京では成り上がりものとみられている橋下だが、そのうち彼に日本社会は乗っ取られるかもしれない。

 

ヒトラーは民主主義のルールを犯すことなく、多数になって合法的に独裁政治を確立した。橋下(維新)はヒトラーナチス)と同じく、小さな政党から一挙に人気を得て党を大きくしていった。安倍も民主党批判と経済復興で選挙を勝ち続けた。そして今、安陪と橋下は、特定秘密法と安保法を成立させ、次に憲法改正できる3分の2を狙っている。ヒトラーは内閣が国会の承認なしに法律を制定できる全権委任法を成立させたが、安倍も特定秘密法に続き憲法に緊急事態条項を入れることでヒトラーの道を追っている。

 

大資本家フォードや頭の賢い大学教授、たとえばハイデガーなども、人気が高かった米国人チャールズ・リンドバーグもココ・シャネルも有名芸術家(例えばレニ・リーフェンシュタールワーグナー一族)もヒトラーを支持した。今、安倍や橋下を支持する有名人や学者がメディアに出ている。

 

ヒトラーは「共通の敵」を共産主義ユダヤ人にして、それをたたき「誇り高きドイツ」という意識をあおって人気を得た。今、橋下や安倍は「中国、北朝鮮、韓国」「決められない政治」「働かない公務員」「生活保護」「民主党労働組合」を敵に仕立て上げ、「謝り続ける自虐史観はやめ誇り高き日本になろう」といって人気を得ている。


嘘も100回言えばバカな大衆は信じるといってヒトラーは平気でうそをついたが、今、橋下も安倍も「完全に放射能はコントロールされている」「安保法も粘り強く国民に説明する」「私が都構想や600兆円GDPで諸問題を解決する」「TPPで国民は幸せになる」「自分が拉致問題を解決できる」などと平気でうそをつく。安部支持者たちは「慰安婦は商売女に過ぎなかった、強制性はなく女性らは金儲けしていただけ」「南京大虐殺の数字はおかしい、大虐殺はなかった」「日本は侵略したのではない」と平気で歴史の事実を否定し、教科書から侵略、慰安婦問題の記述を消滅させている。そしてそれに影響される人、喝さいする人が増えている。
そして今、安陪や橋下は「決める政治」「都構想」「国民と領土を守る」「伝統を守れ」など単純な言葉を繰り返している。繰り返す政治家は危険である。


何度も単純なことをぃえば大衆に浸透するというプロパガンダ政策とデマゴーグ(大衆扇動)でヒトラーは国民の支持を得たが、橋下も安倍も中国や北朝鮮、韓国脅威論、慰安婦問題批判、民主党批判、従来の政治批判をあおって、国土と国民を自力で守ろうというナショナリズムの精神を高揚させている。選挙の街頭演説ではヘイトスピーチするような勢力と「知性的に考えない人」が声をあげて橋下や安倍を熱狂的に応援している。歴史と伝統の尊重、家族の絆の復活を言って保守色を強める人々が橋下・安倍を支持している。
イタリアのムッソリーニは「戦争があってこそ平和はある」と言って平和のために戦わねばならないとしたが、安倍も今、中国脅威論をあおり日本の国民と領土を守るために軍事費を増やし(初めて5兆円突破)、安保法を成立させて戦争できるようにした。

 

ヒトラーは経済を恐慌から抜け出させて人気を得た。公共投資で経済を活性化させ、雇用を作り出し、週休2日を広げ、社員食堂を設置させ、国民が車(フォルクスワーゲン)を持てるよう、家を持てるようにと夢を抱かせ一定達成した。国家社会主義的政策だった。またユダヤ人の経済的利益を奪ってそれをゲルマン人に配分して人気を得た。

安倍も今、無理に株価を上げ、企業減税を進め、財界に賃上げを要求し、消費税分離課税を導入したりして財政再建など捨てて金をばらまきながら当面の経済をよくすることで選挙を勝ち続けている(せっかく税収が増えても参議院選に向けてばらまき)。


ヒトラーは非常に自分に酔って英雄気取りする自己顕示欲型人物であったが、橋下も安倍も自分が大好きで自分が偉大だ(おじいさんなどに負けない、歴史に名を残す偉大な政治家になりたい)と思っているにおいがプンプンする政治家である。

 

ヒトラーを支持した人たちは言った。強力なリーダーが私たちに解決を約束してくれたから希望を託したと。行き詰まった社会に民族共同体の希望を与えてくれたからと。実際に経済をよくしてくれたからと。ユダヤ人虐殺などのマイナス面は知らなかったと。安倍や橋下を支持する人もあとで同じことを言うだろう。

 

ヒトラーユダヤ人などへの憎しみ攻撃と、わが民族の繁栄の享受で熱狂的に支持された。「決断力のある指導者で、共産主義と戦い、ドイツを救い秩序と規律を取り戻した英雄」として世界から評価された時期があった。それは知性ではなく反知性の政治、憎しみ(不寛容、ヘイト)と物質的利益の政治だった。今、橋下と安倍は同じ事をして、ヒトラーと同じように人気を得ている。
愚かしい時代である。

 

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歴史を知らない人が増えてきた。戦争の事実を知らない人が増えてきた。
その中で、NHKスペシャル「新・映像の世紀 第3集 時代は独裁者を求めた」(2015年12月20日)が放送されたことは良かった。

なぜ世界は独裁者を止められなかったのか。

それは大衆が主流秩序に従属したからである。現代でも十分同じことは起こりうる。

もうそれは始まっている。

 

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この番組内でも紹介された、反ナチ活動家マルティン・二―メーラーの言葉から生まれた詩
(『茶色の朝』のもとになったもの)
関連ブログ ソウルヨガ2012年11月10日(土) 「石原新党と橋下」
http://blog.zaq.ne.jp/spisin/article/3357/


ナチスが最初、共産主義者を攻撃したとき
私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

ナチスユダヤ人を連行していったとき
私は声をあげなかった
私はユダヤ人ではなかったから

そしてナチスが私を攻撃したとき
私のために声をあげるものは
誰一人残っていなかった

 

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NHKスペシャ
 「新・映像の世紀 第3集 時代は独裁者を求めた」
 http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20151220
 HP情報

ミュンヘン近郊の山荘で、くつろぐ柔和な表情のヒトラー。その傍らには、23歳年下の愛人エヴァ・ブラウンの姿がある。物語は、地下壕でヒトラーと心中したエヴァの遺品の中から発見されたプライベートフィルムから始まる。
5000万を越える人々が犠牲となった第二次世界大戦。しかし、あの惨劇は一人の独裁者の狂気だけが生み出したものではない。世界恐慌で資本主義に幻滅した人々はファシズムを支持し、世界中の企業がナチスへの支援を行った。自動車王ヘンリー・フォードナチス資金援助したと言われ、空の英雄リンドバーグは、ヒトラーと手を組むことが世界を平和に導くと信じた。アウシュビッツ収容所の大量の囚人管理を可能にしたのは、アメリカ企業の開発したパンチカードシステムだった。
なぜ世界は独裁者を迎え入れたのか、なぜ止められなかったのか。未公開映像から浮かび上がる、独裁者に未来を託し、世界を地獄に追い込んでしまった人々の物語である。

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