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男性学の記事

  

以下の記事、いかにも底の浅い表面をなでただけの記事だと思います。しかしまあ紹介としてはいいでしょう。

 

足りないのはフェミニズムや性的マイノリティの運動との関連・関係・協調性と対立性の検討です。また私の視点でいえばシングル単位論の観点、主流秩序との関係です。

深く問題を理解していないと質問が浅くなり、表面的な記事になります。男性性と女性性の研究は一体・表裏一体のもので、別々にできるというのがもう、ジェンダーがわかっていない証拠です。

もちろん従来のフェミニズム・女性学やジェンダーを語る人がそのことを皆が分かっているという意味ではありません。男女二分法のままの人はまだまだ多いですし、シングル単位論的なところを考えている人もまだまだ少数です。 

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 連載:NYタイムズ 世界の話題

男性学 アメリカ人が考える「男らしさ」とは

ニューヨーク・タイムズ・ニュースサービス

2015年10月4日18時45分

 

p://digital.asahi.com/articles/ASH973TW3H97ULPT003.html

男らしさとは……(Owen Smith/The New York Times)

 

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 社会学者のマイケル・キンメル(68)は、教室正面のホワイトボードの前に立って学生たちに質問を投げかけた。「グッド・マン(立派な男)とはどういう人物をさすのか?」

NYタイムズ 世界の話題

 この質問に、学生たちは怪訝(けげん)そうな顔をした。

 「では、こう質問しよう」とキンメル。「ある人の葬儀で、『彼は立派な人だった』という言葉を聞いたら、君たちなら、どんな人物を思い描くだろうか」

 

 すると、教室の前の方にいた学生が「面倒見のいい人」と答えた。

 「相手のことを先に思いやる人」と別の男子学生。

 もう一人が「正直な人」という。

 

 キンメルはホワイトボードに「立派な人」と大書し、その下に学生の答えを書き並べていく。そして、こう続けた。「では、リアル・マン(本当の男)とはどんな人?」

 今度は、学生たちの反応は速かった。

 

 「責任を引き受け、信頼できる人」と学部2年生のジェームスが答えた。

 「危険を承知で挑む人」と社会学専攻の大学院生、アマンダ。

 「どんな弱みも見せない人」と答えた学生もいる。

 「ぼくは『本当の男』とは、男らしく話す人だと思う」とトルコで育ったという若者が答えた。彼は「男らしく歩く人で、決して泣かない人」とも続けた。

 

 

キンメルは「立派な人」の欄にも回答を書き込み、こう話しかけた。「相違に注目してみよう。私は、アメリカの男性たちは、男とは何者かということについての考えが混乱していると思う」

 

 ウィメンズ・スタディーズ(女性学)という分野に対して、こちらはメンズ・スタディーズ(男性学)だ。現代社会における男とは何かについて探究する学問である。キンメルはニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の男性・男性性(男らしさ)研究センターの創設者であり、所長の任に就いている。

 

 男性や少年について理解を深める必要がある。彼は、かれこれ40年近くにわたってそう説いてきた。「当初、それを聞いた人たちは私に奇異な目を向け、『はぁー?』という声を上げたものだ」と振り返る。

 

 キンメルには、この分野に関連した著書が何冊もある。「Angry White Men(怒れる白人たち)」「Manhood in America:A Cultural History(アメリカの成人男性:文化史)」「Guyland:The Perilous World Where Boys Become Men(ガイランド:少年が男になる危険な世界)」などだ。

「Cultural Encyclopedia of the Penis(男性器の文化百科事典)」には、共著者の1人として名を連ねている。彼は男性と男性性に特化した学術誌の創刊者でもあり、十数カ国でこの分野の研究をしてきた。16歳の息子とフォードハム大学教授の妻と一緒にニューヨークのブルックリン区に住んでいる。

 

 女性学は、はっきりしていた。女権運動が盛り上がりを見せた1970年代に研究プログラムができ、歴史学者のバーバラ・J・バーグによると、この時代の政治闘争におけるある種の学問的支柱を提供した。女性学は、調査研究が重ねられて理論が生み出され、これまでの歴史書には不在同然だった女性たちの活動を書き込む運動家も現れた。この女性学が無かったとすれば、過去45年間に女性たちが達成した成果の多くは生み出せなかっただろうとバーグはいう。

 

 しかし、男性学はといえば、つい最近まで必要とは思われていなかった。たとえば文学は基本的に男性が書いた作品を研究することだったし、芸術の歴史は男性が描いてきた仕事の研究だった。「もともとからして男性研究だったのだというジョークさえある」とバーグは指摘し、「それは歴史そのものだから」と言い添えた(彼女は「Sexism in America(アメリカの性差別)」という本の著者でもある)。

 

 ところが、そうした見方は少しずつ変化してきた。男性問題への関心の高まりを背景にした「全米男性機構(NOM)」(後身はNOCM=全米変容男性機構)と呼ばれるグループをベースに、1991年に「米国男性学研究学会(AMSA)」が結成された。その後、いくつかの大学で男性学が開講されるようになった。たとえば、カリフォルニア・ルーテラン大学では「男性になるための哲学」、ダートマス大学の場合は、有名なベティ・フリーダンの著作『女性らしさの神話』(邦訳『新しい女性の創造』)をもとにした「男性らしさの神話」などだ。

 

 だが、キンメルによると、より発展した男性性の研究プログラムはソーシャルワークから文学や保健学などを動員した学際的な研究である。そこでは、以下のような問題が問われる。

すなわち、男性をして何が男らしくさせるのか、どのように少年を指導すれば少年らしい役割を果たせるのか、といった問題だ。男らしさにおける人種と性的な能力、メディアと大衆文化などの影響にも注目する。

さらに、男性の自殺と男性が自身の感情を他人にはあまり話したがらない問題とか、経済破綻(はたん)と男性の危険に挑む傾向といった一見関係なさそうな問題にも学問的な光をあてて、それらの関係づけを試みる。

 

 「私たちは、この問題を科学として扱う」とダフネ・ワトキンスはいう。彼女は米国男性学研究学会の会長だが、このポストに就いた最初の女性でもある。「多くの男性はいまだに男らしさの定義を、家族に必要なモノを供給し、いざとなればトラと格闘してでも家族を守る存在と考えている」。そう彼女はみている。

 

「どうなってほしいのかというと、私はこうした考え方にもっと幅ができたらいいと思っている」と彼女はいうのだ。

 

 新分野の研究の多くがそうであるように、男性性研究もさまざまな疑念を生んでいるのは事実だ。たとえば、真面目な学術研究にしては流行を追いすぎていると指摘する学者がいる。女性学の研究資金が吸い取られるのではないかと懸念する見方もある。また一部には、キンメルの研究は不適当な男性寄りの研究だとする声も出ている。

 

 しかしながら、キンメルの話に耳を傾ける人の数は増えている。男女平等の実現を目指す国連機関「UNウィメン」はキンメルと協働して今秋から、各地の大学を舞台に男性のためのワークショップを連続開催する。このワークショップでは、性的暴行から男性の性と生殖にかかわる健康の問題など幅広いテーマに取り組む。米国男性学研究学会は今年5月、「男性学の教授法」についてのワークショップを3日間にわたって開いた。同学会によると、教えてほしいという要望が一気に高まったからだ。

 

 キンメルの話だと、女性の対等性に関する論議では、その実現に向けて男性はどんな役割を果たせるかとか、なぜ男女間の平等化が男性にとってもいいことなのかといった問題に新たな注目が集まっている。ここ40年余りの間に、男性・女性の役割は大きく変容してきたが、学術的研究の焦点は相変わらず女性への影響に置かれている。

 

 ある最近の調査報告によると、男性の9人に4人が、自分の父親の世代より現在の方が男性でいることの難しさを味わっているという。その理由として、多くが女性の経済的な地位の上昇をあげた。

 

 男性についての理解がもっと深まれば、現代社会の病理はどれほど解消できるか、あるいは少なくとも、解消に向けた取り組みが可能か。学者たちは思案している。

 「素材は、あちこちにあふれている」。ある日の午前、キンメルは自宅の居間で話してくれた。「アメリカでは数週間ごとに、銃による大量殺人事件が起きている。その度に銃の問題が取り上げられる。精神の病も話題になる。ところが、銃を使った大量殺人がことごとく男性による犯行であることは取り上げられない」。彼は一息ついてから、こう続けた。「男らしさが、事件にどう影響したかを理解しなければならない」

 

 「ここに、ペンタゴン・ドキュメント(米国防総省の文書)がある」とキンメルはいう。「その文書に、リンドン・B・ジョンソン大統領(訳注:大統領在任は1963~69年)の言葉が残っている。ベトナムから軍隊を引き揚げたくなかったのは、そうしたら男らしいと思われないだろうからだ、と彼は述べていた

 「これがアメリカの大統領が考えていた男らしさなのだ」。そうキンメルは指摘する。(抄訳)

 

(Jessica Bennett)

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