伊田広行著『シングル単位のデートDV防止教育を広げよう―― デートDV予防学NO.2』
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以下、紹介文と目次です。
『シングル単位のデートDV防止教育を広げよう――デートDV予防学NO.2』
2019年4月発行
電子書籍&POD版(ペーパーバック)
著者 伊田広行 (イダヒロユキ)
本書は『シングル単位思考法でわかる デートDV予防学』(かもがわ出版、2018年12月)の姉妹本である。
デートDV/ストーカー防止教育を充実させるために、実施者・教員が学んでおいたほうがいいことをまとめている。DVの被害者や加害者にかかわっている人のDVと支援への認識を高める情報を載せている。
なかなか1回の「授業」ではすべてを伝えられないが、実施者がプログラムを充実/改善するとき、教員が継続的に行っていくとき、普通授業の中や雑談でこの話題を入れ込んでいくとき、相談を受けたとき、個別指導する時などに参考になるだろうと思う。
DV関連支援やデートDV防止教育を行う上でシングル単位という概念が重要だが、まだまだ本当には理解されていないので、そこが具体的にわかるような「様々な教育内容」「考え方」「切り口」「材料」を本書では紹介している。
例えば、『デートDV予防学』でふれたことの、追加説明として、シングル単位のひとつである「課題の分離」をDVの例や親子の例で豊富化して説明した。
主流秩序とDVの関係の話もしている。
家族や親しい関係と言った共同体を否定しているのではなく、「健全な共同体愛」であるためにはこれが必要いう話もしている。
自己肯定感の低さやいじめや毒親やブラック部活やメンヘラとの関係で伝えることの有効性の話。
嫉妬の精神の中にある問題を主流秩序や中島みゆきの歌と絡めて考察。
性的暴力、性的同意、ストーカー、SNS問題、共依存とDVの関係などにも触れ、実際に生徒や学生から出された感想やQ&Aも多数入れた。
本書が、デートDV(防止教育)をあと一歩深く理解し充実させるために参考となれば幸いである。もちろんデートDVも本質はDVなので、本書は狭義のデートDVの話だけでなく、多くはDVそのものの理解を深める内容となっている。
DVに関するコラムも多数掲載し、コナリミサト『凪のお暇』、後藤真希さんのDV被害問題、「東京ラブストーリー」、田辺聖子さんのフェミ的3部作『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら――新・私的生活』、「間接的虐待と受動虐待」などに触れた。
本書によってDV問題の深さを味わっていただきたい。
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目次
第1章 「共同体への愛」という問題を「健全か不健全か」で考えるように提起しよう
第2章 デートDVの学びは他のことにも役立つことを伝えよう ―― 主流秩序とDV
コラム1 コナリミサト『凪のお暇』は、DV関係・主流秩序から離脱し自立していく物語
第3章 ブラック部活や毒親問題など関連領域とつなげよう
3-1 いじめ
3-2 ブラック部活1
3-3 毒親問題
3-4 自己肯定感が低くて被害者になりやすいという問題
3-5 「メンヘラ」問題とデートDV
第4章 シングル単位思考法の実践 ―― 「課題の分離」で考える
4-1 親子問題で考える「課題の分離」の難しさと深さ
4-2 様々な具体例で考える「課題の分離」
4-3 DV問題の解決に有効な「課題の分離」
第5章 性暴力問題・性教育と結びついたデートDV教育
5-1 デートDVと性暴力・性教育
5-2 性的同意
5-3 その他の「デートDV防止教育の中で触れる性的な問題」
第6章 ストーカー・SNS対策をいれたデートDV防止教育にしよう
6-1 ストーカーについて学ぶ
6-2 SNS、写真問題
第7章 嫉妬・束縛の心理を拡大してとらえよう
コラム2 「グレーゾーン」「共依存的なデートDV」についてのメモ
第8章 デートDV防止教育を義務化しよう
8-1 デートDV予防教育の義務化
8-2 質問に答えていくことが重要
8-3 DV被害者/加害者にかかわる学校での体制づくり
8-4 被害者・加害者双方の言い分を知るワーク教材
コラム3 予防教育を受けた学生さんの感想 ―― シングル単位の実践的理解
コラム4 「アサーティブ」という名で、「怒る自由」を奪うな
コラム5 『東京ラブストーリー』にみる「シングル単位の欠如」
コラム6 2019年3月、後藤真希さんの不倫とDVの話が話題になる
コラム7 田辺聖子さんのフェミ的3部作『言い寄る』『私的生活』『苺をつぶしながら ―― 新・私的生活』
コラム8 「受動喫煙」概念から考える「DVと虐待」 ―― 「間接虐待」と「受動虐待」
おわりに