「ひよっこ」が前の「べっぴんさん」などと天と地ほどの差があるのは、 日常の日々の瞬間にどうすることができるか、ということに、適切な態度を選び取っているシーンが積み重ねられているからだ。
まともな映画やドラマその他作品において、ひどい社会でどう生きるのかのヒントが示されていると、見ていられる。 目の前に困っている人がいるときにどうするのかは、どんな社会でも、ひとりひとりが瞬間的に問われることなのだ。 そしてそこに希望がある。 常にとりうる態度の余地があるのだから。
逆に脚本家や監督がだめな場合、態度価値を生み出す力がない。逆に主流秩序に従属するしかないと思い込んでいるのがにじみ出て、ひどい人間観の結果の人物たちが動き話す。悪役なり社会にはそういう人がいるのは当然だが、そうではない、という人が描けるかどうかだ。 それがない、描く力がない人の作品は、見ていられない。
で「ひよっこ」は見ていられる。
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