『僕と彼女と彼女の生きる道』
『僕と彼女と彼女の生きる道』で、離婚後の親権をめぐる対立、親権をとれなかった後の父親の子どもへのかかわり方、を丁寧に描いていた。
失われた妻の夫への信頼と愛嬢、積もり積もった夫への怒りと不信感が、徐々に春の温かさに溶ける雪のように消えていくが、それには時間がかかる。そして雪の下から出てきたものは苦い。だがそこには新しい距離と関係が在る。
本当にいろいろなケースがあるのだけれど、本当に、このくさなぎ君パパのように、子どもを深く愛する道に進む人がいる。
子どもの気持ちを思いやること、3人で暮らしたくても、もう暮らすことはできないこと、
小雪の複雑な気持ち、・・・・・・
切ない。
夫婦が、別れるけれど、対立だけでなく、理解しあい、子どものことを思って、別れるような成熟を望むし、それに近づこうとする人がいるのに、それを信じられないという人もいて、悲しい。見ようともしない。
過去があるから無理もない面があるが、とてもむつかしい現実。
切ない。
いい作品だ。