別れ方の体制整備と教育が必要
以下の遺族のコメントを読んだ。
全文】「全てのことに疑問悲しみ憤り…娘をこれ以上傷つけないで」横浜女子大生刺殺事件 冨永紗菜さん(18)の遺族がコメント発表
(FNN プライムオンライン 2023年6/30)
https://news.yahoo.co.jp/articles/6366f9266b41ecd8d61b4121f8d54993622f0fa8
こうした悲劇を繰り返さないために、シングル単位のデートDV予防教育や大学での講義や加害者加害者プログラムを行っている。以下、簡単に、基礎情報。
「冨永紗菜さんが元交際相手に殺害された事件――このようなケースで、悲劇を避ける方法」
遺族のかたは「まぬけ」ではない。社会全体が以下のような「DV対策」を確立していないからこうなったのである。家族の責任ではない。
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DV関連の法律の整備、有効な対策の整備がなされていないことが問題
実践的なDV予防教育(そのなかには別れ方論も入っている)がなされていない
こうしたシングル単位の別れ対策の相談体制も確立されていない。
家族も含め皆が「DVと別れ方」について学んでおく必要がある。
警察に「緊急対処登録」をしておく。危険性を伝えて、対処を相談・依頼する。相手に「接近するな」と警告をしてもらう。
専門な知識ある人に相談したうえ、大人・第3者を入れて別れ話。「嫉妬・執着」は愛情ではなくDVであると伝える。今後一切連絡・接触しないように伝える。現れたらすぐに警察を呼ぶと伝える。「別れについて、相手の同意がいらない」というシングル単位の別れの考えを伝える。
加害者には、DV加害者更生プログラムに行くように伝える。(加害者を変えるのは、被害者やその家族の責任ではない)
別れた直後が一番危険と知って警戒体制を確立する。一人にならない
接近したら関係者は無条件にすぐに警察に連絡するようにしておく。そしてすぐに警察にきてもらう。
脅迫メールなどが来たらすぐに警察に相談し、相手に警告してもらう。
警察にパトロールしてもらう。
(こうしたことは伊田広行の各著作や講演・講義で示されてきた内容)
- 伊田広行『デートDV・ストーカー対策のネクストステージ』(解放出版社、2015年)、4章に、別れ方や警察の使い方など
- 伊田広行『超リアルなストーカー対処策を考える――ストーカーに対処するために知っておいたほうがいい、恋愛・別れの考え方と制度と法律の使い方』(電子書籍、2015年6月)
◆伊田広行「脱暴力プログラムの受講命令を制度化すべき時代」 吹田市立男女共同参画センターデュオ編集発行『男性問題から見る男女共同参画――ジェンダー平等の実現と暴力・DV根絶に向けて(令和元年度 吹田市男女共同参画センター調査研究報告書)』(2020年10月発行)所収
- 「別れの教育の必要性」 ストーカー事案再発防止研究会編(京都府警) ストーカー事案再発防止研究会報告書」2017年11月所収
- 『シングル単位思考法でわかる デートDV予防学』(かもがわ出版、2018年12月)」
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