ソウルヨガ

主流秩序、DV,加害者プログラム、スピシン主義、フェミ、あれこれ

セクハラ告発者への攻撃

首相とご飯を食べるということを武田鉄矢がいいといって、それをネトウヨが賛成するような時代。だからフェミ的なものはネット右翼はとにかくたたきたい。慰安婦問題もセクハラ問題もDV問題も。

それをあつかったリテラの記事。

「20年経ってもこの国は、このように加害者ではなく被害者を叩きのめそうとするのである。」 「性暴力の被害者をバッシングする人たちは、いま一度、「被害女性の落ち度がことさら気になるのはなぜなのか」について、男女問わず考えてみてほしい。」

関連 こんな記事がある

“性的嫌がらせ”を告発した椎木里佳が「男をたらしていた」奔放時代 https://nikkanjapon.com/entries/QeifBUsEAYxSdeeH?share_id=Qej0OFVNpdlX0Vaf ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

以下記事紹介

はあちゅう、詩織さん…セクハラ告発者バッシングがあまりに卑劣! 加害男性でなく「女性の落ち度」が非難される理不尽 2017.12.24

 ハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによる性暴力告発に端を発した「MeToo(私も)」の動きが、ようやく日本でも活発化してきた。

 ワインスタイン問題以前に日本では、伊藤詩織さんによる元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害告発が起こっていたが、最近では人気ブロガーの「はあちゅう」こと伊藤春香氏の電通在籍時の先輩で有名クリエイター・岸勇希氏に対するセクハラ・パワハラや、演出家・市原幹也氏による立場を利用した性的関係の強要の事実があきらかになり、SNS上では自分が受けた性被害の実態を告白する女性の投稿が相次いでいる。

 しかし、その一方で目立つのは、告発する女性たちに対する誹謗中傷や、セクハラを矮小化しようとする卑劣なバッシングの数々だ。

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司法界の性暴力への鈍感・女性蔑視の基本を伝えるリテラ記事

リテラの以下の記事 一部だけ紹介します。 これはジェンダー論をしているものにはむかしからいわれている基本なのですが、一般記事でこういうことを啓発していくことが大事です。

http://lite-ra.com/2017/11/post-3553.html

山口敬之事件だけじゃない、裁判所ではレイプを“被害者の落ち度”とする判決が横行! 背景にある司法界の女性蔑視 2017.11.01

ネトウヨ向けネット番組『報道特注』に出演した。とくに『報道特注』ではシャンパンまで用意され、共演者から「山口さんの“おめでとう会”」という言葉まで飛び出した。

 だが、検察審査会の議決についても、さまざまな疑問がある。まず、議決の理由は〈不起訴処分の裁定を覆すに足りる事由がない〉という、理由になっていない理由が記されているだけ。さらにどのような証拠をもって審査されたかもわからず、その上、補助弁護人も付いていなかったのだ。このことについて、元検事である郷原信郎弁護士は「補助弁護人が選任されていないということは、“法的に起訴すべきだった”という方向において、専門家の意見は反映されていないことを意味しています」と答えている(「週刊新潮」10月5日号/新潮社)。

 一体、検察審査会ではどのような議論がなされたのか。審査会での議論内容は非公開のため知ることができないが、そもそも忘れてはならないのは、この国の司法の場においては、性犯罪に対してジェンダーバイアスによる偏見が蔓延り、男性目線の「レイプ神話」によって被害者女性こそが裁かれる場になっている、ということだ。

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下ネタを話しただけでセックスに合意とみなされた判決も

 たとえば、レイプ事件に際して必ずもち出されるのが、被害者の「落ち度」についてだ。「夜にひとりで歩いていたのが悪い」「一緒に酒を飲んだことが悪い」「部屋に招き入れたのが悪い」「車に同乗したのが悪い」といったものにはじまって、「露出した服を着ていたせい」「言動が誘惑的だった」といったもの、さらには「夜の商売をしていたなら仕方ない」「もともと性に奔放だった」といったもの。……いずれも性犯罪を犯していい理由にはけっしてならないものばかりだ。

 そして、山口氏自身も今回の疑惑について、この「レイプ神話」を振りかざしている。

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山口敬之の詩織さんレイプもみ消し事件に関して

山口敬之氏は、スパコン補助金詐欺事件にもかかわっているが、レイプもみ消し事件でも「リテラ」ではよく追及している。

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f:id:hiroponkun:20171226015213j:plain

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http://lite-ra.com/2017/05/post-3206.html

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幻冬舎が安倍首相と結託してまた政権PR本を出版! 著書は“安倍の太鼓持ち”で有名だった元TBSの官邸担当記者

http://lite-ra.com/2016/06/post-2316.html

レイプ疑惑の山口敬之はやっぱり官邸と癒着していた! 週刊新潮対策を内調トップ・北村滋に相談したメールが流出

http://lite-ra.com/2017/05/post-3171.html

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異なる意見と不寛容とヘイト・・・前田朗さんのブログより

不寛容という概念がらみの考察、入り口として必要。 前田さんのブログ紹介しておきます。

MONDAY, DECEMBER 25, 2017

ヘイト・スピーチ研究文献(114)不寛容について考える

明戸隆浩「ヘイトスピーチと『不寛容』」『神奈川大学評論』87号(2017年)

* ブライシュ著『ヘイトスピーチ』翻訳とともに、カウンター活動の調査や、ヘイト・スピーチをめぐる理論研究で知られる明戸の論文である。3つの問いを再検証している。 第1に、「ヘイトスピーチは『不寛容』なのか」。 第2に、「『不寛容』を批判することは『不寛容』なのか」。 第3に、「相手の意見を批判することは『不寛容』なのか」。

第1の「ヘイトスピーチは『不寛容』なのか」とは、NHK BS1の特集番組や、安倍首相の国会答弁において、ヘイト・スピーチを「不寛容」と特徴づけられている問題である。「寛容/不寛容」という観点での議論は、ヘイト・スピーチを「法律」の問題にせず、国が介入しなくても「自然」にどうにかなる現象として扱うことにつながりやすいと言う。なるほど、寛容や和や謙虚と言うレベルの思考では、ヘイトの被害認識も不十分となり、法的対策の必要性が見失われる。 *

第2の「『不寛容』を批判することは『不寛容』なのか」とは、「あの人は普段は寛容を主張するのに、自分と違う意見には不寛容だ」といった言説のことである。ここでは2つの異なる「不寛容」概念が衝突している。明戸によると、2つの「不寛容」概念は対等のものではなく、多くは時間的に後の概念の方が強い印象を残すと言う。そこに、ヘイト・スピーチ規制をめぐる「刑事規制か表現の自由か」という議論に端的に示されているという。

* 第3の「相手の意見を批判することは『不寛容』なのか」とは、通常の批判は「不寛容」と呼ばれることはないが、一定の条件下では「不寛容」になりうるという。一定の条件とは、制度的な力の不均衡の場合であり、権力関係にあることである。教授が学生に指導する際に、指導や批判が「押し付け」や「制裁」となる場合である。インターネット上における多数派と少数派の関係も同様だと言う。

* ヘイト・スピーチと「寛容/不寛容」の関係を問い直している点でとても参考になる。

私にとって「不寛容」概念は2001年のダーバン宣言における「不寛容」概念であり、明戸が言うようなレベルでは考えてこなかった。ダーバン宣言とは、「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容に反対する世界会議」の「宣言と行動計画」のことだ。

https://www.hurights.or.jp/wcar/J/govdecpoa.htm ダーバン会議に参加したことが21世紀に入ってからの私の思考、研究に多大の影響を与えてきた。今もなお私はダーバン宣言の枠組みで思考している。ダーバン宣言のフォローアップが研究の主たる課題である。もっとも、ダーバン宣言では単なる「不寛容」ではなく、「人種主義、人種差別、外国人排斥および関連のある不寛容」とあるように「関連のある不寛容」なので限定された概念だが。

* ダーバン会議は一日延長して9月8日に宣言を採択したが、その前にアメリカとイスラエルが会議をボイコットして退席・帰国した。3日後に9.11だ。あれから16年、ふたたびアメリカとイスラエルが世界に不安と恐怖をまき散らしている。寛容であることもなかなかの苦労。 Posted by 前田朗 at 5:05 AM

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批判される意味が分かっていない古市憲寿氏

社会学者の古市憲寿氏(32)らが安倍晋三首相と会食したことをめぐり、牟田和恵・大阪大学教授(60)が、「古市氏の権力へ近づいているスタンス」を批判的にツイッターに投稿した。

古市氏は,そんなことないと反論しているが、問題の意味が分かっていない。

主流秩序に鈍感で、知らぬ間に加担しているので、安倍首相と食事をすることが主流秩序的にどうなのかと考える視点がまったくないのだ。

それが見えていない人には、「批判が的外れ」にしか見えない。

だからこれは古市氏が言ったということでなく、今どきの「若者」――若者だけでなく政治的にものを見る枠組みがない人ならどの年代の人でも――ーが言いそうなことなのだが、

自民党の何が悪いの。」「左だ右だとかいうのが古い。」「憲法を変えないと決めつけるのはおかしい」「慰安婦問題という古い問題にいつまでもこだわるのは政治的すぎる」などというようなことになる。

本当に左翼的な人の言い分が分からなくて古いとしか思えないのだ。それはこの社会のだれの、どの階層や社会集団の、どの様な状況に心や魂が動かされ、感動したり憤ったりするかという、自分の存在の位置がないからだ。一言でいえば立場性党派性がない。

古市さんはその典型だと思う。感性として何かに強く感じ入ってその感情を動力として研究したり生きたりしていないような人なのだ。 これはもちろん古市さんだけでなく多くのインテリ、研究者、評論家、政治家、弁護士なども同じだ。 そしてそういう人は結局、主流秩序を上昇することに目標を見出している。だからメディアに出る。メディアに出ている99%はダメキ系である。

こんなだから安部首相と一緒にご飯を食べるのが何が悪いかわからない。別にいいなりになるわけじゃないし、どんな人か話してみたい、という程度。

その時、沖縄の問題で安倍政権がどういう態度をとったかという感情と認識で安倍首相に会わない。 慰安婦問題で、原発問題で、共謀罪で、武器輸出で、特定秘密保護法で、憲法改悪で、核禁止条約で、モリカケ問題で、安保法制での安倍首相の取った態度を思い出さないし、憤らない。だから普通に笑てご飯を食べられる。軽く個人的なことを聞いて、こんなこと話してましたよとか言える。首相に会えたと内心得意げになれる。じぶんはh特別なのだと思える。

牟田さんの指摘は客観的にはそこにかかわっているのに、古市さんには意味が分からない。

そんな人だからこそメディアでも重用される。

権力から「偏っている」「あいつだけは絶対に出すな」というようには言われない、無味無臭程度の少し保守とか少しリベラルとか、中立とかがいい。萱野などその典型で、権力にすり寄っている。まして極右・ネット右翼から「味方」と思われるような人は自分を恥じたらいいと思うがそれが分からない。三浦さんなどその典型。 そんな人たちだからこそ、メディアに出ている。何故メディアに出られているかさえ考えない。自分には実力があるからと思っている。NHKの若手が集まり番組に出ている人たちなど、そんなのが多くて気持ち悪い。

真にちゃんとした人は、そのメディアの場にはいなくて、無名であちらこちらに存在している。

そんなことが分かっていない典型が古市や萱野さんたち。

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言及材料となった情報

ネットで物議の牟田阪大教授、こんどは安倍首相と会食の古市憲寿に茶々 12/17(日) 16:10配信

岸勇希(元電通)のセクハラ・パワハラをはあちゅうさんが告発

この問題に関することを整理しておきます。時に気になるのは、2015年10月に過労自殺した高橋まつりさん(が亡くなる前、Twitterに投稿した内容。 性的な見返りを要求されたように思える。これも岸氏なのかどうかは不明。

高橋まつりさんの言葉

「私の仕事や名前には価値がないのに、若い女の子だから手伝ってもらえた仕事。聞いてもらえた悩み。許してもらえたミス。程度の差はあれど、見返りを要求されるのは避けて通れないんだと知る」

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●今回は、作家やブロガーとして活躍しているはあちゅうさんが、電通時代に上司の岸勇希氏から受けていたセクハラやパワハラを告発した。

岸勇希氏は告業界での超有名人で、これを受けて急いで火消しの対応をしている

はあちゅうさんは、世界的な#metooの動きと、最近、岸氏が新たな本を出版したことをきっかけに、証言することを決意した。「少しでも世の中が良い方に変わることがあれば」という思いで。

●岸勇希氏。

2004年に電通に入社し、その4年後に「コミュニケーションをデザインするための本」を出版。2014年には電通史上最年少でエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターに就任し、2017年に独立。株式会社「刻キタル」の代表取締役に就任。 世界最大級の広告の祭典「カンヌライオンズ」で金賞をとるなど、国内外での受賞歴も多数ある広告業界で日本有数の人物。

●セクハラ・パワハラの内容

はあちゅうさんは2009年に慶應大学を卒業。同年、電通に入社。 岸氏に異動に関する相談にも乗ってもらっていたはあちゅうさん。 中部支社から東京本社に配属が決まった2010年3月頃からセクハラを受け始めた。

「本社に異動した頃、岸さんから『今すぐ飲みの場所に来い。手ぶらで来るな。可愛い女も一緒に連れてこい。お前みたいな利用価値のない人間には人の紹介くらいしかやれることはない』などと言われるようになりました」

「深夜に『俺の家にこれから来い』とも言われました。当時、私は田町に住んでおり、彼の自宅は浜松町だったので、歩ける距離にありました。突然電話がかかってきて、どこで何をしていようと、寝ていても『今から来られないのか』と言われました。『寝ていました』と言うと、行かないでも許してくれることもありましたが、翌日、『お前はこの会社には向いていない。CDC(岸氏が所属していた部署)にきたら深夜対応も当たり前だぞ』と言われました」

呼び出される時間は夜10時のときもあれば、深夜1時のときも。岸氏が眠る朝方まで帰ることも許されず、月に1〜2回の頻度で自宅に誘われた。 深夜だけに友人を連れて行くわけにもいかず、家に行くときは毎回1人だった。

「自宅にいくと、黙って正座をさせられて、彼が作業をしているのを延々と横で見させられるか、彼の仕事の功績を聞いて、それを褒め続けたり、岸氏の嫌っている人を一緒にけなすなどさせられたりしました。

そして、当時、岸氏は私の友人と付き合っていたのですが、『こうやってこの時間にお前が俺の家にいることを言ったらどう思うかな。お前が誘ってきたことにもできるからな』などと言われました」

『俺に気に入られる絶好のチャンスなのに体も使えないわけ? その程度の覚悟でうちの会社入ったの? お前にそれだけの特技あるの? お前の特技が何か言ってみろ』と性的な関係を要求されました。

『お前みたいな顔も体もタイプじゃない。胸がない、色気がない。俺のつきあってきた女に比べると、お前の顔面は著しく劣っているが、俺に気に入れられているだけで幸運だと思え』と」

「また当時の彼女とのセックスについて『あいつは下手だからもっとうまい女を紹介しろ。底辺の人間の知り合いは底辺だな。お前もセックス下手なんだろ。彼氏がかわいそうだ』などと言われました」

はあちゅうさん本人だけでなく、「平凡な家庭だからー。程度の低い人間と付き合うからー」などと家族や友人、パートナーの人格を否定する発言もあったという。

岸氏からのハラスメントから逃れたいと思ったはあちゅうさんは、岸氏の要求通り数名の友人を紹介した

「お前どうしてあんなしょうもない女紹介するんだよ。自分が何のために俺と知り合ったかなんもわかってないじゃないか。俺の偉大さちゃんと説明したの?」などと言われたこともあったという。

はあちゅうさんは当時、紹介した友人たちに対し、「今は心から申し訳ないと思っています」と話す。

岸氏からはソーシャルハラスメントもあったと証言する。

「私のブログやTwitterは『考えの浅い人間のアウトプットだ』と言われ続けました。特にTwitterは、岸氏のツイートをいち早くリツイートしないと『お前なんでまだリツイートしてないの?』と言われたり、ほかのクリエイターの記事をツイートすると『お前なんであんな記事をツイートしているの』と言われたりしました」

はあちゅうさんは限界に達し、岸氏との連絡を断つことにした。そう伝えると、岸氏からは「広告業界では生きていけなくなるぞ」などと脅された。

2011年11月、はあちゅうさんは2年6カ月務めた電通を退職。PR会社に転職した。

しかし、岸氏の嫌がらせは退職後も続いた。

「転職後、電通主催のリクルートイベントに登壇のオファーがありました。しかし、人事に岸氏から、『会社のオフィシャルに、はあちゅうなんか呼ぶな。あいつはどうしようもない女だ』のようなメールがあったと聞きました。関係を断ったことで、退職した後も妨害や嫌がらせは続きました」

●「俺は愛で言っている」という言い訳

はあちゅうさんは、岸氏も “悪いこと”をしている自覚はあったのではないかと話す。

「『俺は愛で言っている』とすごく言ってました。『全員にこんなことをしているわけではない。お前には愛があるから指導している。どうでもいいやつはどうでもいい。お前はどうでも良くないから睡眠時間を削ってわざわざ電話しているのだ』と。 そう言われると彼なりの可愛がりなのかと思ってしまうところもあって、どうしたら良いかわかりませんでした」

「一度、会社に言いますよと言ったら『会社がどちらを信じるかわかるか? 信じてもらえるわけないだろ』と言われ、悪いことをしている自覚はあるのだと感じました」

●現役社員たちの証言

はあちゅうさんの証言について、BuzzFeed Newsは複数の電通社員に取材をした。

「岸さんのセクハラやパワハラの話は知っている。だが、取材には答えられない」と言って、証言を断る人もいた。 そんな中で、数人が匿名を条件に証言をしてくれた。彼らは岸氏のセクハラ・パワハラの被害は、はあちゅうさんに止まらず、広く知られていたという。

ある男性社員は「いつかは表に出ないといけないことでした」と語った。 「インターン担当を岸氏がやっている年があったのですが、ある女子大生のインターンが終わり、内定を受けたあと、岸氏から『家に来ないか?』と電話があったようです。入社前の学生はどこに配属されるか不安です。岸氏はそれなりの立場がある人物なので、彼がキャスティングボートを握っているのではないかと思ってしまうのも無理はないです」

これだけでなく、別の年にはカンヌライオンズに当時インターンの女子大生を連れて行き、問題になったという。

これらの岸氏の行動は、人事やハラスメントの関係部署でも知られていたようだ。 はあちゅうさんは、退社後に岸氏のハラスメントについて相談するメールを複数の電通社員に送っている。

ハラスメント関係部署の担当者からの返信には、これらの女性問題について「聞いている」と記されていた。また、対応が不十分だったことへの謝罪の言葉もあった。

その後、岸氏から、はあちゅうさんへの連絡はなかった。しかし、BuzzFeed Newsが関係者への取材を始めた頃、はあちゅうさんに対し、以下のような謝罪文が急にFacebookメッセンジャーで届いている。

●火消  ―――岸氏の自己保身のための対応

謝罪文 当時自分がとても理不尽なことをし、嫌な思いをさせた、とても苦しめたことを、お詫びしたくて連絡しました。本当にごめんなさい。当時の自分には自分なりの理由があったのだけど、それ自体が稚拙で傲慢で愚かな考え方だと改めて思い、深く反省しています。(一部抜粋、原文ママ

岸氏が回答「彼女への謝罪の気持ちがあります」 BuzzFeed Newsは12月13日、岸氏が経営する刻キタルを訪問し、本人は不在だったが、質問状を提出した。15日、二度目の訪問で岸氏本人と対面し、「書面で回答する」との返事があった。

岸氏は16日午後5時55分、「Buzz Feed様からの取材について」との見出しでBuzzFeed Newsの質問状とその回答をネット公開した。公開に関して、BuzzFeedへの事前の連絡はなかった。

「経緯と反省」という書き出しから始まっている回答。

「ショックを受けましたが、まず彼女への謝罪の気持ちがありますし、当時自分がしたことが理不尽であったという認識が今はありますので、きちんとご回答すべきだと思いました」

謝罪した上で、はあちゅうさんが証言するハラスメントに「事実と、事実ではないものが混在している」という内容だった。

以下、岸氏の回答を載せる(回答は原文ママ)。


電通在籍時代に、セクハラ、パワハラをしていたという認識はあるか。

彼女を傷つけたことを現時点では強く認識しております。現時点ではと書かせて頂いた理由は、当時は(8年前だと思いますが)、私の認識や理解が未熟で、後輩への指導とハラスメントの境界が、正しく認識できていなかった為です。

ここ数年、自分がハラスメントや差別問題に興味を持ち、学んでいく過程で、自分が過去に人を傷つけていたことに気づきました。今頃にしか気づけなかったことは、大変恥ずべきであり、情けなく、ただただ申し訳なく思っております。今更ではありますが、自分の言葉でお詫びをすべきだと考え、Facebookメッセンジャーで謝罪をした次第です。

●交際関係にない男性社員が相手の意に反して、女性社員を自宅に呼び出すことは問題行為であるという認識はあったか。

8年前のことで、全ての詳細を記憶できていませんが、少なくとも「深夜の呼び出し」は事実です。ただ、それに至る前後の文脈については、補足をさせて下さい。

また「性的な関係を要求したこと」に関しては、否定をさせて頂きます。

当時私は管理職ではなく、彼女とは所属部署も違っていたので、基本その方との関係は、直接的な部下や、直接仕事をする間柄ではありませんでした。仕事のノウハウや企画書の書き方をアドバイスする、先輩後輩の関係でした。 彼女の配属が決まった日に、私の席まで来て(それが初対面)、アドバイスをしてほしいと依頼を受けたのが知り合うきっかけだったと記憶しております。

そもそもここは大きな反省点ですが、当時私は自宅を仕事場としても使っておりました。スタッフを招いて、夜な夜な仕事を完成させるということ自体は頻繁に行っておりました。彼女へのアドバイスも、部署も異なり、一緒に行っている仕事ではなかったこともあり、私の都合で自分の仕事が終わる深夜に、私の家で行うことが何度かあったと記憶しています。

また仕事の完成度を妥協させないため、明け方まで企画作業を続けたことはあったと思います。当時は自分にも他人にも心血を注ぎ、仕事の質を高めることが何よりも重要で、本人のためになると私が一方的に考えており、それを押し付けていた行為であったと深く反省しております。

また知り合って時間が経つにつれ、私が彼女のことを、後輩というよりは友人のように認識していたことは否定できず、仕事以外にも友人として家に招いたことも、少なからずあったように思います。彼女にとって私は先輩であったことを考えると、家に招くこと自体も、彼女にとっては大きな心理負荷であったと、ただただ深く反省しております。

いずれにせよ働き方の観点からも、何より交際関係にない異性を深夜に家に呼びつけることも、極めて非常識であり、不適切だったと猛省しております。

Facebookメッセンジャーで謝罪文を送っている。具体的にどのような行為に対しての謝罪なのか。

Facebookメッセンジャーでの謝罪については、前述のとおり、自分が彼女を傷つけていたと認識した以上、謝るべきだと思ったから他ありません。

謝罪の対象についてですが、特定の事象に対してということではなく、彼女がこの件について、8年経った今でも、不快に思い、苦しめていることを認識したことに対してのものとなります。 ただ特に、彼女が選択したキャリア・プロセスが、それまで私が彼女に指導してきた方向性と異なるものだったことに対して、私が憤り、以降彼女とのコミュニケーションを断絶したことについては、私がただただ未熟で稚拙だったゆえの行為であり、彼女を追いこみ、深く傷つけたことだと、謝罪したいと考えております。 当時の私が、彼女のスキルアップを真剣に考えていたのは本当ですが、必要以上に憤り、威圧的な言葉をぶつけたことは事実であり、思い返し反省しております。

8年もかかってしまいましたが、お詫びのメッセージを送った次第です。

●人格を否定するような行為、発言はあったか。

議論や指導において白熱して、威圧的な発言や追い込む言動をしてしまうことは少なからずあったと認めます。傷つけた方にお詫びできるのであれば、直接謝罪させて頂きたいと考えております。

電通主催のリクルートイベントに、(はあちゅうさんへ)登壇のオファーがあった。それについて人事局に対し、登壇をやめさせるようなメールを送ったのか。

「登壇をやめさせるよう相談した」ことは事実です。ただしこれは明確に理由があります。

当時、彼女が電通退職後に勤めていた会社は、この時ちょうど、ステルスマーケティング(お金を払って人を並ばせた)の類で、何度か炎上騒ぎを起こしておりました。 当時私はWOM協議会というクチコミマーケティングガイドラインの策定に携わっており、やらせや、ステマを防ぐための、全社共通の決まりを制作しておりました。

そのような状況でしたので、遵守を呼びかける立場の会社が、ステマで炎上している企業の人間を、リクルーティング活動で登壇させることは不適切ではないかと考え、その点を人事局に申し出たという経緯になります。当時この議論、プロセスについては、私だけではなく上長を含め、周囲の人間と相談しながら行っております。

後日人事局の担当者から、「ステマで炎上しているのは事実だが、彼女が勤めている会社もWOM協議会に参加しており、ガイドラインの遵守を認識しているので、問題はない」との見解があり、私もこの要請を取り下げ、実際に彼女が登壇される結果になりました。

●当時、大学生だったインターンカンヌ国際広告祭まで連れて行き、社内で問題視されたとの証言がある。これは事実か。

続く ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 、回答の最後を以下のように締めくくっている。

「繰り返しですが、彼女を傷つけ辛い思いをさせたこと、今日まできちんと謝罪できなかったことを、ただただ申し訳なく悔やんでおります。傷つけた方に心から謝罪致します。本当に申し訳ありませんでした」

●回答をみて、はあちゅうさんの反論

岸氏の回答を受けて、BuzzFeed Newsは改めて、はあちゅうさんに話を聞いた。 まず、岸氏の回答の中で、性的関係の要求を否定している点について、「体も使えないのか?」などの性的な発言があったことを繰り返した上で、こう述べた。

部屋のワークスペースにはベッドもあり、なぜかパジャマ姿で出迎えるときもあった。そもそも一緒に仕事をしていないにも関わらず、私だけ部屋に呼び出したのはなぜなのかわかりません」

さらに登壇妨害について、「当時、彼女が電通退職後に勤めていた会社は、この時ちょうど、ステルスマーケティングの類で、何度か炎上騒ぎを起こしておりました」(岸氏)との説明に対しては、炎上騒ぎは、はあちゅう氏の入社前のことであり、時期が異なることを指摘した。

その上で、次のように話す。 「BuzzFeedさんへの通達なしに先手を打つかたちで岸さんがご自身のメディアで文章を公開したことに関しては、謝罪よりも保身の意図を強く感じ、非常に残念に思っています。岸さんに対しては、特にお伝えしたいことはありません」

「ただ、こういった文章が一方的に公開されたことで、当事者同士で、すでに片が付いたことだと傍目に認識されるのであれば、これほど悲しいことはありません」

岸さんの文章は、数年に渡るセクハラ・パワハラがまるで友人、先輩としての立ち位置からの行き違いであったかのように印象を操作するような表現でしたが、実際に私が体験したこととはかけ離れています」

「今回、自分の今後の活動や人間関係への影響も考えたうえでこの件を実名で明るみに出そうと思ったのは、こういった方が業界で権力を持ち続けることで、人知れず泣き寝入りする女性が私以外にこれ以上増えないでほしいという思いからです。不正なことを正す動きが世の中に広がることを心から願っています」

●高橋まつりさんも性的な要求をされて亡くなった?

2015年10月に過労自殺した高橋まつりさん(当時24)。高橋さんは亡くなる前、Twitterにセクハラ・パワハラがあったとも思える内容を投稿していた。

「私の仕事や名前には価値がないのに、若い女の子だから手伝ってもらえた仕事。聞いてもらえた悩み。許してもらえたミス。程度の差はあれど、見返りを要求されるのは避けて通れないんだと知る」 「男性上司から女子力がないと言われる、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である」

セクハラ・パワハラに甘い企業体質があるのではないかという批判は、この時にも出た。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

●●電通の対応はーー無責任な電通

BuzzFeed Newsは電通に「セクハラやパワハラがあったか認識していたか」「男性社員が相手の意に反して、女性社員を自宅に呼び出すことは問題行為であると認識しているか」などの回答を求めた。

12月14日、広報部名義で以下の回答があった。 ①岸氏は既に退職しているので、電通で答える立場にありません。 ②社員に関することは、個人情報であり、社として一切申し上げられません。 今後もセクハラ、パワハラに関しては厳しく指導してまいります。

●「#metoo」の動きについて

世界に広がる「#metoo」の動きについて、はあちゅうさんはこう話していた。

「背中を押された気持ちになりました。岸さんのセクハラの話はもともと公に公表する勇気がなく、友人への個人的な相談のつもりでした。その方が『この話は公にするべきだ』とBuzzFeedさんをご紹介いただきました。 ご紹介いただいた時点では、公表することで負う傷は、彼よりも私のほうが深いと思い、勇気が出ませんでした」

「何の後ろ盾もないフリーランスの私が、こういったことを訴えると、普段お仕事をしている相手にも迷惑をかけてしまうし、まるで復讐をしているみたいで、パブリックな印象も悪くなる。また、私の書いている本やコラムもまっすぐな気持ちで受け止めてもらえなくなる可能性もあるし、最悪、お仕事もなくなるだろうと思って迷いました」

「けれど、#metooのハッシュタグを見て、『これは私が受けてきたことと同じだ』と思えるストーリーをいくつも見つけ、みんな同じように苦しんでいて、みんな勇気を出しているのだから、自分が公表することで、今苦しんでいる誰かが『私も公表しよう』と思ってくれるのではないかと思いました」

いま性的被害に悩んでいる人に向けて

最後にいまハラスメントを受け、悩んでいる人に向けて、はあちゅうさんはこう語る。

「私の場合、自分が受けていた被害を我慢し、1人で克服しようとすることで、セクハラやパワハラ被害のニュースを見ても『あれくらいで告発していいんだ…私はもっと我慢したのに…私のほうがひどいことをされていたのに…』と、本来手をとってそういうものに立ち向かっていかなければならない被害者仲間を疎ましく思ってしまうほどに心が歪んでしまっていました」

「けれど、立ち向かわなければいけない先は、加害者であり、また、その先にあるそういうものを許容している社会です。私は自分の経験を話すことで、他の人の被害を受け入れ、みんなで、こういった理不尽と戦いたいと思っています」

「私はこうやって声をあげるまでに、7年かかってしまいましたし、その間、ずっと『彼のことを許せない私が悪い』『忘れられない私が人間的に未熟なのだ』と自分を責め続けていました。

BuzzFeedの記者さんに話を聞いてもらい、『それはセクハラであり、パワハラでもあります』と言ってもらえて、やっと心が楽になりました。

これからはちゃんとした視点で世の中が見られるようになると思います。自分が我慢すればいいと思うと、他の人の苦しさも受け入れられなくなってしまいます。

『私は我慢していたのだから、みんなも我慢すればいいのに』と私のように心が歪んでしまう前に、どうか、身近な誰かに相談してみてください」

「こういう訴えをした私が、この後どうなるのか。恐れていたように、印象が悪くなって仕事がなくなったり、面倒な人扱いされてしまうこともあるのかもしれませんが、捨て身の必死の訴えが、届く人に届けば、少しでも世の中が良い方向に変わってくれるかもしれません。そう願っています」


BuzzFeed Japanはこれまでも、性暴力に関する国内外の記事を多く発信してきました。Twitterハッシュタグで「#metoo(私も)」と名乗りをあげる当事者の動きに賛同します。性暴力に関する記事を「#metoo」のバッジをつけて発信し、必要な情報を提供し、ともに考え、つながりをサポートします。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 関連記事

日本でも広がる「#metoo」 しかし、勘違いしないでほしい 「告発しない、できないあなたが弱く愚かであることを意味しない」 2017/12/18 17:43

この記事の一部

はあちゅうさんの告白をきっかけに、自らの体験を記す人もいる。 政治アイドルの町田彩夏さん。電通の選考を受けていく中での体験を告白した。

●著名人も声をあげている。ぼくのりりっくのぼうよみさんがツイート。 起業家の関口舞さん。過去にカウンセリングを受けていたことを明かし、悩んでいる人に専門家への相談を勧めた。

関口舞 Mai Sekiguchi @mai_D_mai 志望企業の役員に面接と称してホテルに連れ込まれそうになったり、起業してからは取引先の社長との恋愛関係を断って契約を白紙にされたり、色々ありました。私は自分だけでは抱えきれなくてカウンセリングを受けたことがあります。悩んでいるみなさ… https://t.co/oT2MuJuDYC

●広がる「#metoo」。しかし、決して勘違いしないで欲しい。 「告発した人は強く勇敢だ。でもそれは、告発しない、できないあなたが弱く愚かであることを意味しない」

BuzzFeed Japanが考える「#metoo」は「声をあげて」と促すものではありません。「#metoo」と名乗りをあげる当事者の動きに賛同し、ともに考え、つながりをサポートするものです。性暴力に関する記事を発信し、必要な情報を提供していきます。

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【人民新聞弾圧】問題

編集長をかえせ!神戸地検・生田署抗議行動 https://jimmin.com/2017/12/12/ikuta-police-station-protest

約40名が参加、勾留中の部屋へ呼びかけ

特集記事2017年12月12日

12月12日、前日に本紙編集長を不当起訴した神戸地検に対する緊急抗議および身柄勾留中の兵庫県警生田署に対する抗議・本人への激励行動が取り組まれた。

地検前には約20名、生田署前にはきつい冷え込みのなか約40名が集まり、まず表側で弾圧の不当性に対して怒りのアピールを行った。そののち、勾留中の部屋に面している警察署裏手へ回り、順番にマイクを回して編集長への激励を行った。

解放されるまで、今後も継続的に抗議行動を行う予定である。(編集部)

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●福岡市民救援会の声明

人民新聞社弾圧に抗議する声明

 12月11日神戸地検は,人民新聞社編集長を詐欺罪にて起訴した。他人に利用させる目的でキャッシュカードを詐取した容疑という。「他人に利用させる目的」をどのようにして立証するつもりなのか。当初は,起訴するつもりもないのに「見せしめ的に」な逮捕・勾留かと甘い期待も持たせた。同じく、「自動車のリース契約を他人名義でした」とでっち上げた「詐欺罪弾圧」が、ここ福岡でも画策されたが勾留期間満了により釈放されたケースが起こったばかりであるからである。  しかし今回は、権力は一線を越えた。起訴という長期勾留を狙った本格的弾圧である。

 安倍政権は、特定秘密法を強行制定し、マスコミを萎縮させ、マスコミも自主規制、或いは忖度し、政権批判の矛先を鈍らせてきている。日本の報道の自由度は、180国中72位,G7中最下位の7位にまで落ちている。これに比して,人民新聞社は政権批判を続けている。

 このことが安倍政権にとって、目の上の瘤と映ったに違いない。少数といえども,人民新聞社は報道機関である。この報道機関に対して、編集長を逮捕-長期勾留し、発送名簿からパソコン全て押収した今回の弾圧は、まさに報道機関潰しを目的としたものである。

 市民の知る権利を奪い,表現の自由を侵害する今回の弾圧を決して許してはならない。今回の弾圧は、一人人民新聞社のみにかけられた弾圧ではなく、報道機関全てにかけられた弾圧であり、引いては私たち市民一人ひとりにかけられた弾圧である。

 安倍政権の今回の弾圧に対して,断固として抗議の声を挙げるものである。

 上、声明する。

 2017年12月12日

          福岡市東区箱崎3丁目33番10-402号

          福 岡 市 民 救 援 会            電話・FAX 092-651-4816

詩織さんレイプもみ消し事件の山口敬之(やまぐち のりゆき)が、逮捕された社長と結託していた

悪い人間がつながっているという話であると同時に、安倍政権に食い込んだ利権の構図の一つということ。

スパコンベンチャー起業「ペジーコンピューティング」(以下ペジー社)の齊藤元章社長経産省所管のNEDOから助成金を詐取した容疑で東京地検特捜部に逮捕された

●この男はNHK番組でも持ち上げられていた  安倍人脈関係? 斉藤元章容疑は12月11日放送予定のNHK番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」にスーパーコンピューター開発の重要人物として出演する予定だったが、今回の逮捕を受けてNHKは番組の放送を見送ることにした

岩田解説委員が安倍の御用記者でのさばっているNHK

●官邸御用ジャーナリストで、詩織さん準強姦疑惑の渦中にある山口敬之が、実はこの詐欺男斎藤社長と非常に近い関係でかかわっていた。

●山口が生活の拠点にしていた永田町ザ・キャピトルホテル東急内の高級事務所が齊藤社長から提供されていた 月額賃料にして68万〜240万円で平均130万円もの高級ホテル内の事務所

f:id:hiroponkun:20171220030701j:plain

●山口と齊藤社長が一緒に財団法人「日本シンギュラリティ財団」を設立していた

設立年月日は2016年3月9日で。山口氏が代表理事、齊藤社長が理事 山口氏がTBSを退社する同年5月よりも前からの付き合い。 TBSを辞めた際にも地位を与えられる約束で動いていた。

齊藤社長が講師として招かれたセミナーに山口も参加し、i,氏はの席で「齊藤さんの技術は日本と世界を根本的に変えてしまう。彼が提唱するヴィジョンを皆が理解しなければならない。その発信などを手伝っているんです」などと語っていた。

●この財団には実体がないペーパー団体

日本シンギュラリティ財団は検索しても公式HPがない幽霊団体

謄本に記載されている財団の所在地は、恵比寿の高級住宅地の一角で、山口氏の母親が住んでいる山口の実家で、普通の一軒家。山口」の表札。母親は「財団? 私は何も知らないんです」という。 財団の評議員には山口氏の父親の名前もある。

●斎藤が山口に近づいた理由  安倍人脈

齊藤社長が、スパコンがまったく専門外の政治記者である山口氏になぜ近づいたか、恩恵を与えたのか。 それは、山口が安倍首相や麻生太郎財務相などと非常に近いから。

2016年安倍御用ジャーナリストランキングでは1位が田崎史郎時事通信社特別解説委員)だったが、2位が山口敬之(元TBS記者)。それぐらい、政権に近い人物

齊藤社長は山口氏以外にも櫻井よしこという「安倍首相に近い保守人脈」と接点。 齊藤社長は産経新聞社の右翼タカ派雑誌「正論」17年2月号でスパコン中国打倒論を展開 「スパコンの能力=国力」だからとあおって自分の事業を売り出していた

”齊藤社長は、ネトウヨ御用達の「文化放送チャンネル桜」の取材にも応じていた

元経産官僚の古賀茂明は田中龍作の電話取材に「経産省内では、齊藤(容疑者)のペジー社と言えば麻生案件か甘利案件と言われている」と明らかにした。

その結果、斎藤が社長のペジー社団がNEDO等から巨額の補助金を得た。

その金額は35億円

8年間の合計) それ以外にも齊藤容疑者が役員を務める複数の会社も、NEDO文科省所管の別の国立研究開発法人から助成金や融資を受けていた

NEDOを所管する経済産業省によると、同社には10年以降、五つの事業で助成金が出されている。 12月17日朝日新聞報道では、斎藤容疑者関係のスパコンに出された公的資金は100億円を超えるという。

ペジー社は社員がたった20人の会社で、設立半年で多額の補助金を得たのもおかしい。斎藤らのスパコン技術も実用性には乏しいといわれている。これら多額の補助金の成果も明らかではない。 ,

斉藤容疑者は15年に文科省から 純国産のスパコンを短期間で開発したとして、産業界で活躍する人材に贈られる「日本イノベーター大賞」を受賞した。

2016年には、政府のAIによる経済再生をテーマにした有識者会議の委員になる

2016年7月にはペジー社と理研が共同開発したスパコンを麻生財務相が視察

権力とべたべた、利権の典型  モリカケとも通じる問題

●逮捕容疑

NEDOから技術開発を支援する助成金を得る際、事業費を水増しして約4億円を騙し取った疑い 国税局も捜査に入っており、税金をめぐる問題もある

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●右翼番組『報道特注』での山口

レイプ問題の渦中にあって隠れていた山口が10月28日に放送されたこの右翼番組で「復帰」  セカンドレイプ発言 自分を正当化し、詩織さんを批判 、「もし(レイプ問題を)知らない方がいたらネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などとネタにし、会場のグロテスクな笑いを誘っていた。

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極右の番組に安倍首相が出たがっているし、閣僚がみな見ている

情報紹介

ネット右翼から熱い支持を受けているデマ、ヘイト、セクハラだらけの番組ネット番組『報道特注』

 司会の生田よしかつ氏(築地市場のマグロ仲卸三代目)のもと、自民党広報副本部長の和田政宗参院議員、最近も「朝日新聞、死ね」ツイートや「犯罪者」発言で話題の日本維新の会足立康史衆院議員、経済評論家の上念司氏というレギュラー陣が、しばしばアルコールと見られるグラスを傾けつつ、デマと陰謀論丸出しでマスコミや野党をバッシングしまくっている番組

準レギュラーには、作家の百田尚樹氏やレイプ告発を受けている安倍官邸御用ジャーナリスト・山口敬之氏

レイプ問題で雲隠れしていた山口氏は、10月28日に放送された『報道特注』の「第一回ファンクラブ公開収録」に参加。そこで、自分を正当化、詩織さんを批判

●こんな低品質下劣なものに安倍晋三が出演を熱望している

 安倍首相は、自民党番組で、「報道特注、報道特注」とい、平議員は「総理、知ってるんですか、『報道特注』!」ときいた。生田氏も大声で「恐れ入ります!」と感激 f:id:hiroponkun:20171220023933p:plain

安倍首相は「(『報道特注』を)見ました。うちの女房が見せてくれてね」。これにスタジオは大盛り上がりで、平議員が「もし総理、よかったら『報道特注』出てもらって」と言いだし、生田氏も「ありがとうございます!」と渇望。すると安倍首相は笑いながら、画面外を指差して、こう言うのだ。 「ちょっと、ちょっと秘書官がね、難しい顔するんです(笑)」

平議員らが「(今井秘書官が)首を横に振ってますよ!」などとガヤガヤ言うのを静止するように、安倍首相はこう声を張り上げたのである。 「私は、私は、私は! 『報道特注』出たいんだけど!(でも今井が)ちょっととか言ってね(笑)」  

●過去の『報道特注』の内容

 足立議員「蓮舫さんがね、日本人じゃないとは言わないけど、日本人じゃないと思うんだけど(笑)。彼女たちの言ってる言動の中身は、あたかもね、外国政府の言っていることとほぼ符号してますからね」  和田議員「(沖縄の基地反対派の)テントに行くと、辺野古のところは辺野古の人ひとりもいないですからね!」

 他にも、「蓮舫は戸籍を見せろ」とか「辻元生コン祭り」とか「加計問題はマスコミの偏向」とか、そういう紹介する価値すらないヘイトやデマ、陰謀論を毎回飽きずに垂れ流している。

 誹謗中傷やセクハラ発言も全開だ。たとえば、テレビ朝日の『朝まで生テレビ!』について「田原総一朗ってやばくね? 入れ歯フガフガしてる」(生田)、「まあ(三浦)瑠麗ちゃんはカワイイからいいですよ」(足立)、「アレ(=三浦瑠麗)も育てていかなきゃいけない」(和田)とか、笑いながら散々下品なミソジニー的言辞を連発していた。

「官邸の秘書官も、ほとんどすべての人が『報道特注』見てますし。で、主要閣僚も『報道特注』見てますよ」

●安倍首相が好むのは右翼低劣番組

そこまで言って委員会NP』 『情報ライブ!ミヤネ屋』 AbemaTVの見城徹幻冬舎社長の番組『徹の部屋』に出て、さんざんヨイショされて心地よくなっていた 世界の流れ、外国も含めたまともなメディの意見には耳を傾けることができなくなっている

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 私のコメント

三浦瑠麗氏も、こういう右翼に好まれる自分の立ち位置や自分の言説を恥じるべきだろう。時分は右翼ではないという主観は関係ない。誰に好まるかで本性が出る。

慰安婦問題 あきれるような感性

デヴィ夫人が妄言

人間としてのまともな感性がない人だから、こんなことが書ける

デヴィ夫人が"従軍慰安婦"を斬る「韓国人はなぜ自国の恥歴史を広める?」 2014.10.08 07:30 「 現在、生き残っている慰安婦の方の証言というものを読みましたけど「警官に手を引っ張られて連れていかれた」という、なんでもない内容でした。ほかにも、慰安婦は兵隊さんよりいい給料をもらっていたとか、慰安婦のほとんどがそういう行為を職業としていた“プロ”だったとか、占領した土地の一般女性たちを守るという意味合いがあったのだとか、いろいろな意見や見方があります。」

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大阪市長 吉村氏は「慰安婦像が公有地に置かれるなら姉妹都市関係を見直さなければならない」との抗議文を送り、その後関係を解消した。

●それに対してサンフランシスコ市のエドウィン・リー市長が吉村市長に書簡を送り、関係解消について「恥ずべきことだ」と批判した。  リー市長は返信の書簡で「姉妹都市が解消されれば、これまでに情熱を注いで友好の懸け橋を築いてきた両市の住民を傷つける。過去ではなく未来を見るべきだ」と記した。また、「選挙で選ばれた者として、批判を受けようとも、コミュニティーに応えるのが私の責務だ」と書いた。

●安倍首相、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相に日韓合意の履行要求

 韓国側の意見は報道されないというこの偏り

●韓国で、故吉田清治氏が韓国中部天安(チョナン)に建立した謝罪碑を書き換えたとして、元自衛官の奥茂治氏(69)が公用物損壊罪などで在宅起訴された。奥氏は出国禁止措置をとられ、韓国に滞在中。奥氏は今年3月、吉田氏の長男の依頼を受け、謝罪碑の上に「慰霊碑 吉田雄兎(ゆうと)(吉田氏の本名) 日本国 福岡」と韓国語で記した別の碑を張り付けた。

またその書き換えを依頼した吉田氏の長男も教唆罪で在宅起訴された。だが日本にいるので出廷の意思はないとのこと。

 

すなおに「こう見ることもできる」という話

日本のメディアや政治の偏りを明らかにするために、このように見る意見も素直に受け止めることも必要でしょう。 どんな政治的声明にも、その裏があるとしても。

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坂井貴司です。  フェイスブックからの転載です。

 朝鮮民主主義人民共和国外務省は、トランプ大統領エルサレムを正式にイス ラエルの首都と認定したことに対して、パレスチナ人民を踏みにじる暴挙である と声明を発表しました。そして共和国はパレスチナ人民に確固たる支持と連帯を 表明する、としました。

 日本のマスコミやネトウヨは、この声明の中の「老いぼれ」という単語だけを 大きく取り上げて、「汚い言葉で米国大統領を罵るならず者国家」と叩いていま す。

 「老いぼれ」と言われて当然の暴挙を行ったのはトランプ大統領の方です。ア メリカ歴代の政権で最もイスラエルよりと言われたクリントン大統領でさえ行わ なかったエルサレム首都認定をやってしまいました。世界中で戦乱が起こるよう なことをしました。  これを非難する朝鮮民主主義人民共和国の態度は当然のことです。  そして、我らが安倍首相は何も言っていません。憂慮するという声明すら出し ていません。これがパレスチナを始め、アラブ諸国イスラーム世界から失望を 買っています。  どうも安倍首相はエルサレム首都認定を黙認する腹づもりです。  朝鮮民主主義人民共和国拉致問題や人権侵害を声高に非難するくせに、イス ラエルがパレスチナ人に対して行っていることには何も言わない安倍首相です。

 以下が共和国の声明です。

 なお、共和国はエルサレムとは言わず「クドゥス」と呼んでいます。  イスラーム教やキリスト教を信仰するパレスチナ人の言葉であるアラビア語で、 「聖地」という意味です。  ここにも、パレスチナ人を尊重する共和国の態度が現れています。

 これも日本人が知らされていないことですけれど、朝鮮民主主義人民共和国は、 一貫してパレスチナ解放闘争を支持し、支援してきました。

 いち早くパレスチナ解放機構PLO)を、パレスチナを代表する国家組織である と承認し、平壌PLOの大使館を設置しました。PLOに対して資金や物資を送りま した。PLOに武器を供与しました。共和国で軍事訓練を行ったことがあります。パ レスチナ人難民への援助も行いました。インティファーダを支持しました。  それで故ヤーセル・アラファトPLO議長が平壌を訪問して、故金日成主席と固く 握手したことがあります。

 共和国は、イスラエルのガザ、ヨルダン川西岸占領、イスラエル軍の支援のも とで起こったサブラ・シャティーラ虐殺事件を激しく非難してきました。イスラ エルのゴラン高原併合も認めていません。

 国連加盟後は、パレスチナ暫定政府のユネスコ加盟に尽力しました。イスラエ ルを弾劾する決議案の採択を常に支持しました。

 ですからパレスチナ人の朝鮮民主主義人民共和国に体する評価は高いものがあ ります。

(ここから)

朝鮮外務省代弁人がクドゥスをイスラエルの首都に認めた米国を糾弾

平壌12月9日発朝鮮中央通信】朝鮮外務省のスポークスマンは、米国がクド ゥスをイスラエルの首都に認めることにしたことで9日、朝鮮中央通信社記者の 質問に次のように答えた。

クドゥスをイスラエルの首都に認めて米大使館をクドゥスに移すことにした米大 統領トランプの決定は、国際的合法性と国際社会の一様な意思に対する公然たる 無視、冒とくとして、世界的な糾弾と排撃を受けて当然である。

クドゥスの地位問題は鋭敏な問題として当然、パレスチナ人民の民族的権利の回 復と中東問題の包括的で恒久的な解決を通じて公正に処理されるべきであろう。

神聖な国連舞台で一主権国家の「完全破壊」を言い散らした老いぼれ狂人である と思えば、今回の措置が別におかしいことではないが、これを通じて世界は果た して誰が世界の平和と安全の破壊者であり、国際社会のならず者であるのかをよ く分かるであろう。

米国に対する期待を捨てられずにいる一部の国も、米国の正体をはっきり知るこ とになったであろう。

米国は、自分らの無謀な専横によって中東地域に招かれる緊張と不安定の結果に 対して全責任を負うことになるであろう。

われわれは、自主、平和、親善の対外政策的理念から米国の今回の措置を強く糾 弾するとともに、自分の合法的権利を獲得するためのパレスチナ人民をはじめア ラブ人民の正義の偉業に確固たる支持と連帯を表す。---

宋神道(ソン・シンド)さん、なくなる

「オレの心は負けてない」の宋神道(ソン・シンド)さんが、12月16日逝去されました。

紹介しておきます。

***

日本在住の朝鮮人慰安婦」被害者として唯一人、日本政府を相手に謝罪と賠償を求めて提訴した宋神道(ソン・シンド)さんが、12月16日午後2時、東京都内で老衰のため逝去しました。11月に95歳の誕生日を迎えたばかりでした。

 宋神道さんは、1922年に朝鮮の忠清南道で生まれ、満16歳の時(1938年)、騙されて中国中部の武昌の慰安所「世界館」に連れて行かれました。その後、漢口を経て、第11軍司令部のあった岳州に移動し、咸寧で日本の敗戦を知りましたが、行く宛もなかった宋さんは「結婚して日本に行こう」という日本軍人の言葉に騙されて日本に渡ってきました。

1946年春、引き揚げ船で博多港に着くと、その軍人に突き放され、宮城県女川町在住の在日朝鮮人男性に救われて、その男性が亡くなる1982年まで共に暮らしました。

1993年4月、東京地裁に提訴。2003年3月、最高裁は上告を棄却、敗訴が確定しました。

 10年にわたる裁判を記録したドキュメンタリー映画「オレの心は負けてない」が2007年に公開され、「二度と戦争をしてはならない」という宋さんの訴えが深い共感と大きな反響を呼びました。映画は今も、各所で上映され続けています。 2011年3月の東日本大震災で被災した後、東京に移住しました。  葬儀は、在日の慰安婦裁判を支える会が密葬でとりおこないました。2018年2月25日にお別れの会を催す予定です。

2017年12月19日 在日の慰安婦裁判を支える会

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考える映画 『最低。』

この映画は見て考えてみたいと思います。 『否定と肯定』も観たいし。

以下紹介

映画『最低。』が光をあてた「女の子たちの決断」/【対談】瀬々敬久(監督)×紗倉まな(原作) エンタメ 2017/9/26 人気AV女優・紗倉まなの小説デビュー作『最低。』が映画化され、11月25日より全国公開される。メガホンを取ったのは、映画『64 -ロクヨン-』(原作・横山秀夫)で第40回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した瀬々敬久だ。同作は第30回東京国際映画祭コンペティション部門へのノミネートが決定しており、11月3日に発表されるグランプリの受賞が期待されている。作品に寄せる思いを、2人が初めて語り合った。 監督の瀬々敬久(右)と原作者で現役AV女優の紗倉まな ――映画化決定の一報と同時に、瀬々監督のコメントが発表されています。「ピンク映画で監督となってから30年近く、こういう小説と出会えたことを幸福に思います」。紗倉さんの小説とは、どのように出会われたんですか? 瀬々 プロデューサーに「こういう原作があるんだけど、映画にするのはどうかな?」って本を渡されたんです。僕は長いことピンク映画をやっていたので、AVの女優さんがAVのことを書いている、というところにまず興味がわきましたし、実際に読んでみると意外だなと思うところがいろいろあったんですよ。AVの話ではあるけれども、いわゆる「業界裏話」的な話にはしていないじゃないですか。家族とか友人とか、等身大の関係性の中でもがいている女性の話なんですよね。性愛とともにある日常、というか。

紗倉 私も女優を始める前は、「女優さんって普段どういう生活をしてるのかな?」って想像もしてなかったんです。この世界に入ってみたら意外と普通に暮らしている、人間味のある人がすごく多くて。お話を作る時も、そこを基盤にしたいなって思いは強くありました。 瀬々 紗倉さんよりずっと上の僕らの世代って、性愛が非日常だったんですね。性愛は向こう側で、日常はこっち側という世界観で生きていた。その頃作られていた映画や文学もそう。でも、最近は境界線があやふやになってきてるというか、日常の中に性愛っていうものが、アメーバのように入り込んできているじゃないですか。だって今や動画配信とかで、スマホでAVががんがん見られるわけでしょう。ピンク映画館に行かなければそういうものが観られなかった時代とは大違いですよ。 紗倉 確かに! 今はセックスが日常とは別ものって感じはないんじゃないかな、と思います。 瀬々 そういう時代に生きている女性像が、『最低。』には描かれていた。そこが面白いなと思って今回、監督をやらせてもらったんです。あとはね、若い女性が書いたわりにはっていう言い方もヘンだけど、根底にほの暗いものがある。文章も、乾いてますよね。 紗倉 ぱさついた感じというか、ささくれ感が……(笑)。 瀬々 そうそう(笑)。それがいいなと思ったんです。だって、そんなに人生って調子いいことばっかりじゃないじゃないですか。基本的にはみんな、ほの暗いものを抱えて生きているわけであって。 紗倉 映画を観ていてすごく嬉しかったのは、自分の文章の色味みたいなものに寄り添ってくださったのを感じたんです。『最低。』を読んで、あのお話がどんな色味でどんな体温かっていう感じ方って、答えがひとつじゃないじゃないですか。でも、自分の感覚にはぴったりきて、「私の書いた言葉がそのまま実写になった」って感じたんですよ。 瀬々 どんな小説でも、映画にする時の方法論は同じなんです。作品が持っているムードってあるじゃないですか。それをなるだけ感じ取って映画に移し替えることが重要なんじゃないかなあって。 映画『最低。』のワンシーン。元AV女優の母親役を高岡早紀が、 その娘を新人の山田愛奈が演じる ■原作にはなかった起承転結の「結」を描く ――原作は全4編の連作形式で、4人のヒロインそれぞれの物語が紡がれています。映画では1人少ない3人のヒロインの物語が同時並行で、シャッフルしながら進んでいくかたちですね。 瀬々 原作とは違うなって感じたでしょう? 紗倉 いえ、むしろ原作以上に素敵なものを作っていただけたって気持ちが大きいです。さすが瀬々さんというか、ありがたいなぁと思ったのは、私のお話って性描写がそんなに多くなかったと思うんですけど、映画の中ではたくさん描いてくださっていたじゃないですか。AV女優という職業の生き様もちゃんと、カメラで映してくださっていました。 瀬々 映画で軸になったのは、〈美穂〉だったと思うんですよね。1人の主婦が冒険をして、一歩踏み越えてAVの世界に入っていくお話じゃないですか。〈彩乃〉は最初からAV女優だし、〈あやこ〉はAV女優をしていた母の子ども。そういう意味では、〈美穂〉が観客にとって一番共感しやすい立ち位置なのかなと思うんです。だからこそ、踏み込んでいった世界もちゃんと描いていかないといけないし、美穂がどう思っているのか、性愛シーンの顔とかもちゃんと撮ろうと思ったんです。 映画『最低。』より。専業主婦の美穂(森口彩乃)は夫の健太(忍成修吾)の前で5年ぶりに裸体を見せる 紗倉 映画の中の光も印象的でした。〈美穂〉が乗ったタクシーの中から見える夜の東京の風景とか、本当にきれいで! 瀬々 映画の中では、東京の象徴として東京タワーを結構出しているんですよ。原作でも、東京って重要な要素になっていますよね。東京、イコールAV、イコール労働という感じで。そうだ、ひとつ聞きたいことがあって。原作の短編が4つとも、「起承転」で終わってるなって思ったんです。「結」がないんだよね。これはどうして? 紗倉 「終わらなくてもいいな」って、書いている時に思っていたんです。「お話を書いている」という意識もあったんですけど、「日常の断片を切り取ったものが小説だ」って、私の中で思うところがあって。それぞれの登場人物の人生の中で、決定的な瞬間だったり、残しておきたい瞬間だけを自分がかいつまんで書く、という意識のほうが強かったんです。

瀬々 『最低。』って実は、芥川賞直木賞かって言ったら、芥川賞向きだよね。二作目の『凹凸』もすごく実験的な小説で、物語を書きたいっていうよりは、文章を書きたいタイプでしょう? 話の筋じゃなくて、描写で押していきたいタイプ。 紗倉 そうかもしれない!(笑) 瀬々 そこは原作の面白さだったんだけれども、映画にするうえでは、登場人物それぞれに結論を与えてやろうと思ったんです。もしかしたらね、世代の違いが大きいのかもしれない。登場人物たちがいろいろな関係性の中で、「転」で止まっちゃっているんだけど、やっぱり踏み込まなきゃいけないだろうと僕なんかは思っちゃうんですよ。「結」となるような決定的な出来事に向かって踏み込んでいかないと、いつまでたっても相手との関係性は変化しないと思うし、世の中で起きているいろいろな問題も解決しないと思ってしまう。 紗倉 映画を観て、女の子たちの決断がより濃く描かれているなって思いました。そこは私の文の中では描き切れなかった部分だったので、ありがたかったですし、観ていてめっちゃ泣いちゃったところだったんですよ。今日お話しさせていただいて、瀬々監督に『最低。』を撮ってもらえて、やっぱり本当に良かったなって思いました。 瀬々 いやいや、素晴らしい原作があってこそですから。僕のほうこそ、この映画が作れて本当に良かったです。 [プロフィール] ぜぜ・たかひさ●1960年、大分県生まれ。京都大学在学中より自主映画を製作、助監督を経て1989年『課外授業 暴行』で監督デビュー。ピンク映画で活躍後、一般商業映画へ。『64-ロクヨン-』で第40回日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞。『最低。』では小川智子とともに脚本も手掛けた。 さくら・まな●1993年、千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。2015年にはスカパー!アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。2016年2月、『最低。』で作家デビュー。今年3月には、小説第二作『凹凸』を発表した。 ◆映画紹介

映画『最低。』 監督:瀬々敬久 出演:森口彩乃佐々木心音山田愛奈高岡早紀 製作・配給:KADOKAWA 11月25日公開●女子高生のあやこ(山田愛奈)、人気AV女優の彩乃(佐々木心音)、日常に耐え切れず新しい世界の扉を開く美穂(森口彩乃)。それぞれの現実を生きる3人の物語がシャッフルされ、最後に辿り着く場所とは? ◆原作紹介

最低。紗倉まな 角川文庫 560円(税別) 釧路から上京し、人気AV女優として活動する彩乃。愛する男のためにAV女優として働く桃子。AV出演を決意した専業主婦の美穂。AV出演歴のある母親を受け入れられない少女、あやこ。4人の女性を巡る連作短編集が文庫化。14ページに及ぶ「あとがき」を収録。 試し読みはこちら⇒https://viewer-trial.bookwalker.jp/03/viewer.html?cid=e47aa5ae-dd2d-4f24-b710-819e792465f4&cty=0 取材・文:吉田大助 写真:飯岡拓也 (C)KADOKAWA 2017

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渡辺さんの「突然の「雇い止め」 58歳派遣社員の思いは」という記事が大注目

「ハフポスト」の記事

「3カ月更新の契約で17年勤務...そして、突然の「雇い止め」 58歳派遣社員の思いは

http://www.huffingtonpost.jp/2017/12/18/haken_a_23310240/

それがヤフーニュースでも紹介され大注目だそうです。

(↓ヤフーニュース)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171219-00010003-huffpost-soci