ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

「別れ」についての学び 入り口紹介

講義録の一部、紹介しておきます。

 

第13回講義 13-3 「別れ」についての学び

 

  • 別れについての教育はなかった

恋愛や結婚で別れの時に一番問題が起りやすいです。しかし、別れについての教育はされていません。みなさんもちゃんと学校で習ったこともないでしょう。

今から「シングル単位の考え+安全のためにすべきこと(別れ方の具体策)」について学びますが、こうした教育は日本中のどこでも行われていません。と言うのは、伊田独自に考えて伝えていることだからです。でも必要と思うし、実践的と思うので、皆さんには知ってほしいです。そしてわかったら、周りの人にも伝えていってください。

では「別れ」についての基本の考えをまとめていきます。

 

  • 別れについてのカップル単位とシングル単位の原理的違い

 

 従来の常識は、恋愛や結婚はすばらしい愛情の結合だから別れるのはよくない、想定もしないというものです。簡単に別れるのは愛情が少ないというイメージです。そしてお互いが納得するまでは別れは成立しないと思っているのです。片方が一方的に別れるといっても相手が納得できないなら話し合わないといけないと思っている人、多いのではないですか。

 

これを論理的に整理すると、カップル単位の考え・スクランブルエッグでは、まざっているので元のAとBの卵に戻れない、つまり別れられないというようなイメージです。そもそも1単位ですから、それがもっと小さくなるのはあり得ない。別れが想定されていない永久の契約のような、不可分の愛というイメージです。

DVなど問題があってもいったん結合の契約したら、別れる自由がない愛情関係です。永久的な強制的パートナー関係、選択のない不自由の関係ということです。一心同体だからDVがあっても誰かが被害を受けているとかいないとかは不明確です。なんといっても1単位の中ですから、みえないし、他者でないから被害とか加害と言うような主体の関係性はないのです。

 

それに対して、ゆで卵(シングル単位)の関係でみてみると、最初から別人の関係ですから、別れられます。仲良くてもいいけれど、別れもあり得るのです。加害と被害も認定できます。各人に意志があるからです。双方に別れられる自由がある中でこそ、日々、恋愛(結婚)を続けていく各人の意思が確認できるのです。永久的な強制的パートナー関係(選択のない不自由)ではないということです。

 

 DV/ストーカーの加害者は、「自分がなぜパートナーから見切られたのか、その理由を知りたい、知る権利がある、そうしないと納得できない」「別れる・別れないということは、双方の合意がないと無理」「一方的に別れるというのは契約違反で身勝手」「謝ったんだから許してくれ。チャンスをくれるべき」と思っていることが多いです。「相手が別れの理由を明確に言ってくれないなら別れられない」と思い、相手を問いつめようとしがちです。愛情あるからこそ簡単に別れないのであり、そのほうがいいとさえ思っています。

 

婚姻関係の場合、そこに子どものことも入ってきます。「子どもを片親にしていいのか」「子どもが傷つく」という「正論」で相手の別れたいという希望を否定する。自分がDV加害をしたためにパートナーが離れることを決心したという中心の問題から目をそらす。その他、経済のこと、持ち家(建築物)のこと、子どもの学業、子どもの結婚、職場の人や親・親戚・近所の人に知られたくない、老後が寂しいなどの思いも交錯する。根底には離婚と知られるのが恥ずかしい、孤独が怖い、ひとりぼっちになりたくないといった思いもあります。

つまり、加害者は「別れないこと」に執着しがちです。そこに最大の特徴があるといってもいいくらいです。

 

しかし、そういう考えが間違いで、離れていく相手が明確な別れの理由を言えない場合もあり(言えば相手が傷つくような理由、他の人を好きになった等)、明確な理由などないこともあり、また理由を言っても、フラれる方は納得などできず、結局、いくら話しあっても、合意とか復縁は難しい場合が多いのです。

相手には相手の自己決定があり、言いくるめるようなことは良くない(それは再びDV的なコントロールとなる)と知るべきなのです。

相手が明確な別れの理由を言わなくても、別れたいという意思が明白に示されたなたら諦めなくてはならないと考えを変えるべきなのです。

 

交際関係がないようなストーカー事案の場合、相手が「接近しないでください」といったならば接近することは諦めなくてはなりません。それを受け入れないで抵抗することがDV/ストーカーなのだと知らねばならないのです。

 

自分の気持ちはIメッセージで一度伝えることはできますが、しつこく抵抗してはならないのです。被害者には相手が納得するまで説明する責任があるわけではありません。見捨てられるつらい気持ちは、カウンセラーや友人などに助けてもらって自分で対処するしかないのです。それをパートナーに求めてはなりません。それは再びの加害行為となります。「課題の分離」をして自分のすべきことをしていくしかないと知らねばならない。これがシングル単位の考え方です。

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「別れの教育」はこうした考えを入り口として、実際にDV/ストーカー加害者とどのような別れ話をしたらいいか、そのあとどういうことに注意して対処すればいいか、警察はどのように利用すればいいかなどを具体的に学ぶものとなります。

 

以下、続く 略