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慰安婦問題で首相に要請書


 「戦争と女性に対する暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)は、1月23日に、声明「『合意』では加害国日本の責任は果たせない」を発表しましたが、
続いて、1月27日、安倍首相と岸田外務大臣に要請書を配達証明付で送付しました。
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安倍晋三内閣総理大臣
岸田文雄外務大臣

被害者が受け入れない日韓「合意」では、加害国日本の責任は果たせない

 日本政府は「慰安婦」問題の真の解決に向け動き出すよう要請します!

 

 私たちは「慰安婦」問題の真の解決を願い、真相究明や調査に取り組む「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC)です。昨年12月28日に日韓両国の外相により日本軍「慰安婦」問題についての「合意」が発表されましたが、私たちはこれで「慰安婦」問題を「最終的・不可逆的」に解決しようとする安倍政権のやり方には納得できません。安倍政権は即刻、「合意」の不当な内容を撤回し、被害者が受け入れられるものにするために協議を続けることを要請します。

 

  「合意」が「慰安婦」被害者を切り捨てるための外交妥結であったことが、「合意」発表から1か月も経たない1月18日の参院予算委員会答弁で浮き彫りになりました。安倍首相は、中山恭子議員の質問に対して、「今回の合意は日本の安全保障においても大きな意義があった」と言い、「軍関与」については強制性を否定する立場に変わりないこと、「軍は衛生管理も含め、管理、設置に関与した」と、主体的な責任を回避する認識を述べました。

 

また、岸田外相共々、「性奴隷というのは事実に反する」「誹謗・中傷」とまで言ってのけました。さらに、被害者に対しては一言もないまま、「私は、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせてはいけないと考え、その決意を実行に移すために決断した」と、「合意」の謝罪は被害者のためのものではなかったことを明かしました。



安保外交のために、被害女性をここまで愚弄しておきながら、「被害者の名誉と尊厳の回復」を掲げ、「最終的・不可逆的」と称して口封じのアリバイにするとは、被害者の尊厳を冒涜するにもほどがあります。
 
安倍首相、あなたは一体どのような責任を痛感し、何を反省し、誰に対して謝罪したというのですか!? 加害国日本の総理大臣として、日本の国民・市民に納得できる言葉で説明してください。

 

また安倍首相、あなたは、韓国ソウルの平和の碑(少女像)に関して、12日に国会で「移転されるものと考えている」と答弁しています。被害国の民間団体が建てた平和の碑を敵視し、撤去・移転するよう被害国に圧力をかけることは、加害責任・記憶を抹殺することであり、断じて許されません。


 
私たちは別紙「『合意』では加害国日本の責任は果たせない」との考え方に立ち、日本政府は不当な「合意」内容を白紙撤回し、即刻、被害女性から直接声を聴き、被害者と加害国日本の市民が納得できる解決のあり方を日韓両国で再協議することを強く要請します。

 

 加えて、真相究明を誠実に進め、日本軍(政府)の主体的責任を認定し、「平和の碑」の撤去を求めるのではなく、教育を含めてその記憶を継承する努力を続ける決意を示し、具体的な施策を打ち出すよう、強く要請します。
    
     
2016年1月27日
                       
 「戦争と女性に対する暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC
                 運営委員一同