ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

「AKB総選挙」での結婚宣言と主流秩序

 

 

「AKB総選挙」については私は批判的だ。ファンに大金を使わせてCDを大量に買わせるという企画は金もうけ主義でいやらしい。そしてアイドルメンバーも競争させられ、明確に序列化される。勝ち組が我が物顔になり、弱者負け組はダメとなる。主流秩序そのものだ。

 

というような批判は何度かむかしに書いたし、似たような批判も昔から当然たくさんある。

 

で、秋元商法を私は批判してきたし、高橋みなみがあまりに秋元を体現して皆をうまく支配コントロールするのでいやで怖い感じだと書いたこともある。

 

だが、物事には多面性があるもので、秋元の曲のなかにもいいものはあるし(「RIVER」とか)ももクロもそうだが、ある瞬間、ある局面では一生懸命生きるということで、<たましい>を感じるようなこともある。

今回5位になったNGT48 荻野由佳のことばには魂がこもっていた。笑

 

 

で、「AKB総選挙」で結婚宣言をしたNMB48の須藤凜々花さんについて、感じたことがあるので書いておこう。

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これには批判も賛同もあり賛否両論が吹き荒れているという。まあどっちでもいいのだが、主流秩序論としての感覚から一言メモしておく。

 

同僚やファンから「ファンがどれだけお金をつぎこんだか。謝罪しろ」「選抜総選挙を辞退すべきだったのではと思います」「ファンの皆さんに直接選挙前に言え」というような批判がでている。祝福派からは、「りりぽん結婚おめでとう」「結婚は自由だよー!恋愛は禁止だけどね」「人を好きになることは禁止してない。交際0日だったらルールは破っていない。」といった意見もあるという。

 

 

 

私は、こうした総選挙で人を操り洗脳し競争させ序列化させることが嫌だが、多くのAKBグループのメンバーが必至で頑張っている気持ちには「一生懸命生きる」というエネルギーがあると思っていて、そこは一生懸命働いている職場という面があると思う。その職場において急に「結婚しまーす」といってまるで結婚するのがいいかのような能天気な感覚で話す奴がいたら、うっとおしいなと思う。

 

一般的には各人にはどう生きるかという自由はあるが、私は結婚というと皆がおめでとーと自動的に言うような価値観が嫌いで、其れをカップル単位社会、主流秩序、ジェンダー秩序と呼んで批判してきた。

 

誰かを好きになってsexしたり一緒に暮らしたりしてもいいが、世間に公表するのは、秩序の再生産に加担する行為だ。勝手にしていろ、外にだすなよ、自慢と思うその感覚が鈍感でやだなーと思う。

 

で、今回の須藤凜々花さんの行動(それを事前に知って許容したスタッフ)には、結婚と言とおめでたいという無批判的な感覚があると思うので嫌だなと感じた。

若い子が集まっていて、「私こんど結婚するの」というと皆が、「えー!」と驚き、結婚相手が「主流秩序の上位という意味での“いい人”」だと「うらやましいー」といわせるような空気。早く結婚したものが勝ち組という感じ。仕事とか活動があっても、愛する人のためにすべてをささげて仕事をやめるというようなことが女性の潔い道のように思われている状況。それはしばしば現代でもある。活躍している有名人女性(スポーツ選手でも芸能人などでも)が結婚を機に専業主婦になるというのが美化されることがよくある。「これからは彼のサポートに徹します」「家庭を作って夫と子どもに全力を注ぎます」というと「いい女」みたいに思われる風潮。

 

須藤凜々花さんにも、こんなアイドルとしての成功が目の前にあるときに、其れを蹴って「愛に生きるの!」という自分に酔った感じがあったのだと思う。そうでないと、あれだけの大人数でみながクラブ活動のなかのレギュラー争いのように頑張って日々厳しい練習に耐えてきている時に、「クラブ辞めまーす。好きな人ができたから」というようなことはいえない。

 

ひっそりとAKBなど辞めればいいものを、総選挙というアイドルがんばりますといってファンに金を使わせるあくどいことに加担しておきながら、その最終発表の当日に、あおってあおっておいて、最後の日にあれを言うのはおかしい。バカだと思う。

 

ちょっとばかな若い子が結婚にあこがれていても、大人のスタッフが早めにわかった時点で「アイドルをやめるというのはいいが、それなら総選挙に出るのは辞めて、別の場で引退を言いましょう」と話をすればいいものを、あの「総選挙」の場で発表させたというのは、「これも話題づくりとして面白い」と、商売根性で判断し使ったということだろう。内部メンバーやファンからの反発が予想されるのに、あれを言わせたというのはそういう金もうけ計算でしかないだろう。スタッフの判断がおかしい。

 

須藤凜々花さんが誰を好きになるか、どう生きるかは自由だ。私が言っているのは、主流秩序、ジェンダー秩序に従属した感じが本人とスタッフに如実に出ていて、判断を誤ったんだろうなということだ。

 

 

 

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